ウッドなベースのギター弾き

ウッドベースとギター使いのJAZZCATの、音楽どっぷりの雑話。プレイヤー受けを狙っている。

楽器の音量バランス考察~続

2007-10-26 21:59:23 | Weblog
最近、知り合いのミュージシャンから、全曲オリジナル曲の自主制作CDを
作るにあたって、音源の最終チェックを相談されたのね。

ま、当地での音楽活動は つとに知られている彼だが、
得意のライブ演奏ではなくCDアルバムを制作するという作業は
まだ苦手のようだ。

早速、一応できているところまでをモニターで聞いてみたのだが、

ありゃりゃ、ギター・ピアノ・ベース・ドラムなど
すべての楽器・歌がごちゃごちゃ、
言い方が悪いが、まるでゴミ箱にそのまま入っているようだった。

一箇所に音源がギューギューひしめき合っている。
音が随所でぶつかり合って、お互いをツブしあっている。
聞いてて疲れる。

これではとても販売レベルとはいえないよー。

幸いまだ録音トラックが楽器ごと別々になっているということだったので
セーフ。

時間もあまりなかったので、ミキサーにパラで立ち上げ
てばやく補正作業開始。

各トラックのレベルや音質、リバーブ成分、PAN等をいじくって、
最終的に、歌・メロディを最前に、その後ろにベース、
ギターやピアノを少々左右に振って歌を囲むようにと
トラッドなバランスでミキシングしてみた。

すると、各楽器の立ち位置を分けたことから、
聞き疲れのない、すっきりとした楽曲となり、
最初あまりはっきりしなかった
それぞれの繊細な部分もベールを取ったように
クリヤにわかるようになってきた。
 
お互いの音がお互いを邪魔していないし、
むしろ効果的に引き立てあっている。

最初にゴミ箱にほうられたような状態からは、雲泥の差だ。

これには歌うたいの本人が一番びっくりしていた。

最終的にそのミキシングに近い形で、”2トラックに落とされて
めでたくCDとなったようである。

歌手が、人に感動を与えるような歌を歌うことができたとして、
優れたプレイヤーが いい音をプレイできたとして、
それがソロの演奏家、ピンの音楽家 であればそれでコトは済むが

2人以上のアンサンブル演奏であれば、
いくら自分がいい演奏をしても
自分以外のプレイヤーの影響を必ず受けるものである。

自分が気持ちいいと感じている状況が、必ずしも
みんなも気持ちよい状況と言い切ることができるだろうか?

だからお互いの音をよく聞きあうことが、本当に重要だと思う。
Duoであれば相手はひとり、
トリオであれば相手はふたり、
聞く耳を増やさなければならない。

音楽バランスのスイートポイントにうまく乗っかるための
互いの加減が微妙であり、難しいところであり、

でも、そのバランスした瞬間がいわば

ハマった、音楽の神が降りてきた瞬間

と言えるのじゃないかな。


PS:チューニングだけは、演奏前によくあわせましょうねー。