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日本の黒幕?国家予算の5倍を管理する“長い名前の信託銀行”とは 202207

2022-07-01 22:38:00 | なるほど  ふぅ〜ん

日本の黒幕?国家予算の5倍を管理する“長い名前の信託銀行”とは
 BizSPA!フレッシュ  より 220701


 みなさんは、日本マスタートラスト信託銀行という金融機関を知っていますか? 株式に投資している人なら、一度は聞いたことがあるでしょう。
 日本マスタートラスト信託銀行 Master Trust Bank of Japan logo © Viewimage | Dreamstime.com

 上場企業の大株主の1人に名を連ねる会社で、ネットでは「日本の黒幕」とも言われていますが、その実態はどのような会社なのでしょうか。ファイナンシャルプランナー事務所代表の筆者(高橋成壽・@fpooji)が、500兆円を管理する謎の金融機関に迫ります。

◆そもそもどういう成り立ちの会社なのか?
 日本マスタートラスト信託銀行は、資産管理業務を専門に行う信託銀行として、2000年に設立された資本金100億円の銀行です。株主は、三菱UFJ信託銀行、日本生命、明治安田生命、農中信託銀行と、巨大金融機関4社が出資しています。直近の売上は約300億円です。

 信託銀行は、一般的な銀行業務に加えて、財産を管理運用する信託業務や遺言の保管や執行を行う併営業務を行うことができます。信託業務で預かった財産は銀行の財産とは別に管理され、銀行が破綻しても信託財産として預けた資産は守られる、倒産隔離という機能があります。

◆資産管理業務とは?
日本マスタートラスト信託銀行の広告
 信託銀行の業務のうち、資産管理業務とは年金基金や投資信託などの資産運用を支援する業務を指します。資産運用業務の管理部門をアウトソーシング先と言い換えることもできます。株や債券などの有価証券の売買の決済、有価証券の保管、売買に伴う残高の管理、配当金や利子の受け取りなど、資産運用業務の裏方を担う縁の下の力持ちと言えます。

 年金基金や投資信託の名義で上場企業の株式を保有すると、どの投資家がどの株式を保有しているか公開されます。資産運用会社としては自社の運用戦略が公になることを避けたいため、日本マスタートラスト信託銀行などを通じて有価証券を売買しています。
 そうすることで、匿名性を維持したまま有価証券を売買することができるのです。

◆なぜ500兆円ものお金を運用できるのか?
 日本マスタートラスト信託銀行の預かり資産が500兆円を超えていると話題になりました。しかし、これは自ら運用しているわけではないのです。有価証券の売買の指示は年金基金や投資信託、資産運用会社から出されます。

 日本マスタートラスト信託銀行は、その指示に基づき有価証券の売買を実現(執行)しているのです。そして、ある企業の株主名簿に日本マスタートラスト信託銀行と記載があっても、どの年金基金や投資信託なのかまではわかりません。

 ただし、日本の公的年金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、運用委託先を公開しており、資産運用会社名とともにどのファンドの資産を管理するかが記載されています。その資料によると、日本マスタートラスト信託銀行の名前が随所に出てきます。したがって、公的年金の多くは日本マスタートラスト信託銀行により管理されていることがわかります。

◆国家予算の5倍近い資産を管理
 日本マスタートラスト信託銀行は管理資産を増やしています。年金積立金管理運用独立行政法人の運用資産額200兆円の他、ETF(上場投資信託)の7割、投資信託など、さまざまな運用団体の資金を預かっており、日本の国家予算の5倍近い500兆円を超える資産を管理しています。

 2022年3月期の決算では、売上が対前年比8.5%増、当期純利益は同35.9%増となり、増収増益となっています。管理資産については121兆円増加となり、国家予算を超える管理資産増となっています。

 もはや日本の資産運用業界において欠かせない存在の日本マスタートラスト信託銀行ですが、資産を預ける側からすると資産管理の安全性が増します。

 たとえば、運用会社が自ら資産管理業務を行っていた場合、運用指図どおりに有価証券を売買したり、正しく資産を管理しているか、外部から監視することができません。場合によっては資産を費消してしまう、といった事態も想定されます。

◆資産管理業務が委託されることで不正を防ぐ

 しかし、信託銀行に資産を分別管理してもらえば、悪意のある運用者がいたとしても、資産を勝手に使われることがありません。

 そういった意味では、ファンドと呼ばれる資産運用会社の資産管理業務に、日本マスタートラスト信託銀行のような金融機関が関与していることは重要です。数値の粉飾や虚偽報告ができませんから、ファンドの価格などが適切であると信頼できます。

 以前、消費者からお金を借りて利益を分配するソーシャルレンディングという仕組みにおいて、当初の想定と異なる会社にお金が流出したことがあります。たらればですが、もしこの仕組の中でも信託銀行が介在し、適切に資金を管理したり、投資先を確認する仕組みがあれば、不正は起こらなかったかもしれません。

◆有効期限が近い株主優待を寄付する?
 もし、皆さんが投資先について安全性を確認したいと感じたら、資産管理業務を行う信託銀行が関与しているか、チェックしておくと良いでしょう。もし、信託銀行が資金の預かりに関与していなければ、理由を聞いておくべきです。それほど、重要な事業であり、大切な金融機関と言えます。

 日本マスタートラスト信託銀行は、多くの上場企業の大株主であるため、大量の株主優待が届きます。優待券、割引券、金券は換金し金券ショップの商品となります。しかし、換金性のない食料品も届きます。消費期限や有効期限が近い株主優待は、寄付をするなどサステナビリティに配慮した業務もあるのだそうです。

 いかがでしょうか、聞いたこともない金融機関ですが、公的年金を含めた私達の生活の資産運用面を影で支える存在。それが資産管理業務を行う信託銀行なのです。

<TEXT/ファイナンシャルプランナー 高橋成壽>

【高橋成壽】1978年生まれ、小学4年時に株式投資に興味をもち、大学在学中に株式投資を始める。慶應義塾大学を卒業後、金融系のキャリアを経てファイナンシャルプランナー事務所を設立。シングルマザーから上場企業の創業者まで幅広い顧客層が特徴。有料のFP相談の他、無料の専門家マッチングサービスとして「ライフプランの窓口」「住もうよ!マイホーム」「保険チョイス」他を運営。東海大学非常勤講師。連載:SankeiBiz、会社四季報オンライン、Yahoo!個人。著書『ダンナの遺産を子どもに相続させないで』(廣済堂出版) Twitter:@fpooji

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