法師温泉 「長壽館」は、群馬でも雪深い土地であり、冬は周りの風景も一変する、ここの温泉は、そんな土地柄冬場は、雪に閉ざされる。昭和中期には、そんな事情もあり、冬に訪れるお客さんは正月を除くと皆無だった。当然宿の経営も苦しく大変な思いをして宿を守ったとの逸話がある。
高度成長期に、近くの猿が京温泉なども設備投資を繰り返り、鉄筋建築の立派な温泉街を形成したがここの法師温泉はその波にも乗れず、大正時代の建物がそのまま残った。
法師温泉には、2つの転機が訪れた、1つの転機は、昭和46年ごろ現状の宿の状態を打破するため秘湯の宿のご主人たち10数名が会合を行い、日本秘湯を守る会を発足したことがあげられる。当時の秘湯を守る会の初代会長さんがここ法師温泉の宿主であったことであろう。
そして、もう1つの転機が、旧国鉄の現在ではお馴染みであるが当時新商品「フルムーン」の、商品テレビコマーシャル、上原謙と高峰三枝子とここ法師温泉「法師乃湯」の湯船での入浴シーンである。このシーンは、テレビを見る人を釘付けにし、その後の秘湯という言葉が世の中の社会現象にもなったことは、いまだに記憶される出来事である。
その後の秘湯ブームは現在まで続いており、根強い人気である。しかし、秘湯イコール日本秘湯を守る会の宿と幾分違ってきており、すこし疑問を感じることのある宿が多くなってきた。日本秘湯を守る会は、元来素晴らしい自然景観や湯守宿としての維持を目的とした会で、お客さまを呼びそれによって宿や温泉の維持管理を守る目的としているのだが、最近ではお客さんを呼ぶための手段としてだけのの宿があるのも事実である。何度かこの会の理念を読んだがこの会の方策が弱いのが要因なのかもしれない。
その中で、ここの法師温泉は秘湯の宿の原点という要素が多分にある、まずは谷間の宿で、廻りは深い森が形成され落ち着いた環境であり、また宿の中央に清流が流れており、あちらこちらからα波が放出されている気がする。温泉が無くとも、静養できとてもよい環境の宿なのであろう。建物も大正時代にタイムスリップしたようで、日本人の美意識を刺激するようなである。特に、湯小屋の混浴風呂の法師の湯は、大正ロマン漂う窓枠など、日本の代表的な浴槽であることは、疑いの余地はないだろう。
さて前文がかなり長くなってしまったが、本題の温泉についてであるが、浴室が大変素晴らしいのに、それに見合っていないお湯が多いのも事実である。しかし、ここのお湯はその浴室に負けない良い湯がある。それはなんといっても、足元湧出温泉、もともとは河原の湧出していたところに湯小屋を掛けた造り、入浴可能な適温な湯だったのが幸いしているがここの湯小屋を造った先人の温泉のこだわりの姿勢には脱帽する。温泉のよさを最大限に生かしている、日本最高峰の湯使いなのだろう。
何故、ここの湯(足元湧出のお湯)が良いか検証すると、掛け流し湯であるとお湯がまずはじめに空気に触れ、たいがいの湯は酸化し、本来持っている温泉の力が弱くなってしまうことがある。(酸化して良くなるケースもあるが)その中で湯船に到達するのが短いので、ここの湯は格別よいのである。湯船が区切ってあり、かけ流しの東側の湯船と足元湧出の西側の湯船と入り比べるとその微妙なお湯の入りご心地感が違うのが解るのであろう。足元湧出温泉の方が非常に柔らかな居心地の良い浴感に驚かされる。
法師温泉の最大の特徴は、香り高い温泉といえよう。特徴は、石膏臭で鮮度感抜群なお湯は、なんといっても甘いかをりがする。更に鼻をお湯に近づけると石膏臭マニアの私は本当に頭がくらくらするほど良い匂いである。入浴感も鮮度が物凄く良いので、とろけるようなとろとろ感で、石膏泉系のよさが十分に伝わる、本当に大人の温泉なのである。石膏泉はどうもと思っている方は、ぜひ入浴してほしい。
最後に、法師温泉は、今では人気の高い温泉である、日帰り入浴客も受け入れられている貴重な温泉宿である。日帰り入浴時間(10:30~13:30)は絶対に守っていただきたい。貴重な温泉遺産ともいうべきこの温泉に日帰り入浴客禁止となったなら多くの方がここの温泉に入浴する機会が無くなってしまいます。
秘湯の宿の中でもとても好きな宿で、最高峰の湯使いのお湯に今後も入浴したいのであります。
法師温泉は源泉が5つあります。今回は法師の湯のみ掲示
源泉名 旭の湯(法師温泉)カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉 泉温42.7度(利用施設41.5度) PH8.2
Na=95.5 K=3.42 Mg=0.2 Ca=278 Mn=0.1 F=0.7 Cl=113 SO4=699 HCO3=15.3 メタケイ酸=40.1 メタホウ酸=6.1 成分総量 1.25g/Kg
文・画像 ガメラちゃん@takayama
高度成長期に、近くの猿が京温泉なども設備投資を繰り返り、鉄筋建築の立派な温泉街を形成したがここの法師温泉はその波にも乗れず、大正時代の建物がそのまま残った。
法師温泉には、2つの転機が訪れた、1つの転機は、昭和46年ごろ現状の宿の状態を打破するため秘湯の宿のご主人たち10数名が会合を行い、日本秘湯を守る会を発足したことがあげられる。当時の秘湯を守る会の初代会長さんがここ法師温泉の宿主であったことであろう。
そして、もう1つの転機が、旧国鉄の現在ではお馴染みであるが当時新商品「フルムーン」の、商品テレビコマーシャル、上原謙と高峰三枝子とここ法師温泉「法師乃湯」の湯船での入浴シーンである。このシーンは、テレビを見る人を釘付けにし、その後の秘湯という言葉が世の中の社会現象にもなったことは、いまだに記憶される出来事である。
その後の秘湯ブームは現在まで続いており、根強い人気である。しかし、秘湯イコール日本秘湯を守る会の宿と幾分違ってきており、すこし疑問を感じることのある宿が多くなってきた。日本秘湯を守る会は、元来素晴らしい自然景観や湯守宿としての維持を目的とした会で、お客さまを呼びそれによって宿や温泉の維持管理を守る目的としているのだが、最近ではお客さんを呼ぶための手段としてだけのの宿があるのも事実である。何度かこの会の理念を読んだがこの会の方策が弱いのが要因なのかもしれない。
その中で、ここの法師温泉は秘湯の宿の原点という要素が多分にある、まずは谷間の宿で、廻りは深い森が形成され落ち着いた環境であり、また宿の中央に清流が流れており、あちらこちらからα波が放出されている気がする。温泉が無くとも、静養できとてもよい環境の宿なのであろう。建物も大正時代にタイムスリップしたようで、日本人の美意識を刺激するようなである。特に、湯小屋の混浴風呂の法師の湯は、大正ロマン漂う窓枠など、日本の代表的な浴槽であることは、疑いの余地はないだろう。
さて前文がかなり長くなってしまったが、本題の温泉についてであるが、浴室が大変素晴らしいのに、それに見合っていないお湯が多いのも事実である。しかし、ここのお湯はその浴室に負けない良い湯がある。それはなんといっても、足元湧出温泉、もともとは河原の湧出していたところに湯小屋を掛けた造り、入浴可能な適温な湯だったのが幸いしているがここの湯小屋を造った先人の温泉のこだわりの姿勢には脱帽する。温泉のよさを最大限に生かしている、日本最高峰の湯使いなのだろう。
何故、ここの湯(足元湧出のお湯)が良いか検証すると、掛け流し湯であるとお湯がまずはじめに空気に触れ、たいがいの湯は酸化し、本来持っている温泉の力が弱くなってしまうことがある。(酸化して良くなるケースもあるが)その中で湯船に到達するのが短いので、ここの湯は格別よいのである。湯船が区切ってあり、かけ流しの東側の湯船と足元湧出の西側の湯船と入り比べるとその微妙なお湯の入りご心地感が違うのが解るのであろう。足元湧出温泉の方が非常に柔らかな居心地の良い浴感に驚かされる。
法師温泉の最大の特徴は、香り高い温泉といえよう。特徴は、石膏臭で鮮度感抜群なお湯は、なんといっても甘いかをりがする。更に鼻をお湯に近づけると石膏臭マニアの私は本当に頭がくらくらするほど良い匂いである。入浴感も鮮度が物凄く良いので、とろけるようなとろとろ感で、石膏泉系のよさが十分に伝わる、本当に大人の温泉なのである。石膏泉はどうもと思っている方は、ぜひ入浴してほしい。
最後に、法師温泉は、今では人気の高い温泉である、日帰り入浴客も受け入れられている貴重な温泉宿である。日帰り入浴時間(10:30~13:30)は絶対に守っていただきたい。貴重な温泉遺産ともいうべきこの温泉に日帰り入浴客禁止となったなら多くの方がここの温泉に入浴する機会が無くなってしまいます。
秘湯の宿の中でもとても好きな宿で、最高峰の湯使いのお湯に今後も入浴したいのであります。
法師温泉は源泉が5つあります。今回は法師の湯のみ掲示
源泉名 旭の湯(法師温泉)カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉 泉温42.7度(利用施設41.5度) PH8.2
Na=95.5 K=3.42 Mg=0.2 Ca=278 Mn=0.1 F=0.7 Cl=113 SO4=699 HCO3=15.3 メタケイ酸=40.1 メタホウ酸=6.1 成分総量 1.25g/Kg
文・画像 ガメラちゃん@takayama