一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

89.千手温泉 「千年の湯」

2005-09-25 22:47:04 | 新潟
新潟川西町(現十日町市)にある名湯の誉れ高いお湯。
以前は廃園となった幼稚園を使用していたらしいが、平成13年11月、立派な日帰り施設に生まれかわった。川西町が第3セクターで建設した、いわゆる”センター系”だが、雁木を模した風情ある外観に、館内も木をいかした意匠的に優れた建物だ。石と檜をシックに組み合わせた浴場も質感の高い仕上がりでとても居心地がいい。
ここは3度ほど行っているが、いずれも大混雑で、廊下に座りこんでいる家族が目立った。

お湯は絶品だ。内湯は広く、ジャグジーつきでしかも混んでいるので、湯口から遠いほうはさすがに鮮度が落ちるものの、ほのかにイオウ臭も香る湯口のそばは鮮度抜群。湯口そばは熱いので意外に空いている。露天はわりに狭くてお湯は内湯よりいい。
お湯はモール泉特有の琥珀色~紅茶色をした綺麗なもので、灰茶色の湯の花が舞っている。
とくに湯の香がすばらしく、なんともいえない上質なモール臭が香り立つ。よく、本格的モール泉はウイスキー(モルツ)の香りがするとか、枯葉の匂いがするとかいわれるが、ここではアルコールを連想させる臭いがたしかにしていた。

重曹のツルすべ、炭酸イオン(CO_3^2-)のヌルすべ、メタけい酸のとろみが渾然一体となったやわらかな湯ざわりのお湯が、深めの浴槽にたっぷりと湛えられかけ流されていく。その入り心地のよさは比類がないほどだ。
重曹泉系だがお湯の鮮度がいいからかとてもあたたまる。はじめて入ったときは単純温泉ながら溶存物質計=988.0mg/kg。惜しい!と思ってたら、平成15年春の再分析では溶存=1053mg/kgと増えて、しっかり含食塩重曹泉になっていた。

出たとたんにまた入りたくなるようなあとを曳くお湯で、料金500円時間無制限なのでたぶん1日ゆったりと過ごしていくのだろう。近くにある、へぎそばの名店「小嶋屋総本店」から出前がとれるのも贅沢きわまりない。なるほど混むのはうなづける。
居心地のいい施設で名湯をかけ流し、しかも逸品の蕎麦が味わえる・・・。ここはおそらく全国的にみても、もっとも成功しているセンター系施設ではないだろうか。
温泉マニアのあいだでは、”仮設や鄙び浴舎の名湯が、施設を新しくするとお湯が悪くなる”というのはもはや定説となっているが、ここは貴重な例外だと思う。(旧施設に入っていないので断言はできないが・・・)

Na-炭酸水素塩・塩化物泉 58.2℃、350L/min(動力揚湯計算値)、成分総計=1053mg/kg、Na+=257.5mg/kg (92.87mval%)、F-=1.7、Cl-=87.7 (20.58)、HCO3-=493.1 (67.33)、CO_3^2-=40.8、陽イオン計=280.5 (12.06mval)、陰イオン計=623.3 (12.00mval)、メタけい酸=145.1 <H15.3分析>

単純温泉(Na-HCO3・Cl型) 58.2℃、250L/min、成分総計=988.0mg/kg、Na+=245.0mg/kg (93.84mval%)、F-=2.3、Cl-=89.8 (22.50)、HS-=0.2、HCO3-=518.1 (74.51)、陽イオン計=263.8 (11.36mval)、陰イオン計=618.6 (11.39mval)、メタけい酸=100.7、遊離炭酸=10.3、硫化水素=0.02 <H7.3.7分析>

文・画像 別働隊@うつぼ

□ 「ゆめみ処ここち湯 海老名店」 (元100湯)

2005-09-25 01:20:32 | 神奈川
「ここち湯」とはなかなか洒落たネーミングでつけた由来などをいろいろと想像を掻き立てられる。居心地の良い湯なのでここち湯なのか、気持ちよい湯みたいな意味としても捉えられるるし、よくよく考えると短いシンプルな単語のなかで深い意味があるのであろう、凄くセンスのある言葉である。

 ここち湯 海老名店は、小田急線、相鉄線「海老名駅」から1つ横浜よりの相鉄線の駅「かしわ台駅」から徒歩4分の場所にあり、1つの駐車場を中心に相鉄スーパー、ドラッグストアなどが点在していてその中のひとつがここち湯「海老名店」である。ここち湯はスーパー銭湯であり、基本的な施設の概要は一般的なスーパー銭湯であります。館内に入りますと古民家風の杉を焼いたような柱や廊下などがあり、清潔感と昔懐かしく落ち着いた空間を演出していて、なかなか好感がもてます。
 客層も、東京や横浜のベッドタウンなのか、子供の手を引いたファミリー客が沢山いて、ここでは自宅で味わえない、温泉という日常的でない異空間を楽しんでいるようにも見え、下足キーが間に合わないほどの混雑ぶりで、日帰り施設としては相当の盛況ぶりである。

 お風呂場は、スーパー銭湯らしく、沢山の浴槽があり寝湯、ジェットバス、電気風呂など23の浴槽がたのしめ、その1つ1つ全てに沢山の人が入浴して混雑している。温泉利用も浴槽も数多くあり、循環式等の情報開示しておりその点でも好感できる施設である。最近のスーパー銭湯の温泉利用は殆どといっていいくらい、露天風呂のお湯に力を入れており源泉掛け流し浴槽は露天の最上段に位置する傾向にある。個人的には、内湯が一番といった昔ながらの施設のほうがじっくりと温泉を楽しめるとおもうのだが、どうしても露天風呂の方が客受けするのだろうか、ちょっと残念ではあるが、時代の趨勢は露天風呂なのだろうか。

 温泉に限って言えば、この温泉のネーミングのここち湯がダントツで、他の循環式のお湯では当然100名湯プログには登場しないであろう。温泉はナトリウム・塩化物泉で成分総量が10g以上の高張性の温泉で炭酸水素塩の成分もかなりあるのか、匂いは重曹系である。鉄錆び系も混じるのだがやや弱いので、かなりいい匂いで鮮度感が異様に高いので温泉臭もかなり感じられ、匂いに関しては、関東では感じられないような良質な香りがする。

 高張性の温泉というと、普通入浴感的には大味な感じが強く、がさがさとした刺激の強いお湯になってしまうこともしばしばであります。ここの源泉かけ流し浴槽は、これだけ巨大な施設なのに5人も入ればいっぱいになってしまうほど浴槽が小さく、すこぶるやさしい浴感があります。スーパー銭湯には珍しく温泉をわかっている人が設計したのであろうかびっくりするほどのよい湯である。実は湧出量も少なく、間違った湯使いをすると、なんの特徴もない温泉になってしまうのだが、浴槽を小さくし適性な鮮度感をもった施設の温泉はこうもよいのかと感じる。

 東京からも横浜からも近く、鮮度感を楽しめるお湯は貴重である。ただ1つだけ残念なのは、休憩場所が小さく、ゆったりとした場所がないことであろう。温泉に関しては1流のお湯であるお勧め!

湧出量130ℓ/min PH7.7  泉温 37.7℃ ナトリウム-塩化物泉
Na=3932 K=87 NH4=41.5 Mg=25.1 Ca=77.6 Al=0.3 Fe2=2.8 F=0.4 Cl=6094 SO4=3.4 HCO3=424.7 CO2=0.7 Br=20.5 I=8.2 メタケイ=72.9 メタホウ=198.5 成分総量 10.99g/kg 

文/画 ガメラちゃん@takayama