J. S. BACH
ST. LUKE PASSION
recomposed by JAN JIRASEK after an idea by CARL ORFF
Boni Pueri・ Munich Oratorio Choir・Munich Symphony Orchestra
Clear・Zanasi・Cold・Kronaue
Douglas Bostock
(Classico)
新約聖書には、「マタイ伝福音書」「マルコ伝福音書」「ルカ伝福音書」「ヨハネ伝福音書」の4つの福音書が収められています。
その中から、イエスの受難を題材にして作曲したものが、受難曲(Passion)です。
バッハは、ご承知のように、『マタイ受難曲』と『ヨハネ受難曲』をほぼ完全な形で残しているので、今日の私たちも耳にすることができます。
また、『マルコ受難曲』(1731年に初演された記録あり)は、楽譜も残されていないので、おそらくこの作品から転用したと思われる曲によって復元され、演奏されCD化もされています(T. コープマンによる復元版ありとのこと)。
しかし、『ルカ受難曲』は、バッハの筆による譜が残されているのですが、研究者によれば、バッハの作品ではないとされています。
にもかかわず、『ルカ受難曲』のCDなんてのが出ているのね。
しかも、あの C. オルフが残したアイディアを元に(楽譜は戦災で焼失)、チェコの現代作曲家 Jan Jirasek(1955 - 。ヤン・ジラチェックと読むんでしょうか)が再作曲をしている。
ただ、これ(オルフ/ジラチェック版)は、どう好意的に聴いても、バッハの作品とは思えませんなあ。
もう完全に、『カルミナ・ブラーナ』と同じ復元(捏造?)レヴェル。よほどのゲテモノ好きな方以外には、お勧めはできません(現代音楽に徹しているわけではないしね)。
小生、まだ耳にはしていないのですが、コープマン復元版の『マルコ受難曲』の方が期待が持てそうです。