秋の京都は特別展が目白押し!注目の展覧会4選
貴重な寺宝や美しい絵画が公開されています。
婦人画報 より 231024
木々が色づき始めた秋の京都。芸術の秋も、古都・京都ならではの歴史を感じさせる展覧会が開催されています。
景色を楽しみつつ、展覧会巡りに出かけてみてはいかがでしょう。
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◆1.真言宗立教開宗1200年記念特別拝観「東寺のすべて」
平安京遷都にともない、国家鎮護のための官立寺院として創建された東寺。その後、嵯峨天皇によって弘法大師空海に託され、823年に日本で初めての密教寺院となりました。空海は講堂や五重塔といった伽藍の造営に取り組み、講堂に大日如来を中心に21軀の仏像を安置。立体曼荼羅の世界を表現しました。
国宝 弘法大師尺牘(風信帖)【展示期間:10月22日~11月25日】
今年、空海が真言宗立教開宗して1200年を迎えたことを記念して,2023年10月31日(火)まで,「真言宗立教開宗1200年記念特別拝観『東寺のすべて』」が開催されています。
通常非公開のお堂が開かれるほか、空海が最澄に宛てた手紙や国宝《風信帖》,現存最古の採色曼荼羅である《両界曼荼羅図》などが宝物館で公開されます。
さらにアーティスト・小松美羽が東寺食堂で製作した《ネクストマンダラ―大調和(だいちょうわ)》や写真家・土門拳の作品の展示も行われています。1200年続く東寺の伝統と現在をご堪能ください。
国宝 両界曼荼羅図(伝真言院曼荼羅)胎蔵界【展示期間:9月20日~10月21日】
▶︎真言宗立教開宗1200年記念特別拝観「東寺のすべて」
会期/~2023年10月31日(火)
拝観時間/9時~17時(拝観受付は16時30分まで)
拝観料/一般2,000円、高校生1,500円、中学生以下1,000円
tel.075-691-3325 fax 075-662-0250
京都市南区九条町1番地
真言宗総本山 教王護国寺(東寺)
◆2.開館60周年記念「京都画壇の青春-栖鳳、松園につづく新世代たち」
明治時代、東京奠都や西欧化は、文化の中心地であった京都に大きな影響をもたらしました。京都画壇にもその波が押し寄せ、竹内栖鳳や上村松園,そして彼らに続く土田麦僊,小野竹喬,野長瀬晩花,岡本神草,といった新世代の画家たちは,まだ誰も見たことのない日本画を求めて試行錯誤を重ねました。
上村松園《舞仕度》1914年 京都国立近代美術館
京都国立近代美術館で2023年12月10日(日)まで開催されている「開館60周年記念『京都画壇の青春-栖鳳、松園につづく新世代たち』」では、そんな明治末から昭和の初めに活躍した京都画壇画家たちの作品を紹介しています。
土田麦僊《島の女》1912年 東京国立近代美術館蔵
時代の変化に,迷い,もがきながら創造された,新たな日本画。それは時に荒ぶり,過剰で,愛おしさも湛えています。作家たちの葛藤に思いを馳せながら,ご覧ください。
野長瀬晩花《初夏の流》1918年 京都市美術館 ※展示期間:10月13日(月)~11月12日(日)
▶︎開館60周年記念「京都画壇の青春-栖鳳、松園につづく新世代たち」
会期/~2023年12月10日(日)
開館時間/10時~18時(金曜日は20時まで夜間開館)
※入館は閉館の30分前まで
休館日/月曜
観覧料/一般1,700円、大学生1,100円、高校生600円
tel.075-761-4111
京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
京都国立近代美術館
◆3.特別展「東福寺」
鎌倉時代前期に、摂政・関白を務めた九条道家が発願し、円爾(えんに/聖一国師)を招いて建立された東福寺。広大な敷地に広がる巨大伽藍は後に「伽藍面(がらんづら)」と称される規模を誇り、南北朝時代には京都五山の一つに数えられたほどの名刹です。
重要文化財 遺偈 円爾筆 鎌倉時代・弘安3年(1280) 京都・東福寺蔵
※展示期間:11月7日(火)〜12月3日(日)
2023年12月3日(日)まで開催されている特別展「東福寺」は、同寺の寺宝をまとめて紹介する初の機会。東福寺を創建から振り返り、開基円爾や円爾の後継者たちが形成した「聖一派」ゆかりの品などが展示されるほか、「画聖」と崇められた絵仏師・明兆(みんちょう)による大作《五百羅漢図》の全幅が修理後初公開となります。
重要文化財 五百羅漢図のうち第1号幅 吉山明兆筆 南北朝時代・至徳3年(1386)
京都・東福寺蔵 ※展示期間:10月7日(土)〜10月22日(日)
東福寺を拠点に活躍し,雪舟と並び称されるほどの高名な画人であった明兆。《五百羅漢図》は,そんな明兆の代表作とされる作品です。水墨画と極彩色の見事な調和にご注目ください。
重要文化財 白衣観音図 吉山明兆筆 室町時代・15世紀 京都・東福寺蔵 ※展示期間:10月7日(土)〜11月5日(日)
▶︎特別展「東福寺」
会期/~2023年12月3日(日)
※主な展示替
前期展示:10月7日(土)~11月5日(日)
後期展示:11月7日(火)~12月3日(日)
※会期中、一部の作品は上記以外にも展示替を行います。
開館時間/9時~17時30分(入館は17時まで)
休館日/月曜
観覧料/一般1,800円、大学生1,200円、高校生700円
tel.075-525-2473(テレホンサービス)
京都市東山区茶屋町527
京都国立博物館
◆ 伊藤若冲_蕪に双鶏図_前期(福田美術館展示)
4.「ゼロからわかる江戸絵画 あ!若冲、お!北斎、わぁ!芦雪」
歌川広重の浮世絵、伊藤若冲の鶏、円山応挙や長沢芦雪の仔犬など、江戸絵画の名品118点とともに、江戸絵画の基礎知識や鑑賞ポイントを紹介する展覧会「ゼロからわかる江戸絵画 あ!若冲、お!北斎、わぁ!芦雪」。2024年1月8日(月・祝)まで、福田美術館と嵯峨嵐山文華館で合同開催されます。
円山応挙_竹に狗子図_右隻_前期(福田美術館展示)
第一会場である福田美術館には、17~18世紀に京都で活躍した円山応挙、伊藤若冲、長沢芦雪らの作品を展示。さらに、室町時代から続く「狩野派」や、江戸時代に独自の表現を生み出した「琳派」による屏風絵などが並びます。第二会場の嵯峨嵐山文華館では、江戸で人気を博した浮世絵を紹介。葛飾北斎の《大天狗》《墨堤三美人図》といった肉筆浮世絵をみることができる貴重な機会です。
長沢芦雪_親子犬図_前期(福田美術館展示)
一度は目にしたことのある名品を展覧でき、分かりやすい解説で学べる展覧会です。ぜひ江戸絵画初心者の方もお楽しみください。
伊藤若冲_ 霊亀図_後期(福田美術館展示)
「ゼロからわかる江戸絵画 あ!若冲、お!北斎、わぁ!芦雪」
▶︎第一会場
会期/~2024年1月8日(月・祝)
開館時間/10時~17時(最終入館16時30分)
休館日/2023年12月5日(火)、30日(土)~2024年1月1日(月)
料金/一般1,500円、高校生900円、小・中学生500円
tel.075-863-0606 fax 075-863-0607
京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
福田美術館
「ゼロからわかる江戸絵画 あ!若冲、お!北斎、わぁ!芦雪」
▶︎第二会場
会期/~2024年1月8日(月・祝)
開館時間/10時~17時(最終入館16時30分)
休館日/2023年12月5日(火)、30日(土)~2024年1月1日(月)
料金/一般1,000円、高校生600円、小・中学生400円
tel.075-882-1111 fax 075-882-1103
京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11
嵯峨嵐山文華館
※二館共通券/一般2,300円、高校生1,300円、小・中学生750円