試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

JR301系三鷹電車区K3F [Tc8] 青帯冷房改造車 後期仕様 LED式運行番号表示器編成

2019-08-26 21:33:41 | 国鉄/JR301系,103系1000番台
旧態依然。

第一次整備着手が遅れたマイクロエース製JR301系ミツK3F青帯冷房改造車後期仕様(Tc8)が出場した。
ミツK3Fは2006年1月リリースのミツK5F青帯冷房改造車(Tc2)から長い沈黙の後に現れている。
2011年11月にミツK2F青帯冷房改造車(Tc4)の再生産を挟んだが実質約13年7箇月ものLOT差が生じる珍しい増備となった。




JR301系ミツK3F 青帯冷房改造車 後期仕様 LED式運行番号表示器編成。
ミツK3F:[Tc8]-[M22]-[M'15]-[M23]-[M'16]-[T101]-[M20]-[M'14]-[M24]-[M'c8]。
◆ダミーカプラー交換,クハ301-8 ホース無ジャンパ栓納め化。

301系は1966年7月に製造が開始された国鉄初のオールアルミ車体形式であった。
交通営団東西線への相互直通運転用として103系を基本に設計が行われた。
走行機器はMT55主電動機が踏襲されたが自然通風式抵抗器と空気バネ式DT34台車,TR204台車への変更が特筆される。
形式は交通営団5000系7両編成に合わせた6M1Tとする必要からクモハ300形が興された。
◆ミツ--F:Tc1-M1-M'1-M2-M'2-M3-M'c1(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc2-M4-M'3-M5-M'4-M6-M'c2(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc3-M7-M'5-M8-M'6-M9-M'c3(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc4-M10-M'7-M11-M'8-M12-M'c4(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc5-M13-M'9-M14-M'10-M15-M'c5(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc6-M16-M'11-M17-M'12-M18-M'c6(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc7-M19-M'13-M20-M'14-M21-M'c7(1979/3)。
◆ミツ--F:Tc8-M22-M'15-M23-M'16-M24-M'c8(1979/3)。
当初の10両編成化は付属3両編成を増備する計画だったらしい。
しかし製造コスト都合や103系1200番代の増備へ移行した事もあり新製は見送られた。
1982年から実施された第一次10両編成化では7両編成6本が10両編成4本に組成変更される。
これにより301系は7+3編成:2本,10両貫通編成:2本,7両編成:2本の6編成体制に変わった。
7+3編成では運転台機能を停止したクモハ300-1(Tc1),クモハ300-3(Tc3),クハ301-4(Tc4),クハ301-5(Tc5)が中間組込車となった。
またモハ301-4+モハ300-3(Tc2)は電装解除の上サハ301-101,サハ301-102に形式変更され10両貫通編成へ異動した。
◆ミツ--F:Tc1-M1-M'1-M2-M'2-M3-M'c1+Tc5-M15-M'c5(1982/4)。
◆ミツ--F:Tc3-M7-M'5-M8-M'6-M9-M'c3+Tc4-M12-M'c4(1982/4)。
◆ミツ--F:Tc8-M22-M'15-M23-M'16-M13-M'9-T101-M24-M'c8(1982/4)。
◆ミツ--F:Tc7-M19-M'13-M20-M'14-M14-M'10-T102-M21-M'c7(1982/4)。
◆ミツ--F:Tc2-M10-M'7-M5-M'4-M6-M'c2(1982/4)。
◆ミツ--F:Tc6-M14-M'10-M15-M'11-M16-M'c6(1982/4)。
なお42両で10両編成化を行ったため端数が生じモハ301-11+モハ300-8(Tc4)は予備車に廻されている。
1982年4月現在の編成表ではまだクハ301-1(Tc1),クハ301-3(Tc3)が先頭に立っておりこの組成は短期間に限られたと思われる。
何時クハ301-5(Tc1),クハ301-4(Tc3)との号車振替が行われたかまでは突き止められなかった。
◆ミツ--F:Tc5-M1-M'1-M2-M'2-M3-M'c1+Tc1-M15-M'c5(1985/4)。
◆ミツ--F:Tc4-M7-M'5-M8-M'6-M9-M'c3+Tc3-M12-M'c4(1985/4)。
JR移行後は1989年の205系配置を契機に帯色が黄色5号から青22号へ改められ印象を新たにしている。
帯色変更と前後してSC24形インバータ給電式AU712冷房改造車化も開始される。
この最中には黄帯を巻いたままのAU712冷房改造車も見受けられた。
1991年に入ると第二次10両編成化が行われ5+5編成:2本,10両貫通編成:3本,5両編成:1本の6編成体制に再変更された。
長らく休車状態にあったモハ301-11+モハ300-8は営業へ復帰する。
代わりにモハ300-9(Tc8)がサハ301-103へ編入され元ユニット相手のモハ301-13は緊急予備車扱いとなった。
◆ミツK1F:[Tc5]-[M1]-[M'1]-[M3]-[M'c1]+[Tc1]-[M2]-[M'2]-[M15]-[M'c5](1997/4)。
◆ミツK2F:[Tc4]-[M7]-[M'5]-[M9]-[M'c3]+[Tc3]-[M8]-[M'6]-[M12]-[M'c4](1997/4)。
◆ミツK3F:[Tc8]-[M22]-[M'15]-[M23]-[M'16]-[T101]-[M20]-[M'14]-[M24]-[M'c8](1997/4)。
◆ミツK4F:[Tc7]-[M19]-[M'13]-[M11]-[M'8]-[T102]-[M10]-[M'7]-[M21]-[M'c7](1997/4)。
◆ミツK5F:[Tc2]-[M14]-[M'10]-[M5]-[M'4]-[T103]-[M17]-[M'12]-[M6]-[M'c2](1997/4)。
◆ミツK10F:Tc6-M16-M'11-M18-M'c6(1997/4)。
車両更新工事はミツK10F(Tc6)を除く5編成が対象となり1992年までに施工を終えた。
クモハ300形,クハ301形車両更新工事施工車は前面幕板の処理が変更され未更新車との識別点になった。
未更新車で残存したミツK10Fとモハ301-13(緊急予備車)は1997年7月,1998年1月の2回に分けて廃車された。
汚れの酷かった表示器類だが1998年から順次運行番号表示器がLED式へ交換され判読性向上が図られる。
2000年にはAU712冷房改造車の夏期熱交換効率低下対策としてミツK3F(Tc8)の屋根板に白色耐熱塗装が塗布された。
車両更新工事施工車編成もJR運用の削減を切っ掛けにミツK1F(Tc5)が2002年11月を以て運用から離脱する。
その後2004年からE231系800番代での本格的な置き換えが開始された。
各々ミツK2F(Tc4):2003年6月,ミツK3F,ミツK4F(Tc7):2003年5月,ミツK5F(Tc2):2003年4月に営業から外されている。
301系の活躍は長期に渡ったが急速なE231系800番代の増備により僅か約3箇月で終焉の時を迎えた。
だがその功績を称え2003年8月3日に三鷹~高尾間でさよなら運転が行われる。
有終の美を飾った編成は拝島駅構内に疎開留置されていたミツK4F(M'c2)であった。
◆ミツK4F:[Tc7]-[M19]-[M'13]-[M11]-[M'8]-[T102]-[M10]-[M'7]-[M21]-[M6]-[M'c2](2003/4)。


サハ301-101(6号車)。


サハ301-103(ミツK5F:6号車)。

ミツK3Fは何と言ってもモハ301-4を電装解除したサハ301-101(6号車)が出色の存在である。
10両貫通編成では他にミツK5Fが在籍しているがサハ301-103(6号車)はモハ300形と酷似した外観を持つ。
一方サハ301-101はモハ301形に準拠したSC24形インバータ,AU712冷房機の配置やパンタグラフ撤去跡が際立って見える。
マイクロエース製品の傾向を考えると先にミツK3Fがリリースされてもおかしくなかったと思う。
個性は5+5編成のミツK2Fが最も強く理解できたがミツK3Fが次期製品化候補になると考えていた。
その意味ではようやく待ち望んでいた増備機会が巡ってきたと言えよう。


クハ301-3(ミツK2F:6号車)。

マイクロエース製JR301系はミツK2F,ミツK3F,ミツK5Fの編成見附が揃わない面白い展開となった。
ただ基本設計は1stLOT品のミツK2Fと殆ど変わりなく改良の余地があったと思う。
床板嵌合位置の変更で若干全高が下げられたがまだ腰高に見える辺りは現代水準から遅れていると言わざるを得ない。
そのためTOMIX製103系1000番代High-Grade製品ミツK8F青帯車後期仕様(ミツK8F-2:Tc1009)は離合に適さなくなってしまった。
逆にミツK2FとのLOT差は色温度以外我慢できる範疇に収まっていると思われる。
よって301系LED式運行番号表示器編成同士による無理の無い離合が久し振りに復活している。


ミツK2F,ミツK3F。


JR103系1000番代ミツK8F。
※TOMIX製High-Grade製品。

行先表示類は[09K 三鷹]を採用しミツK2Fの[11K 快速 西船橋]表示と差別化した。
[中野]幕はミツK10F青帯未更新車(Tc6)との混結都合が絡みミツK5Fで設定済だったため[三鷹]幕で落ち着いた。
またミツK8F-2で[快速 三鷹]幕を先行採用しており各駅停車設定は回着前からの決定事項である。
ミツK5F,ミツK10Fは幕式運行番号表示器,快速表示器設置編成だが301系内での行先分散も考慮されている。
運行番号表示ステッカーにはミツK5F付属品を充てミツK2Fとの調和を図った。
自作品の[三鷹]幕はマイクロエース製301系に対応していなかったがミツK5Fへの貼付実績があり四辺を詰めて切り出した。


ミツK5F。


ミツK10F。

ミツK5Fまでは成形形状や色温度に不満を抱くB形防護無線アンテナが採用され続けた。
KATO製B形防護無線アンテナへの交換は台座寸法が一回り小さいため採用出来ずに終わった。
せめて色温度だけでも修正したくミツK2F,ミツK5F,ミツK10Fはグリーンマックス製スプレーで濃灰色に改めている。
B形防護無線アンテナの塗装作業はミツK3Fで欠かせない工程になると覚悟していた。
ところがミツK3Fに搭載されたB形防護無線アンテナは濃灰色で仕上げられておりその必要は無くなった。
形状もJR103系1200番代旧ミツK9F(Tc1201:7両編成)用に近く地味ながら大きな変更箇所だと思う。


モハ301-22+モハ300-15 (TOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装試作車)。

パンタグラフも剛性が高められる改善が見られたがTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ(0262)へ換装した。
301系列は全編成のTOMIX製PS16R(PS21)形パンタグラフ換装を終えておりこれに倣っている。
TOMIX製PS21形パンタグラフ(0291)はTOMIX製High-Grade製品モハ103-1033(ミツK8F-2)での換装試行結果を受け採用を見送った。
作業は前回施工したモハ301-5,モハ301-6,モハ301-14,モハ301-17(ミツK5F)から約3年9箇月もの期間が開いてしまった。
念のためモハ301-22を換装試作車に据えモハ301-20,モハ301-23,モハ301-24の入場へ繋げている。
パンタグラフ取付脚内傾対策は試行3両目のモハ301-20まで続けられたが思うような結果を残せず放棄した。


モハ300-16(5号車:動力ユニット整備施工車)。

製品仕様ではモハ300-15(3号車)に動力ユニットが搭載されていた。
西行設定対応,動力車位置偏位対策としてモハ300-16(5号車)を動力ユニット搭載車に変更している。
動力ユニットの整備では長年使用されてきた純正グリスが廃止された事実に驚かされた。
機械油への変更は非常に喜ばしかったが大量投入の伝統が受け継がれてしまった。
従ってDT34動力台車を完全分解する従来の整備方法から変更は無い。
プラスチック硬度が高まったユニットカバーにも盲点を突かれ妙なLOT差を感じている。


クモハ300-8 [09K 三鷹]:クモハ300形用ダミーカプラー装着車。


JR103系1200番代クモハ102-1204 [01K □ 中野]:ミツK6F(クモハ102形1200番代用ダミーカプラー装着車)。

クモハ300-8,クハ301-8に取り付けられたダミーカプラーはマイクロエース製103系共用部品だと思われる。
マイクロエース製301系,103系1000番台では原則的にKATO製クハ103形用ダミーカプラーへの交換を施してきた。
ミツK3Fも追随させたがこれまで通り両栓構造のKATO製クハ103形用ダミーカプラーは加工を要する。
片栓構造に合致させるべくジャンパ連結器,配管モールドを切除しクハ301形用,クモハ300形用ダミーカプラーを仕立てた。
各々実車に則しクモハ300形用:2-4位側,クハ301形用:1-3位側の欠き取りを行った。
ATS-B形車上子は撤去後の整形が難しく存置したがマイクロエース製301系,103系1000番台共通仕様であり気にしていない。


クハ301-8 [09K 三鷹]:TOMIX製103系1000番代High-Grade製品用ホース無ジャンパ栓納め交換施工車。


JR103系1000番代クハ103-1009 [05K 快速 三鷹]:ミツK8F-2(ホース付ジャンパ栓納め装着車)。
※TOMIX製High-Grade製品。

更にクハ301-8では新たに採用されたホース付ジャンパ栓納め部品も交換対象となる。
ホース付ジャンパ栓納めは小振りだったクハ301-4(ミツK2F),クハ301-2(ミツK5F)より印象が良くなった。
但しジャンパホース末端部が微妙な形状をしており整形に手を着けようとした。
諸事情によりこれは中止されTOMIX製103系1000番代High-Grade製品用ホース無ジャンパ栓納めへと置き換えられた。
ライトケースは薄緑色成形品に戻り製品原形のままでも前面窓黒Hゴム支持が引き立つようになった。
またライト基板のLEDチップが変更されミツK8F-2に引けを取らない点灯具合を見せてくれる。


ミツK3Fサイドビュー(クハ301-8:TOMIX製103系High-Grade製品用ホース無ジャンパ栓納め装着車)。


ミツK2Fサイドビュー(クハ301-4:1stLOT品ホース無ジャンパ栓納め装着車)。

TOMIX製103系1000番代High-Grade製品用ジャンパ栓納めの予備品にはホース付も残っていた。
ミツK2F,ミツK5Fとの整合性を狙った結果がホース無ジャンパ栓納めの採用に繋がっている。
この判断は当たったように思えプロトタイプ時期が一致するミツK2Fとの外観差を縮小できたと思う。
その他ではクモハ300-8,クハ301-8の座席部品に成形された衝立のようなものを黒色化した。
何故か座席部品は車両更新工事施工車とは異なる濃青色に変更されてしまいツK2F,ミツK5Fより効果が若干下がっている。
それでも側扉窓の異物感は払拭されたように感じられ手を加えたなりの答が得られた。
リリース期間が開いたミツK3FだったがミツK5FとのLOT差は殆ど無いに等しかった。
これは早期出場に結び付けられた一方で寂しさを抱かせる要因にもなっている。
ライトユニットの小型化等改良できる部品が継続採用されたのは残念に思える。
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