「 もう俺を苦しめるな。
時代だ。運命だ。
自己を、凡てを捨てて、
死にながらにして生きるのだ。」
「 私の心の底には、
絵が救ってくれるかもしれない、
と言ふ心が常にある。
私には、本当の絶望と言ふものはない。」
これは、水木しげる氏が1942年の10月~11月に、召集令状(赤紙)を受け取る以前に、当時の心境を書かれていた手記の一節です。ご本人も忘れていたという原稿用紙の束が最近見つかり、今回の『水木しげるの戦争と報道新聞展』で、その一部が初公開されています。
調布市制施行60周年、終戦70年という今年の夏、調布市名誉市民である水木しげる氏の、『総員玉砕せよ!』『ラバウル戦記』などの作品の複製原画や、言論統制下にあった当時の新聞記事など約90点が、調布市役所横の「調布市文化会館たづくり」で9月13日まで展示されています。(入場無料)
8月12日(水)の夕方、ご自身が展示会場へ。
93歳…お誕生日は私と同じでした。
(翌13日朝のNHK「おはよう日本」でも紹介されていました。)
「軍隊で兵隊と靴下は消耗品といわれ、兵隊は“猫” 位にしか考えられていないのです。こと“死” に関しては、やはり人間である。“一寸の虫にも五分の魂”という言葉があるが、兵隊全体の暗黙の同意なしにただ命令というだけでは、玉砕は成立しないと僕は思う。
(中略)
僕は戦記物をかくとわけのわからない怒りがこみ上げてきて仕方がない。多分戦死者の霊がそうさせるのではないかと思う。」
1991年8月 水木しげる (『総員玉砕せよ!』 あとがきより・本チラシ裏)
明日30日(日)は、『調布布よさこい2015』!
調布市のピンポイント天気予報は曇り。何とかもってほしい…。