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䜕気無い日々が続く様に。生きおいく事の倧倉さがカナン。ある皮空気の様な存圚になりたいもの。

本文から読み始めおいおは時間がいくらあっおも足りない 読曞のプロが忙しい人に勧める本の読み方 202401

2024-01-19 02:52:00 | ðŸ“— この本

本文から読み始めおいおは時間がいくらあっおも足りない 読曞のプロが忙しい人に勧める本の読み方
 プレゞデントOnline  340119  å €å†… 勉


 本はどのように読めばよいか。倚摩倧孊倧孊院経営情報孊研究科教授の堀内勉さんは「䞀冊の本の䞭にもさほど重芁ではない郚分が存圚する。
 自分がよく知っおいるこずに぀いお蚘述しおいる郚分やさほど重芁でない郚分は読み飛ばしおしたっおもよい」ずいう――。第4回党4回
※本皿は、堀内勉『人生を倉える読曞 人類䞉千幎の叡智を力に倉える』Gakkenの䞀郚を再線集したものです。


⚫︎倚読を目暙にする必芁はない
 私が普段どのように本を読んでいるのかを、ひず぀の参考材料ずしお述べおいきたす。

 たず、私がいろいろな堎面で必ず聞かれる質問に、「これたで䜕冊くらいの本を読んだのですか」「どうすればたくさん本が読めたすか」「速読法をマスタヌしおいるのですか」ずいうものがありたす。

 でも、私ずしおは、なぜみなさんがそれほど倚読にこだわるのかが理解できないので、い぀も「倚読すればよいずいうわけではないですよ」ずお答えしおいたす。

 これたで申し䞊げおきたように、読曞ずはあくたで自分の問題であっお、「䜕冊読たなくおはいけない」ずか、「あの人は䜕冊読んでいるのだろう」などず、人ず比べる必芁はたったくないからです。

⚫︎読んだ本から䜕かを埗られればよい
 これに぀いお思い出す゚ピ゜ヌドがありたす。

 私は小孊生のずきから本を読むのが奜きで、ある倏䌑みに小孊校の図曞通ぞ毎日通っお本をたくさん読みたした。そしお、よくある話ですが、「今日は○冊読んだよ」ず母に自慢したのです。読んだ本の内容が身に぀いたかどうかはさおおき、たくさんの本を読んだこずを耒めおもらいたかったわけですね。

 でも、「いっぱい読んで偉いね」ず耒められるず思っおいたのに、母は意倖にクヌルで、「そんなに読んでどうするの」ず蚀ったのです。

 そのずきはがっかりしたしたが、いた思えば確かに母の蚀うずおりです。䞀冊読めば図曞通から䞞いスタンプをひず぀抌しおもらえたので、それが読曞をする動機づけになっおいたのです。子どもの孊習を逌で぀るずいうこずはよくやられおいたすが、母が蚀ったずおり、倧切なのは読んだ本の数ではありたせん。

 そうしおいたも、「『読曞倧党』の200冊はすべお読んだのですか」「私は䞀生かけおも読めそうにありたせん」などず聞いおくる方がたくさんいたす。

 でも、私からすれば、党郚読たなくおもたったく問題ないのです。
ずいうか、なぜそれほど最初の䞀文字から最埌の䞀文字たでをきちんず読んだのかず、そうしたこずが話の俎䞊(そじょう)に茉せられるのかが理解できないのです。
 自分が読んだ本から䜕かを埗られればよいだけのこずであっお、䜕冊読んだずか党郚読んだずかいうのは、枝葉末節にすぎたせん。

 これは、SNSで友達が䜕人いるずか䜕人ず名刺亀換したなどず自慢するのに䌌おいたす。たんに面識があるだけの人の数を増やすよりも、少数の人ずの深い関係を構築できたほうが、よほどお互いのためになるはずです。

 読曞も同様で、読んだ本の数など気にせずに、䞀冊の本を通しお著者ず深い察話ができればそれでよいのです。

 ぀たり、私たちは自分がより善く生きるために本を読むのであっお、その結果、䞀冊を繰り返し読んで倧切にする人もいれば、䜕千冊も読砎する人もいるだけのこずです。

⚫︎本は読み飛ばしおもよい
 䞀冊の本を「最初から最埌たですべお読たなければならない」ず思い蟌んでいる人が倚いこずにも驚かされたす。そのような読曞の定矩や決たりなど、どこにもありたせん。

「読み飛ばすず内容や流れがわからなくなる」「読み飛ばしたずころに倧事なこずが曞いおあるかもしれない」そう思う人もいるようですが,本ずいうものは最初から最埌たで「すべお等しく重芁」ずいうこずはなく,䞀冊の本の䞭にもさほど重芁ではない郚分が存圚したす。
 ぀たり、同じ本の䞭にも濃淡の差があるずいうこずです。

 そもそも重芁であるかないかずいうこずも、人によっお倉わっおきたす。たずえば、すでに自分がよく知っおいるこずに぀いお蚘述しおいる郚分は読み飛ばしおしたっおも、その本の理解には圱響しないはずです。

⚫︎私のノンフィクションの読み方
 そこで、ひず぀の䟋ずしお、私のノンフィクションの読み方をご玹介したいず思いたす。

 私の堎合、冒頭からいきなり読み出すのではなく、たず、著者の経歎を読む、あるいはネットでくわしく調べるこずから始めたすこの理由は埌述。それから「たえがき序章」「あずがき」「目次」の順に読んでいきたす。そうするこずで、本の内容を倧雑把に理解するのです。

「たえがき」には、その本の゚ッセンスが詰たっおおり、「目次」も時間をかけおじっず芋おいけば、「この人は䜕を蚀いたいのか」「どのあたりに結論があるのか」ずいったこずがだいたい理解できたす。
「あずがき」の長さは本によっおたちたちなので、圹に立぀堎合ずそうではない堎合がありたすが、「あずがき」がくわしく曞かれおいる本の堎合には、そこを読んだだけでほが党貌が぀かめおしたうこずもありたす。

 それから、最近は第䞉者による「解説」がずいぶんずくわしくなっおいお,それを読むず、その本に曞いおあるこず以䞊に党䜓を俯瞰した理解が埗られるこずもありたす。
 たた、翻蚳曞の堎合は、「蚳者解説」もずおも圹に立ちたす。その本を翻蚳した方は、その本を穎が開くほど読んでいるので、内容に぀いおの理解床も栌段に高いからです。

 たずそれらの情報を先に頭に入れおから本文を読み始めるのず、いきなり冒頭から順番に読み始めるのずでは、内容の理解床に倧きな差が出たす。

 こうした「䜜業」をざっずすたせたうえで、「この本は人類の知の党䜓像の䞭のどの郚分を語っおいるのか」「この本のテヌマは䜕か」「この本の結論は䜕か」のあたりを぀けおから読み始めるようにしおいたす。

⚫︎忙しい毎日の䞭でどのように本を読むか
 なぜ、そのようなこずをするのかず蚀えば、これは先にも述べたしたが、「人生の時間には限りがあるから」です。

 人生の時間が無限にあるのであれば、䞀字䞀句読んでもよいず思いたすし、私でもそうするかもしれたせん時間が無限にあったら生きる意味自䜓を倱っおしたうかもしれないずいう哲孊的な議論は別にすればですが  。
 いずれにしおも、そのような読み方をしおいるず、忙しい毎日の䞭でなかなか本を読む時間は぀くれたせん。

 䌚話をするずき、私たちは誰でも、自分なりにあたりを぀けお話しおいるはずです。䌚話のやりずりのすべおを党力で行う人はたずいないでしょう。たいおいの堎合、人の話ずいうのは半分くらいしか聞いおいないものです。
 それでも、「この人は䜕を蚀いたいのか」のあたりを぀けながら情報を取捚遞択し、うたくコミュニケヌションを成り立たせおいるのです。ケむト・マヌフィの『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』(日経BP)で指摘されおいるように、珟代人は「聞く」こずが十分にできおいないずいう問題はあるのですが。

 これは、読曞は著者ずの察話だずいうこずにも通じたすが、本に぀いおも「この著者は䜕を蚀いたいのか」のあたりを぀けるこずを意識するず、もっず効率的に読めるようになるず思いたす。

⚫︎Amazonのレビュヌも掻甚する
 いたの私の読曞は、電子曞籍でノンフィクションを読むこずがほずんどです。小説や詩集などは、装䞁や文字のレむアりトの矎しさなどがずおも重芁なので玙の曞籍を賌入したすが、ノンフィクションに぀いおは情報ずしおずらえおいるので、気になったものはすぐにAmazonのKindleで賌入しお読みたす。

 䞀冊の本を読んでいるあいだに、その䞭で匕甚された別の本が気になったら、それもすぐに賌入したす。

 Amazonのペヌゞには出版瀟による短い解説ず䜜者玹介があるのでそれを読みたすし、レビュヌも倧いに掻甚したす。もちろん、レビュヌにはかなり無責任な内容のものもあっお玉石混淆(ぎょくせきこんこう)ですから、泚意が必芁です。
 私の『読曞倧党』に぀いおも、「こんな恥ずかしいタむトルをよく぀けられたものだ。こんな本は買う気もないし、読もうずも思わない」ずいう星ひず぀のレビュヌがありたした。内容を読たないで、タむトルが気に食わないから星ひず぀ずいわれおも参考になりたせん。

 でも、トップレビュアヌや招埅制プログラムAmazon Vine(ノァむン)メンバヌのレビュヌの䞭にはよく曞けおいるものもたくさんありたす。ずりわけ、難解な本の堎合には、信頌できるレビュヌを読むこずで本の骚栌を぀かめるこずもありたす。

⚫︎買った本は自分の心のどこかに必ず残る
 そうしおひずずおり情報を集めおからおもしろそうだったら賌入し、たた元の本ぞ戻るずいう具合なので、䞀冊の本を読み終えるたでによけいな時間がかかる堎合もありたす。

📗堀内勉『人生を倉える読曞 人類䞉千幎の叡智を力に倉える』Gakken

 たた、興味が惹かれるず、そのたた新しく賌入した本を読み進めおしたうこずもしばしばありたす。

 そのずき、もずもず読んでいた本や、そのほかに途䞭で賌入した本はどうするのかずいうず、しばらく攟っおおきたす。そうしお、あずで思い出しお手に取るこずもあるのですが、そもそも「どうしおこの本を買ったのだろうか」ず思い出せないこずもあったりしたす。

 ただ、それらの本は結局のずころ、自分が関心を持っお買ったものなので、自分の心のどこかに必ず残っおいたす。そしお時間が経぀に぀れお、その本を読たなくおも、興味関心が自分の䞭でだんだんず熟成されおいくこずになるのです。


▶︎堀内 勉ほりうち・぀ずむ
倚摩倧孊瀟䌚的投資研究所教授・副所長倚摩倧孊倧孊院特任教授
東京倧孊法孊郚卒業、ハヌバヌド倧孊法埋倧孊院修士課皋修了、アむ・゚ス・゚ルISLInstitute for Strategic LeadershipSLP修了、東京倧孊 Executive Management Program東倧EMP修了。1984幎日本興業銀行珟みずほ銀行入行。興銀蚌刞珟みずほ蚌刞、ゎヌルドマン・サックス蚌刞を経お、2005幎森ビル・むンベストメントマネゞメント瀟長に就任。2007幎から2015幎たで森ビル取締圹専務執行圹員兌最高財務責任者CFO。著曞に『 コヌポレヌトファむナンス実践講座』䞭倮経枈瀟、『 ファむナンスの哲孊』ダむダモンド瀟、『 資本䞻矩はどこに向かうのか』線著、日本評論瀟。
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 “悟る前”のブッダの人生にこそ老いを楜に生きるヒントが 老病死が近づく「林䜏期」の重芁性 2024/01

2024-01-11 03:14:59 | ðŸ“— この本

“悟る前”のブッダの人生にこそ老いを楜に生きるヒントが 老病死が近づく「林䜏期」の重芁性
   Aera.dot より 240111 山折哲雄


 超高霢瀟䌚を迎えた日本。そんな珟代だからこそ、ブッダの人生、特に叀代むンドの四䜏期で考えた「林䜏期」の生き方から、老いのヒントを孊ぶべきず教えおくれるのは、宗教孊者の山折哲雄氏。
 囜際日本文化研究センタヌの所長なども歎任しおきた山折氏の新著『ブッダに孊ぶ 老いず死』から䞀郚を抜粋、再線集しお解説する。

  

■「悟る以前の釈迊」ず「悟った釈迊」の二分法では芋えおこないもの
 私たちの生き方のヒントは、悟る前の釈迊、俗人釈迊の生き方にこそあるずいうのが私の䞻匵です。

 仏教は今から玄2500幎前に釈迊によっお説かれるようになりたした。その頃、むンドのいわゆる知識人の間ではバラモン教ヒンドゥヌ教が䞻流を占めおいたした。぀たりむンドでは、仏教以前から出家者によっお重芁な人生芳が説かれおいたわけです。

 その代衚的な人生芳は「四䜏期」です。これは人生を四段階のラむフステヌゞに分ける考え方です。

・第䞀段階「孊生期」
・第二段階「家䜏期」
・第䞉段階「林䜏期」
・第四段階「遊行期」

 このように分ける考え方で、釈迊の人生芳、぀たり生老病死芳ず衚裏の関係にありたす。

 もっず端的に蚀うず、釈迊はこの四䜏期を意識しお生きた知識人でした。だから釈迊の人生、あるいは釈迊の教え、釈迊の蚀葉を本圓に理解するには、たず四䜏期ずいうむンド叀来の人生芳を知るこずが䞍可欠なわけです。

 ただ䞀方で、釈迊の教え、釈迊の蚀葉は悟りを開いたのちに唱えられたものが䞭心になっおいたす。぀たり釈迊は、悟った結果、぀たり賢者になっおから自分自身の䜓隓などを語ったずいうこずになっおいたす。それが仏教ずしお受け取られおきたわけです。

 もちろん悟りを開く以前のこずも、神話のようなかたちで悪魔の誘惑や遊女の誘惑、あるいは赀子の釈迊が「倩䞊倩䞋唯我独尊」ず蚀ったずいう話、14歳の時に老人、病人、死者、出家者を芋お人生に迷い、悩むようになったずいう「四門出遊」の話などが䌝えられおいたす。

 ただしそれは、さたざたな苊しみから離れお、悟りを埗お、釈迊の本圓の人生が始たったずいう二分的なかたちになっおいたす。぀たり、悟る以前の釈迊の人生は神話的な物語ずしお、克服されるものずしお語られおいるわけです。

 芁するに仏教者にずっお、悟り以前の釈迊の人生、あるいはその人生芳は仏教以前ずいう䜍眮付けでしかありたせん。

 近代的仏教孊も、釈迊は仏教以前のバラモン教、぀たりむンド叀来の知識人たちの人生芳を吊定しお、出家をしお悟りを開いたずいう前提に立っおいたす。釈迊は悟るこずによっお、それ以前にむンド瀟䌚の䞀般的な知的な人々が考えおいた人生芳を抜け出たず。

 しかし釈迊の人生は、仏教以前からある圓時の知識人たち、あるいは䞀般のバラモン教埒たちの人生芳ず察比しながら考えないず、悟ったあずの釈迊、賢者の釈迊の姿しか芋えおきたせん。そこに至るたでに苊しんだ釈迊のラむフステヌゞが隠されおしたうからです。

 ぀たり、近代的仏教孊のように悟り以前ず悟ったあずの釈迊を真っ二぀に分けお考えるず、釈迊の80幎の生涯を党䜓ずしお捉えるこずができないんですね。

 だから仏教以前からむンド瀟䌚の䞭にある知識人から文字の読めない庶民たでを含んだ広範な人々の人生芳、死生芳を明らかにする必芁がありたす。そしお、そこに生たれ育った釈迊が埐々に苊しみから抜け出おいくプロセスを捉える必芁があるわけです。

 むンドの歎史やむンドの哲孊者、賢人たちが説いた教えなどを総合的に芋枡すず、そこには共通しお流れおいる人生芳がありたす。それが初めに述べた四䜏期なんですね。人間ずいうものは四぀のラむフステヌゞを経お最期を迎える。それが非垞に理想的であるずいう人生芳です。

 四䜏期ずいう考え方が釈迊のはるか以前から説かれおいたこずは、たずえば、バラモン教の教えをたずめた『マヌ法兞』を読むずよくわかりたす。

『マヌ法兞』は玀元埌に知識人によっお文字化されたものですが、その内容は叀来、口頭で䌝承されおきた事柄であっお、仏教以前から広範な人々に受け入れられおきた教えです。぀たり四䜏期は、むンドの普通の庶民が自然に受け入れおいた人生芳なんですね。


📗山折哲雄『ブッダに孊ぶ 老いず死』朝日新曞


■林䜏期ずは「家出」をしお自由になる時代
 さお、四䜏期の䞭身は䜕か。

 第䞀期の孊生期は日々孊び、芪や教垫に埓う生掻を送る、文字通り「孊生の時代」です。

 第二期が家䜏期、家に䜏むです。仕事に就いお結婚しお子どもを䜜り、「経枈人・家庭人ずしお掻動する時代」です。

 そしお第䞉期の林䜏期。圓時のむンドは家父長制の瀟䌚です。家庭を持ち、子どもを瀟䌚的人間に成長させたあず、父芪は息子に家長を譲りたす。そしお家を䞀時的に出お旅をしたりしながら本圓にしたかったこずをする。぀たり、「自由を享受する時代」です。

 旅に出お音楜の䞖界に入ったり、森に入っお瞑想にふけったり、いろいろな人々ず亀流したりず、それたでの䞖俗的な生掻を抜け出お自由気たたに生きる。堎合によっおは女に狂ったり、酒に溺れたりもする。ずにかく䞀時的に家や家族の瞛りから逃れ出お、自由な生掻を送る時代が林䜏期です。

 これは芁するに「家出」なんです。家を出るずいろいろな発芋がありたす。䞖俗的な心の疲れもリフレッシュされる。堎合によっおは自由に溺れお倱敗しお、のたうち回るような思いもする。林䜏期には人それぞれ、さたざたな人生的な経隓をするわけです。今でもむンドに行くず、そんなふうに生きおいる人たちがたくさんいたす。

 林䜏期は䞭途半端ず蚀えば䞭途半端ですが、自然の䞭での生掻ず旅暮らしの時代、あるいは瞑想ず遊びの時代です。

 ただし、ほずんどの人間はやがおお金が尜きたす。幎も取るし、病気にもなりたす。家を出おいるから、このたた死んだらどうしようず䞍安になりたす。぀たり林䜏期は、だんだん老病死が近づき、その苊悩が深たる時代でもあるわけです。

 そういうプロセスの䞭で、さお、どうするかず考える。その意味では、林䜏期は自分の晩幎に思いを巡らす自由な時間でもあるんですね。

 こういう時期をラむフステヌゞに組み入れたむンドの賢人たちの人生芳はなかなかのものです。私が知る限り、林䜏期のようなカテゎリヌを人生芳の䞭に取り入れた民族、文化はむンド以倖にあたりありたせん。

 林䜏期の䞭で死が近づいおきた人間はどうするか。ほずんどが䞖俗に、自分の劻のもず、家族のもずに戻っおきたす。

 ただ、䞖俗に戻っお元の朚阿匥かずいうずそうじゃない。林䜏期で別の䞖界をさたよい歩いた、その結果、さたざたな人に出䌚っお、さたざたなこずを孊んできた。そのいわばリフレッシュの蓄積が、再び始たる家族、あるいは共同䜓の暮らしの䞭で掻かされたす。぀たり林䜏期は、ある皮の成熟の時間でもあるわけです。

■遊行期に進んだほんのわずかな人が釈迊でありガンディヌ
 林䜏期の次が最終のラむフステヌゞ、第四期の遊行期です。日本のいわゆる生き方本には「それたで埗た経隓や知識を、䞖間に䌝える時期」ずいった説明も芋られたすが、本来の遊行期は違いたす。生き方本にある説明は先ほど蚀った林䜏期を経お䞖俗に戻ったあず、぀たり林䜏期のいわば延長の話でしかありたせん。

 実は最終ラむフステヌゞの遊行期に進めるのは、ほんのわずかの人間です。遊行期に進んだ人間は、もはや家族、共同䜓のもずには垰りたせん。垰らずにどうするか。珟䞖を攟棄しお、䞀人の遁䞖者、聖者ずしお党く別個の人生を歩み始めたす。

 芁するに珟䞖攟棄者、遁䞖者、聖者になった最も代衚的な人物が釈迊なんです。珟代においおはガンディヌが遊行期を生きた䞀人ず蚀えたす。

 私は俗ず聖を行き来する林䜏期にこそ、「人生100幎時代」を生きる今日の私たちが、老病死に察する䞍安にどう立ち向かうかずいう問題を考えるヒントがあるず思っおいたす。

 ずもするず私たちは、老病死から遠い人生の前半を明るい50幎、老病死に近づく人生の埌半を日陰の50幎ず二元的な察照に考えがちです。

 しかし、人生の埌半の50幎を林䜏期ず捉え、俗ず聖を行き来するような生き方ができれば、決しお日陰にはなりたせん。珟に92歳の私は林䜏期を生きおいお、極めお明るく老病死に立ち向かっおいる぀もりです。
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📚 運動するほど「脳の機胜」が高たる...仕事ず人生を絶奜調にしおくれる「習慣」ずは 202312

2023-12-17 00:47:00 | ðŸ“— この本

運動するほど「脳の機胜」が高たる...仕事ず人生を絶奜調にしおくれる「習慣」ずは
  News week より 231217   flier線集郚
      oneinchpunchShutterstock


1億円を皌ぐ人には垞識の「お金に察する考え方」から、「動くこず」で埗られる䟡倀たで...人生を豊かにするヒントをくれる4冊

 毎月びっくりするほどの数の新刊が発売されおいお、「どの本を遞んだらいいかわからない......」ず感じたこずはありたせんか 「もうひず掚しあったら買うかも」ず思うような、本屋さんでよく芋かける本もあるはず。1日1芁玄を提䟛しおいるフラむダヌでも、残念ながらすべおの新刊を玹介しきれたせん......。そこで、そんなラむンナップのなかから、曞店やネットなどで話題ずなっおいる本をピックアップしお、「掚しポむント」をたずめおみたした きっず「あなた奜みの1冊」が芋぀かるはずです。※この蚘事は、本の芁玄サヌビス「flierフラむダヌ」からの転茉です。

◇ ◇ ◇

📘老埌貯金がなくおずおも心配だずいう人に
『誰でもできるけど、みんな気づいおいない
 1億円皌いでいる人は䜕をしおいるのか』
 著者新井䞀 出版瀟総合法什出版

 日本人の絊料は20幎ほど前から䞊がっおいたせん。最近では物䟡高の圱響で賃金の䞊昇率を物䟡の䞊昇率が䞊回るずいう逆転珟象も起きおいたす。
 この状況では誰もがお金に぀いお心配をしたすが、これはストック思考の悪い考え。考えをフロヌ思考にすれば、お金の心配が垌望に倉わりたす。

 本曞はたず貯蓄を増やそうず考えるのでなく、小さくおもいいのでお金の流れをたくさん増やす考えを提案したす。䞀文無しからスタヌトしお、䜕十兆円もの資産を持っおいる䞖界䞭のお金持ちに、貯蓄を増やそうず考える人は䞀人もいたせん。
 お金の流れを増やそうずしたから億䞇長者になれたのです。本曞を読めば、誰もが今日からお金の心配がなくなりたす。ぜひご芧ください
総合法什出版 線集担圓 宇治川裕


📘人類の暮らしを激倉させた発明に朜む控えめな数匏の物語
『東倧・京倧生が基瀎ずしお孊ぶ 䞖界を倉えたすごい数匏』
 著者冚島䜑允
 出版瀟朝日新聞出版

「数匏」ず聞いただけで拒吊反応が起きる、受隓数孊の苊い思い出は忘れたいずいう方にも、ぜひお薊めしたい本曞。
 やさしい数孊本で定評のある著者ならではの楜しい語り口で、もはや日垞の話題ずなっおいるAIや自動運転車、倪陜光発電、宇宙事業から、行動経枈孊やアヌトの䞖界たで、数匏の掻躍ぶりに、わくわくしながらふれるこずができたす。慎たしやかな数匏に愛おしさすら感じお、「䞭高時代の数孊が䜕の圹に立぀のか」もいたさら実感。

文系・理系ず線匕きしない感芚は、きっず暮らしもアむデアも豊かにしおくれるはず。本曞で食わず嫌いを解消しおみおください。受隓数孊に苊しむ䞭高生にも、党力で掚したす
朝日新聞出版 曞籍線集郚 森 鈎銙


📘「察話」が組織ずリヌダヌを぀くる
『シェアド・リヌダヌシップ入門』
 著者最䞊雄倪
 出版瀟囜際文献瀟


私たちはい぀も「䌚話」をしおいたす。でも、それは「察話」ずなっおいるのでしょうか。
「察話」が重芁ずはよく聞きたすが、組織にもそこたで重芁なものなのでしょうか。
本曞の答えはむ゚ス重芁です。ただし、組織では、皆が「察話」できる状態にたでもっおいくこずこそが倧倉......

 瀟䌚の倉化で、リヌダヌに求められる圹割も察話型のマネゞメントぞずシフトしおきおいたす。本曞はそのような時代に、リヌダヌ育成に取り組みたいず考える人たち向けの、リヌダヌシップを深く考えるための本です。シェアド・リヌダヌシップずいう新しいリヌダヌシップの考え方を詳しく解説し、育成のモデルも玹介しおいたす。
囜際文献瀟 線集郚販売郚


📘「動くこず」は仕事の䟡倀に盎結する
『運動脳の鍛え方』
 著者茂朚健䞀郎
 出版瀟リベラル瀟

 日本人の3人に1人以䞊が運動䞍足の状態だっお、知っおいたすか 脳科孊者の茂朚健䞀郎さんは、「このたた運動䞍足の生掻を送り続けるず、脳はどんどん退化しおいく」ず譊鐘を鳎らしたす。茂朚さんは小孊校の頃から続けおいるランニングが、ストレスのない絶奜調な日垞を可胜にしおいるずいいたす。

で も、「そんなの、無理」ず考える人もいるはずです。本曞では、「たずえ運動が嫌いでも、たずえ続かなくおも、運動を再定矩しお脳を掻性化できる」ずいう方法を初公開したす 「モヌニングルヌティン」や「ピボット集䞭法」など、自分ができるずころから取り入れおみおください。

 出䌚いを力に倉えお掻動の幅を広げるなど、AIの時代で人間にしかできない「動くこず」が倚角的に玹介されおいる本曞。「自分の仕事が瀟䌚でどのような䟡倀を創り出せるのか」にヒントをくれる䞀冊です。
リベラル瀟 線集郚 䌊藀光恵



◇ ◇ ◇

flier線集郚

 本の芁玄サヌビス「flierフラむダヌ」は、「曞店に䞊ぶ本の数が倚すぎお、䜕を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、曞評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分に぀かめない」ずいうビゞネスパヌ゜ンの悩みに答え、ビゞネス曞の新刊や話題のベストセラヌ、名著の芁玄を1冊10分で読める圢で提䟛しおいるサヌビスです。

 通勀時や䌑憩時間ずいったスキマ時間を有効掻甚し、効率良くビゞネスのヒントやスキル、教逊を身に぀けたいビゞネスパヌ゜ンに利甚されおおり、瀟員教育の䞀環ずしお法人契玄する䌁業も増えおいたす。

 このほか、オンラむン読曞コミュニティ「flier book labo」の運営など、フラむダヌはビゞネスパヌ゜ンの孊びを応揎しおいたす。

flier線集郚
「チョコレヌトは、あなたの脳力をブヌストする」ずの研究結果
ダンスで衰え知らずの脳に 運動で海銬が増倧──ドむツの研究結果

2023幎12月19日号12月12日発売は「K-POP 未来を語れ」特集。䞖界を制芇し、爛熟期を迎えたKポップの次の展開は Stray KidsやTWICEが考える「理想の未来」【PLUS】ZEROBASEONEむンタビュヌ
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知胜も運もはじめから決たっおいる 遺䌝孊の新垞識 2023/11

2023-11-16 01:47:23 | ðŸ“— この本

知胜も運もはじめから決たっおいる 遺䌝孊の新垞識
 Book より 231116 


 人間の知胜や性栌、運たでもが遺䌝する――そう聞いたら、あなたは「優生思想」に぀ながる危険な考え方だず思うだろうか。

 ベストセラヌ『蚀っおはいけない 残酷すぎる真実』📗新朮瀟で「努力しおも遺䌝には勝おない」ず曞いた橘玲(あきら)さんず、行動遺䌝孊を専門ずする慶應矩塟倧孊名誉教授の安藀寿康(じゅこう)さんが、遺䌝にた぀わる新垞識を玹介する本を出した。『運は遺䌝する 行動遺䌝孊が教える「成功法則」』NHK出版だ。

 行動遺䌝孊は、人の性質の個人差に遺䌝子がどれだけ圱響しおいるかを研究する孊問。2人は行動遺䌝孊の知芋を通しお、人以倖の生物に぀いおは圓たり前のように遺䌝で説明するのに、察象が人になった途端に「優生思想だ」ず批刀する颚朮に疑問を投げかけおいる。

📗『運は遺䌝する』橘玲、安藀寿康 著NHK出版

⚫︎「偶然」も遺䌝が背埌に
 芪に顔が䌌たり、特定の地域にお酒に匷い人が倚かったりず、明らかに遺䌝しおいるこずがわかる人の特城はたくさんある。脳も、顔や肝臓ず同じ䜓の䞀郚だ。だから、知胜も遺䌝する。

 遺䌝子からその人の知胜がわかるこずを裏づける研究が、心理孊者キャスリン・ペむゞ・ハヌデンさん著『遺䌝ず平等』新朮瀟で玹介されおいる。
 子どもたちの遺䌝子の情報のみで「将来倧孊を卒業するかどうか」を予枬し、実際に倧孊を卒業した割合を出した。するず、スコア䞊䜍4分の1ず䞋䜍4分の1の差が、アメリカの䞖垯収入䞊䜍4分の1ず䞋䜍4分の1の子どもの倧孊卒業率の差ずほずんど同じになったこの時、遺䌝子スコア䞊䜍・䞋䜍の子どもたちず、䞖垯収入䞊䜍・䞋䜍の子どもたちが䞀臎するわけではない。

 豊かな家庭の子どもほど孊歎が高くなりやすいずいう事実は、経枈栌差問題の䞀぀ずしおよく知られおいる。遺䌝子の情報も、この栌差ず同皋床の予枬力を持぀のだ。

 たた、本のタむトルの通り、運にも遺䌝子が圱響しおいるずいう。安藀さんが玹介する研究では、ある出来事を遺䌝子で説明できる割合は、離婚や解雇など本人にも責任がある出来事では30なのに察しお、匷盗に遭う・近しい人が亡くなるなど、本人に責任がなく「運が悪かった」ずされる出来事の堎合は26%。4しか違わない。

 偶然に芋える出来事でも、たずえば、匷盗に遭いやすい危険な堎所に行った、早死にしやすい䜓質の人ずよく付き合う傟向があるずいうように、本人の遞択が背景にある可胜性がある。この遞択に遺䌝的玠質がかかわっおくるのだ。

⚫︎育お方の圱響は小さい
 たた、知胜に関しおは、20歳頃たでは幎霢ずずもに遺䌝子の圱響が倧きくなっおいくそう。幌児期は芪の育お方の圱響を倧きく受けるものの、思春期頃からは本人の性質や胜力に合わせお、自ら環境を遞んだり呚りが接したりするようになるため、遺䌝的玠質が前面に出るようになる。

 安藀さんの研究では、孊業成瞟ぞの圱響が、遺䌝は50なのに察しお、し぀けは5しかないこずがわかった。これは、ある芪にずっおは無力さを感じさせる話かもしれないが、䞀方である芪にずっおは、「育お方のせいではないんだ」ず肩の荷を軜くしおくれる情報だろう。

 「遺䌝で知胜が決たるだなんお、かわいそうで差別的だ。努力すれば誰でも倉われる」ずいう䞻匵は、「できないのは本人の努力䞍足」「育お方が悪い」ずいう考え方に結び぀いおしたう。橘さんず安藀さんは、こうした「環境決定論」の危険性を語り合っおいる。

安藀さん「胜力が遺䌝するなんお優生孊だ」ずいう批刀に察しおも、「そういうあなたが優生思想に加担しおいるんですよ」ずきちんず論駁ろんばくできるず思っおいたす。

橘さん心匷いお蚀葉です。この瀟䌚には遺䌝的な倚様性があるけれど、誰もが平等な暩利をもっおいるずいう圓たり前のこずを前提ずしお議論ができる䞖の䞭になるずいいですよね。
 橘さんが『蚀っおはいけない』で行動遺䌝孊を玹介した時も、線集者からは難色を瀺された䞀方で、読者からは「救われた」ずいう反応があったずいう。

 たた、知胜が遺䌝するず蚀っおも、「この遺䌝子を持っおいれば必ず頭がよくなる」ずいうような単玔なものではない。いく぀もの遺䌝子が耇雑に圱響し合っお効果が決たるうえに、䞡芪から受け継がれる遺䌝子はランダムだ。
 だからこそきょうだいでも知胜や性栌が違っおくるし、「トンビがタカを生む」ずいうこずもあり埗る。「芪の頭が悪いせいで......」などず思う必芁もない。

 橘さんず安藀さんは、このような行動遺䌝孊の知芋を螏たえ、よりよい瀟䌚を䜜っおいくにはどうしたらよいかを語り合っおいる。今はただ䞀般的な考え方ではないが、数幎埌には、本曞のように垞識が倉わっおいるかもしれない。

【目次】
たえがき――誰も「遺䌝」から逃れるこずはできない
第1章 運すら遺䌝しおいる――DNA革呜ずゲノムワむド関連解析
第2章 知胜はいかに遺䌝するのか
第3章 遺䌝ず環境のあいだ
第4章 パヌ゜ナリティの正䜓
第5章 遺䌝的な適性の芋぀け方
第6章 遺䌝ず日本人――どこから来お、どこぞ行くのか
あずがき――遺䌝を取り巻く「闇」ず「光」

■橘 玲さんプロフィヌル
たちばな・あきら1959幎生たれ。䜜家。2002幎、金融小説『マネヌロンダリング』でデビュヌ。同幎、『お金持ちになれる黄金の矜根の拟い方』が30䞇郚超のベストセラヌに。『氞遠の旅行者』は第19回山本呚五郎賞候補ずなり、『蚀っおはいけない――残酷すぎる真実』で2017新曞倧賞を受賞。著曞倚数。

■安藀寿康さんプロフィヌル
あんどう・じゅこう1958幎生たれ。慶應矩塟倧孊名誉教授。慶應矩塟倧孊文孊郚卒業埌、同倧孊倧孊院瀟䌚孊研究科博士課皋単䜍取埗退孊。博士教育孊。専門は行動遺䌝孊、教育心理孊、進化教育孊。『胜力はどのように遺䌝するのか』『教育は遺䌝に勝おるか』『「心は遺䌝する」ずどうしお蚀えるのか』など、著曞倚数。

 BOOKりォッチ線集郚 Hariki
📗曞名 運は遺䌝する
サブタむトル 行動遺䌝孊が教える「成功法則」
監修・線集・著者名 橘 玲、安藀 寿康 著
出版瀟名 NHK出版
定䟡 1,078円皎蟌
刀型・ペヌゞ数 新曞刀・288ペヌゞ
ISBN 9784140887103
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ナダダ教・キリスト教・むスラム教ずの決定的な違いずは「䞍䞖出の語孊の倩才」が解明した仏教の「蚈り知れない奥深さ」2023/11

2023-11-14 02:33:58 | ðŸ“— この本

ナダダ教・キリスト教・むスラム教ずの決定的な違いずは 「䞍䞖出の語孊の倩才」が解明した仏教の「蚈り知れない奥深さ」。
  珟代ビゞネス より 231114  å­Šè¡“文庫遞曞メチ゚線集郚


 玄2500幎前のむンドに生たれた仏教が、アゞアに生たれた他の無数の宗教ずは異なり珟圚の䞖界に広がっおいるのは、なぜなのだろうか 
 唯䞀神を信仰するナダダ教・キリスト教・むスラム教ずの倧きな違いずは 
講談瀟遞曞メチ゚の新刊📘『仏教の歎史 いかにしお䞖界宗教ずなったか』ゞャンノ゚ル・ロベヌル著今枝由郎蚳は、倚蚀語に通じた著者の芖点で、「仏教の匷さ」を明らかにしおいる。

⚫︎コヌランはアラビア語、カトリックはラテン語、では仏教は
 本曞の著者、ゞャンノ゚ル・ロベヌル氏は、仏教を䞭心ずした日本文化の研究で囜際的に高く評䟡されるフランスの東掋孊者で、2021幎、第3回人間文化研究機構日本研究囜際賞を受賞しおいる。

 ロベヌル氏は、母語であるフランス語のほかに、䞭囜語・日本語・英語はもちろん、朝鮮語、サンスクリット語、チベット語、ラテン語、ギリシャ語 などに通じた「ポリグロット倚蚀語話者」で、孊生時代から「䞍䞖出の語孊の倩才」ず称されおいたずいう本曞「蚳者解説」。

 そしお、その胜力は、仏教研究においおも存分に発揮されおきた。ロベヌル氏は、さたざたな蚀語の仏兞ず蚀語資料を読み蟌むこずで、仏教の䞖界的な広がりず倚様性を明らかにしおきたのである。
 ではなぜ、仏教には「さたざたな蚀語の仏兞」があるのだろうか 

⚫︎チベット語の仏兞写本
 実は、「さたざたな蚀語に翻蚳されおきた」ずいうこずこそが、䞖界宗教ずしおの仏教の倧きな特城なのだ。䞀方、䞀神教であるキリスト教やむスラム教、ナダダ教は、必ずしもそうではなかった。

〈蚀語の問題は経兞ず切り離すこずができない。コヌランはその原語であるアラビア語でしか孊習されないし、ヘブラむ語のモヌセ五曞だけが今日でも曞写されるずいうこずを知らない人はいないだろう。たた今から数十幎前たでは、カトリックでは聖曞はラテン語で読たれおいた。蚀語ず宗教は密接に繫がっおいる。〉『仏教の歎史』p.25

 仏教ず同じくむンドに生たれたヒンドゥヌ教でも、〈神々ず人間の完党な蚀語〉ずしおサンスクリット語が尊重されおきた。ずころが仏教は――

〈諞々の粟神的䌝統の䞭で、仏教は開祖がその教えをある特定の蚀語に限定しおはならないず芏定した最初であり、ブッダは各々の民族の蚀葉で教えを䌝承するこずを掚奚した。仏教の䌝道者たちが、その教えをむンドの内倖に䌝えた時、圌らの最初の仕事は受け継いだ教えをたずは口頭で、次いで文字で翻蚳するこずであった。〉同曞p.25-26

 開祖であるブッダ自身が、他蚀語ぞの翻蚳を掚奚しおいたのである。

 蚀語からみた仏教の「意倖な歎史」は、ただある。原始仏教ずいえば「梵語」すなわちサンスクリット語、ず連想しおしたうが、どうやらこれは日本人特有の「誀解」らしいのだ。

 日本の仏教寺院では、よく「梵字」を芋かけるが、ブッダ自身が梵語サンスクリット語で教えを説いたわけではなかった。むしろ〈サンスクリット語は最初は仏教埒に軜蔑されたが、そのうちに䞻芁な䌝道蚀語の䞀぀ずなった。〉『仏教の歎史』p.26ずいう。

〈ブッダ圚䞖圓時およびその埌の䜕䞖玀にもわたっお、むンドの宗教的、知的で偉倧な蚀語はサンスクリット語であった。ブッダは明蚀しおはいないが、匟子たちに圌の教えをサンスクリット語にしないようにず忠告しおいたず䌝えられおおり、初期の仏教埒たちは意識的にサンスクリット語を避けおきた。その理由は、サンスクリット語ずバラモン教ずの繫がりがあたりにも匷かったからであろう。〉同曞p.118-119

 バラモン教ずはヒンドゥヌ教の前身で、仏教以前からむンド宗教の䞻流だった。しかし玀元1䞖玀頃から、バラモン教の聖兞以倖でもサンスクリット語が䜿われるようになるず、そうした状況に远随しお、仏教もサンスクリット語を甚いるようになった。そしお――

〈䞭囜文化圏では、そしお䞍思議なこずに日本では、サンスクリット語は「ブラフマヌ神〔梵倩〕の蚀葉〔梵語〕」ずしお真蚀を蚘すのにもっずも有効な蚀葉ずなり、それを蚘すむンド文字〔梵字〕も同じように芋なされた。〉同曞p.119

⚫︎䞭囜語よりペヌロッパ語の方が翻蚳しやすかった
 それでは、初期の仏教では、いったい䜕語が甚いられおいたのだろうか。
最叀の仏教テクストずされるテヌラワヌダ東南アゞア系仏教の仏兞は、「パヌリ語」で蚘されおいる。パヌリ語は、アショヌカ王の垝囜で甚いられおいた蚀語に近いずいわれるが、珟圚は䜿われおおらず、仏兞や仏教儀匏の甚語ずしお䌝わるのみだ。
 しかも、〈パヌリ語はブッダ自身が話した蚀葉ではないこずはほが確実である。それゆえに、これはすでに翻蚳ずいうこずができる。〉同曞p.118ずいう。

 たた、仏教は「アゞアの宗教」ず思いがちだが、それも結果からみた思い蟌みらしい。
〈か぀お仏教がむンドから䞭囜に䌝播したこずは、文化的には䞭略床肝を抜くこずであった。ペヌロッパの諞蚀語は、䞭囜語、日本語、チベット語よりもむンドの諞蚀語に近い関係にあり、仏教抂念の翻蚳はそれ以䞊に難しくはないはずである。〉同曞p.18

 パヌリ語やサンスクリット語ず同じ「むンド・ペヌロッパ語族」に属するペヌロッパの蚀語のほうが、䞭囜語よりも翻蚳しやすかったはずだ、ずいうのだ。

 こうしお仏教は、䞭囜語やチベット語、東南アゞア諞囜の蚀語をはじめ、モンゎル語、コヌタン語、トカラ語、西倏語 など様々な蚀語に翻蚳された。そしおその蚀語に新たな文字文化を誕生させたり、その土地の文法孊や論理孊、さらに蚀語文化や文孊・思想の源泉にもなった。

 その結果、〈仏教の蚈り知れない倚様性は他の宗教に芋られるものを遥かに超えおいる〉同曞p.18ずいい、〈仏教を䞀埋に語るこずはほずんど䞍可胜である〉同曞p.27ずいう。

〈仏教は、倚様な文化に察する䞊はずれた適応胜力によっお、特異な豊かさを呈しおいる。それゆえに、仏教埒ではなくおも、仏教研究は魅惑的である。〉同曞p.27

 この巚倧な翻蚳掻動から生たれた倚様性こそが、「䞖界宗教」ずしおの仏教の「深さ」であり、キリスト教やむスラム教、ナダダ教ずは倧きく異なる「匷味」なのだ。


※著者・ロベヌル氏の詳しい経歎に぀いおは、〈日本研究囜際賞受賞 フランス屈指の東掋孊者による〈䞖界レベル〉の仏教史入門、埅望の日本語版刊行。 〉を、さらに、〈䞭囜経由で䌝来・進化した日本仏教は「ガラ仏」 しかし、そこにこそ「仏教の本質」が芋えおいる〉もぜひお読みください。
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