一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

95.いわき湯本温泉 「上の湯」

2005-09-09 23:33:35 | 福島
いわき湯本というと、ついつい「常磐ハワイアンセンター」(古いか・・・(笑))を想像してしまうが、開湯は奈良時代にまで遡り、”三箱(函)の御湯”として、道後、有馬とともに日本三古泉に数えられてきた古湯である。メジャー温泉地の少ない浜通りにあるのであまり話題にならないが、さりげにイオウ臭香る熱湯が楽しめる実力派である。

旅館も比較的レベルが高く、とくに「スミレ館」や「ホテルみちのく」の評判がいいが、日帰り入浴はかなり困難である。共同浴場では「上の湯」「東湯」がよく、とくに「上の湯」が気に入った。町はずれの裏通りにあるこのお湯はすこぶるわかりにくく、観光客はまず行か(け)ないと思われる。(「さはこの湯」は観光客にも人気だが、お湯はこちらのほうが全然いい)

湯気が立ちこめる狭い場内にタイル貼浴槽がひとつ。お湯はたぶん46℃くらいもあってゲキ熱。それでも常連さん達は平気で浸かっているのにはおののき。(子供がたまりかねて水を足したら怒られていた ^^;; )
きれいな緑灰色で透明度30cmのにごり湯にはイオウ系の白い湯の花がたくさん舞っている。強いしぶ焦げイオウ臭に弱塩味+たまご味+すっぱ(収斂)味。鮮度感あふれるお湯は、ビシっとくるイメージのすばらしく力のあるもので文句のつけようがない。

いわき湯本温泉は、明治から始まった石炭採掘にともなう坑内出水により温泉面の低下をきたし、大正8年には温泉が枯渇。昭和17年に二十数年ぶりに温泉が復活し、昭和51年には炭鉱閉山にともない新源泉(旧坑内)からの給湯が開始されて、安定供給が確保された。したがって、現在の源泉は古来の”三箱(函)の御湯”とは異なる。
現在は坑内温泉で地下630mまで温泉揚湯斜坑が延び、抗底からさらにボーリングをして花崗岩中の温泉湧出場所から汲み上げをして集中配湯されている。「上の湯」は源泉地(「石炭化石館」の北側(常磐湯本町台山20番1))に比較的近く、集中配湯の分岐ポンプの手前にあるので、とりわけお湯がいいようにも思われる。

近年、炭坑閉山により序々に温泉面が上昇し、旧来の”三箱(函)の御湯”が復活してきているという情報もある。機会があったらぜひ入ってみたいものだ。

「上の湯」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)

含硫黄-Na-塩化物・硫酸塩温泉 59.0℃、pH=8.1、4,750L/min、成分総計=1.743g/kg、Na^+=523.0mg/kg (86.66mval%)、F^-=5.3、Cl^-=556.6 (59.37)、HS^-=9.5、チオ硫酸イオン=0.6、SO_4^2-=390.3 (30.78)、HCO_3^-=106.9 (6.63)、陽イオン計=600.6 (26.24mval)、陰イオン計=1079 (26.41mval)、メタほう酸=15.2、硫化水素=0.8 <H12.11.24分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

□ 大谷田温泉 「明神の湯」 (元100湯)

2005-09-09 22:43:55 | 元100湯
東京の下町というと黒湯重曹泉のイメージが強いが、近年、深深度掘削による化石海水型の濃厚な食塩泉が増えてきた。足立の「じゃぽん」、葛飾の「古代の湯」など、いずれも高張性の強食塩泉だ。ここもそんなお湯のひとつで、成分総計じつに30030mg/kgの強烈な濃度をもつ。
ここは、行田「古代蓮物語」で成功を収めた共立グループが2004年5月にオープンした日帰り施設で、”都会の湯治場”をコンセプトに徹底した癒し空間を追求している。(その詳細はこちらのレポ参照)

最近の温泉スパ銭は露天に温泉浴槽をもってくることが多いが、ここでは内湯に配しているのは好感がもてる。
逸品は天然ひば造りの”あつ湯”槽。ここは循/掛の両論があるが、”かけ流し”掲示があり、スタッフも”かけ流し”と明言していた。いずれにしてもかなりの鮮度感が楽しめるお湯だ。

熱めのお湯は、黄褐色で透明度15cmのにごり湯で強塩味+僅微苦味に弱いながら樹脂系アブラ臭(浴槽材のひば臭入っているかも?)+微うがい薬臭。重曹泉系のツルすべもあるが、濃度感とほてほてカラカラがハンパじゃなく、責め立ててくるような強食塩泉系特有の強烈な浴感がある。足立の「じゃぽん」も強いお湯だが、それよりも凶暴度はさらに高いと思う。”しょせんは住宅地の癒し系温泉”などと、なごみモードで行くと返り討ちにあうので要注意。となりにある水風呂も飲泉可でなんと14℃のプロ仕様なのであなどれない。
ややペトつくが、浴後の湯切れは意外によく、江戸前らしい気っ風のいいお湯。

都内で一湯ということだと、伝統ある黒湯銭湯が順当かとも思えるが、癒し系佇まいに似合わない凶暴さに敬意を表し、あえて100湯に加えてみた。

Na-塩化物強塩温泉 36.5℃、pH=7.50、162L/min掘削揚湯、成分総計=30030mg/kg、Na^+=10600mg/kg (90.22mval%)、K^+=400.0、Mg^2+=252.3、Ca^2+=372.4、Fe^2+=4.6、Cl^-=18010 (99.36)、Br^-=99.2、I^-=23.9、HCO_3^-=110.6、陽イオン計=11640 (511.2mval)、陰イオン計=18250 (511.3mval)、メタけい酸=79.3、メタほう酸=7.0 <H15.4.24分析>

文・画像 別働隊@うつぼ