先の戦争に至る以前、十五年戦争の発端から記された本。
批判とは違うし礼賛でもない。事実を掘り起こし作者の想いを述べている。
昭和二十年初めの時点で大日本帝国には勝利はおろか、有利な講和を望めるチャンスすら
百に一つもなかったことは明らかである。
連合国が対日戦争の終結は「無条件降伏以外にはない」と決めたのは昭和十八年十一月のこと。
この時点で日本のジリ貧的な敗北は目に見えていた。
日本政府にも軍部にもある程度は予想されていたことだ。
そうした現実に目をつむり、特に陸軍統帥部は躍起となった。
一億特攻、神州不滅、最後の一兵までというスローガンを絶叫し
「本土決戦」という無謀な戦略に、日本の運命をくくりつけた。
このあたり、今の自公選挙によく似ている感じがする。
誰が見ても破たんしたアベノミクスにすがり、かたや、「民共」と叫んでいる。
安倍氏は「憲法」を変え戦前のこのような国に後戻りさせるつもりだ。
「戦略」も「戦術」もない。
B29の落とす焼夷弾に「バケツリレー、はたきで払い落す」というバカげた教練をやらせた。
燃え盛る油をこれで防ぐなど「愚か」としか言いようがない。
このあたりのことがこの後出てくる。