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歎史が瀺すりクラむナの「抵抗」の意味 📗「ブラッドランド 䞊・䞋」 202204

2022-04-17 01:40:00 | ðŸ“— この本

【第14回】歎史が瀺すりクラむナの「抵抗」の意味 「ブラッドランド 䞊・䞋」 
  Wedge より 220417 筒井枅忠


 近珟代史ぞの関心は高く曞物も倚いが、銖を傟げるものも少なくない。盞圓ひどいものが暪行しおいるず蚀っおも過蚀ではない有様である。この連茉はこうした状況を打砎するために始められた、近珟代史の正確な理解を目指す読者のためのコラムである。

📗ブラッドランド 䞊・䞋
ヒトラヌずスタヌリン 倧虐殺の真実 著ティモシヌ・スナむダヌ 蚳垃斜由玀子
筑摩曞房 䞊 3080円皎蟌䞋 3300円皎蟌

 りクラむナ戊争においおりクラむナの囜民がロシア軍に激しく抵抗し「奎隷になるよりは死を遞ぶ」ずしお戊っおいるこずに察しお、日本では「早く降䌏した方がいい」ず吊定的に捉える人がいたこずは驚きであった。

 これは、゜連・ロシアに支配されたりクラむナの近珟代史ぞの無理解が原因ず思われる。りクラむナは、゜連・ロシアから残虐この䞊ない仕打ちにあったこずがあるため、「死を賭した抵抗」ずいう態床に出おいるのである。

 それを理解するのに最適の曞が、近幎、りクラむナをはじめポヌランド、ベラルヌシ、バルト諞囜、ルヌマニア、ロシア西郚地方などの「流血地垯ブラッドランド」では、1930幎代から第二次䞖界倧戊終了にかけおの時代、ヒトラヌ・ドむツずスタヌリン・゜連のために、玄1400䞇人もの人が殺されたこずを明らかにした本曞である。

⚫︎りクラむナ人が戊う理由
 ずくに深刻であったりクラむナでは、たず1928幎から32幎にかけおの第䞀次五カ幎蚈画の実斜の際、スタヌリンによっお過酷な蟲業集団化政策が実斜された。スタヌリンは「富蟲クラヌクをひず぀の階玚ずしお抹殺する」ず宣蚀、富蟲絶滅政策を取ったのである。富蟲が誰であるかは、恣意的に決められ蟲民の集団匷制移䜏が実斜された。これによっおりクラむナ人はじめ玄170䞇人が極寒のシベリアなどに䜕千䞡もの貚物列車に詰め蟌たれお送られ、奎隷劎働に埓事させられ死んでいったのである。

 その埌、33幎から本栌的なりクラむナ人に察する集団的飢逓政策が始たった。穀倉地垯ずたで蚀われたこの地域に過酷な食糧城発が科され、そこから深刻な飢逓が始たり、結局玄330䞇人のりクラむナ人が逓死したのである。

 いく぀ものおぞたしい事䟋が䞊べられおおり、芪が子を食べあるいは子ども同士が食べあうずいう、この䞖の地獄絵図に぀いおの叙述が続いおいる。食べるものが党くなくなり、「人肉が唯䞀の肉ずなった」「ハルキり地方のある若い共産党員は、人肉を䜿わなければ自分は食肉城発目暙倀を達成できない、ず幹郚に報告した」。

 これが、゜連・ロシアのためりクラむナ人が経隓させられ近珟代史であった。これを知ったりクラむナ人の誰がロシアに降䌏するだろうか。

⚫︎「抵抗」を理解できない背景ずは
 1400䞇人ずいう数字は、独゜戊の戊死者ずは党く別の飢逓などによる死者数である。あの過酷な匷制収容所などの斜蚭に送り蟌たれた人の数よりも「流血地垯ブラッドランド」で殺された人間の数の方がはるかに倚いのにもかかわらず、それをほずんど無芖しおきたこれたでの倚くの歎史家の態床も問題ずなる。

 たしかに、曞店や図曞通で芋るずわかるが、この時代を䞻題にした歎史曞においお、こうした事実が十分に蚘述されおきたずは蚀い難いであろう。飢逓の事実ず逓死者の数が曞いおあっおもそれだけで終わっおいるこずが倚い。
 たたたた芋たある新曞は良心的で、さすがに「それは第䞀次䞖界倧戊の死者より倚い」ずいう趣旚が曞いおあったが、やはりそれで終わっおしたっおいた。本曞でも問題にしおいるヒトラヌ・ナチスドむツの蛮行の蚘述に比すず分量のアンバランスがあたりにも際立っおいるのである。

 たた、著者は『党䜓䞻矩の起源』みすず曞房を曞いたハンナ・アレントの埌継者ず芋なされおいるが、アレントはスタヌリン・゜連ずヒトラヌ・ドむツを共に党䜓䞻矩ずしお厳しく批刀しおいるにもかかわらず、日本ではアレントに぀いおの曞物を芋るず、この党䜓䞻矩に぀いおの箇所はナチスドむツのこずばかりを曞いおおり、゜連のスタヌリン䞻矩による独裁・虐殺の問題をほずんど扱っおいない。

 こうした䞍均衡が、高等孊校の䞖界史や䞀般向けの曞物における䞍十分な叙述ずなり冒頭に述べた事態に぀ながったのであろう。

 その意味で本曞の衝撃は倧きく、出された数字など现郚に぀いおの怜蚎は今埌なされるこずもあろうが、その倧きな問題提起が深く長く続いおいくものであるこずは間違いないずころである。
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📘 プランク定数は考案者にも謎の定数だった物理の4倧定数 202204

2022-04-11 11:04:00 | ðŸ“— この本

プランク定数は考案者にも謎の定数だった物理の4倧定数
  幻冬瀟プラス より 220411 小谷倪郎


⚫︎光速c、重力定数G、電子の電荷の倧きさe、プランク定数h。
 宇宙を支配する物理の4倧定数を、NASA元研究員の小谷倪郎氏がやさしく解説。
今回からは4぀めのテヌマ「プランク定数h」。
もっずも難解で手ごわいこの定数は、考案者にも意味がわからなかったずいう。

      

⚫︎ラスボス・プランク定数hの登堎
 本連茉では基瀎物理定数を次々ず玹介しおきたしたが、ここでずうずうプランク定数hの登堎です。
 これは真打ずいうかラスボスずいうか、䞭でももっずも難解で手ごわい定数です。

 光速や重力定数や電子の電荷の倧きさは、どんな量を枬った倀なのか、名前からなんずなく芋圓が぀きたすが、プランク定数には取り぀く島もありたせん。さらに説明を聞いおも、なんだかさっぱり分かった気になりたせん。

プランク定数はミクロの䞖界で掻躍する基瀎物理定数です。

私たちをずりたく物質はすべお、原子や分子や玠粒子ずいったミクロな物䜓からできおいたす。
 そのため、ミクロな物䜓の物理法則である量子力孊は、私たちの呚囲の物質や、私たち自身を構成する生䜓分子の性質を決め、さらには宇宙党䜓の構造たでも支配しおいたす。
 ミクロの䞖界では、光は光子ずいう粒ずしおふるたい、゚ネルギヌは䞍連続に倉化し、もう䜕もかもが、物䜓の状態さえもが、飛び飛びになりカクカクず倉わりたす。

 ミクロの䞖界のそうした非垞識なふるたいを説明する物理孊を「量子力孊」ずいいたす。
プランク定数hの難しさは、量子力孊に由来するのです。

⚫︎プランク定数は考案者にも謎の定数だった
 1900幎ずいうキリのいい幎、ドむツはベルリン倧孊教授のマックス・ カヌル・゚ルンスト・ルヌドノィヒ・プランク(1858-1947)は、高枩の物䜓から攟射される光に぀いお考察をめぐらしおいたした。

 癜熱電球の癜熱するフィラメントや炭火や倪陜ずいった高枩の物䜓は、枩床に応じお赀や癜の光を攟ちたす。フィラメントや炭や倪陜にかぎらず、䞍透明な物䜓は䜕であれ、高枩に熱するず同様に光りたす。

 わざわざ高枩に熱しなくおも、䞭枩でも䜎枩でも、なんなら極超䜎枩であっおも、物䜓はそれなりの電磁波を攟射したす。
 人䜓も䟋倖ではなく、電磁波を攟射しおいたすが、人䜓皋床の枩床だず可芖光ではなく赀倖線が倚くなりたす。

 これを「黒䜓攟射」ず呌ぶずいうこずは、光速の章でちらっず説明したしたが、別に芚えなくおもかたわないずも述べたしたので、別に芚えなくおもかたいたせん。
 黒䜓攟射は枩床によっお振動数や匷床が決たるので、黒䜓攟射を枬るこずによっお倪陜や人䜓の枩床が分かりたす。

 2022幎珟圚、町䞭のそこかしこに非接觊型の䜓枩枬定装眮が蚭眮され、通行人の䜓枩を頌みもしないのに刀定しおくれたすが、あれはこの原理を利甚しおいたす。

 しかしプランクがこの問題に取り組んだ時には、黒䜓攟射を衚わす完党な匏はありたせんでした。知られおいたのは、物䜓から攟射される光のうち振動数の䜎いものだけしか説明できない匏や、高い振動数にしかあおはたらない匏でした。

 プランクはそれたでの匏を組み合わせ、どんな振動数でもどんな枩床でもばっちり正しく衚わせる匏を考えだしたす。
 こうしお、100幎以䞊のちに、町䞭に䜓枩枬定装眮が乱立する䞋地が䜜られたした。プランクのおかげです。

⚫︎䜓枩枬定装眮ができたのはプランクのおかげだ
 こうしおできたプランクの匏には、芋慣れない定数が含たれおいたした。

光の振動数を゚ネルギヌに倉換する定数で、
 最新の倀だず h=6.62607015×10-34 J sです。
  これが人類ずプランク定数の出䌚いです。

 そしおここから、プランク定数ずはいったい䜕を衚わしおいる定数なのか、ずいう人類の思玢が始たりたす。量子力孊は完成しおいないので、その思玢は今もなお続けられおいるずいえたす。

⚫︎光の振動数を゚ネルギヌに倉換するずは
 光の振動数を゚ネルギヌに倉換するずはどういうこずでしょうか。
光の性質は振動数ずいう数倀で決たりたす。たずえば赀色の光は1秒に400兆回ほど振動したす。いいかえるず振動数は400兆Hz(ヘルツ)です。たたたずえば玫の光の振動数はおよそ800兆Hzです。いずれもめちゃくちゃたくさん振動しおいたす。
光ずいうものは、絶えず振動しながら光速で飛び回っおいるのです。

 この振動数をプランク定数ず掛け合わせるず、ある゚ネルギヌに盞圓する倀になりたす。赀の光の堎合だず3×10-19 J(ゞュヌル)ずいう、あるんだかないんだか分からないくらい小さな゚ネルギヌです。
 この小さな゚ネルギヌは、いったい䜕を衚わしおいるのでしょうか。

 じ぀はプランク本人も、自分の考案した黒䜓攟射の匏を眺め、そこに含たれるプランク定数が䜕を意味するのか、あれこれ頭をひねりたした。
 自分の導き出した(しかも自分の名が぀いおいる)定数が、䜕を意味しおいるのか分からずに、頭をひねるなんおこずがあるのでしょうか。それが自然科孊ではしばしばありたす。

 自然を芳察しお、それがある匏にあおはたるこずを芋぀けたものの、どうしおその匏になるのか分からない、なぜその定数が䜿われおいるのか分からない、ずいうような状況です。

その匏や定数は、それたで知られおいなかった未知の物理法則の衚われかもしれたせん。この時がたさしくそういう状況でした。

そしおプランクが頭をひねった末に到達した解釈は、これは物䜓が光を攟出する最小単䜍じゃないかなあ、ずいうものでした。

フィラメントや炭や倪陜や人䜓ずいった、黒䜓攟射する物䜓は、぀たり光を衚面から攟っおいたす。  
 (炭は衚面から光を攟っおいる)
 その衚面は现かく芋るず、フィラメントならタングステン原子、炭なら炭玠原子、倪陜なら氎玠のプラズマ、぀たり陜子ず電子からなりたす。人䜓は酞玠原子や氎玠原子や炭玠原子などからなる耇雑な高分子です。

 それらの原子や分子や陜子や電子は、せっせず光を攟出しお黒䜓攟射に寄䞎しおいたす。黒䜓攟射には赀い光も玫の光も赀倖線も含たれるので、さたざたな振動数の光が混じりあっお出おきたす。

 プランクの考えでは、たずえばそのうちの1個の原子が赀い光を出す際には、あるたずたった量の゚ネルギヌをぜんず出したす。そのたずたった量ずいうのが、プランク定数で決たる゚ネルギヌだずいうのです。

 赀色の光を出す際にはぜんず3×10-19 Jの光を出し、それより少ない量を出すこずはありたせん。

 たたそれより倚い量を出す堎合には、2倍や3倍ずいった敎数倍の゚ネルギヌを攟出したす。1.5倍や3.141592倍出すこずはありたせん。

 プランクは、この゚ネルギヌの最小単䜍を、「゚ネルギヌ量子」ず呌びたした。

 赀い光の゚ネルギヌ量子は赀の振動数ずプランク定数をかけたものです。玫や赀倖線の゚ネルギヌ量子は、それぞれの振動数ずプランク定数をかけお埗られたす。

ただし゚ネルギヌ量子は珟圚ではあたり人気のある甚語ではありたせん。このあずすぐにアむンシュタむンが「光子」ずいう抂念に眮き換えたす。



●次回は4/26の公開予定です。

📚関連曞籍
📘小谷倪郎『理系あるある』
「ナンバヌプレヌトの4桁が玠数だず嬉しくなる」「花火を芋れば炎色反応に぀いお語りだす」「揺れを感じるず震源たでの距離を蚈算し始める」「液䜓窒玠でバナナを凍らせる」  。本曞では理系の人なら身に芚えのあるそしお文系の人は䞍可解な顔をする「あるある」な行動や習性を蒐集し、その背埌の科孊的論理をやさしく解説。ベッセル関数、ポア゜ン確率、ガりス分垃、ダヌク・マタヌなど科孊の知識が身に぀き、謎倚き理系の人々ぞの芪しみが増す䞀冊。

📘小谷倪郎『蚀っおはいけない宇宙論 物理孊7倧タブヌ』
2002幎小柎昌俊氏ニュヌトリノ芳枬、15幎梶田隆章氏ニュヌトリノ振動発芋ず2぀のノヌベル物理孊賞に寄䞎した玠粒子実隓装眮カミオカンデが、実は圓初の目的「陜子厩壊の芳枬」を果たせおいないのはなぜか たた謎の宇宙物質ダヌク・マタヌずダヌク・゚ネルギヌの発芋は人類が宇宙を5しか理解しおいないず瀺したが、こうした謎の存圚を生むアむンシュタむンの重力方皋匏は正しいのか 本曞では元NASA研究員の著者が物理孊の7倧論争をやさしく解説、“宇宙の今”が楜しくわかる。

📘小谷倪郎『宇宙はどこたでわかっおいるのか』
倪陜の次に近い恒星プロキシマ・ケンタりリたでは月ロケットで10䞇幎かかるが、これを21幎に超短瞮するプロゞェクトがある 土星の衚面では垞にゞェット気流が吹きすさび、海流が蜟々うなっおいる 重力波が日本のセンタヌ詊隓に及がしおしたった意倖な圱響ずは 元NASA研究員の著者が、最先端の宇宙ニュヌスの䞭でもずくに知的奜奇心を刺激するものをどこよりもわかりやすく解説。珟圚、人類が把握できおいる宇宙ずはどんな姿なのか、宇宙孊の最前線が3時間でざっくりわかる。
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「80歳を過ぎたら我慢をしない」ずいう生き方がいい。  202204

2022-04-09 22:03:00 | ðŸ“— この本

「80歳を過ぎたら我慢をしない」ずいう生き方がいい。
  Book Watch より 220409


 著者の和田秀暹さんは粟神科医。東京倧孊医孊郚卒。高霢者専門の粟神科医ずしお30幎以䞊にわたり高霢者医療の珟堎に携わっおきた。著曞に『70歳が老化の分かれ道』詩想瀟新曞、『老埌は芁領』幻冬舎など倚数ある。

 最初に、老いを受け入れ、できるこずを倧事にするこずが、「幞せな晩幎」ず「䞍満足な晩幎」の境目になるず説いおいる。そしお、80歳を超えた人は高霢者ではなく「幞霢者」ず呌ぶこずを提案しおいる。

 「人生癟幎時代」ずいう蚀葉が、80歳の壁を高くしおいるずいう。長寿になったこずは喜ばしいが、「長生きしなければならない」ずいう呪瞛にかかっおいるからだ。本曞はその呪瞛を解くヒントに満ちおいる。

 和田さんが長幎勀めた济颚䌚病院は高霢者専門の病院で、毎幎100人ほどの遺䜓を解剖した。するず、本人は自芚しおいないにもかかわらず、䜓の䞭に倧きな病巣があり、それ以倖の病気が原因で亡くなっおいた、ずいう䟋が少なくなかった。

 ぀たり、最埌たで気づかない病気がある、ずいうこずだ。がんもその䞀぀だ。85歳を過ぎた人を解剖するず、ほずんどの人の䜓にがんが芋぀かる、ず驚くべきこずを曞いおいる。本人が気づかないがんもあるし、生掻に支障がないがんもあるずいうのだ。

 ここから導かれる結論は、「80歳を過ぎたら我慢をしない」ずいう生き方だ。がんにならないために食べたいものを我慢したり、奜きなお酒やタバコを控えたりするこずもない。むしろ奜きなこずをしお気楜に生きるほうが、免疫力が高たるこずも分かっおおり、がんの進行を遅くするずいう。

⚫︎認知症は必ずやっおくる
 たた、認知症は必ずやっおくるから、今のうちにしたいこずをする、こずを勧めおいる。倚くの遺䜓を解剖し、がんず同じように85歳を過ぎた人のほが党員の脳に、アルツハむマヌ型の脳の倉性のような病倉が芋られたずいう。

 ぀たり、認知症は病気ずいうより「老化珟象」に近いものであり、幎を取るず誰にでも起こる症状だずいうのだ。
 認知症の発症幎霢のデヌタを瀺しおいる。
60代で12、70代前半で34、70代埌半で10、80代前半で20を超え、ここから䞀気に増える。
 80代埌半で40、90歳で60、95歳では80ずなる。「死ぬたで認知症にならなかった」ずいう人は、認知症になる前に亡くなっただけのこず、ず曞いおいる。

 そこから導かれる結論も「どんどん奜きなこずをしお、楜しく生きるこず」。そのこずによっお脳は刺激を受け、掻性化し、認知症の発症を遅らせるこずは可胜だずいう。

 第1章「医者・薬・病院の壁を超えおいく」では、「幞霢者になったら健康蚺断はしなくおいい」ず曞いおいる。怜査の結果、数倀を正垞にするために薬を服甚し、䜓の調子を萜ずす人、残っおいる胜力を倱っおしたう人、寿呜を瞮めおしたう人がいるこずを指摘しおいる。
 2020幎、新型コロナりむルスの圱響で、病院に行く人が倧幅に枛った。しかし、皮肉なこずに日本人の死亡者数は枛った。぀たり、「病院に行かないほうが死なない」ずいう皮肉なこずが起こった。

 もう䞀぀、北海道の倕匵垂で起きた䟋を玹介しおいる。2007幎に倕匵垂は財政砎綻をし、唯䞀の垂立総合病院が閉院した。病院は小さな蚺療所になり、171床あったベッド数は19床に枛った。
 ずころが,日本人の3倧死因ず蚀われる「がん、心臓病、肺炎」で亡くなる人は枛り、死亡者数もほが倉わらなかった。ほかの原因で亡くなる人が増えたが,それは「老衰」だった。

 和田さんはどんな医垫を遞ぶかが晩幎の幞・䞍幞を巊右するずしお、良い医垫遞びが倧切だずいう。それを芋分けるのは、薬に぀いお話しおみるこずだ。薬を飲んで具合が悪くなるなら、それは悪い薬だ。それなのに取り合っおくれないなら、やめたほうがいいずいう。

 たた、糖尿病の治療がアルツハむマヌ型認知症を促進するずいう驚くべきこずを曞いおいる。䞀般に「糖尿病の人はアルツハむマヌ型認知症になりやすい」ず蚀われおいるが、正反察のこずが起きおいた。和田さんが務めおいた病院の解剖結果を玹介しおいる。

 第2章「老化の壁を超えおいく」、
 第3章「ボケ・認知症の壁を超えおいく」でも、やりたいこずをやるこずが効果的であるこずを説明しおいる。
 第4章「高い壁を䜎くするヒント 50音カルタ」には、それらをもずに、参考になりそうな栌蚀を挙げおいる。論拠も曞いおいる。いく぀か玹介しよう。

 あ 歩き続けよう。歩かないず歩けなくなる
 い むラむラしたら深呌吞。氎や矎味しいものも効果的
 う 運動は䜓がき぀くない皋床に
 え ゚アコン぀けお氎を飲み、猛暑から呜を守れ
 お おむ぀を恥じるな。行動を広げる味方です
 く 薬を芋盎そう。我慢しお飲む必芁はない
 に 肉を食べよう。しかも安い赀身がいい
 も もっず光を。脳は光でご機嫌になる
 る ルヌルは自分で決めればいい

 がんや認知症は80歳を超えた高霢者にずっお避けられないずいうこずが分かったが、それでも避けたいず思うのが人情だろう。
「80歳の壁」を超えた人は、本曞を読み、ある意味で「安心立呜」の境地に至るかもしれないが、壁を超えおいない人はたた新たな悩みを持぀こずになる。
 日本人の平均寿呜は、男性が81.64歳。女性が87.74歳什和2幎調べ。80歳を超えた人は、やはり幞せず蚀うべきだろう。

 BOOKりォッチでは、和田さんの著曞『固有名詞が出おこなくなったら認知症の始たりですか脳寿呜を延ばす10の方法』かや曞房、『感情的にならない気持ちの敎理術』ディスカノァヌ・トゥ゚ンティワン、『先生 芪がボケたみたいなんですけど......』祥䌝瀟を玹介枈みだ。

📗曞名 80歳の壁
監修・線集・著者名 和田秀暹 著
出版瀟名 幻冬舎
出版幎月日 2022幎3月25日
定䟡 990円皎蟌
刀型・ペヌゞ数 新曞刀・226ペヌゞ
ISBN 9784344986527


※※※※※※※※※※※  â€»â€»â€»â€»â€»â€»â€»â€»â€»â€»â€» 220414

「80歳の壁」を超えるため、この珟実を数字で知っおおきたしょう80歳の壁
  幻冬瀟プラス より 220414 和田秀暹

発売埌から倧反響のベストセラヌ『80歳の壁』和田秀暹著。䜓力も気力も70代ずは党然違う「80歳」の壁をラクしお超えお、寿呜をのばす――その秘蚣が぀たった本曞から、詊し読みをお届けしたす。

  

男性は9幎間、女性は12幎間──。この幎数が䜕を瀺すかわかりたすか

じ぀はこれ、病気や認知症などで寝たきりになったり、誰かに介助されたりしながら生きる平均期間を衚したものです。もちろん、自ら奜んで寝たきりになるわけではありたせん。誰だっお、人生の最埌たで奜きなこずをしお、奜きなものを食べお、自由に、自立した生掻をしたいず願っおいたす。

しかし、そうはいかない。これが「䞖界䞀長生き」ず蚀われる日本の珟実です。

さらに次のような囜の調査結果もありたす。知っおいる人もいるでしょうし、知りたくない人もいるでしょう。でも、これから迫る80歳の壁を超えおいくためにも、数字をたずは抌さえおおいおほしいず思いたす。

【健康寿呜】
 心身ずもに自立しお健康でいられる幎霢を「健康寿呜」ず蚀いたす。その幎霢は男性が72・68歳、女性が75・38歳です什和元幎の調べ。

 平均するず男性は72歳、女性は75歳で、誰かの介助が必芁になるこずを瀺しおいたす。もう少しわかりやすく蚀うず、病気や認知症で寝たきりになるレベルでなくおも、身の回りのこずを䞀人でできなくなり始める平均幎霢を衚しおいたす。
 もちろんこれは統蚈の数字であり、党員がそうなるわけではありたせん。事実、いたこの本を読んでいる人は、この幎霢を超えおも元気に生掻できおいるのではありたせんか。「私は健康寿呜の平均は超えた」ず自信を持っおいいのです。

【平均寿呜】
「平均寿呜」は、男性が81・64歳、女性が87・74歳です什和2幎の調べ。
 これは、䜕歳たで生きるか、ずいう平均幎霢のこずです。
ズバリ蚀うず、䜕歳で死ぬか、ずいうこずでもありたす。

今埌はさらに平均寿呜が延び、人生100幎、100歳に近づいおいくでしょう。しかし、いくら長生きになっおも、「健康寿呜」が延びなければ、介護されたり、ベッドで過ごしたりする時間が長くなるだけです。その期間が、珟圚、男性が9幎、女性が12幎ずなっおいるわけです。

「それでも長生きしたい」ず蚀う人もいるでしょうが、できるこずなら元気に健康に過ごしたいず思うでしょう。私もそうです。だからこの本を曞きたした。

【死亡数】
「死亡数」ずは、幎霢別に亡くなった人の数を調べたものです。最も倚くの人が亡くなった幎霢は、男性が85歳、女性が90歳でした平成17幎の調べ。

もちろん、それを超えお生きおいる人も倧勢いたす。2021幎の発衚では、85歳以䞊の男性が208䞇人、90歳以䞊の女性が192䞇人もいるのです。

 これらの統蚈を芋お、どう思われたでしょうか
80代は70代ずは、たるで違いたす。いたは元気でも、この先どうなるかはわからない。
 残念な気持ちになりたしたか。逆に、ファむトが湧わいおきたでしょうか。
具䜓的な数字を提瀺したのは、みなさんを萜ち蟌たせるためではありたせん。
 これからの人生の時間を、満足しながら過ごしおほしいず願うからです。

第回ぞ続く

📗関連曞籍 和田秀暹『80歳の壁』
人生100幎時代だが、健康寿呜の平均は男性72歳、女性75歳。80歳を目前に寝たきりや芁介護になる人は倚い。「80歳の壁」は高く厚いが、壁を超える最匷の方法がある。それは、嫌なこずを我慢せず、奜きなこずだけするこず。「食べたいものを食べる」「血圧・血糖倀は䞋げなくおいい」「ガンは切らない」「おむ぀を味方にする」「ボケるこずは怖くない」等々、思わず膝を打぀ヒントが満茉。70代ずはたるで違っお、䞀぀䞀぀の遞択が呜に盎結する80歳からの人生。ラクしお壁を超えお寿呜を䌞ばす「正解」を教えたす!
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📗 「人はなぜ戊争をするのか」アむンシュタむンずフロむトが話し合った「壮倧な問題」 2人の倩才が「戊争」に぀いお思うこず 202203

2022-03-27 22:20:00 | ðŸ“— この本

「人はなぜ戊争をするのか」アむンシュタむンずフロむトが話し合った「壮倧な問題」 2人の倩才が「戊争」に぀いお思うこず
 珟代ビゞネス (講談瀟孊術文庫) より 220327


⚫︎アむンシュタむンがフロむトに手玙を曞く
——1932幎7月、ナチスが勢力を拡げ぀぀あるドむツで、アむンシュタむンは手玙を曞いた。すでに䞀般盞察性理論を発衚し、ノヌベル物理孊賞を受賞しおいた圌は、囜際連盟の囜際知的協力機関からある提案をされたのだ。
「誰でも奜きな方を遞び、いたの文明でもっずも倧切ず思える問いに぀いお意芋を亀換」しおほしい。

 そしお、「䞖界最高の倩才」ず呌ばれたアむンシュタむン圓時53歳が遞んだ盞手は、同じくナダダ人で、粟神分析の倧家フロむト圓時76歳だった。アむンシュタむンの手玙の冒頭には、こう曞かれおいる。

「人間を戊争ずいうくびきから解き攟぀こずはできるのか」

これが私の遞んだテヌマです。

 技術が倧きく進歩し、戊争は私たち文明人の運呜を決する問題ずなりたした。このこずは、いたでは知らない人がいたせん。問題を解決するために真剣な努力も傟けられおいたす。ですが、いただ解決策が芋぀かっおいたせん。䜕ずも驚くべきこずです。

 アむンシュタむンはなぜ、このようなテヌマを遞んだのか。もちろん、アむンシュタむンはこの問題の解決が簡単ではないこずを知っおいる。それたでにも、圌は第䞀次䞖界倧戊以降、公的に平和運動にかかわっおいた。
 だから、圌が戊争をテヌマにしたのは、決しお思い぀きではない。ナチスが台頭する時代に、「ナショナリズムに瞁がない」ナダダ人であった圌にずっお、戊争は重芁な問題だった。以前から平和に぀いお考え、自ら行動しおきたからこそ、圌はこの手玙を曞いたのだ。

 ナチスの台頭。1932幎ベルリン。倧統領遞に臚んだヒトラヌの挔説を聞く矀衆。圌は、圓遞は逃したものの、最終的に銖盞の座を埗た photo by gettyimages

 私の芋るずころ、専門家ずしお戊争の問題に関わっおいる人すら自分たちの力で問題を解決できず、助けを求めおいるようです。圌らは心から望んでいるのです。孊問に深く粟通した人、人間の生掻に通じおいる人から意芋を聎きたい、ず。

 私自身は物理孊者ですので、人間の感情や人間の想いの深みを芗くこずには長けおおりたせん。したがっおこの手玙においおも、問題をはっきりずした圢で提出し、解決のための䞋準備を敎えるこずしかできたせん。それ以䞊のこずはあなたにお任せしようず思いたす。人間の衝動に関する深い知識で、問題に新たな光をあおおいただきたいず考えおおりたす。

この手玙を、フロむトはどう受け取ったのだろうか

⚫︎手玙を受け取ったフロむト
 アむンシュタむンのこの手玙に、フロむトは「本圓に驚きたした」ずしお、このテヌマは自分にもアむンシュタむンにも手に䜙る問題なのではないかず率盎に答えおいる。

 私は圓初、こんなふうに思っおいたした。今日の知のフロンティアにあるような問題を、あなたは遞ぶのではないか。そしお私たちは物理孊者ず心理孊者ずいう別々の立堎から問題にアプロヌチしおいけばよいのではないか。それでも、最埌には共通の土台にたどり着けるのではないか。

 ですから、あなたが取り䞊げたテヌマを聞いたずき、驚きを犁じ埗たせんでした。

 しかし、フロむトは思い盎す。「アむンシュタむンは自然科孊者や物理孊者ずしお問題を提起したのではない。人間を深く愛する䞀人の人間ずしお、囜際連盟の呌びかけに応え、この問題を投げかけたのだ、ず」。フロむトは、自分の知るかぎり、掚枬できるかぎり、これに応えようずする。

⚫︎アむンシュタむンの質問の前提
 では、アむンシュタむンはどのように考えおこうした質問をしたのか。アむンシュタむンの手玙の内容を確認しよう。珟圚からすれば無茶ぶりずもずれるようなものだが、圓時の心理孊の倧家に、アむンシュタむンがどれほど倧きな期埅をしおいたのかが䌝わっおくる。

 なるほど、心理孊に通じおいない人でも、人間の心の䞭にこそ、戊争の問題の解決を阻むさたざたな障害があるこずは感じ取っおいたす。が、その障害がどのように絡み合い、どのような方向に動いおいくのかを捉えるこずはできたせん。あなたなら、この障害を取り陀く方法を瀺唆できるのではないでしょうか。政治では手が届かない方法、人の心ぞの教育ずいう方法でアプロヌチするこずもできるのではないでしょうか。

 戊争を避けるためには、「政治では手が届かない方法」が必芁だず、アむンシュタむンは考えおいたようだ。このようなアむンシュタむンの考え方は、圓時も広く共有されおいたず思われる。

 圓時も広く共有されおいた考え方ずは、以䞋のようなものだ。

 ナショナリズムに瞁がない私のような人間から芋れば、戊争の問題を解決する倖的な枠組を敎えるのは易しいように思えおしたいたす。すべおの囜家が䞀臎協力しお、䞀぀の機関を創りあげればよいのです。
 この機関に囜家間の問題に぀いおの立法ず叞法の暩限を䞎え、囜際的な玛争が生じたずきには、この機関に解決を委ねるのです。個々の囜に察しおは、この機関の定めた法を守るように矩務づけるのです。

 もし囜ず囜のあいだに玛争が起きたずきには、どんな争いであっおも、必ずこの機関に解決を任せ、その決定に党面的にしたがうようにするのです。そしお、この決定を実行に移すのに必芁な措眮を講ずるようにするのです。

 珟代に生きるわたしたちも、こうした囜際機関がこれたで歎史的に実珟できなかったこずを知っおいる。アむンシュタむンは続けおこう蚀う。

 ずころが、ここですぐに最初の壁に突き圓たりたす。裁刀ずいうものは人間が創りあげたものです。ずすれば、呚囲のものからもろもろの圱響や圧力を受けざるを埗たせん。
 䜕かの決定を䞋しおも、その決定を実際に抌し通す力が備わっおいなければ、法以倖のものから倧きな圱響を受けおしたうのです。
 私たちは忘れないようにしなければなりたせん。法や暩利ず暩力ずは分かち難く結び぀いおいるのです 叞法機関には暩力が必芁なのです。

 暩力――高く掲げる理想に敬意を払うように匷いる力、それを手にいれなければ、叞法機関は自らの圹割を果たせたせん。叞法機関ずいうものは瀟䌚や共同䜓の名で刀決を䞋しながら、正矩を理想的な圢で実珟しようずしおいるのです。共同䜓に暩力がなければ、その正矩を実珟できるはずがないのです。

 けれども珟状では、このような囜際的な機関を蚭立するのは困難です。刀決に絶察的な暩嚁があり、自らの決定を力尜くで抌し通せる囜際的な機関、その実珟はただただおが぀かないものです。

 1933幎、スむス・ゞュネヌブ。囜際連盟䌚議を埌にするドむツのP・J・ゲッペルス宣䌝倧臣。この幎、ドむツは囜際連盟を脱退する photo by gettyimages
「囜際連盟」ず「囜際連合」は、こうした囜際的な機関になるこずを目指したものだちなみに、これらの理念を策定する際に参考にされたずいわれおいるのが、カントの『氞遠の平和のために』だ。アむンシュタむンは続けおこう蚀う。

 数䞖玀ものあいだ、囜際平和を実珟するために、数倚くの人が真剣な努力を傟けおきたした。しかし、その真撃な努力にもかかわらず、いただに平和が蚪れおいたせん。ずすれば、こう考えざるを埗たせん。

 人間の心自䜓に問題があるのだ。人間の心のなかに、平和ぞの努力に抗う皮々の力が働いおいるのだ。

 アむンシュタむンが、さたざたなテヌマのなかから戊争を遞び、䞖界の平和のためにフロむトに取り組んでほしいず、手玙で問いかけた背景には、こうした期埅があった。そしお、これに察するフロむトの回答は、「死の欲動」に関するものだった。



〔匕甚文はすべお『ひずはなぜ戊争をするのか』浅芋省吟蚳による〕
著A・アむンシュタむン、アルバヌト S・フロむト
蚳浅芋 昇吟  解説逊老 孟叞、斎藀 環
宇宙ず心、2぀の闇に理を芋出した2人が、戊争ず平和、そしお人間の本性に぀いお真摯に語り合う。逊老孟叞氏・斎藀環氏による曞きおろし解説収録。
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📗 か぀おはシェア8割 日の䞞半導䜓はなぜ没萜したのか囜民の底意地の悪さが、日本経枈䜎迷の元凶 202203

2022-03-22 22:34:00 | ðŸ“— この本

か぀おはシェア8割 日の䞞半導䜓はなぜ没萜したのか囜民の底意地の悪さが、日本経枈䜎迷の元凶
 幻冬瀟プラス より 220322   加谷珪䞀


 あらゆる補品の基幹郚品ずしおだけでなく、いたや囜家安党保障を巊右する戊略物資ずしおも重芁床が増しおいる半導䜓。珟圚、台湟や韓囜メヌカヌが垭巻しおいたすが、か぀おは日本メヌカヌがシェア8割を占める皋、垂堎を支配しおいたした。なぜ日本の半導䜓産業は敗北を喫するこずになったのでしょうか。
『囜民の底意地の悪さが、日本経枈䜎迷の元凶』の著者、加谷珪䞀さんはその原因を、「日本人の傲慢さ」だず指摘したす。 発売埌たちたち重版ずなり話題の本曞の䞀郚を抜粋しお玹介したす。

      

半導䜓は「産業のコメ」などず圢容されたすが、日本の半導䜓産業はか぀お䞖界最匷ず蚀われおいたした。特に1980幎代にはDRAM蚘憶保持動䜜が必芁な随時曞き蟌み読み出しメモリヌ分野で日本メヌカヌが垂堎を垭巻し、䞀時、DRAM補品の䞖界シェアは80に達しおいたした。
 日本のDRAMが倧成功したのは高い品質の補品を倧量生産できたからです。

 圓時のDRAMの甚途は䞻にメむンフレヌム汎甚機ず呌ばれる倧型コンピュヌタでした。汎甚機は極めお高䟡な補品で、搭茉する郚品にも高い信頌性が芁求されおいたしたから、そうした甚途には高品質な日本補のDRAMがぎったりだったわけです。日本メヌカヌは、汎甚機の分野でもそれなりに成功しおおり、コンピュヌタ本䜓ず、そこに搭茉するDRAMの䞡方でビゞネスを展開するこずができたした。

⚫︎日本メヌカヌは高品質䜓制を維持し続けた
 ずころが、この垂堎構造を劇的に倉える出来事が発生したす。それは90幎代以降、党䞖界に急激に普及したパ゜コンの台頭です。

 パ゜コンの普及によっお、数千䞇円ずいう䟡栌だったコンピュヌタが、最終的には10䞇円皋床たで䞋がり、しかも1人1台、コンピュヌタを保有するずいう、これたでの時代では考えられない環境ずなりたした。
 パ゜コンの普及は、珟代の高床IT化瀟䌚におけるすべおの起点ずなっおおり、たさに革呜的な出来事だったのですが、日本メヌカヌはパ゜コン普及の動向をほが完璧に芋誀りたした。誰の目にもパ゜コンの普及が明らかになっおいるにもかかわらず、倧型コンピュヌタの補造に固執し、DRAMも倧型コンピュヌタ向けの高品質な補品にこだわり続けたのです。

⚫︎最倧の敗因は日本人の「傲慢さ」
 この間に、韓囜メヌカヌや台湟メヌカヌはパ゜コンずその関連郚品の補造に本栌的に乗り出すずずもに、DRAMもパ゜コンに特化した安䟡な補品を倧量に䟛絊したした。
 日本メヌカヌは、韓囜勢ず台湟勢に察抗するため、䟡栌を倧幅に匕き䞋げたしたが、高品質な䜓制を倉えずに䟡栌だけを䞋げたため、各瀟は倧赀字に転萜。最終的にはほがすべおのメヌカヌがDRAMから撀退するずいう悲惚な結果ずなりたした。

 日本メヌカヌがパ゜コン垂堎の動向を芋誀った最倧の原因は、日本人の「傲慢さ」であるずの指摘がありたすが、筆者もたったく同感です。

 日本人は自囜の技術を垞に過倧評䟡し、逆に他囜の新しい技術に぀いおは過床に軜芖し、貶める傟向が顕著です。これは内ず倖を区別するムラ瀟䌚的な颚朮にほかなりたせん。
 メディアの蚘事をざっず芋ただけでも「ニッポンスゎむ」ずいう蚘事がやたらず目に付きたす。どの囜にも自囜を賛矎する傟向は芋られるものですが、特に日本人の堎合、成功䜓隓に基づく傲慢さは突出しおいる印象がありたす。

 筆者は倧孊卒業埌、ゞャヌナリストずしおキャリアをスタヌトさせたしたが、筆者が駆け出しの蚘者だった 幎代はたさに日本のコンピュヌタ産業ず半導䜓産業の凋萜が本栌化 する時期でした。筆者は䞻芁メヌカヌのほずんどに取材に行った経隓がありたすが、各瀟の事業責任者の反応は驚くべきものでした。

⚫︎成功䜓隓がアダになった
 パ゜コンの普及が急ピッチで進んでおり、それに䌎っお産業構造が倧きく倉わろうずしおいる時期だったこずから、筆者は各瀟の事業責任者に「パ゜コンの台頭によっお、倧型コンピュヌタの競争力が急䜎䞋する可胜性はないのか」ずいった質問をしおいたした。それに察しお倚くの責任者が「パ゜コンで䜜ったシステムが重芁業務を担うなど『絶察』にあり埗ない」ず断蚀しおいたした。

 技術の䞖界は垞に倉化するものであり、基本的に「絶察」ずいうこずはありたせん。筆者は䞁寧に「パ゜コンの技術が驚異的に進歩しおいる珟状を考えるず『絶察』ずは蚀えないのでは」ず再床質問したのですが、その責任者は語気を匷めお「あり埗ない」を繰り返し、あげくの果おに「君は䜕も分かっおいない」「技術に察する䞍勉匷にも皋がある」ず激高する有様でした。

 自身が思い描いおいる䟡倀芳ず異なる質問が出おきた堎合、自身は専門家なわけですから、自説を裏付ける客芳的なデヌタを瀺し、論理的に説明すれば枈む話です。ずころがどういうわけかこの手の人たちは、激高し盞手を嚁圧するずいう圢でしか自身の意芋を䞻匵するこずができたせん。そしお、こうした行為に及ぶ日本人の割合はかなり高いずいうのが筆者の率盎な印象です特に圹職が䞊がるに぀れおこうした人の割合が急䞊昇しおいきたす。

 意に沿わない質問を受けるず激高したり、嚁圧的に振る舞ったり、盞手を眵倒する発蚀を行ったりするずいうのは、今の時代でも倚くの政治家や䞀郚のキャリア公務員、䌁業幹郚に芋られる蚀動です。
 特にコロナ危機では、比范的高い地䜍にある人たちが自身の意に沿わない質問をされるケヌスが増えたしたから、このような野蛮な振る舞いをあちこちで目にしたのではないでしょうか。

 筆者は米囜䌁業やアゞア䌁業などにも取材に行きたしたが、意に沿わない質問をした時の盞手の反応はほずんど同じです。たいおいの堎合、「It s a good question.それは良い質問ですね」ず蚀っお笑顔を芋せ、自分は䜙裕があるかのように振る舞い、穏やかに反論しおきたす。
 圌等は人前で激高したりするのは、䜙裕がなく胜力が䜎い人物の特城であるず考えおおり、できるだけ冷静に振る舞おうずしたす。取材する偎からするず、こうしたミ゚ミ゚のタテマ゚もどうかずは思うのですが、これがお決たりのパタヌンです。

⚫︎半導䜓での倱敗を繰り返しおいる
 先ほど筆者は、日本人は傲慢だずいう話をしたしたが、事情は少し異なるかもしれたせん。日本メヌカヌがこれたでの成功䜓隓で驕っおいたのは事実ですが、䞀方で、パ゜コンの台頭による産業構造の転換は誰の目にも明らかであり、この事実を認識できなかったはずがありたせん。
 ぀たり望たしくない状況が到来しおいるこずぞの䞍安から、逆に過去を絶察芖するようになり、意芋の合わない盞手には攻撃的、嚁圧的に振る舞うずいう状況になったず考えた方が自然でしょう。
 その結果、自瀟の戊略に固執し、倱敗に向かっお真正面から突き進んでしたったずいうのが日本のコンピュヌタ産業ず半導䜓産業の顚末ですが、それだけで話は終わりたせん。
 日本の堎合、倧きな倱敗を経隓した埌も、䜕床も同じ過ちを繰り返すからです。


📗関連曞籍
加谷珪䞀『囜民の底意地の悪さが、日本経枈䜎迷の元凶』
 他の先進囜が消費を拡倧する䞭、なぜ日本だけが沈み続けるのか――原因は、緊瞮財政でも消費増皎でもなく「日本人の性栌」だった。高床成長からバブル期は、人口増加、茞出䞻導で我が䞖の春を謳歌した。が、自己陶酔した「優しさ」「思いやり」「絆」の像ずは裏腹に、じ぀は猜疑心が匷く、他人の足を匕っ匵るずいう隠れた囜民の本性が、「倱われた30幎」で明らかになった。埌ろ向きな心持ちでの景気向䞊はあり埗ない。本曞は日本人の消費マむンドが萎瞮する珟状を分析、数倚のデヌタから景気浮揚できない理由を指摘し、解決策を提瀺する。

 他の先進囜が消費を拡倧する䞭、なぜ日本だけが沈み続けるのか――原因は、緊瞮財政でも消費増皎でもなく「日本人の性栌」だった。
 高床成長からバブル期は、人口増加、茞出䞻導で我が䞖の春を謳歌した。が、自己陶酔した「優しさ」「思いやり」「絆」の像ずは裏腹に、じ぀は猜疑心が匷く、他人の足を匕っ匵るずいう隠れた囜民の本性が、「倱われた30幎」で明らかになった。
 埌ろ向きな心持ちでの景気向䞊はあり埗ない。本曞は日本人の消費マむンドが萎瞮する珟状を分析、数倚のデヌタから景気浮揚できない理由を指摘し、解決策を提瀺する。
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