日蓮は「四箇格言」(しかのかくげん)を主張し、他の仏教
宗派の全てを、故人を不成仏にさせる魔道法として徹底的に
批判しました。その勢いは、他の宗派を認めている時の幕府
体制にまで及び、とうとう日蓮は時の政府に逮捕されまし
た。 量刑は斬首による死刑でした。
龍ノ口刑場にて日蓮の首を切ろうとした時、丸い光の球が現
れて刑の執行を妨害したと伝えられています。
私の霊視では、役人が3回挑戦したと観えます。最初の2回
は「ブーン」と言う音を出しながら発光する球体が飛び回り、
役人が恐怖を感じ中止しました。しかし、斬首の達人は自ら
の職責の為に止める訳にいかず、時間を空けて3回目に刀を
振り上げた時、金縛りにあって切れなかったと感じます。
ここで役人達が悩んでいる最中に、斬首中止の命令が幕府
から届いたと思います。最初の2回の奇異現象が幕府に
報告された時に、幕府内でも奇異な球体が目撃されていた
様です。
日蓮が斬首され掛かった時に念じていた言葉は、
「南無観世音菩薩 天照太御神」を何回も念じていました。
法華経に記されている、観音の名前を呼ぶ者には、観音力
により刃物が立たないと明記されている事と、国体を現す
天照太御神を「助けよう」とする自分を殺せる訳が無いと言う
純粋な思い込みでした。この思い込みが、日輪の球体を呼び
寄せました。
死刑を免れた日蓮は、流刑に処せられて自身のこれまでの
人生を振り返る良い機会に恵まれました。
この刑期を終えた日蓮が始めた事は、法華曼荼羅を書き表わ
す事でした。これが後世に発生する日蓮に関係する宗教団体
の本尊に成ります。仏像ではなく、掛け軸が御神体に成るの
です。
本尊 (日蓮正宗)は、掛け軸の中央に「南無妙法蓮華経」と大きく
書かれています。この言葉の周りに仏教系の諸天諸菩薩の
名前が明記される中、神道の天照太御神が一神だけ記入さ
れています。
ここに、日蓮の本意が隠されています。
初期の本尊では、天照太御神の記入場所は下方だったと
感じます。これが教団拡大と共に上方にせり上がって行きま
す。神名が上方に来た時点でも、日蓮は天照太御神への
思いを弟子の誰にも説明していませんでした。
いよいよ、主たる弟子と信者数が確立した時、日蓮は密かに
本意である曼荼羅を書きました。
それは、中心に描かれていた南無妙法蓮華経が下方に、蓮の花
の様に圧縮されて書かれ、その上の上部に大きく天照太御神
と一番大きく描かれていました。
まるで、天照太御神が蓮の花の台座に起立する様に観えま
す。 日蓮は、この曼荼羅を一番の側近である二人の弟子に
見せました。これを見せられた弟子は大変に驚愕しました。
最高の仏道だと日蓮を信じて来て、弟子もそれなりに組織の
長としての権威と恩恵を既に得ていました。
二人の高弟は、日蓮に対して意外な行動を取りました。
・・・続く。
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