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脱ネガティブを計るべく、浮きつ沈みつ漂う女の戯言日記

花と蛇

2012-09-17 | 芝居
月蝕歌劇団の舞台「花と蛇~新版~」を座・高円寺2にて観た。

暗黒の宝塚とも呼ばれるこの劇団。
今回が再演という、あの団鬼六の花と蛇。映画になったりもしてるけど、舞台でどうあの
世界を表現するのだろう・・というドキドキと期待感一杯での鑑賞。
過去の先祖の話と現代が交錯する見事な演出。
この上なく緊迫感溢れる濃密な空間に引き込まれた。

女優陣の体当たり演技が凄まじいばかりなのだけれど、特に静子夫人役の三坂知絵子さんの
迫力は鬼気迫るものがあった。脱ぎっぷりも濡れ場の潔さも見事。
今回映画版でも縛りを担当していた、有名な緊縛師有末剛氏が生出演。
ラスト有末氏に縛られ吊られ上昇して行く静子の姿は、圧巻の美しさだった。
緊縛の美、ここにあり。飛翔。昇天。

舞台の前に団鬼六夫人黒岩安紀子さんの朗読と歌唱もあったのだけれど、さすがの存在感!
凛とした強さと美しさを感じる方だった。

劇中オンディーヌ美帆さんの歌う「雨降りお月さん」の澄み切った歌声が、耳について離れない。
阿鼻叫喚、狂乱の世界なれど、不思議に優しい余韻も残るそんな舞台だった。