一風斎の趣味的生活/もっと活字を!

新刊、旧刊とりまぜて
読んだ本の書評をお送りいたします。
活字中毒者のアナタのためのブログです。

目には定かに……

2007-08-09 08:13:24 | Essay
立秋だそうです。
「秋来ぬと」と『古今集』の歌人が詠ったように、何とはなしに空気の気配が変ったように気がします。

原因を考えてみると、風向きがいささか変化して、大気の汚れが少なくなったことが、まず挙げられます。
それによって、焦点深度が深くなった感じがします。近距離のものから遠距離のものまでピントが合ったような、と言えばお分りになるでしょうか。

第二には、太陽の位置が若干低くなったことが、原因として考えられます。
これによって、影のつき方や色合いが微妙に変化してくるのね。

北斎の「ベロ藍」ほどではないものの、空の色も、気のせいか、青が深くなったような……。

敏行の歌のようには、「風の音」は変っていませんが、以上のような視覚的な変化もあるのです。

しかし、気温は相変わらず高いですなあ。
この辺は、まったく秋らしくなっていない。まだ、秋の卵が生まれた程度。
天体レベルの運動と、大気の変化との間には、かなりのタイム・ラグがあることを実感させてくれます。

けれども、風通しの良い拙宅では、今年は一度もエア・コンを動かさずにすみそう(本当は、ちょっとでも稼働させないと、機械のためには良くないんでしょうが)。
ですから、原発を取るか、エア・コンを捨てるか、ということになれば、小生は、躊躇なくエア・コンを捨てる方を選びますね。
窓には風鈴、毎日、表に打ち水をしているし、何という「エコ」な生活なんでしょ(単に、古い習慣が身についているだけ、という説もあり)。

  Le vent se leve! . . . il faut tenter de vivre! (Paul Valery: Le cimetiere marin)

ということで、残暑お見舞い申しあげます。

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2 コメント

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残暑お見舞い申し上げます (aquira)
2007-08-09 23:32:27
 あまりの暑さに風の音にも驚けません。
 原発を作る口実になってしまうから、電気はあまり使わないようにしようとは思っているのですが、この暑さ。たまりません。
 生き生きとした抵抗感こそ生だとヴァレリーが言うように、この暑さを生への抵抗として乗り切ってみようかな。
 いや、乗り切ろうとil faut tenter ですね。
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まいった、まいった (一風斎)
2007-08-10 19:54:52
今日は、今年一番の暑さだったようです。
外へ出ると、カッと太陽が照りつけて
打ち水をいくらしても
撒いたそばから、どんどんと蒸発していきます。
確かに、気化熱を奪っているんでしょうが、
それ以上に新たな熱量が加わっているようで、
本当に、涼しくなっているんでしょうか?

それでも、家の中にいると、
風が抜けていくので
何とか昼寝などして、
最も気温の高い時間をやり過ごしています。

日中、自転車に乗って、熱中症などにならないよう
お気をおつけください。

では、また。


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