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パライソメッセージ20131115 No.32

2013-11-15 18:25:43 | メッセージ

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パライソメッセージ 2013.11.15 N0.32

 Mail : isokawas@goo.jp

     Blog : http://blog.goo.ne.jp/isokawas

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 「パライソメッセージ20131115 No.32」を送ります。「不要だ」「余計なお世話だ」といわれる方は、お手数ですがその旨ご連絡お願いします。

 今年も残り少なくなってきました。それにつれて、私のフェードアウトもいよいよカウントダウンが始まります。フェードアウトしますが、自分のライフワークでは再び世の中にフェードインします。だんだんと、多感を覚えつつ超多忙な日々。

【主張・意見・コメントのページ】

テーマ:アメリカのデフォルト(債務不履行)が発するサジェッション

(アメリカのデフォルトの最大の原因は、軍国主義と新自由主義①)

 アメリカのデフォルトの原因は様々あるだろうけれど、最大の戦犯は軍国主義と新自由主義である。特に1970年代頃からのアメリカ凋落は、ドメスティックな問題に止まらず国際的な問題となってくる。アメリカ経済の双子の赤字といわれるのは、貿易赤字と経常赤字(財政赤字)である。財政支出に占める軍事費の比重が極めて大きいので、経常赤字の直接的な原因としての軍国主義は明らかだが、貿易赤字に関しても軍国主義が大きな原因となっている。

 1990年代に旧ソビエト連邦をはじめ当時の社会主義国が崩壊し、東西冷戦時代が終結する。ところが、冷戦を原因とする膨大な軍拡によって、膨大な恩恵をこうむっていたアメリカ経済の基軸でもある軍需産業は、あくなき利潤の追求を求め次々と新たな戦争に突入していった。第二次世界大戦以降1950~60年代の民族独立運動への軍事介入やベトナム戦争の主戦者であったアメリカは、東西冷戦終結後もアフガンへの介入、虚偽のプロパガンダであった『大量破壊兵器を保有する』イラクへの軍事介入、『対テロ戦争』最近でも国際世論の中で実行に至らなかったが『化学兵器疑惑』でのシリアへの軍事介入を宣言するなど、アメリカには戦後は無く、第二次世界大戦以降一貫してそして未だに戦争を続けている世界で唯一の先進国なのである。

 このことが実際はアメリカの経常支出に極めて大きな負担となっていただけでなく、アメリカの軍国主義は、世界でナンバー1の科学技術国、物づくりの国の産業や技術構造を大きく歪めてしまった。アメリカ産業の30%を占める軍需産業は、再生産の無い持続不可能の産業なのだ。世界ナンバー1の技術やそのノウハウを持つアメリカ産業は、軍需産業偏重によって相当歪められてしまった。民需品や平和産業の裾野は拡がらず、国際競争力もヨーロッパや日本に遅れを取るようになる。

 第2次世界大戦後の世界の大きな情勢は、民族独立運動と帝国主義、植民地主義の戦いが根源であった。民族独立の運動は大きなトレンドとして世界の歴史を動かし、多くの国が形の上では『民族独立』を勝ち取っていくが、そのうねりの中で様々な複雑な要素が絡み合ってきて人類に悲劇をもたらす。宗教、民族、部族、資源を巡る争い、利権争い等が複雑に絡み合い悲劇をもたらしてきている。イスラエルとパレスチナ、イラク、イラン、アラブ、シリア、パキスタン…。戦後の日本でも『戦勝国アメリカ』による支配政策として、『公用語を英語とする』『生活のレベルはかつての日本が占領していた国々の生活レベル以下とする』『司法権の剥奪』等が実施されようとしており、民族の悲劇の火種が残される重大な可能性が実際にあった。しかし歴史は、戦後の東西冷戦の中で日本に対する『政策』が変更され、天皇制を温存し、アメリカの世界戦略の要、反共の防波堤、集団的自衛権の下でのアメリカの侵略戦争のパートナーとしての役割を担わされ、違った意味での悲劇が今日まで続いている。

 軍需産業の圧力によって、アメリカが世界に紛争にあれこれと理由付けて、第2次世界大戦後一貫して戦争を仕掛けている間に、国際政治は大きく変動している。ヨーロッパではEUが築かれ、経済的にもユーロ経済圏が形成され、アメリカドル経済圏を凌いでいる。かつてSEATO(東南アジア条約機構)といわれたアメリカ主導の軍事同盟を締結していた東南アジアは、冷戦の終結以降アジアの平和と発展という各国のミッションを共有するASEANとして、第3世界を築いている。軍国主義アメリカはそのような世界のトレンドに調和せず、絶えず新しい『敵』を作り続け、ひたすらにかたくなに戦争を続けてきた。

 世界のトレンドと秩序はアメリカ中心主義を既に乗り越えている。アメリカ覇権主義、アメリカ中心主義はもはや遠くなろうとしている過去のものである。現在進行形のシリアへの攻撃意思もパキスタンへの無人機での爆撃による民間人の殺戮も国際的な非難が轟々である。未だにアメリカ覇権主義、アメリカ中心主義に付き従っているのは、歴代の自民党政権の対米従属派であり、今日の安部政権である。彼らは、アメリカとともに世界から孤立するリスクを自ら取りに行っている。

 それらのことがアメリカ産業を極端に歪め、持続可能な発展を阻害してきた。それが国際競争力を劣化させ、新エネルギー開発や、国際市場戦略を伴う民需品や平和産業等々の新しい産業の創出を不可能にし、成熟国の宿命もあいまって負のスパイラルとなり、巨額の貿易赤字に陥るのは必然であっただろう。ちなみに日本は、憲法9条による制約もありアメリカほど軍事費のシェアは高くないが(金額的には、米中に続き世界第3位という問題を内包しているが)、屈辱的ともいえるアメリカへの寄り添いによって、憲法第9条を持ち各国からも信頼されているにもかかわらず、ASEANでのリーダー的役割を果たそうとしない。それどころか、最近では集団的自衛権の解釈を変え、憲法9条を解釈改憲しようという、愚以上の犯罪的行為を犯そうとしている。

 アメリカの双子の赤字の一方が貿易赤字であり、それは産業の劣化の表出であり、産業の劣化は健全な税収の重要な阻害要因となっている。しかもアメリカ軍国主義は、世界資本主義の中での信頼を、政治的にも失墜させている。したがって今回のアメリカのデフォルトは双子の赤字が原因であり、その本質を詰めると、直接的にも構造的にもアメリカの軍国主義に大きく起因している。

 さて、アメリカのデフォルトのもう一つの原因は、新自由主義である。これは、軍国主義よりももっと直接的で、深刻な原因であろう。

(続く)

 

「一押しBook」

書名:ネットワーク京都2013年11月号

発行: 特定非営利活動法人ねっとわーく京都21

出版社:かもがわ出版

書評:

 本書は月刊のフリージャーナルだが、毎号充実した記事と編集で、読み応えがある。11月号の特集は「原発三題」で、共産党前国会議員吉井英勝さんがインタビューで原発利益共同体の醜悪な癒着を鋭く解析し批判している。女性ジャーナリストの池永紀代美さんはドイツのメディアが伝える福島の状況をレポートし、日本の原発利益共同体の醜悪な意図を彼岸から暴いている。新谷鉄氏はJR常磐線の現状のレポートで、現場を伝えている。

 11月号は、他に京丹後のXバンドレーダー米軍基地撤回を目指す大型座談会が掲載されている。いずれのコメンテーターも徹底的な現場目線。

 他、多少手前味噌ではあるが、小生のインタビュー記事「ブラック企業に負けない」が6ページで掲載されている。ご一読いただければ幸甚。

 

イソの評価:★★★☆☆

蔵書:イソ蔵書、他に組合でも蔵書。COOPブック&サービスでも販売

コメント
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