試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

モハ103-1214+モハ102-1210[ミツK6F] 青帯未更新車 車体改修 (側面窓セル窓サッシ印刷補修施工)

2018-09-25 21:40:46 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
三次形。

マイクロエース製JR103系1200番代モハ103-1214+モハ102-1210青帯未更新車(ミツK6F:Tc1204)が入場した。
現状は改修前のモハ103-1211+モハ102-1208,モハ103-1210+モハ102-1207(ミツK6F)に比べ悪い意味で勝るとも劣らない。
側面窓セル窓サッシ印刷の補修が1-3位側を主軸に置かれる点も同様となった。


JR103系1200番代モハ103-1214 青帯未更新車(ミツK6F)。

西船橋寄から3ユニット目のモハ103-1214+モハ102-1210はモハ103-1203+モハ102-1202(旧ミツK9F)を改番した。
2本の旧ミツK9F(Tc1201:7両編成)を組み換え10両編成化した際の記録は殆ど残されていない。
改番種車までは突き止められたがどちらの旧ミツK9FがミツK6Fに異動したか不明である。
結果的にモハ103-1214とモハ102-1210では窓サッシ補修の規模が異なった。
元モハ102-1202を種車とする車両はモハ102-1207とモハ102-1210が該当する。
今入場で最低1両は2編成の旧ミツK9Fから改修を終えた事になる。
旧ミツK9Fの何れかは余り印刷状態が芳しくなかった可能性があると思えたが深読みし過ぎであった。


入工中のモハ103-1214。

先発入場はTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)に換装されたモハ103-1214を選択した。
マイクロエース製パンタグラフの廃止試行工程では3順目に入場した車両である。
モハ103-1211,モハ103-1210はパンタグラフ取付脚の細径化が基本に据えられていた。
しかし作業効率が悪くモハ103-1214より屋根板取付孔の拡幅へ一本化を図っている。
取付孔の拡大はΦ1.0mmからΦ1.1mmへと僅かに太くなった。
流し込み接着剤を屋根板裏面に塗布しTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフを未加工で装着出来るよう改められる。
4順目のモハ103-1212で更に別手段を試行したが加工性と安定度を兼ね備えるモハ103-1214の方式が正式採用に至った。


両エンド用とも流し込み接着剤痕が残る妻面窓セル。

モハ103-1214は標準化されたマイクロエース製品に於けるTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装方式の始祖と言える。
後にJR103系1000番代ミツK8F(Tc1009),103系1200番代ミツK9F(Tc1203)へと波及した。
よってTOMIX製PS16R(PS21]形パンタグラフの経年点検はモハ103-1211,モハ103-1210よりも重要度が高まる。
通常使用の範囲内では十分な耐久性を誇っている。
ただ念には念を入れ各方面から固定具合を確認する。
分解は途中で躓く事を嫌い確実性を重視するモハ102-1207での方法へと改めた。
側面窓セルの撤去は側面行先表示器部を解いた後に引き抜く。
なお妻面窓セルは両エンド共に流し込み接着剤投入痕があった。
この様な車両は一連の入場で初となる。
但し機能を失った状態に変わりはなく早々に分解を終えた。


補修は不要だった窓サッシ(2-4位側)。

窓サッシ印刷の状況は1-3位側と2-4位側で異なった。
1-3位側は劣化が進行し剥き出しになったモールドが目立つ。
一方2-4位側はモールド断面の波打現象が中心で印刷自体はまだ銀色を保っていた。
各々付着した汚れをクロスで拭き上げる。
予想通り1-3位側の窓サッシ印刷は更に状態が悪くなった。
ところが波打現象が見られた2-4位側はささくれ状の印刷屑が無くなり引き締まった窓サッシに戻った。
意表を突かれたが印刷補修は1-3位側だけで構わなくなる好結果を得られている。




油性メタリックマーカーで修復された窓サッシ(1-3位側)。

1-3位側は全段が補修対象となる。
セルの露出が多発している中段窓サッシに対し下段窓サッシは斑点状剥離が主だった。
何れも油性メタリックマーカーで塗り潰す。
中途半端に残る印刷により中段サッシは若干の斑を生じさせたがそれなりの見附には戻せた。
施工前の状態が悪過ぎただけに余計そう思わせるのかもしれない。
ただ全て印刷再現が生き残った2-4位側窓サッシとの外観差には不安を抱いている。
妻面窓セルの窓サッシ印刷を確認し組み立てに移る。
最後に落とし込む1エンド側の妻面窓セルで最初の躓きに出会した。


天面を整形した妻面窓セル(1エンド側)。

1エンド側はゴム系接着剤で固定を図ってきたがモハ103-1214では塗布部が車体内側に接しない。
何度挑んでも状況は変わらず一旦引き返した。
記録に残していた2エンド側用妻面窓セルと見比べ原因を追求する。
すると一直線になっているはずの妻面窓セル天面に凸形のリブがあると判った。
ちょうど車体幕板の成形に支障する箇所だった。
リブをニッパーで切断したところ無事嵌合へと至る。
事前確認を怠ってしまったが入場前から1エンド側用妻面窓セルは傾斜していたと思う。
車体を組み立てTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフの点検に入った。
上昇姿勢は普段から中段より低目に設定している。
今回は耐久試験でありパンタグラフ取付脚に負荷が掛かる最上段まで引き上げた。


屋根板から浮いたTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ。

ここで二度目の躓きが待っていた。
十分に耐えられると思っていた取付脚の固定だったが最上段へ達すると同時に屋根板から浮き上がった。
ミツK8F以降マイクロエース製103系の新製投入は途絶えている。
しかしリリース次第では増備を考えておりパンタグラフ換装も踏襲する予定だった。
ここで現行換装方式があっさりと崩れ去ったのは予想外であった。
原因を探ったところ流し込み接着剤の投入量が疑わしかった。
メーカーによる流し込み接着剤投入痕以外に屋根板裏面の変質は見られない。
恐らく取付脚端部に触れる程度だったのだろう。
改めて流し込み接着剤を塗り直し固着を待った。
二度目の点検ではしっかりとした上昇姿勢を保ち一定の答を得られている。




モハ103-1214(TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ再固定施工)。


モハ103-1214(側面窓セル窓サッシ印刷補修施工:1-3位側)。

TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフへの換装は2015年5月施工と比較的早い時期に行われている。
現在とは流し込み接着剤を含め各種溶剤の使い方が異なっていた。
各々の特性を理解した今では簡単にパンタグラフが脱落するような投入方法はしていないと思う。
一瞬動揺が走ったものの耐久試験は行わない予定である。
但しミツK6Fの後にTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフへ換装したミツK8F,ミツK9Fは同様の措置が採られているかもしれない。
最上段まで上昇させる機会は無いが入場時には再固定を念頭に置いた点検としたい。
不安視された側面見附だったが誤差の範囲内で収まったと思える。
先に片側で未補修箇所の混在する車両が竣工していた。
これを考えれば当然の結果であった。


入工中のモハ102-1210青帯未更新車(ミツK9F)。

続いて入場したモハ102-1210は動力ユニット搭載車である。
前回入場は在籍するマイクロエース製動力ユニット搭載車一斉整備の流れに沿ったものだった。
折しも駆動不調に見舞われたため動力ユニット以外には一切手を着けていない。
まだ車体への手入れが不十分な時期であり改番後以降の取扱いはモハ103-1214と同等と言えた。
側面窓セルは全体的に曇りを帯びているため余計にその印象を悪くさせる。
窓サッシも灰色への変色や斑点状剥離が各所で見られ補修回避は最初から有り得ないと思える程だった。
分解時には妻面窓セル天面の成形を確認している。
モハ103-1214の組み立てで嵌まった直後だけに気を払った。
同様の車両が再び現れても予め対策を打てるよう習慣化したい。


全段の補修を行った窓サッシ。

側面窓セルの曇りはクロスで拭い去れた。
特に戸袋窓,側扉窓部は油膜が広がっており除去に苦戦している。
Hゴム支持再現に影響を与えると思われる溶剤は使えない。
そこでゴム系接着剤巻取用の爪楊枝を併用し掻き取りと拭き上げを並行して行った。
窓サッシモールドは1-3位側,2-4位側全てを油性メタリックマーカーで塗り潰した。
最早中段窓サッシのモールド踏み外しは当たり前になっている。
サッシ修繕が第一優先であり先ず均一に塗るよう心掛けた。
側面窓に付着したインクは時間を置いても綺麗に戻せる。
ただ思ったより大きい面積にインクが広がったためモールド断面清掃用爪楊枝とクロスを併用した。


試験的に工程へ加わった貫通幌固定化(2エンド側)。

窓セルの組付けは順調に進められたと思えた。
ところが竣工直前に2エンド側用妻面窓セルの浮きに気付いた。
既に組み立てを終えてしまい対処に困ったが妻面窓セル下部へ木工用ボンドを塗り込み対処した。
ミツK6Fの再分解時はモハ102-1210だけ作用点が異なるため注意が必要となる。
動力ユニットは本格整備以降一定間隔で定期点検を行っている。
そのため導電板等の劣化は殆ど進んでいない。
車体改修とは入場周期が合わず現状のままとした。
最後に貫通幌の固定化を思い付いた。
マイクロエース製103系の貫通幌は傾きが生じ易い。
都度修正は手間でありゴム系接着剤で固定を図った。
1エンド側:車体幌座,2エンド側:貫通幌への塗布とし比較を行う。
試行の結果次第では301系も施工対象になるだろう。




モハ102-1210青帯未更新車(側面窓セル窓サッシ印刷補修施工)。

モハ103-1214では窓サッシ補修が1-3位側に限定された。
全段補修が行われたモハ102-1210とは2-4位側の措置が異なりユニット間で施工差が生じている。
油性メタリックマーカーの発色度合いが幸いし両車で極端な差異は感じられない。
ここはモハ103-1214で得た感覚と同様だった。
入場前の激しい劣化を考えれば十分な内容だと思える。

ミツK6Fの改修はモハ103-1214+モハ102-1210を以てユニット単位での入場が打ち切られる。
クモハ102-1204,クハ103-1204(ミツK6F)は自らの失策が元で分解が憚られた車両だった。
今回ばかりは入場が避けられなくなり単独入場で対応する。
残されたモハ103-1212(ミツK6F)も独自のTOMIX製PS21形パンタグラフ換装が施された。
改修に併せモハ103-1214と同一方式に改める。
TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフの予備品が手元に無いため逆に単独入場が幸いすると思う。
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