アイ!サラマッポ in フィリピン & ジャパン!

‐Ay! Salamat sa Pilipinas at sa Japan!‐
 フィリピン、そして日本にありがとう!

Tokyo Olympics & Paralympics 2020-その時日本の介護難民は…!

2013年09月08日 | フィリピン人看護師・ケアギヴァー

 2020年のオリンピックとパラリンピックが、東京で開催されることが決まりましたね。その時、明け方の東京の空には、うっすらと虹がかかっていたようです…。おめでとうございます!

 さて、その2020年には、日本では65歳以上の高齢者が約30%に達すると予想されています。そして、介護が十分に受けられない要介護者、施設でも在宅でも受け入れ先がない要介護者は増えていく一方です。
『介護難民』という言葉が適切かどうかは分かりませんが、そういう居場所のない人たちが、この日本に、すでに200万人近くいるとも聞きます。 

 自分自身も、95年に、3年間お世話になった福井県の重度身体障がい者療護施設を出て、東京の多摩市でいわゆる障がい者の自立生活に挑戦した時、『東京の頸損難民』と言われ、その後99年に単身フィリピンに飛び込んでいった時も『フィリピンの日本人介護難民』であったと思います。その時は、もうどこへも行く場所がなかった…。住む場所はあっても、介護の手がほとんどありませんでした。ちなみに、その当時の地元金沢の在宅支援では「週に2回、1回2時間」、つまりヘルパーさんを派遣してもらえる時間数は週にわずか4時間、とても生きてはいけませんでした…。 

 今、5月の大腿骨頚部骨折というアクシデントのため、十数年ぶりに、もう一度日本での自立生活に挑んでいる最中ですが、見通しは大変厳しい、と思います。
 自分自身が再び『介護難民』にならないために、そして『介護難民』と言われる人たちが少しでも少なくなることを願って、これまでのフィリピンでのロング・ステイで感じ、学んだことを基に、今後、自分なりの考えを当ブログでも書いていければ…、と思います。

 介護の手をどう補っていくのか…、今の日本の状況は「待ったなし!」です。

 

(第2章 東京にて)
「その数日後に、私は金沢を出て、また、一人東京へと向かった。(1999年)
…足のくるぶしの傷の状態もよくなかったが、お尻の床ずれの方がさらに進行し、中央部は深くえぐられているとのことだった。
 
もう暦の上では春だったが、都会を吹き抜ける冷たい風がほおを刺した。床ずれのせいかすぐに体がだるくなり、以前より疲れやすくなっているとも感じた。『こんなはずでは・・・。』と気持ちばかりが焦ったが、体が思うようについて行かない。体力が限界に達しつつあるのを感じた時、最後の望みを海外にかけようと考え始めた。…やはり英語が通じやすく、滞在できる期間がより長いフィリピンしかない、と思った。三ヶ月ほど前、散々な目に遭ったにもかかわらず、そのマニラへ戻ることが最良の選択だと判断をした。
 
私は覚悟を決め、一旦日本を脱出することにした。生きるために・・・。」↓

(第3章 マニラにて)
「一九九九年三月一二日早朝、東京で行き場を失った私は、成田空港へ向かった。フィリピンへ行けば、この困難な状況を何とか打開できそうな気がした。『日本を一旦諦めよう・・・。』
 
暁闇の中を成田空港へと向かう途中、空が次第に紅色に染まり出し、東京湾から朝日が昇ってきた。日本海に沈んでいく夕日は数え切れないほど見てきたが、太平洋の、海からから昇る日の出を見るのは生まれて初めてだった。その雄大な美しさに見とれながら『道はまだある!』と、自分自身を奮い立たせた。」

(拙著『アイ!サラマッポ~フィリピン人介護者と生きて~』上巻より)


今日9月8日は…。

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17 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
サラマッポ (としちゃん)
2013-09-14 00:14:17
今後の福祉について、お話したあと、寺本さんの生き方を沢山の人に知ってもらうのが、みんなで考える機会が生まれるのではと思いました。

このブログを僕の友達にも紹介しようと思います。

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介護ビザ (Isshin)
2013-09-14 11:10:55
一刻も早く「介護ビザ」のようなものを作る、ビザの要件を緩和するなど、個人契約の外国人介護士にも来てもらえるよう手を打っておかないと、今以上に介護難民が続出することになると思います。

日本では、カラオケバーやパブなどで働く「興行ビザ」があって、本当に必要な、それこそ命に関わってくる「介護ビザ」のようなものがどうして今もないのか疑問です。

ありがとう…としちゃん。
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拙著『アイ!サラマッポ』 (としちゃん)
2013-09-14 18:50:35
寺本さん著書が掲載されているHPを、フェイスブックに下記文章と併せ記載しました。

何か書き込みがあれば報告します。



【フェイスブック記載文】
この本の著者である寺本さんが、フィリピンから日本へ一時帰国しています。

帰国直後に、大腿骨を損傷しもう飛行機でフィリピンへ帰れないかも?と言っており、何かお役に立てないかと無い知恵を絞ってます。

航空運賃は、ストレッチチャ-を装着した場合、座席6席を使用しフィリピン航空で約100万円との事…

費用も厳しいけど、大腿骨の治療も難易度か高く、今のところ痛みを我慢するしかないようです。

今は落ち込みを隠せない寺本さんに、気持ちだけでも元気になってもらいたいと思ってます。

みなさんからも励ましのメッセ-ジを宜しくお願いします。

寺本さん個人メ-ルへ転送します。
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落ち込んでた?(^^;) (Isshin)
2013-09-15 12:58:38
そんな落ち込んでるように見えた?Hahaha...^0^::

ストレッチャー利用だと、エコノミークラス6~10席くらいの上に装着されるので、その分の料金が…。そしてたとえばフィリピン航空「関空-マニラ」片道でも、装着は関空でしかできないので、戻ってきて関空で取り外すため、往復分の料金が…ということで片道102万円以上です。

航空会社(日本の大手)によっては割引もあります。
http://www.ana.co.jp/share/assist/09.html

5月に骨折したのは大腿骨の「頚部」…、車いす利用者(歩いていなかった人)は治療せず、そのままがよいということです。ここは血流が弱いため、接合はせず、骨頭部は壊死します。だから大腿骨の上部はゴロゴロ動いており、飛行機に乗るのは難しいと思います。

和歌山市へ転入後、8月にマニラの日本大使館には「帰国届」を出しました。
和歌山でがんばってみるよ。。。
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フィリピンの笑顔 (としちゃん)
2013-09-15 18:31:35
うん、落ち込んでたような気がしました。

フィリピンの市場で買い物、公園での散歩、そして交通渋滞の中を逞しく車椅子を操る寺本さんを見ており、あのいきいきした姿と比較すると元気がないなぁって思いました。

でも、持ち前のバイタリティで和歌山でも無理しない程度に頑張って下さい。

我が家から、約60km後方支援応援団です♪
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介護ピザ (群青)
2013-09-16 14:29:33
Isshin さん、和歌山はもう台風は過ぎ去ったことでしょう。
Isshin さんがおっしゃるとおり、介護ピザができるといいですね。
入国管理法の専門職が、日本の国家資格保有に限定しているようですが、介護難民が続出するこれからの事をなんとかして欲しいものだと思います。
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Salamat po! (Isshin)
2013-09-17 13:40:14
60km後方支援応援団?
頼もしい…(^^)。サラマッポ!

骨折した箇所がまだ痛むので、和歌山の県立医大病院(整形)で診てもらおうと思ったら、予約してもずい分待ち時間がある(数週間とか)ということです。評判が良く、患者さんも多いようですね。。。様子を見て判断します。
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個人契約のケアギヴァー (Isshin)
2013-09-17 14:00:09
群青さん…。
就業ビザの医療分野では、当然日本の国家資格がないとだめですよね。
確か、興行ビザも自国のエンターテイメントの免許(認可?)のようなものが必要だったかと思います。
僕はフィリピンで、個人契約の介護士・Private caregiverが、日本でも在宅で働けるようになったらなあ、とずっと思っていました。介護の手を必要とする世界の多くの国がそうしているように…。それは、日本では「介護ビザ・Caregiver visa」といったようなもので、1年とか2年とか期限を区切った就業ビザになるだろうだと…。
ただし、世界各国でフィリピン人介護士を個人で受け入れられるのは、それだけの「キャパシティ」と「経済的余裕」がある家庭がほとんどのようです。
僕は、ちょっと厳しいかなあ…。

今日の和歌山市は台風一過で青空が広がっています。が、県下ではやはり南部を中心に被害が出ました…。そちらは大丈夫でしたか?
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60km後方支援 (としちゃん)
2013-09-17 20:54:01
サラマッポ!

評判のいい病院は、きっと良い病院でしょう?

評判の良い先生が移籍してないか少々気になります…

もし確認出来れば、どの先生が良い先生か判ればいいなぁって思いました。

心配性なんでスイマセン。。


ここ数日、体調不良で風邪っぽい僕ちゃん、ちょっとゆっくり寝だめします(笑)
体が、もともと弱く、あんまり役に立てない後方支援?ですが宜しくお願いします♪
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Get well soon... (Isshin)
2013-09-18 13:05:40
風邪は万病の元。。。
よいドクターにかかって下さい。

Get well soon...
どうぞお大事に…。
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