星空研究Memo

ここは某天文屋の外部記憶装置である。

Si II の吸収線

2011-09-02 01:49:01 | 独り言
Ia型の超新星 (SN) に見られる シリコン (Si II) の吸収線についてメモ。

まず、vsnet-obs [71068] に報告した際、"Si II (6150)" としたのだが、
同定に使った教科書に6150Åとあったので、よく読みもせずに
これを静止波長だと思い込んでました (+_+;

実際には6355Åが静止波長のようで、
もうちょっと調べてみると、6347Åと6371Åに二つの遷移があるので
これらの加重平均値らしい。

典型的なIa型は爆発によって約10,000 km/s でモノが吹っ飛ぶらしいので
観測されるスペクトル線は大きくブルーシフトすることになる。
そのため、Ia型で見られる Si II のラインは6150Å付近で観測されることが多いそうだ。
# 当然、系外銀河の SN なら宇宙膨張に伴うレッドシフトの効果もあるので注意。

それから、シリコンは爆発時に作られる元素みたい。
何故シリコンが合成されるのか、どのようなプロセスで合成されるのかは...
これから4年生と勉強してみよう。

PS. 8/30 と 8/31 に撮った SN2011fe のスペクトルを UP しました。

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