試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-1204[ミツK6F] 青帯未更新車 側面窓セル窓サッシ印刷補修施工 ※尾灯用プリズム屈曲補修施工車

2018-09-28 21:45:03 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
解明。

2社混結で組成されるJR103系1200番代ミツK6F(Tc1204)青帯未更新車の改修はマイクロエース製クハ103-1204が最終入場車となる。
クモハ102-1204(ミツK6F)は尾灯用プリズム折損まで至らせたがクハ103-1204は一歩手前で止まった。
一応車体に収まるよう修正を図ったがライトユニットは今一つ収まりが悪いままである。


JR103系1200番代クハ103-1204 青帯未更新車(ミツK6F)。
※非ユニット窓。

ライトケースの安定を欠いてしまいクハ103-1204も前尾灯がちらつく症状に悩まされる。
尾灯用プリズムは車体への固定が施されておらずクモハ102-1204より修正に手間取った。
幕式運行番号表示器化までは入出場が多かったがそれ以降は床板の取り外しさえ抵抗を抱くようになる。
その後はJR103系1000番代ミツK8F(Tc1009),103系1200番代ミツK9F(Tc1203)への細工が相次ぎクハ103-1204の入場が途絶えている。
根本症状は異なるがミツK6Fの入場を妨げる要因でもあった。


入工中のクハ103-1204。

クモハ102-1204の改修でマイクロエース製クハ103形1000番台のライトユニットは分解不要と判明した。
まだ原形に近い尾灯用プリズムを持つクハ103-1204ならば本来の撤去方式が通用すると思える。
早速尾灯用プリズムを取り外さずにライトユニットの撤去へと取り掛かった。
導光部の位置都合が絡み屈曲させた尾灯用プリズムはクモハ102-1204と同じ運転台側である。
先に屋根板を撤去し運転台側尾灯部に余計な負荷が掛からないよう天地両方向を支えながらライトユニットを引き抜く。


上下一体で押し出せたライトユニット。

運転台側尾灯部の強度が落ちているため少しずつ前面から離す。
途中で妙な引っ掛かり感があったもののほぼ同時に6箇所の嵌合が解けた。
前照灯用プリズムと表示器用プリズムの分離はその気配すら感じられなかった。
改めて分解をせずともライトユニットが着脱出来るとの確認が行えている。
但し撤去した途端に車体しか支持部を持たない尾灯用プリズムが落下してしまった。
クハ103-1204も全て一体化を施した方が有利に思えた。
一度現物合わせを行った後に方向性を定める。


分解されたクハ103-1204。

妻面窓セルの撤去はクモハ102-1204に引き続き捻りを加え車体から分離している。
クハ103形1200番代には側面行先表示器が設置されているため妻面窓セルはモハ102-1210(ミツK6F)以降の手順を踏襲した。
側面窓セル窓サッシの印刷状況は両側に各症状が現れるクモハ102-1204並であった。
乗務員室扉窓サッシは生き残っていたが側面全段が補修対象に挙がった結果塗り潰しが決定する。
103系1200番代では窓サッシ印刷と油性メタリックマーカーの相性が良く部分補修に留める必要は無かったかもしれない。
上塗りで銀色塗料が保護される状態に等しく今後の改修入場で再検討を行う。


補修試行を施した靴摺 (1-3位側)。

クハ103-1204は窓サッシ以外に靴摺の銀色印刷も掠れていた。
車体への油性メタリックマーカー塗布は他社製品を含め施してこなかった。
靴摺モールドは比較的厚みを持ち踏み外しする事無く補修が行えそうに映る。
念のため車体内側で油性メタリックマーカーのインクが除去出来るか確認した。
若干時間を要したが元に戻せると判った。
ここまでして靴摺の修正に手を着けたものの肝心な効果は余り得られていない。
窓セルと車体は材質が異なるせいか予想より銀色が目立たず劇的な改善には至らなかった。
多少車体との色温度差が増しただけに留まったためクハ103-1204以外ミツK6Fでは手を出さない。
幸いクハ103-1204の状態を下回るマイクロエース製103系1200番代は存在しておらず無理に修正する必要は無いだろう。


木工用ボンドで固定した妻面窓セル (2エンド側)。

クモハ102-1204は全窓セルが取り外せた。
しかしクハ103-1204の前面窓セルは溶着されており脱落する気配すら感じられない。
入場前は上側ライトケース庇部に取り付けた快速表示器を前面窓セルへ移設する計画もあった。
これは成形都合から設置個所が無く断念に追い込まれる。
偶然クモハ102-1204で前面窓セルが外れたため確認が行えた。
仮に移設を行っていればクハ103-1204の工程は壁にぶち当たっていたと思う。
窓サッシ及び靴摺の補修を終え組み立てに戻る。
妻面窓セルの固定はクモハ102-1204から正式に木工用ボンドへ改められた。
一度車体に合わせた後に下側を斜めに倒しセル下部へ木工用ボンドを塗布した。
ゴム系接着剤とは違い固着までやや時間を要する。
この間にライトユニットの一体化を進めた。


一体化されたライトユニット。

ばらばらになったクモハ102-1204とは対照的にクハ103-1204のライトユニットは原形を維持している。
ライトケース後部の固定兼遮光用テープも劣化していなかった。
一応各々の分離に注意を払い下側ライトケース下部へゴム系接着剤を塗布する。
変形を抱える尾灯用プリズムだが再修正は折損に繋がりかねず手を施さず接着した。
屈曲修正部には蒸着処理の剥離が伺える。
入場前の時点で点灯照度低下は感じられなかったため補修当時の痕跡を残したままとなった。
同時に快速表示器を垂直へ戻し前面窓セルへの近接度を向上させている。
更に予めライト基板集電脚の角度を起こし台枠導電板との接触を高める対策を打った。
これで多少は安定点灯に近付くと思えたが結果はクモハ102-1204と同様の調整を迫られている。


ライトユニットの位置調整を待つクハ103-1204。

一体化を図ったライトユニットだが尾灯用プリズムは先端が揃わないままである。
そのため挿入は尾灯側を重視した。
先に運転台側尾灯取付孔へ先端を僅かに差し込み助士側取付孔を合わせる。
この位置を保ち前照灯用プリズム,表示器用プリズムが車体と揃う角度までライトユニットを起こす。
車体とライトユニットは大凡平行に至りそのまま均等間隔を維持しながら前面妻板へ密着させた。
尾灯用プリズムが原形に近いせいかクモハ102-1204に比べライトユニットの収まりは悪くないと思える。
前照灯用プリズムと表示器用プリズムの固定化も装着を容易にしてくれた。
後は床板の着脱を繰り返しつつ安定点灯を取り戻すだけになる。


クハ103-1204:[01K □ 中野]:快速表示器角度修正施工。

ライトユニットの位置調整はクモハ102-1204並に時間を割かれた。
台枠導電板やライト基板集電脚の研磨まで施したが結果には結び付かずに終わっている。
やはり前尾灯のちらつきは接触不良が原因だと思われた。
そこで台枠前端を導電板ごと持ち上げたところ症状が改善された。
全ては不良個所を抱えるライトユニットに問題があると考えていたが違っていた模様である。
この後敢えてライトユニットの位置を動かし床板を組み合わせる嵌合試験を続けざまに行った。
それでも不安定点灯は再発しない。
入場を憚らせていたライトユニットの撤去に続き前尾灯点灯改善対策まで見出せた。
予想だにしない展開であり今までの取扱いが無意味だったとも思わされている。


クハ103-1204 点灯試験[01K □ 中野]:前照灯(通電不良改善施工)。


クハ103-1204 点灯試験[01K □ 中野]:尾灯(通電不良改善施工)。


クモハ102-1204 点灯比較[01K □ 中野]:前照灯(尾灯用プリズム折損車)。

クモハ102-1204では不安を抱えたまま点灯試験に突入した。
しかしクハ103-1204は根本原因を把握できた直後だけに不具合が生じないものと確信があった。
想定通りに静態時,動態時とも安定した点灯を見せる。
追ってクモハ102-1204も運転台側台枠の矯正を行い将来的な問題を一蹴した。
なお前照灯点灯時に於ける尾灯への漏光はクハ103-1204が本来の仕様である。
両側点灯が気になるように見えるが実際には殆ど判らない。
ゴム系接着剤で導光強化を図ったクモハ102-1204の運転台側尾灯では遮られる光量しかなく気にする程ではないと思う。




クハ103-1204(側面窓セル窓サッシ印刷補修施工)。

クハ103-1204の竣工によりミツK6Fは全車改修が完了した。
難航すると思われたクモハ102-1204,クハ103-1204の分解だったが無事に切り抜けられた。
尾灯用プリズム折損車のクモハ102-1204が先に入場したためクハ103-1204は思いの外順調に作業を進められている。
ここは巡り合わせが幸いしたと言えよう。

老朽化が進んでいたミツK6Fは車体清掃まで施した事により大幅な状態改善に結び付いた。
遅きに失した感のある改修ではあった。
ただ下限へ達する前に入場が実現しぎりぎり間に合ってくれた。
在籍する103系1000番台は尾灯用プリズムに瑕疵を抱える車両が大半を占める。
今後は柔軟な対応が可能となったため積極的にマイクロエース製103系の改修を進める予定である。
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