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「歩くスピードが遅くなる」は認知機能低下のサイン  202405

2024-05-16 11:02:00 | 生活編

「歩くスピードが遅くなる」は認知機能低下のサイン【第一人者が教える 認知症のすべて】
 日刊ゲンダイヘルスケア  より 240516


🚶歩くスピードが遅くなると認知機能も低下する

【第一人者が教える 認知症のすべて】

 歩く機能を維持することは、脳の老化を予防する上で非常に重要です。
歩行と認知機能に関する研究は国内外でいくつも行われています。
その一つで、日頃よく歩く人とそうでない人を比較。
歩行時間が長いほど認知機能テストの得点が高いとの結果が出ています。

 また、東京都健康長寿医療センター研究所の動物実験では、歩行が脳のアセチルコリン神経を活性化させ、記憶などの機能をつかさどる海馬の血流が良くなることが判明しています。

 これらは「歩けなくなる↓認知機能低下」を示していますが、「歩くスピードが遅くなる↓認知症の前兆」を示した研究もあります。

 米医師会の専門誌JAMAで発表されたのは、65歳以上のアメリカ人と70歳以上のオーストラリア人1万7000人を7年間追跡調査した結果です。
 1年置きに全体的な認知機能の低下、記憶力、処理速度、発話のなめらかさを測る検査を実施。併せて、3メートルの距離を歩くテストも行われたそうです。

 すると、歩く速さが毎年約5%ずつ遅くなり、同時に認知機能の低下も見られたグループでは、認知症の発症率が最も高いとの結果が出ました。
 歩行速度の低下、もしくは認知機能の低下のどちらかが見られたグループと比べて、両方が低下したグループの方が高リスクだったとのこと。

 これよりも前に行われたアメリカ人9000人のデータを分析した研究でも、歩行速度の低下と認知症リスクの関係を示す結果が報告されており、アメリカ・オーストラリアの大規模研究の研究者は「認知症のリスクを判定するのに、歩行の状態を見ることが重要と改めて示された」と指摘しています。

🚶歩くことが習慣化したら、これまでより大幅の歩き方で
 2022年の「第3回全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト」で最優秀賞を受賞したのが、一関工業高等専門学校(岩手県一関市)の学生3人が開発した「歩き方で認知症になるかどうかがわかる装置」です。

 着目したのは、認知症患者に見られる歩行時のすり足やふらつき。一関市の高齢者約100人から集めた歩行データをもとに、「D-walk」を考案したそうです。

 インソール型の足圧センサーを靴に挿入し、加速度センサーを搭載しているスマートフォンを持って歩くだけで認知症リスクを予測できる。
 軽度認知障害(MCI)の早期発見につながり、健康な状態へ改善を促すことができる。
かつ、歩くことで認知症の予防効果が期待できると提案したと、記事で紹介されていました。

 私のクリニックでも、認知症を発症する前に運動や食事、生活習慣改善をして、MCIから認知症へ移行するのを食い止めよう、遅らせよう、という取り組みをしていますから、非常に興味深く感じました。

 さて、「歩く」ことについて。年代を問わず、この連載を読まれた方は、ぜひ今日から始めていただきたいですね。新緑が美しい5月は、気持ちよく歩ける季節です。

 全く運動経験のない方は、時間や距離はひとまず置いておいて、歩くことの習慣づけから。

 ロンドン大学の研究者の調査によると、習慣化するのに必要な日数は平均66日。10分でもいいですから、続けるようにしてください。

 歩くことに慣れてきたなら、これまでよりも歩幅を広めに歩くことを心がけるのはいかがでしょうか。
 国立環境研究所の谷口優主任研究員がこんな研究結果を発表しています。
それは、「歩幅の狭い人は、広い人に比べて認知機能が3.39倍低下しやすい」というもの。

 谷口主任研究員は、東京都健康長寿医療センターに在籍していたとき、群馬県と新潟県在住の1000人以上の歩行を測定。
 歩幅を「広い」「普通」「狭い」に分け、最長4年間、認知機能の低下を調査したところ、最終的に追跡できた666人のうち、歩幅の狭い群で認知機能の低下が最も多く見られたそうです。
 両手を大きく振って、リズミカルに大股で歩いてくださいね。

(新井平伊/順天堂大学医学部名誉教授)
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認知症予防に有効!知的好奇心を刺激するスペシャルな趣味8選 2024/05

2024-05-14 23:58:00 | 生活編

認知症予防に有効!知的好奇心を刺激するスペシャルな趣味8選
 @DIME  より 240514


「パック入り卵を4日連続で買ってしまった」「身近な人の名前が出てこない」など、最近何かがおかしいと感じることがあったら……それは認知症の警告サイン!?正常な脳と認知症の間にある〝認知症グレーゾーン〟かもしれません。

 ちょっとおかしいという異変に気づいたら、認知症へ進む前にUターンできるチャンス!

 認知症の分かれ道で、回復する人と進行してしまう人の違いは何なのか。
40年以上、認知症の予防と研究に関わってきた認知症専門医の朝田隆さんによる著書『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』から一部を抜粋・編集し、健康な脳に戻るためのヒントを紹介します。


 ◆スペシャルな趣味で知的好奇心を刺激

■退職後に〝俳優〟になったとある校長先生の話
 先日、患者さんからおもしろい話を聞きました。
 その人がたまたま聞いていたラジオ番組で、高校の校長だった男性が、退職したあとにシニア向けの劇団に所属し、カラオケで流れる映像などに〝俳優〟として出演している、というエピソードが紹介されたというのです。

 この話を聞いて私は、「それはすばらしい!」と思いました。
60歳、あるいは65歳で退職したあと、俳優になろうと考えるようなチャレンジ精神に満ちた人は、おそらく認知症にはならないでしょう。

 かりに認知症グレーゾーンが始まっていても、俳優として舞台に立ったり、カラオケの映像で自分の姿が流れたりするような人生を送っていれば、脳内ホルモンは爆発的に分泌され、口ぐせの「めんどうくさい」は消えるはず。知的好奇心も大いに刺激され、記憶をつかさどる海馬の萎縮を抑えるうえでも効果的です。

 若々しい脳を保つには、没頭できる趣味をもつことが効果的です。

 若い頃から好きだった釣りや読書、映画鑑賞などを、定年後にあらためてじっくり堪能することも方法の一つ。

 ただし、すでに認知症グレーゾーンが始まっている人がUターンするには、この校長先生のように、もっとスペシャルな趣味に挑戦したほうが効果的です。

「スペシャルな趣味と言われても……」という方は、以下のリストを参考にしてみてください。ピピッとときめいたものがあれば、挑戦してみてもよいですね。

[スペシャルな趣味のリスト8]
ー劇団に加入して俳優デビューする
ーパズル作成(解くだけでなくクロスワードや迷路を作る)
ー乗馬クラブに通う
ーマスターズ陸上/水泳で世界に挑戦する
ー日本の伝統芸能「能楽」を習う
ー新たに畑を借りて野菜の自給自足を目指す
ーDIYで自宅の本格リフォーム
ーYouTubeチャンネルの開設

■娘と同じ大学に合格したMさんの例
 専業主婦のMさん(54歳・女性)もそんな一人。
Mさんは、娘さんが大学受験に向けて必死で勉強している姿を見て、自分も一緒に努力したいと考え、なんと同じ大学を受験することにしました。

 当時52歳だったMさんにとって、参考書を片手に勉強をするのは30年以上ぶりのこと。それでも、あらためて教科書や参考書を読んでみると、学生時代は嫌いだった科目も含め、意外なほどおもしろく、毎日夢中で勉強したそうです。

 その結果、見事に親子で現役合格。
地域の新聞にも取り上げられ、Mさんの人生はそこから一変したのです。

 こうした方は、生涯、認知症と無縁で暮らしていけると思います。
もちろんMさんのようなケースはまれですが、会社を退職したり、子どもが自立したりしたタイミングで、「新しい学びを始めました」という声を最近よく耳にします。

 もっと気軽に、自分の好きな趣味の延長線上で、資格試験にチャレンジしてみるのもいいでしょう。

 認知症グレーゾーンが始まっている人は、勉強を始めても「めんどうくさい脳」が邪魔をし、途中で挫折しがちです。そうしたときは、勉強するモチベーションを上げる「プラスの楽しみ」を見つけるようにします。

 たとえば、講師で決めるというのもその一つ。教え方の上手な有名講師のいるセミナーへ通うのもよい方法ですし、イケメン講師、美人教師が目当てでもいい。

「勉強するのはめんどうだけど、あの先生に会えるなら行ってみようか」と思えれば、しめたものです。
 もっというと、「あの先生に会いたいから、この資格試験を受けてみよう」でも構いません。興味のない分野でも、自分の好きな先生の授業を受けているうちにおもしろさに気づくことは、学生時代でもよくあることです。結果として、いつもと違う脳を使うことになり、脳をバランスよく活性化するうえで効果的です。

 ただし、「認知症になりたくないから」という理由で、やりたくもない学びを嫌々続けても成果にはつながりません。

 大人の学びは、あなたが「楽しい」と思えるかどうか、それが最も大事です。

☆ ☆ ☆

いかがだったでしょうか?

「おかしい」と感じてから専門の医療機関を受診するまでに、何と平均4年かかるというデータもあるそうです。その間に、認知症の症状はどんどん進行していってしまいます。

 認知機能をセルフチェックし、正しい生活習慣を身につけるためのヒントが詰まった一冊『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』。ぜひ書店でチェックしてみてくださいね。

 認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること

上手に血糖管理したい方へ 血糖値が気になる方は、血糖値キャラをチェック。糖尿病の自己管理に自信を。

発行所/株式会社アスコム
著者/朝田 隆(アスコム)認知症専門医
東京医科歯科大学客員教授、筑波大学名誉教授、医療法人社団創知会 理事長、メモリークリニックお茶の水院長
1955年島根県生まれ。1982年東京医科歯科大学医学部卒業。東京医科歯科大学神経科精神科、山梨医科大学精神神経医学講座、国立精神・神経センター武蔵病院(現・国立精神・神経医療研究センター病院)などを経て、2001年に筑波大学臨床医学系(現・医学医療系臨床医学域)精神医学教授に。2015年より筑波大学名誉教授、メモリークリニックお茶の水院長。2020年より東京医科歯科大学客員教授に就任。
アルツハイマー病を中心に、認知症の基礎と臨床に携わる脳機能画像診断の第一人者。40年以上に渡る経験から、認知症グレーゾーン(MCI・軽度認知障害)の段階で予防、治療を始める必要性を強く訴える。クリニックでは、通常の治療の他に、音楽療養、絵画療法などを用いたデイケアプログラムも実施。認知症グレーゾーンに関する多数の著作を執筆し、テレビや新聞、雑誌などでも認知症への理解や予防への啓発活動を行っている。
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認知症の進行をUターンさせる5つの生活習慣  202405

2024-05-14 01:20:00 | 生活編

認知症の進行をUターンさせる5つの生活習慣
  @DIME  より 240514


「パック入り卵を4日連続で買ってしまった」「身近な人の名前が出てこない」など、最近何かがおかしいと感じることがあったら……それは認知症の警告サイン!?正常な脳と認知症の間にある〝認知症グレーゾーン〟かもしれません。

ちょっとおかしいという異変に気づいたら、認知症へ進む前にUターンできるチャンス!

 認知症の分かれ道で、回復する人と進行してしまう人の違いは何なのか。
40年以上、認知症の予防と研究に関わってきた認知症専門医の朝田隆さんによる著書『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』から一部を抜粋・編集し、健康な脳に戻るためのヒントを紹介します。


 認知症グレーゾーンからUターンする生活習慣「5つのポイント」

■「遊びの延長」であなたの脳が変わる
 認知症の手前の〝認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)の疑いあり〟の段階であれば、健康な脳にUターンすることは十分に可能です。

ただそのためには、毎日の生活習慣の見直しが必要です。
「え? 生活の見直しなんて、めんどうくさい」
「もっと簡単に、薬やサプリメントを飲んで治せないの?」

 認知症グレーゾーンになっている人の〝めんどうくさい脳〟には、そんな思いもよぎるでしょう。ですが、認知症は遺伝的な因子をもつ人を除くと、日常の生活習慣が大きく影響して発症します。
 認知症は生活習慣病の一つなので、時間をかけて認知機能を改善し、予防していく必要があるのです。

「めんどうくさいからいいや」と思ったら、その先は認知症へまっしぐら。

ここが最後の踏ん張りどころです。

「絶対にボケてたまるか」と思って毎日小さな習慣を積み重ねていけば、まさに継続は力なり。

 専門医の私でも驚くほど、目覚ましい改善が見られることがあります。
とはいえ、このあと紹介する、グレーゾーンから回復するための「生活習慣」には、ツラいことやめんどうなことはほとんどありません。

遊びの延長のような感じで、楽しみながら取り組めるものばかりです。

■キーワードは「わくわく」
 認知症の予防、および認知症グレーゾーンからUターンするには、次の5つが大きなポイントとなります。

(1) 挑戦……年甲斐もないことをする
(2) 変化……普段やらない新しいことを始める
(3) 生きがい……いくつになっても夢中になれるものを見つける
(4) 孤独の回避……人と積極的に交流する
(5) 利他……自分のことより、他者のために力を尽くす

 一言でいうと、「わくわく」に満ちた心豊かな毎日を送りましょう、ということです。私たちの脳の中では、わくわくすればするほど、神経伝達物質である

〇 やる気や幸福感を生み出す「ドーパミン」
〇 愛情の源となる「オキシトシン」
〇 心を癒す「セロトニン」

の分泌が活発になります。

 脳を活性化する三大ホルモンと呼ばれるこれらの脳内ホルモンは、認知症の予防、ひいては認知症グレーゾーンからのUターンにも大きく寄与します。

 とくに、今まで(1)~(5)に当てはまらない生活をしてきた人は、〝伸びしろ〟がより大きいので、日を追うごとに脳の変化を実感できるでしょう。

 次から、「5つのポイント」について簡単に説明していきますので、ぜひトライしてみてください。

<1:挑戦>「年甲斐もない」こそ人生100年時代の生き方
「年甲斐もない」という言葉は、一般的には否定的な意味で使われますよね。

「そんな派手な格好をして年甲斐もない」とか「年甲斐もないふるまいをして恥ずかしい」など、年齢を重ねるごとに〝年相応〟であることを求められがちです。

 もちろん、節度を越えた言動はNGとしても、「もう年だから」という理由でやりたいことを我慢したり、楽しいことをあきらめたりすると、脳への刺激が減って、認知症対策においては大きなマイナスとなります。

 国立長寿医療研究センターが10年間にわたり、40~82歳の2205人を追跡した調査でも、「好奇心が強く、新しいことに挑戦するのが好きな人」は、言語能力、理解力、社会適応力、コミュニケーション力などの「結晶性知能」と呼ばれる知的な能力を維持できるとされています。

 そもそも、年甲斐などという言葉は、人生100年時代の今、おかしいですよね。

 周囲の目を気にして認知症になるより、周りが何と言おうとも、「これをやりたい」「あれをやってみたい」ということがあれば、年齢に関係なく〝挑戦〟する。それが脳と体の若さを保つ最大の秘訣です。

<2:変化>新しいことを始めたときのドキドキが脳の刺激になる
 年をとるにつれ、〝変化〟にストレスに感じるようになります。

 いつも同じスーパーへ行き、同じようなものを買って、同じようなものを食べている。いつも同じような色合いで、同じようなデザインの服を着ている。

 そんな毎日を送っていると、脳はどんどん縮んでしまいます。

この機会に、「いつも」と違うことを少しずつ始めてみることをおすすめします。

 最初は小さな一歩で構いません。いつもと違う道を通って、いつもと違うスーパーへ行ってみる。見知らぬ店内に迷いながらも、目新しい調味料を発見したり、いつもは買わない高級食材に手を出してみたり。
 それだけでも、意外にわくわくするものです。

<3:生きがい>生きがいは、いくつになっても見つけられる
 子育てや仕事を自分の生きがいとして生きてきた人は、子どもが自立したり、仕事を退職したりしたタイミングで生きがいを失ってしまうかもしれません。

 何歳からでも、「生きがい」を見つけましょう。
 生きがいといっても、いろいろあります。
 楽しいこと、夢中になれることはもちろん、ご家族の成長や、みんなが健康で集まれることもステキな生きがい。
 また、植物や動物を育て成長を見守るなら、これは癒しにもなります。

 自分史を振り返り、得意なこと、感謝されたこと、ほめられたこと、かつて夢中になったことなどを思い起こしてみるのも手。これは人生経験がもたらす生きがいです。

 思い当たらない人は、下で紹介する項目を参考にしてみてください。

[シニアから始められる趣味のリスト]
・家庭菜園
・ガーデニング
・フォークダンス
・絵手紙
・コーラス(合唱団に入る)
・俳句(吟行)
・金継ぎ
・釣り
・ハイキング
・ヨガ
・グラウンドゴルフ、パークゴルフ、ゲートボール
・サイクリング
・スイミング
・ウォーキング、ジョギング
・ビリヤード
・プラモデル制作
・囲碁・将棋、その他のボードゲーム
・麻雀
・楽器演奏(ギター、ピアノ、ウクレレ、ハーモニカ、オカリナ)
・コーヒー(焙煎、抽出)
・保存食品作り(ぬか漬け、ピクルス、ジャム、燻製、etc.)
・お菓子作り
・家具や雑貨作り
・編み物
・生け花
・読書
・日記
・美術館めぐり
・海外旅行


<4:孤独の回避>人との交流こそが脳のクスリ
 定年後、一気に社会との関わりを失う人が結構いらっしゃいます。

 貯金はそこそこあって、生活には困らないけど、友人と呼べる相手がいない。かといって、自分から昔の友人に連絡をとるのも気まずいので、日がな1日ずっと家に閉じこもっているような人は、グレーゾーンから一気に認知症へ突き進んでしまいます。

■孤独は脳の大敵。
 孤独になると脳が縮むことがわかっています。人とのふれ合いや交流、分かち合いなどによって活性化する脳の部位は、背外側前頭前皮質、海馬、扁桃体など多岐にわたります。
 孤独な生活を送っている人の脳では、それらの部位が萎縮していることが、MRI検査で確認されているのです)。

 また、孤独はうつ病など、メンタル面のリスクを劇的に高めます。孤独は肥満や1日に15本のタバコを吸うのと同じくらい健康リスクを高めると言う医師もいるほどです。
 そのため、2018年にはイギリスで、2021年には日本で、孤独問題・孤立対策を担当する大臣が新設されるなど、世界的な社会課題となっているのです。

 人と積極的に交流していきましょう。
人は一人ひとりでは弱いのです。社会的動物といわれるように、交流するから、人は連帯感や前向きな姿勢を育むのです。これは認知症予防にとても重要です。

<5:利他>他者のために尽くすと幸福度が高まる
 自分のことより、他者のために力を尽くすことを「利他」と呼びます。
もともと仏教用語の一つですが、じつは、ボランティアのような利他的な活動をすると、自分の幸福感が高まることが知られています。

 ややもすると利己的になりがちな自分が、他人のために何かをするからこそ自信や

 自尊心を高める、と私は思います。たとえば、研究者から渡されたお金を自分のために使うように指示された人よりも、他人のために使うように指示された人のほうが幸福度が高まることが、北アメリカの研究で確認されています。
 定年退職後にボランティアに従事する人も多いですが、他者のために奉仕すると同時に、自分自身の喜びも得ているということです。

 これを「互恵」といいます。
ボランティア活動だけでなく、日常生活のなかでも「利他」と「互恵」を実践できる場面はたくさんあります。
 それでは、以上の5つのポイントを踏まえて、認知症グレーゾーンから回復するための生活習慣を紹介していきましょう。

☆ ☆ ☆

いかがだったでしょうか?

「おかしい」と感じてから専門の医療機関を受診するまでに、何と平均4年かかるというデータもあるそうです。その間に、認知症の症状はどんどん進行していってしまいます。

 認知機能をセルフチェックし、正しい生活習慣を身につけるためのヒントが詰まった一冊『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』。ぜひ書店でチェックしてみてくださいね。

 認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること



著者/朝田 隆(アスコム) 認知症専門医
東京医科歯科大学客員教授、筑波大学名誉教授、医療法人社団創知会 理事長、メモリークリニックお茶の水院長
1955年島根県生まれ。1982年東京医科歯科大学医学部卒業。東京医科歯科大学神経科精神科、山梨医科大学精神神経医学講座、国立精神・神経センター武蔵病院(現・国立精神・神経医療研究センター病院)などを経て、2001年に筑波大学臨床医学系(現・医学医療系臨床医学域)精神医学教授に。2015年より筑波大学名誉教授、メモリークリニックお茶の水院長。2020年より東京医科歯科大学客員教授に就任。
アルツハイマー病を中心に、認知症の基礎と臨床に携わる脳機能画像診断の第一人者。40年以上に渡る経験から、認知症グレーゾーン(MCI・軽度認知障害)の段階で予防、治療を始める必要性を強く訴える。クリニックでは、通常の治療の他に、音楽療養、絵画療法などを用いたデイケアプログラムも実施。認知症グレーゾーンに関する多数の著作を執筆し、テレビや新聞、雑誌などでも認知症への理解や予防への啓発活動を行っている。
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鼻呼吸が肺呼吸の効率をアップ? 「鼻詰まり」のメカニズムと解消法 2024/05/

2024-05-02 03:28:58 | 生活編

鼻呼吸が肺呼吸の効率をアップ? 専門医に聞く「鼻詰まり」のメカニズムと解消法
 福井テレビ より

「健康のタネ」のコーナーは「鼻詰まり」についてです。
 何となく鼻の具合が悪いという方は多いと思います。鼻詰まりの理由や一時的に鼻を通す方法などを専門医に聞きました。

ー吉田圭吾アナウンサー:
「特に体調が悪いわけではないのに、鼻が詰まって不快な気分になったり寝られなくなったりしませんか?そんな鼻詰まりについて考えます」
 
「鼻詰まり」について教えてくれたのは福井大学医学部 耳鼻咽喉科の高林哲司准教授です。
 
ー福井大学医学部 耳鼻咽喉科・高林哲司准教授:
「寝ている時はリラックスするので、自律神経のバランスが“副交感神経より”になる。鼻の粘膜が腫れて、鼻の詰まりが起きやすくなる」
 
高林先生によりますと、リラックスを促す副交感神経が発達すると鼻の粘膜が腫れやすく、興奮状態を促す交感神経が発達すると鼻の粘膜の腫れが治まりやすいとのこと。そこで、自分でできる対策を教えてもらいました。
 
・高林哲司准教授:
「右の脇の下をおさえるとか、右を下にして寝ると、反対側の鼻(左の鼻)通すことができるので、一時しのぎにはなる」
 
 体内の交感神経と副交感神経のメカニズムから、通したい鼻の反対側の脇の下を抑えることで一時的に鼻の粘膜の腫れを抑えることができるといいます。ペットボトルを脇にはさむ方法が手軽とのことです。

 ちなみに両方の脇を抑えてしまうと副交感神経が優位となって、両方の鼻の粘膜が腫れてしまうため要注意です。
 また、鼻が詰まることで呼吸にも影響が高林先生は、鼻呼吸の重要性を語ります。

 高林准教授は「口呼吸をしていると口が乾くので虫歯の原因になり、口臭の原因にもなるので運動以外は鼻呼吸が大切」と言います。
 鼻呼吸は、外から入ってくるゴミやウイルスや細菌を肺に行かないようにし、鼻の機能で特殊なガスを肺に送り込むことで肺のガス交換の機能を高めるとも言われているそうです。
 研究段階ではあるものの、鼻の奥にある空間で作られたガス、一酸化窒素が肺呼吸の効率を良くしているとの論文もあり、ますます鼻呼吸の重要性が高まっていると話します。
 
 鼻詰まりを解消することで持続的な鼻呼吸にもつながります。
 今回、対象としたのは、あくまで軽度の鼻づまり。
 鼻詰まりが長期間続く場合は、鼻の中にポリープができていたり、蓄膿症などの可能性もありますので、病院の受診が必要となります。
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認知症の一歩手前の段階にある〝グレーゾーン〟8つのサイン  202405

2024-04-26 02:54:54 | 生活編

認知症の一歩手前の段階にある〝グレーゾーン〟8つのサイン
@DIME  より 250426


「パック入り卵を4日連続で買ってしまった」「身近な人の名前が出てこない」など、最近何かがおかしいと感じることがあったら……それは認知症の警告サイン!?
ちょっとおかしいという異変に気づいたら、認知症へ進む前にUターンできるチャンス!

認知症の分かれ道で、回復する人と進行してしまう人の違いは何なのか。40年以上、認知症の予防と研究に関わってきた認知症専門医の朝田隆さんによる著書『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』から一部を抜粋・編集し、健康な脳に戻るためのヒントを紹介します。

「あれ? いつもと違う」が認知症の分かれ道
■80歳で認知症になる人は、60歳くらいから脳の変化が始まる
あなたは、「認知症」という病気にどんなイメージをもっていますか?

「突然発症する恐ろしい病気」「いつ自分がなるかわからない」「防ぎようがない」。
そんなふうに考えているかもしれませんね。
 でも実際は、認知症は、毎日の生活習慣が大きく影響して起こります。

 高血圧や糖尿病と同じように、長い歳月をかけて認知機能が衰えていき発症する生活習慣病の一つであり、認知症に至る20年も前(80歳で認知症になる人は、60歳)から脳の病的変化が始まるといわれているのです。

 具体的な警告サインは第2章で紹介しますが、たとえば「もの忘れや忘れ物が増える」「集中力がなくなる」「イライラして怒りっぽくなる」などがあります。

 そして、さらにその前段階として「意欲の低下」があることは、「はじめに」でもお話ししましたね。

 記憶は、脳の側頭葉にある海馬という部分がつかさどっています。認知症グレーゾーンになると、この海馬の機能が衰えてくるのですが、じつはその前に、前頭葉の機能が落ちてくることがあります。
 前頭葉はおでこの内側に位置し、意欲を生み出す、いわば「脳の司令塔」。
この前頭葉の機能の衰えが、「意欲の低下」となって表れると考えられます。

 つまり、ここが認知症グレーゾーンの入り口です。
その最初のサインである「めんどうくさい」という言葉が頻繁に口をつくようになり、こんな兆候が見られたら要注意。

〇 身だしなみに気を配らなくなる
〇 長年続けてきた趣味をふいにやめてしまう
〇 社交的だった人が突然出不精になる

 これらはごく一部ですが、すべて「めんどうくさい脳」(=意欲の低下)の表れかもしれません。そして、この時期を見過ごすと……

〇 家族や親しい人の名前を間違えたり、思い出せなくなったりする
〇 財布が小銭でいっぱいになる
〇 家電の操作にとまどうようになる
〇 イライラして怒りっぽくなる
〇 ささいなことでパニックになる

 など、記憶の低下や、感情に関するトラブルが目立ち始めます。

■「おかしい」と感じてから受診まで「平均4年」の衝撃
それでも、多少の異変を感じたからといって、すぐ専門医を受診する人はまれです。

 生活習慣病は〝早期発見、早期対応〟が回復の決め手であり、それは認知症も同じこと。最近の研究では、年齢に関係なく脳の神経細胞を増やすことができるとわかっています。
 また初期のアルツハイマー型認知症に関しては、新たな治療薬が開発されたこともあり、早期発見がより重視されています。

 しかし、現実はどうでしょうか? 認知症の患者さんは、最初に自分が「おかしい」と感じてから、専門の医療機関を受診するまでに平均4年もかかっていることが、世界的権威のある医学誌『ランセット』で2021年に報告されました。

 これは世界の78の研究をもとに、6万人以上の認知症患者と、15万人以上の認知症ではない人を対象に分析した信頼性の高いデータです。
 そのため、患者さんたちが受診まで4年も躊躇している事実は、私たち認知症専門医にとって衝撃的でした。

 認知症は、発症する原因によって「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」の4種類に主に分けられますが、どの場合でも、放置しておく歳月が長くなるほどUターン(回復)が難しくなるからです。

 受診をためらう背景には、「認知症になったらおしまい」「知るのが怖い」という思いがあるのでしょう。

 しかし、私は何度でも言います。
グレーゾーンの状態で適切に対処をすれば、認知症の発症を遅らせることができます。
 さらには、健康な脳にUターンして戻ってこられる可能性も十分にあるのです。
「あれ? いつもと違う」と思ったら、歯科医を受診するのと同じくらいの気軽さで、一度、認知症の専門医を受診してください。
 それが「認知症の分かれ道」となるといっても過言ではありません。

☆ ☆ ☆

いかがだったでしょうか?

「おかしい」と感じてから専門の医療機関を受診するまでに、何と平均4年かかるという驚きのデータ。その間に、認知症の症状はどんどん進行していってしまいます。

 認知機能をセルフチェックし、正しい生活習慣を身につけるためのヒントが詰まった一冊『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』。ぜひ書店でチェックしてみてくださいね。

📗認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること
発行所/株式会社アスコム

▶︎著者/朝田 隆(アスコム)認知症専門医
東京医科歯科大学客員教授、筑波大学名誉教授、医療法人社団創知会理事長、メモリークリニックお茶の水院長
1955年島根県生まれ。1982年東京医科歯科大学医学部卒業。
東京医科歯科大学神経科精神科、山梨医科大学精神神経医学講座、国立精神・神経センター武蔵病院(現・国立精神・神経医療研究センター病院)などを経て、2001年に筑波大学臨床医学系(現・医学医療系臨床医学域)精神医学教授に。2015年より筑波大学名誉教授、メモリークリニックお茶の水院長。2020年より東京医科歯科大学客員教授に就任。
アルツハイマー病を中心に、認知症の基礎と臨床に携わる脳機能画像診断の第一人者。40年以上に渡る経験から、認知症グレーゾーン(MCI・軽度認知障害)の段階で予防、治療を始める必要性を強く訴える。クリニックでは、通常の治療の他に、音楽療養、絵画療法などを用いたデイケアプログラムも実施。認知症グレーゾーンに関する多数の著作を執筆し、テレビや新聞、雑誌などでも認知症への理解や予防への啓発活動を行っている。
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