アイ!サラマッポ in フィリピン & ジャパン!

‐Ay! Salamat sa Pilipinas at sa Japan!‐
 フィリピン、そして日本にありがとう!

どうなる?日比EPA(経済連携協定)…、不満を表明するフィリピン・サイド。

2011年02月21日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

 今日2月21日の、フィリピンのまにら新聞に、『フィリピンに恩恵の少ないEPAの破棄を(フィリピン海外就労者支援団体)』という見出しで、小さめの記事が載っていました。

 それによると、フィリピン人海外就労者(Overseas Filipino WorkersO.F.W.)の支援団体である「ミグランテ・Migrante」(左派系)の日本支部が、「EPAの合意によるフィリピン人看護師・介護福祉士候補者の派遣数が、目標数を大幅に下回っており、アキノ政権は日本とのEPAを破棄すべき。」との声明を出したとのことです。
 
そこのスポークスマンは、「日本で国家資格を取得するのは困難。日比間のEPAは、フィリピンの利益ではなく、日本に有利なように一方的に定められている。」と強調したとか…。
 また、アキノ大統領に、大統領が上院議員だった時にこの日比間のEPAに反対したように、大統領となった今、このEPAの協定を破棄するように訴えたそうです。

 アキノ大統領も、2006年9月の、小泉元首相とアロヨ前大統領の首脳会談で合意された、日比間のEPAの批准には反対されていたのですね。

 
これは、小さめの記事でしたが、やや重い記事ではないか、と思いました。

 
つい先日も、このEPAに関して日本政府との交渉に携わったフィリピン労働雇用省のクルス労働雇用次官が、この件に関して「強い不満」を表明したばかりです。
 いよいよフィリピンも、この
EPAによるフィリピン人看護師や介護福祉士の日本派遣事業に対して、再び「No!」と動き出した感があります。
フィリピン看護師介護福祉士日本派遣事業の実施状況に強い不満

(参考)
比日EPAで日本へ行くんだったら他の国へ。」 Overseas Filipino ...


 さて、昨日2月20日の、日本の看護師国家試験(第100回目)ですが…。
 
EPAによる、インドネシア、フィリピンからの外国人看護師の出願者は、約390人だったそうです。昨年来日したばかりの外国人看護師たちのうち約30人は、今回の試験を見送った、と想像できます。
 
フィリピン人看護師は、第1期生・2期生の114人が出願、日本人、インドネシア人を含めた合計出願者は54,700人でした。
 
合格発表は3月25日だそうです。


※2月22日追記
 今回の試験ですが、出願者は54,
756人で、うちフィリピン人とインドネシア人出願者は、合わせて399人だったようです。



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7 コメント

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正確にキャッチ (群青)
2011-02-22 18:21:19
isshinさん、こんにちは。
ミグランテ日本支部というのがあるんですか。
彼らは正確に日本の動きをキャッチしているようですね。
また、アキノ大統領が上院議員だった時に日比間EPAに反対した人だというのも興味深いことです。
経済連携協定としては、フィリピン国にとっては「騙し」に近い協定ですから、結果として合格者が極小であれば、解約申し入れして当然ですよね。日本国内の研修受け入れをしている民間施設も先行投資した割りに良い結果が見込めないとなれば、もう今後は投資しませんよね。
日本国内で、外国人看護師や介護士はイヤだと騒がれた経緯もありましたから、心配は、国粋主義に流れていくムードが出てこないか・・・。
そんな感じも、頭の片隅みに持ちます。
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合格者がかなり増える気がします。 (Isshin - 編集人)
2011-02-22 21:36:39
群青さん、僕は、このミグランテという団体についてはよく知りません。
実は、ブログには書かなかったのですが、このまにら新聞の記事には、このミグランテのスポークスマンが、「フィリピン人看護師や介護士は、(日本から)手ぶらで国に帰らざるをえない。」という発言をしたことも書かれていました。それはちょっと言い過ぎ…、日本、関係者、受け入れ先の病院に対しても失礼な発言ではないかと感じました。

今回の看護師国家試験では、「脳梗塞」などの病名や外国人名186ヶ所で英語名などを併記、「絨毯(じゅうたん)」など8カ所で漢字にふりがなが付けられ、ほかにも難解な言葉や分かりにくい言い回しを、簡単な表現に改めた…などといった外国人に対する配慮もされ、合格率が約1%だった昨年に比べて、かなり合格者が増えるような気がします。合格率5%、数にして二桁、最低でも20人以上は…、と期待しています。
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逆読みしました (群青)
2011-02-24 13:22:30
isshinさん、こんにちは。
ミグランテは全世界に支部をおくフィリピン海外労働者の支援団体ですね。hpは英語標記でして、よく理解できませんが。
私は、試験改善策に対しても、日本国政府に対して言い放って頂いて結構と受け止めています。失礼くらいで丁度いいのでは・・・と。フィリピン政府機関では無いようですから。
日本の受け入れ民間施設は、研修対応を負担を覚悟して臨んだもの。それでも成果を求め、地方自治体と協力しあって、国に対して色んな圧力や要望をしたのではとは推測します。
ともあれ、私はEPA枠組み内で、有害産業廃棄物のフィリピンへの投棄と引き替えに実行されている看護師・介護士受け入れは、日本の高齢者介護サービスの拡充にとってほぼ役に立たないシロモノだと思っています。
国家試験改善は、好ましい事です。
しかしそのことによって、逆に、日本国民にとっては、厚生労働省による対策が重箱の片隅に転化され、本格的福祉政策が見失われていくことを懸念します。
小さい既成事実に囚われ、曖昧化していくにより、大きな目標を見失うのは、日本の歴史での一貫した民族性だなぁという感じがしてなりません。
失礼で良い・・・という私の感覚は、こんな想いがあるからです。
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福祉行政の大局的な視野は…。 (Isshin - 編集人)
2011-02-24 21:43:13
群青さん、以前の群青さんのブログで「外国人介護士増強のこと」というタイトルで書かれていた記事を読み返しました。
http://ameblo.jp/gunjyo01/entry-10783526687.html#cbox
「5DKの三階建て豪邸を注文されているのに、国の方々やリーダーの方々は、一所懸命に、せいぜい60㎝×80㎝程度のポチの犬小屋を造ろうとしているようにしか見えない…。」…

それでも、その記事の終わりに「現場にしっかりと目をやり、数億円に見合う5DKの三階建て豪邸の建設を…」、「我が国のずば抜けた介護の政策プランを描いて欲しいものである。」と結ばれていましたね。

また、かなり前ですが「外国人看護師・介護士のこと」
http://ameblo.jp/gunjyo01/entry-10616605575.html#cbox
の記事も、とてもインパクトがありました。寄せられたこんなコメント(Jirotaさん)の言葉もありましたね。
「人の人生もてあそぶ事にも繋がりかねない。もっと人間一人一人を見ないといけませんね。」

このEPAによる外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れ事業、多くの議論の中、3年前に、受け入れ体制も整っていない中、見切り発車のような形で受け入れ…。そして今のとても難しい状況です。
それでも、たくさんの人が「よりよい方向に…」、と願い、たとえわずかでも期待を抱き続けているのだと思います。
日本の福祉行政、大局的な視野に立たなければ…、という群青さんのおっしゃるとおりだと思います。
この件に関しての対策、手立てに、厚生労働相、外務省、経済産業省、法務省、文部科学省がどのように動き、連携しているのかはよく知りません。マスコミを通して伝えられる内容も、要の部分になると「政策に関わることなので、お答えできません。」…と。
小泉政権の落とし子である、この「EPAによる外国人看護師・介護福祉士候補者の受け入れ事業」、肝心の「基本的方針」、「福祉行政の大局」が、その当時も、そして現在にいたっても、未だにはっきりと示されていない、固まっていないように思えます。
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確かに、慎重な発言が・・ (群青)
2011-02-25 16:26:28
isshinさん、しつこくて済みません (汗)
その後、私も考え続けました。ミグランテの事に戻ります。
私の言う犬小屋であっても、日本国内の民間施設、地方自治体が、巨額の受入れ投資、協議、国への要望等の労力を使ってきて、その結果で、国家試験が改善されていることはまぎれも無い事実であり、素晴らしいエネルギーです。
ミグランテも私も、その関係者達の労力には敬意を表しなければなりませんネ。
ミグランテは、フィリピン海外就労者の代表として心底から「手ぶら帰国」を嘆いているとしても、フィリピン国民を背景としている団体なのでしょうから、嘆きの前か後にでも、日本国内の心ある関係者達に対して敬意を断り書きすべきかもしれません。
日本国内の民間施設や地方自治体関係者達は、ミグランテと同じ味方であるはずですから。
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EPAにより外国人を受け入れた看護・介護の現場のエネルギーはすごい…。 (Isshin - 編集人)
2011-02-25 21:52:13
群青さん、「しつこい…」なんて、とんでもありませんよ(^^;)。
群青さんの物事を見る視点はとても参考になります。
「日本国内の民間施設、地方自治体が、巨額の受入れ投資、協議、国への要望等の労力を使ってきて、その結果で、国家試験が改善されていることはまぎれも無い事実であり、素晴らしいエネルギーです。」

…そうなんです。そこなんですよ…。受け入れ先の「現場」はすごい…、と思います。本当に看護や介護の手を必要とする病院や施設が、多大な労力とお金を使って、外国人と真摯に向かい合っているのだろう、と感じます。「現場」は真剣そのものでしょう。すごいエネルギーだと思います。
政府の、この事案に関する関係の方、関係省庁のお役人は、もっとこの「現場」の生の声、外国人候補者の声を聞き、看護、介護の「現場」を今より以上に知ってほしいと思います。

もし、本当の意味での「門戸開放」…、「外国人の優秀な人材受け入れ」がなされたら…、と。「経済連携協定・EPA」を通してではなく、直接…。
もちろん、そんな簡単に行くわけがありませんが、もっと「現場」を信じて、「現場」の主体性を重視する形で受け入れがなされたら、この「現場のエネルギー」がもっと生かされるように思えます。

それと、ちょっと前の記事「比日EPAで日本へ行くんだったら、他の国へ…。 Overseas Filipino ...」(1月31日)で書きましたが、
「介護福祉士の候補者として、まずフィリピン国内で日本語の研修を受け(今年から…)、渡日後は半年間日本語や文化を学び、その後受け入れ機関(特養ホームなど施設)で、お給料付きで3年半研修を兼ねた就労が…。4年目の国家試験に合格できずに、帰国の羽目となったとしても、フィリピンでは小さな家が建つでしょう。」
と、EPAによる受け入れ条件を満たすウチの介護者たちに言っても、日本行きには興味を示さない…、といった内容でした。フィリピンの大統領の約2倍(看護師候補者はそれ以上)のお給料を受け入れ機関の「現場」からもらって、3年半…、滞在、生活するのに必要な経費を差し引いても、4年後にフィリピンに帰れば「小さな家」が建つほどにはなる気がします。だから、フィリピンにいる僕の感覚では、「手ぶらで帰国」するとは考えにくい…。

ただ、フィリピン人就労者を受け入れている世界の多くの他の国々では、「4年間、一度も帰れずに…」(介護福祉士候補者の場合)といった「(雇用)契約」はまずないでしょう。「2~3年の雇用契約」であっても、一年に一度は最低、バケーション、短期休暇でフィリピンに帰国できますから…。
 フィリピン人の候補者に限って言えば、「(すでに)帰国組」のほとんどは、ホーム・シックではないか…、という気がします。もちろん、日本でなくても、どこの国へ行ってもそういう傾向は強いですが、「雇用契約」ですぐにお金が入ること、プロフェッショナリティ(専門性)をすぐに生かせること、それと、雇用契約を途中解約した場合、帰ろうに帰れない罰金(ペナルティ)が契約中にあるということもありますが…。
 日本のように、政府を通して、経済連携協定・EPAによる人材受け入れ、という特殊性も、フィリピンの海外就労希望者には敬遠される原因かもしれません。
 多くの国は、「雇用主」と「就労希望者」間で「雇用契約」が結ばれ、両者の間にエージェンシー(職業紹介、斡旋、仲介の業者)が入って、就労ビザの申請も含めて、渡航に関する手続きを行う、というのが普通ですから。
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今日は「ピープル・パワー革命」25周年記念日。 (Isshin - 編集人)
2011-02-25 21:55:15
今日2月25日は、1986年、マルコス政権独裁を、人々の力を結集させて打ち破った「ピープル・パワー革命・People Power Revolution」の25周年の記念日。
その立役者で、無血革命により大統領に就任後、フィリピンの民主化を推進した「コラゾン・アキノ」元大統領のご長男で、現フィリピン大統領のベニグノ・アキノ3世(ノイノイさん)を中心に盛大なセレモニーが行われました。
僕は、ルネタの公園に行ってきました。セレモニーは、「EDSA・エッツァ」で、ですが…。できれば、また近いうちにアップしますね。
世に言う「EDSA・レボリューション」です。フィリピンの人は「エッツァ・レボリューション」と発音します。
群青さん、ご近所のフィリピーナに「エッツァ・レボリューション」のトピックを持って行くと、すごく喜ばれると思いますよ(^^;)。
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