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脱ネガティブを計るべく、浮きつ沈みつ漂う女の戯言日記

マイ・バック・ページ

2011-06-01 | 本・映画
「マイ・バック・ページ」を観た。

全共闘、安田講堂事件、三島切腹・・・リアルでは知らない、TVのニュース
映像やドラマの世界。
でもこの時代のこういった動きには、なぜだかとても気持ちが揺り動かされる
ところがある。
多分今の自分にはない、エネルギーや熱を感じるからだろう。

マツケン演じる梅山はもっとカリスマ的な運動家で、それに妻夫木演じる若き
ジャーナリストが感化されて引き込まれていく・・という話かと思っていたら、
梅山は本物ではなく器の小さいどこまでも卑怯な男だった。
ダメダメで嫌な男を見事に演じていたマツケンに拍手。

生きる目的を見つけられず、ただ何か目立つ事をしたかっただけ。
当時運動に参加していた人達全てがそうだったのではないだろうけれど、
将来への不安や焦り、居場所が見つけられない、自分という存在がここに在る
証を何か立てたい、生きがいが欲しい・・そんな思いであの渦にのめり込んで
行った人もいるのではないだろうか。

梅山が運動を始めるきっかけを聞かれ「TVで安田講堂事件を観て、自分の
探していたものはこれだ!と思った。」と語った時、なるほどと思った。
私があの時代に学生だったなら、やっぱり同じように感じていたかもしれない。
若い頃は混沌としたものをドロドロと抱えていて、それを吐き出せる場所や
きっかけを探していた。
私の場合それはパンクだったけれど、時代と環境が違えばデモに参加し叫んで
いたようにも思う。

世界を変えられると信じて。
いや本当は信じていなくても、そうきっと思い込むのだろう。
そこに存在している事を証明する為に。

真夜中のカウボーイの話の前フリがラストに繋がってくるのだけれど、妻夫木が
居酒屋で泣くシーンにはグッとくるものがあった。
私も男の涙は嫌じゃない。男が泣いたっていいと思う。
女だって泣くに泣けない場面も多い昨今、滅多に泣けないからこそ泣くって事に
意味がある気がする。

本編観終わって、主題歌の明るさに気持ちが救われた。


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