名無しさん・2

その後どうにも気持ちが悪かったので、もう一度名無しのショートメール
の相手に返信してみた。
「結局あなたは誰なのですか？なぜ名乗ってくれないのかな。」と。
すると来た返事には「嫌われてると思うから。携帯を新しくしたので連絡
してみた。Jさんが元気ならそれでいいです。」とあった。
この返事を読んで、私には一人頭に浮かんだ心当たりがあった。
私の電話番号しかわからなくなっていて、死ぬほど私を激怒させた奴。
着拒したままそれっきりになっていたけど、番号が変わったならわかる
訳もない。
でもかつてとても不愉快な思いをした相手だけれど、今はお互いその頃
よりも成長していると思うし、当時の事を悔やんでやり直したいと思って
いるなら過去には拘るまいと思った。
絶対許せない相手なんて、私にはいないのかもしれないと。
過去は過去、今は今だ。
どんな悲しみも怒りも、時はそれを丸く包んでしまうものなのかも・・と。

とりあえず名無しのまま、少しメールのやりとりをした。
メールを読むほど私には相手がその人だと確信出来たし、いずれちゃんと
名乗ってくれるものと思っていた。
ところが相手は一向に名前を明かさない。自分の事は伏せたまま私の事を
あれこれ聞いてくるので、私はとても不愉快に思い「名前も言わない人
に近況を教える気にはなれません。」と返すと、「もっと自分の事を色々
聞いてくれればいいのに。話してればわかってくれるかと思ってた。」と相手。
これを読んで私はキレた。謎の人を満喫してるのかもしれないが、そんなの
誰だかはっきりしない私には気持ちが悪いだけだし、こちらから聞かずとも
自ら名乗るべきではないのか？
名乗りもせずに一方的に接触してくるのは卑怯ではないか？
「○○でしょう？」と相手の名を告げると、長い沈黙の後違うと否定する
メールが来た。違うと言うのならいい加減名乗ったらどうだ・・と送ると、
一日後「誰かと勘違いしてるみたいだね。名乗らないで良かった。もう
メールしません。」との返事。
私には相手が○○だという確信があったし、万が一違う人だったとしても
尚更想像がつかず気味が悪い。
私に勝手な妄想を抱いて優しくして貰えるとでも思ってたのかもしれないが、
単なる嫌がらせとしか受け取れない。
今となってはもう相手が誰だったのかどうでもいいけれど、ただただとても
すっきりしない嫌な気持ちになった。