胃 癌 日 記 7
(遥か 四国最果ての 足摺岬へ続く道)
11月9日(水)・10日(木)
仕事。仕事で忙しければ気分は紛れるが…。
11月11日(金) PET検査
朝いつもの通り出勤し仕事。本日はAドクターの診察後PET検査のため、仕事のほうは午前中11時30分までで、昼・午後の5時間年休取得。職場の若手も、私が最近休みが多いのと不定期なので、心配の様子。自分の病状については、ある程度の事実をS課長には話しているが、勿論、絶対に職場、上司、人事課も含め「他言無用」で話している。もう1人、仕事を共有していて私を信奉している若手唯1人だけには、他言無用で
「毎年の体のメンテナンス検査で引っかかった。病院からは歳も歳やし検査入院しなさい、腫瘍マーカーも高いことやし、といわれた。まあ、ちょっと入院してくるわ。」
と、先日言っている。
11時45分に仕事を取り敢えず片付けて、大急ぎでS病院へと駆けつける。PET検査のため昼食抜きで京都から大阪へと急ぎ、午後1時5分にS病院の再診受付と消化器内科の受付を済ませ、診察待合へ。本日は1時30分に、消化器内科待合で連れ合いと待ち合わせ。やがて連れ合いがやってきて、一緒に待つ。なかなか呼ばれず、検査の時間は近づいてくるわでいらいらしていると、2時15分になってやっと呼ばれた。
〈補陀絡の足摺岬。展望場所の周辺は、椿が群生)
診察室に入ると、連れ合いをAドクターに紹介する。
「CTを見るとリンパが腫れています。潰瘍やらで単なる炎症ならいいのですが、細胞が良くないし、リンパですから早く手術したほうが良いでしょうね。腫瘍マーカーは正常(肝臓、膵臓、あと前立腺か?)なんですがね。」
腫瘍マーカーが正常と聞いて少しホッとした。
「先生。開腹手術ですか。」
「そうですね。」
「自分も覚悟をしていますので、何時でも良いのですが。」
Aドクターは医療スタッフに指示して、この後のPET検査の結果が解る日をPETセンターに確認している。どうやら1週間かかるようだ。
「来週18日に検査結果を見る再診としましょう。その上で外科に紹介します。」
「先生。PET検査は、癌の転移を見るんですね。」
「そうです。」
「その上で、どのような範囲の手術かも判断されるのですか。」
「そうです。」
と言うことで、18日の再診予約の手続きをして、A先生の診察を終えた。
診察後、急いでPETセンターに駆けつけて検査の受付。3時間ほどかかるのと、検査後この報告で茨木のNクリニックに寄っていくので、検査着に着替えた後、連れ合いは先に家に帰った。PET検査は全く苦痛はないのだが気が萎える。体重・身長・血糖検査のあと造影剤の注射、その後40分の安静。これだけでもいい加減うんざりだが、本番の透視の機械での検査に30分、そして再び20分の安静、再び30分プラスCTの透視、そして検査後チェックやらでやっと放免。2時40分に開始し、終了したのは5時40分だった。
(四国88ヶ所 38番霊場 補陀絡山金剛福寺)
検査後茨木の主治医のNクリニックに直行した。Nドクターに本日の診察と検査の結果を報告。
「先生、PET検査をしてきました。結果は1週間後と言うことで、18日にA先生の再診後外科に回されて手術の日程が決まるようです。」
「そうですか。転移がなければいいですね。私も明日午後A先生と勉強会で一緒になりますから、様子を聞いておきます。」
「先日の検査で、腫瘍マーカーは肝臓と膵臓とあと前立腺と思いますが、正常だと言うことです。」
「腫瘍マーカーはあてにならんです。高い人が低くなれば治療効果があったと判断しますが、もともと低くて、上がらない人もいます。」
と言う。Nドクターは嘘を言えなくて、歯に衣を着せないのは私も好きだが、それにしてもデリカシーが無い。もう少し優しく言えないのだろうか。私だって、自分で言うのもなんだがナーバスな状態になっているのに・・・。
(足摺岬を大きく回り、中浜などの在所を越えて 土佐清水港に至る)
(続く)