胃 癌 日 記 2
(四国88ヶ所 第9番札所 法輪寺は吉野川手前にある里寺)
2011年10月15日(土) 胃カメラ1回目
本日はNクリニックで胃カメラの検査。昨日は学生時代の同志、S君の急逝で夕刻お通夜に出席してきた。弟さんの話を聞くと、病気治療の薬を変えたところ、薬物ショックで本当にあっという間の急逝であったとのこと。非常に残念至極である。
そして本日私は胃カメラの検査。2日前に大腸ファイバーの検査で消化器を空っぽに、とりわけ大腸を無理やり空っぽにするかなり辛い思いをしたのもつかのま、1日おいてまた胃を空っぽにした。
(吉野川を渡って、第11番札所 藤井寺は山道への入口にある古刹)
(藤井寺にある「へんろ道」の道しるべ)
15日当日はNクリニックは結構混んでいて、10時30分の検査開始予定が実際に始まったのは10時50分過ぎだった。
2年前から経鼻胃カメラになって、今回で経鼻は3回目。初回はスムースに入り、Nドクターに感想を聞かれ、『カメラが入っているのに話しが出来るのはいいですね。』とか『口から入れると10分くらい経つと辛抱たまらんようになるのですが、鼻からだとまだまだ、いくらでも耐えられますね。』とか言っていた。しかし2回目は、痛かった。鼻血も結構出た。さて、今回はどうかなあと、若干の不安も思いながら鼻から入れてもらったが、なんと、今までで一番スムースに入っていった。いわば“楽勝”。Nドクターと喋りながら胃カメラ挿入、と言った感じだ。
さて、逆流性食道炎はあるが、おおむね食道異常なし。胃の入り口辺り異常なし。胃炎はあるがピロリ菌駆除の効果か、昨年に比べて炎症も大分治まっている。と順調な所見。ところが、
「うーん、ちょっと気になるなー。上彎の胃底部にちょっと気になるものがあるので、細胞を採りますよ。」
とNドクター。こちらはなにも分からない“まな板の上の鯉”状態。モニターを見ていると、見えるか見えないか、ごくわずかに赤くなった点のようなものがある。そこに焦点を当て、拡大して行くと胃壁に“梅の花”のような、4箇所が盛り上がり真ん中がへこんだものができている。
「ちょっと細胞を採りますよ。」
多少不安になりつつも、まあこんなことはあるだろう、などと思いながら見ていた。4箇所の盛り上がりそれぞれから細胞穿刺。組織をごく小さな疳子のようなもので掴み出すたびに出血。
「先生。えらい出血するのに痛いことはないですねー。」
「本当やね。これが皮膚やったら拷問でっせ。」
そんなやりとり。組織を採りながらNドクターは、
「【いそ】さん。あまりいいものではないようです。私の感じでは8割がた癌やと思います。細胞検査の結果は10日位かかるので、次回来た時に言います。」
胃カメラの後、Nドクターは写真や資料を示しながら、
「部位は、胃の底のほう、上彎部ですね。形状から見てⅡa型かと思います。次回来た時にお話します。」
(藤井寺から山道の難所を越えてたどり着いた、第12番札所 焼山寺)
私は、一連の検査の流れの中で、癌かなあという思いが沸々と感じてきていた。だからNドクターのそういった話を聞いても、冷静に受け止めていた。
家に帰って、連れ合いに本日の経過について話した。連れ合いは看護師ではあるが、こういった状況に冷静に受け止められるだろうか、といった心配をしながら話したが、なんと言うことはない、連れ合いは冷静だった。
(続く)