新潟川西町(現十日町市)にある名湯の誉れ高いお湯。
以前は廃園となった幼稚園を使用していたらしいが、平成13年11月、立派な日帰り施設に生まれかわった。川西町が第3セクターで建設した、いわゆる”センター系”だが、雁木を模した風情ある外観に、館内も木をいかした意匠的に優れた建物だ。石と檜をシックに組み合わせた浴場も質感の高い仕上がりでとても居心地がいい。
ここは3度ほど行っているが、いずれも大混雑で、廊下に座りこんでいる家族が目立った。
お湯は絶品だ。内湯は広く、ジャグジーつきでしかも混んでいるので、湯口から遠いほうはさすがに鮮度が落ちるものの、ほのかにイオウ臭も香る湯口のそばは鮮度抜群。湯口そばは熱いので意外に空いている。露天はわりに狭くてお湯は内湯よりいい。
お湯はモール泉特有の琥珀色~紅茶色をした綺麗なもので、灰茶色の湯の花が舞っている。
とくに湯の香がすばらしく、なんともいえない上質なモール臭が香り立つ。よく、本格的モール泉はウイスキー(モルツ)の香りがするとか、枯葉の匂いがするとかいわれるが、ここではアルコールを連想させる臭いがたしかにしていた。
重曹のツルすべ、炭酸イオン(CO_3^2-)のヌルすべ、メタけい酸のとろみが渾然一体となったやわらかな湯ざわりのお湯が、深めの浴槽にたっぷりと湛えられかけ流されていく。その入り心地のよさは比類がないほどだ。
重曹泉系だがお湯の鮮度がいいからかとてもあたたまる。はじめて入ったときは単純温泉ながら溶存物質計=988.0mg/kg。惜しい!と思ってたら、平成15年春の再分析では溶存=1053mg/kgと増えて、しっかり含食塩重曹泉になっていた。
出たとたんにまた入りたくなるようなあとを曳くお湯で、料金500円時間無制限なのでたぶん1日ゆったりと過ごしていくのだろう。近くにある、へぎそばの名店「小嶋屋総本店」から出前がとれるのも贅沢きわまりない。なるほど混むのはうなづける。
居心地のいい施設で名湯をかけ流し、しかも逸品の蕎麦が味わえる・・・。ここはおそらく全国的にみても、もっとも成功しているセンター系施設ではないだろうか。
温泉マニアのあいだでは、”仮設や鄙び浴舎の名湯が、施設を新しくするとお湯が悪くなる”というのはもはや定説となっているが、ここは貴重な例外だと思う。(旧施設に入っていないので断言はできないが・・・)
Na-炭酸水素塩・塩化物泉 58.2℃、350L/min(動力揚湯計算値)、成分総計=1053mg/kg、Na+=257.5mg/kg (92.87mval%)、F-=1.7、Cl-=87.7 (20.58)、HCO3-=493.1 (67.33)、CO_3^2-=40.8、陽イオン計=280.5 (12.06mval)、陰イオン計=623.3 (12.00mval)、メタけい酸=145.1 <H15.3分析>
単純温泉(Na-HCO3・Cl型) 58.2℃、250L/min、成分総計=988.0mg/kg、Na+=245.0mg/kg (93.84mval%)、F-=2.3、Cl-=89.8 (22.50)、HS-=0.2、HCO3-=518.1 (74.51)、陽イオン計=263.8 (11.36mval)、陰イオン計=618.6 (11.39mval)、メタけい酸=100.7、遊離炭酸=10.3、硫化水素=0.02 <H7.3.7分析>
文・画像 別働隊@うつぼ
以前は廃園となった幼稚園を使用していたらしいが、平成13年11月、立派な日帰り施設に生まれかわった。川西町が第3セクターで建設した、いわゆる”センター系”だが、雁木を模した風情ある外観に、館内も木をいかした意匠的に優れた建物だ。石と檜をシックに組み合わせた浴場も質感の高い仕上がりでとても居心地がいい。
ここは3度ほど行っているが、いずれも大混雑で、廊下に座りこんでいる家族が目立った。
お湯は絶品だ。内湯は広く、ジャグジーつきでしかも混んでいるので、湯口から遠いほうはさすがに鮮度が落ちるものの、ほのかにイオウ臭も香る湯口のそばは鮮度抜群。湯口そばは熱いので意外に空いている。露天はわりに狭くてお湯は内湯よりいい。
お湯はモール泉特有の琥珀色~紅茶色をした綺麗なもので、灰茶色の湯の花が舞っている。
とくに湯の香がすばらしく、なんともいえない上質なモール臭が香り立つ。よく、本格的モール泉はウイスキー(モルツ)の香りがするとか、枯葉の匂いがするとかいわれるが、ここではアルコールを連想させる臭いがたしかにしていた。
重曹のツルすべ、炭酸イオン(CO_3^2-)のヌルすべ、メタけい酸のとろみが渾然一体となったやわらかな湯ざわりのお湯が、深めの浴槽にたっぷりと湛えられかけ流されていく。その入り心地のよさは比類がないほどだ。
重曹泉系だがお湯の鮮度がいいからかとてもあたたまる。はじめて入ったときは単純温泉ながら溶存物質計=988.0mg/kg。惜しい!と思ってたら、平成15年春の再分析では溶存=1053mg/kgと増えて、しっかり含食塩重曹泉になっていた。
出たとたんにまた入りたくなるようなあとを曳くお湯で、料金500円時間無制限なのでたぶん1日ゆったりと過ごしていくのだろう。近くにある、へぎそばの名店「小嶋屋総本店」から出前がとれるのも贅沢きわまりない。なるほど混むのはうなづける。
居心地のいい施設で名湯をかけ流し、しかも逸品の蕎麦が味わえる・・・。ここはおそらく全国的にみても、もっとも成功しているセンター系施設ではないだろうか。
温泉マニアのあいだでは、”仮設や鄙び浴舎の名湯が、施設を新しくするとお湯が悪くなる”というのはもはや定説となっているが、ここは貴重な例外だと思う。(旧施設に入っていないので断言はできないが・・・)
Na-炭酸水素塩・塩化物泉 58.2℃、350L/min(動力揚湯計算値)、成分総計=1053mg/kg、Na+=257.5mg/kg (92.87mval%)、F-=1.7、Cl-=87.7 (20.58)、HCO3-=493.1 (67.33)、CO_3^2-=40.8、陽イオン計=280.5 (12.06mval)、陰イオン計=623.3 (12.00mval)、メタけい酸=145.1 <H15.3分析>
単純温泉(Na-HCO3・Cl型) 58.2℃、250L/min、成分総計=988.0mg/kg、Na+=245.0mg/kg (93.84mval%)、F-=2.3、Cl-=89.8 (22.50)、HS-=0.2、HCO3-=518.1 (74.51)、陽イオン計=263.8 (11.36mval)、陰イオン計=618.6 (11.39mval)、メタけい酸=100.7、遊離炭酸=10.3、硫化水素=0.02 <H7.3.7分析>
文・画像 別働隊@うつぼ