忠度の塚(兵庫県神戸市) 左:腕塚 右:胴塚
【 平家物語 忠度最後 】
薩摩守忠度(ただのり)は、一の谷の西の手の大将軍であったので、百騎ほどの家来に囲まれて馬を引きとめ引き止めしながら落ち着いて退いていかれた。
それを源氏の岡部六野太忠純(ろくやたただずみ)が見つけ馬を並べて組付いた。それを見た百騎程の家来は、我先にと逃げてしまった。
熊野育ちの忠度は、大力であったので六野太に三刀をあびせ取り押さえて首を切ろうとされたところへ、六野太の家来が駆けつけ、忠度の右腕を斬り落とし、六野太が後ろから首を討った。
大将軍と思ったが誰とも名乗られなかったが、箙(えびら)に結び付かれていた文を読んでみると「旅宿の花」という題で歌が読まれていた。
ゆきくれて 木のしたかげを やどとせば 花やこよひの 主ならまし
(旅路に日が暮れ、桜の木の下を一夜の宿とすると、花が今夜の主人となってもてなしてくれるであろう)
武芸にも歌道にもすぐれた薩摩守忠度と分かったので太刀の先に首をさして
「平家の名高い薩摩守を六野太忠純がお討ちもうした」と大声をあげた。
※忠度の塚は、兵庫県明石市にもあります。
箙(えびら)とは、矢を入れて背に負う道具
【 平家物語 忠度最後 】
薩摩守忠度(ただのり)は、一の谷の西の手の大将軍であったので、百騎ほどの家来に囲まれて馬を引きとめ引き止めしながら落ち着いて退いていかれた。
それを源氏の岡部六野太忠純(ろくやたただずみ)が見つけ馬を並べて組付いた。それを見た百騎程の家来は、我先にと逃げてしまった。
熊野育ちの忠度は、大力であったので六野太に三刀をあびせ取り押さえて首を切ろうとされたところへ、六野太の家来が駆けつけ、忠度の右腕を斬り落とし、六野太が後ろから首を討った。
大将軍と思ったが誰とも名乗られなかったが、箙(えびら)に結び付かれていた文を読んでみると「旅宿の花」という題で歌が読まれていた。
ゆきくれて 木のしたかげを やどとせば 花やこよひの 主ならまし
(旅路に日が暮れ、桜の木の下を一夜の宿とすると、花が今夜の主人となってもてなしてくれるであろう)
武芸にも歌道にもすぐれた薩摩守忠度と分かったので太刀の先に首をさして
「平家の名高い薩摩守を六野太忠純がお討ちもうした」と大声をあげた。
※忠度の塚は、兵庫県明石市にもあります。
箙(えびら)とは、矢を入れて背に負う道具