星空研究Memo

ここは某天文屋の外部記憶装置である。

JD形式からSTD形式へ変換

2013-08-07 00:01:50 | R言語

Muniwin の測光結果は .txt で吐き出すと時間が JD となっている。
これを VSOLJ-obs に報告しようとなると、時間を JST に変換し
STD 形式にしなければならない。
そこで、Muniwin の測光結果を R で STD 形式に変換するコードを書いてみた。

[追 記 & 訂 正]
某ML でコードの間違いの指摘や改良のアドバイスを頂きました。
それに伴い以下には更新版を掲載します。
# if を使わずにという宿題を頂きましたが... うーむ、結局 ifelse() を使ってしまいました。

==========================================
# Muniwin JD format -> VSOLJ STD one
in_file <- "BOOUZ_20130802.txt"
out_file<- "BOOUZ_20130802.std"
star <- "BOOUZ"
obs <- "Iak"
comp_mag <- 12.14
filter <- "C"
#-------(ここから下は変更しない)-------
#------------------------------
data <- read.table(in_file, skip=2)
 mag <- sprintf("%5.3f%s", data$V2+comp_mag, filter)
# JD -> STD
JD <- data$V1
jd <- JD + 0.5
z  <- floor(jd)
f  <- jd-z
aa <- floor((z-1867216.25)/36524.25)
a  <- floor(z+1+aa-floor((aa/4)))
b  <- a+1524
c  <- floor((b-122.1)/365.25)
k  <- floor(365.25*c)
e  <- floor((b-k)/30.6001)

 D <- floor(b-k-floor(30.6001*e))
 M <- ifelse(e<13.5, M1 <- e-1, M2 <- e-13)
 Y <- ifelse(M>2.5,  Y1 <- c-4716, Y2 <- c-4715)
  hh  <- floor(f*24)
  mm  <- floor((f*24-hh)*60)
  ss  <- round((((f*24-hh)*60)-mm)*60, digit=0)
     mm <- ifelse(ss=="60", mm1<-mm+1, mm2<-mm)
     ss <- ifelse(ss=="60", ss1<-0, ss2<-ss)
h9 <- hh + 9

nM  <- nchar(M)
MMM <- ifelse (nM == "1",
        MM <- paste("0", M, sep=""),M)
nD  <- nchar(D)
DDD <- ifelse (nD == "1",
        DD <- paste("0", D, sep=""),D)
nmm <- nchar(mm)
mmm <- ifelse (nmm == "1",
        m <- paste("0", mm, sep=""),mm)
nss <- nchar(ss)
sss <- ifelse (nss == "1",
        s <- paste("0", ss, sep=""),ss)
JST <- paste(Y, MMM, DDD, h9, mmm, sss, sep="")
#------- .std で吐き出す
 STD <- data.frame(star,JST,mag,obs)
 write.table(STD, file=out_file, row.names=F,col.names=F,quote=F)

Muniwin を使ってみた

2013-08-06 01:43:20 | 独り言

Muniwin はフリーで使える測光ソフトです (Kai さんの blog を見て知りました)。
便利そうなので(とりあえずフィーリングで)使ってみました。
以下、連続測光の画像を処理する手順をまとめておきます。
# ろくにマニュアルを読んでいないので、使い方が怪しいところがたくさんあると思います (^^;

Muniwin には一次処理をする機能もありますが、ここでは割愛。

まず Muniwin を起動すると以下のウィンドウが開きます。



 で、メニューアイコン左端 "Create new project" を押します。




こんなウィンドウが出てくるので、"Light curve"  を選択して、プロジェクト名を入力します。
ここでは "UZBOO" としてます。


 

次にとりあえず Use factory defaults を選んで OK。




プロジェクトの作成ができたら、次は "Add all files from a folder..." というメニューアイコンを押して
連続測光の画像があるフォルダーを指定します。


 
こんなウィンドウが現れるので、任意のフォルダーを指定(ここでは一次処理済みの画像たち)。
最後に "Add" を押します。


 
こんな感じで、任意の画像たちが並びます。
お次はメニューアイコンのランニングしている人のボタンを押します。



すると、このようなウィンドウが出るので、とりあえず赤丸のところだけチェックを入れてOK を押すと
なんかよくわからない処理がはじまります(w



処理が終わるとステータスのところに "Conversion OK" と表示されます。
で、次にお星様マーク (photometry) のアイコンをクリックします。



こんなウィンドウが出たら、"Star detection options" を押します。



このようなウィンドウが現れます。
ここではとりあえず上記のように数値を変えてみました。

# デフォルトだと画像内の星を 8000 個も検出したりします。
# 上の数値は適当に検出数を見ながらなんとなく適当に決めました。
# 最適な値はどうやって決めるのでしょうね。とりあえず課題です。 



各画像の星検出と測光は自動で行われます。
約140枚の画像を処理するのに数分間かかりました。



測光が終わるとこんな感じになります。
"Stars" の欄が星の検出数だと思いますが、400~500くらい数えてますね(まだカウントしすぎ?!)。
この時点でまだライトカーブを描けません。
で、お次にもう一度メニューアイコンの「ランニングをしてる人」を押します。


 
前にも出したウィンドウですが、今回は上画像の青丸部分のチェックを外し、
赤丸部分の "photometry" と "Matching" にチェックを入れて、
マッチングに使うフレームを選択します。
ここではとりあえず2枚目を使ってみました。



しばらく待つと処理が終わり、上記の画像のようになります。
中にはマッチングに失敗しているものもあります(ていうかどれも 10% くらいしかマッチングしてないぞぃ)。
さて、いよいよライトカーブを描く段階に入ります。
メニューアイコンのいかにも光度曲線っぽいやつをクリックします。

 
こんなウィンドウが出ますが、とりあえず何もチェックを入れずに Apply を押します。


 ここで、撮った画像が現れます。
# フラット補正がイマイチとか CCD が傾いているという突っ込みはご勘弁を... (w

マウスカーソルを星の上に持ってくると、水色の十字線が現れます。
# もし十字線が出ないとなると、星検出に失敗していると思われます。
# 筆者もまだよくわかってませんが star detection の設定値を適当に変えてやり直す必要があるでしょう。 

目的星、比較星、チェック星(複数可)は、水色の十字線が出たところで右クリックすると選択できます。
もちろんカウント値が飽和していそうな星はセオリー通り選ぶのを避けるべきです。 



星の選択が終わって OK を押すとこんな画面が現れます。
アパーチャーのサイズを決めろとのことですが (デフォルトで12パターン指定できます)、
とりあえずグラフのボトムにあたるアパーチャーを選びます。ここでは Aperture #3 です。
# このアパーチャーはライトカーブが出てからでも任意に変更できます。
# なので間違って Aperture #1 にしちゃったよ!コンチクショウ!となっても大丈夫です。



これでドドン!っといきなりライトカーブが現れるはずです。
プロットされる点は "Y-axis" というところをいじくれば、V-C, V-K1, V-K2, C-K1, など、
色々なパターンを見ることが出来ます。
"X-axis" では JD と UT の表示方法を変更できます。

先にも述べたようにアパーチャーのパターンを変更することも可能で、
ライトカーブの様子がアパーチャーによって変化することがわかります。
切り替えが楽なので最適なアパーチャーを探したいときに便利かも。

あと削除したいポイントがある場合は右クリックで消せます。
で、結果をテキストで吐き出したいときは上記の画像のメニュー "Files" から "Save" で行えます。
テキストの時間は JD 形式で出てきます。
# 一応この形式を STD 形式に変換するコードを R で書きました。
# これの紹介はまたいずれ (^^;


適当に動かしただけなので、なんか無駄なプロセスがあったり、
使い方を間違っているところがあったりするかもしてません。
また何かわかったら追記などするかもです。


2013/08/02の観測

2013-08-03 08:06:50 | 観測ネタ

久々にやっと晴れました。まんをじして、ベランダから 13cm 反射で連続測光観測!

ターゲットは話題の UZ UMa UZ Boo。 (# たまに BZ UMa と名前が混乱してしまいますorz)
Mhh さんが 9cm 屈折でスーパーハンプを検出されていたので、
ウチでもできるかな?!と挑戦してみることに。

露出は60秒、21時過ぎから約2.5時間追いました。
本当は20時過ぎに望遠鏡を向けていましたが、ベランダ自身に被って顔を出すまで待機でした(w

とりあえず Muniwin で観測結果をクイックルックしてみると... 
# このソフトの使い方がまだよく掴めていないのですが (^^;



わぁーい! スーパーハンプが受かりました。感動です。
# 観測報告はもうちょっとデータ処理を吟味してから行います。


ベランダ観測

2013-07-23 00:18:58 | 独り言

岡山を離れて数か月。
姫路の空はそれほど悪くなく、晴れの日は観測をしたい衝動に
ついついかられてしまう日々でした。

CCD (DSI pro II) を自前で持っているし、脚と筒があれば何か観測できる。
という企みを変光星観測者会議の懇親会でポロっと口にしたところ、
なんと Nga さん経由で meineko さんの Advanced GT 赤道儀をお借り
できることになり、妄想が具体化されることに☆
脚一式は Nga さんから懇切丁寧なメモと共に、即効で送られてきました。
ありがとうございました。

で、適当な筒を自分で買うことに!! 
はじめはビクセンの可愛らしいカタディオプトリックを考えていたのですが、
DSI pro II の素子サイズを考えると焦点距離の長い筒は導入に手間取るという
話しを Mhh さんや Nga さんからお聞きしたので、
13cm (F5) の反射を買うことに。メーカーはスカイウォッチャー。
値段は約2.5万円でお手頃でした。
# 因みに、ベランダは南西向きで、それ以外の方角はまったく見えません。
# コンパスで適当に南北出しをして、赤道儀を置いているので極軸はかなりいい加減。

Advanced GT の使い方に関しては、付属の日本語マニュアルを眺めておおよそ把握。
アライメントは2スターで行いました。

電源はとりあえず小窓を使って配線しています。
脚はベランダに設置 (& 通電) しっ放しですが、適当な雨除けカバーで
梅雨を乗り切れたので、しばらくこのまま運用してみようかと思います。
# 一応、近日中にコーナンで BOX を買って、コンセント部の雨除けをもう少し
# 工夫しようとかと考え中。

で、七夕に CCD を装着してファーストライト。
XY Boo (EW) を導入しましたが、極軸がいい加減なので30秒露出で星が棒になるし、
視野の外へすぐ逃げてしまいます。
ポーラーアラインという機能を使って極軸を追い込むことも考えましたが、
連続測光となるとどうせ視野から逃げていくし、
折角なので (?!) オートガイダーを使って対処することに。

色々悩んだ結果、岡山の大島さんの HP を見て、 Orion 社のオートガイダーに決定。
5cm のガイド鏡がセットになったものが $360 ほどであったので、
Amazon.com で買って、転送業者を利用して日本へ輸入。
これで観測に必要そうな機材が一通り揃うことに。



ちなみに
Advanced GT は Cartes du Ciel で制御、
DSI pro II は CCDSoft で制御、
ガイドカメラは PHD Guiding で制御しています。

制御 PC はノートを使ってベランダに放置し、
TeamViewer (フリー) という遠隔操作ソフトを使って
室内からおおよその操作が行える状態になっています。 
# この遠隔操作ソフトは変光星観測者会議の二日目、昼食のときに Nga さんに教わりました。

 

さて、オートガイダーは先日の日曜に届いたので、その夜に連続測光のテストを行いました。 
ガイド鏡の調整や PHD Guiding の設定に多少てこずりましたが、
とりあえず自宅での観測環境が整った感じ。

勢いにまかせて V508 Oph (EW) を Ic band で 1.5 時間ほど連続測光してみたのですが... 



ばらつきが大きいし、40秒積分ではちょっと露出不足だったかなぁという感じ。
# ガイドが成功して興奮してたのもあり、目的星より明るい比較星を選ぶのを忘れていたのもある(ry

測光には Nga さんの FitsPhot を使わせて頂きました。
とりあえず機材やソフトの使い方を一通りテスト (把握) 出来たので、
「データになりそうな観測」はこれからになりそうです。


Central Stars of Planetary Nebulae

2013-07-19 01:28:49 | 独り言

かすてんさんmeineko さんに触発されて、私も少し調べたことをメモ。
# ここでは 13 等星の都市伝説 (?!) の話題とは逸れますが (^^;
 

twitter で meineko さんが白色矮星の平均的な絶対等級と M57 までの距離から
中心星の見かけの等級はどれくらいになる?ということを言われていたので、
私はまずこの件を計算してみることに。

とりあえず理科年表を見ると M57 までの距離は 2600 光年とある。
パーセクに換算すると約 800 pc となる。 
で、白色矮星 (WD) の平均的な絶対等級は適当な HR 図を眺めて
とりあえず Mv ~ +15 mag として、見かけの明るさ (mv) を見積もった。
すると mv ~ 24.5 mag とかになる。

なんでも M57 の中心星 (mv) は 15 ~ 16 mag らしいので、これでは暗すぎる。
距離が間違っているか、あるいは強引に採用した絶対等級がおかしいのだろう。

距離は幾つか論文をつまみぐいしてみると、ばらつきはあるものの理科年表の値は
大きな間違いは無さそうだった。
さしあたって Harris et al. (2007) を眺めると、距離は約 700 pc、
V等級は約 15.7 mag とある。因みに B-V は約 -0.38 らしい。とても青い。
で、肝心の中心星の絶対等級は Mv ~ +6.3 mag とある (E(B-V) ~ 0.08)。

えっ、こんなに M57 (惑星状星雲; PNe) の中心星って明るかったんだ、と少し驚いた。
というのも、この値だとよくある HR 図上での白色矮星が分布する領域からは
かなり明るいところに位置することになる。 
Harris et al. (2007) には M57 以外の PNe 中心星の絶対等級が幾つか求められていて、
平均するとおおよそ Mv ~ +7 mag とかになる。つまり M57 だけじゃなくて PNe の中心星
ってのは、絶対等級が典型的な WD に比べるとかなり明るいようだ。

私の勉強不足ではありますが、
ここまで調べてみると、よく耳にする (?!) 「PNe の中心星は WD である」という話しが... 
なんだかしっくりこない感じがした。 (PNe 段階の中心星を WD と呼んで良いのだろうか?)

PNe の中心星はいったい何者なのか? ホンマに WD でいいの?と、気になって
(今、手元に文献が無いのでしかるべきテキストで調べられていないのですが)
とりあえず Web 版の理科年表を見てみると、
やはり PNe の中心星は WD であるというニュアンスで解説されている。

ふーむ、つまり PNe の中心星は出来立てホヤホヤの WD ということなのだろうか。
# twitter での某氏の返信によれば、文献によっては「準矮星」と記されていることもあるとか。 

因みに、Weidmann & Gamen (2011) によれば
銀河系の PNe は 3000 以上見つかっているけど、中心星のスペクトルに関する情報は全体の
13 パーセントしか無いらしい。カタログ・リスト (Acker et al. 1992, 1996 など) に載ってる
ものは半分以上が 15.5 等より暗いし、加えてばらまいたガスやら輝線やらで、
中心星の観測はなかなか難しいようです。 
# てことは、PNe の中心星って未知な部分がまだまだあるのかな?! 
# Wolf-Rayet みたいなスペクトルを示すやつもあるみたいだし。 


めもめも

2013-07-17 00:56:16 | 研究ネタ

Nova Mon 2012 関係をメモ:

Photometric evolution, orbital modulation and progenitor of Nova Mon 2012

Munari et al. (2013) arXiv:1306.1501

The 7.1 Hr X-Ray-Ultraviolet-Near-infrared Period of the γ-Ray
Classical Nova Monocerotis 2012

Page et al. (2013), ApJ, 768, L26

Optical Morphology, Inclination, and Expansion Velocity of the Ejected Shell
of Nova Monocerotis 2012
 
Ribeiro et al. (2013), ApJ, 768, 49

Fermi Discovers a New Population of Gamma-ray Novae
Cheung et al. (2013), arXiv:1304.3475

The spectroscopic evolution of the γ-ray emitting classical nova Nova Mon 2012.
I. Implications for the ONe subclass of classical novae

Shore et al. (2012), A&A, 553, 123

ガンマ線が受かったし、極大は見えなかったけど発見時も十分明るかったしってことで人気みたい。
自分も一石を投じるつもりで仕事の合間にチマチマ書いてましたが、ちょっと詰んだ感も(ry
# ところで2012年は新星豊作でしたが、この天体以外の論文は手薄な印象。
# 先にそれらに手を回す方が良いのかもしれない。

==========

KT Eri 関係をメモ:

Morpho-kinematical modelling of Nova Eridani 2009 (KT Eri)
Ribeiro et al. (2013), MNRAS, 433, 1991

Nova KT Eri 2009: infrared studies of a very fast and small amplitude He/N nova
Raj et al. (2013), MNRAS, 433, 2657

# 同じ雑誌で同じ号に KT Eri の論文が二本。

==========

最近の R. Williams 博士の論文をメモ:

Novae Ejecta as Discrete Adiabatically Expanding Globules
Williams (2013), arXiv:1306.6319

Origin of the "He/N" and "Fe II" Spectral Classes of Novae
Williams (2012), AJ, 144, 98 

# 最新 (2013) の論文には He/N, Fe II に関する模式図があります。
90年代の考えと比べると、スペクトルクラスの起源に関してはだいぶ考えが変わってきた感じ。
まだちゃんと読めてませんが、絵を見た感じではホンマかいなぁ?!
という印象も5割ほどですが... (^^;



PNV J17335943-3606216

2013-06-05 01:55:11 | 新天体

PNV J17335943-3606216

立て続けに新天体が見つかっていますね。
お次はさそり座に約11 mag (ノーフィルター) の新星候補。
以下、主に TOCP を基に簡単に情報整理。

発見者は九州の西山さん&椛島さんのチーム。
105mm (F4) のレンズ + CCD を使われて、6月3.6728日(UT) に発見。

確認観測には E. Guido さん & N. Howes さんが3.7429日(UT)にリモート望遠鏡にて。
画像も公開されていますね。 (←このページにはよく我々のスペクトルも転載されていたり)

さらに福岡県の高尾さんの 100mm レンズによるサーベイでも3.6278日(UT)に
11.9 mag (C) 、山形県の板垣さんも3.757日(UT) に 11.1 mag (C?)  として
それぞれ確認されています。

そしてmeineko さんの TAO サーベイでも確認されており、85mm + CCD によって
3.5886日(UT)に 10.39 mag (Ic) であったと報告されています。

加えて宮城県の遊佐さんはアメリカのリモート望遠鏡を使って多色測光を行い、
4.2725日(UT)に B=15.8, V=13.4, R=11.8 であったそうです。
# B-V = 2.4 もありますからかなり赤いですね。

一方でスペクトルのほうは3.960日(UT)にいち早くフランスの C. Buil さんが撮られています。
(参照: vsnet-alert 15795
幅の広い (FWHM: 1200 km/s) 強いHα輝線と
星間赤化していると思われる連続光が見えているようです。
他のラインもどうなっているか気になりますが、とりあえず新星で間違いなさそうな印象です。
ちなみに今回 Buil さんのスペクトルにしては少しノイジーだなーと思ったら、
いつもの機材 (C11 + LISA) ではなく、20cm + Alpy 600 となっていました。
この分光器は最近シュリアク (仏) から出た小型のグリズム分光器ですよね。
Alpy 600 で nova を試しに撮ってみたという感じでしょうか。面白そうな分光器です。

=====
以下、発見位置確認チャートと岡山での高度変化。
高度は最大で約20°か... (^^;

 





PNV J19150199+0719471

2013-06-01 23:17:39 | 新天体
PNV J19150199+0719471 
わし座に新天体です。発見報告をされたのは山形県の板垣さん (5月31.5974日)。
明るさは10.8等(ノーフィルター)。 

31日の夜に(仕事から帰宅して)この情報に気が付きました。
姫路も岡山も晴れていましたが、あいにく観測できる環境にいないので
大人しく寝ることにorz
次の日、確認観測の報告を眺める。

発見前の情報があり、群馬県の小嶋さんによって5月30日には
約9.8等の星がデジカメで写っていたそうで、
翌日(発見日)の観測では10.3等だったそうです。

さらに、茨城県の櫻井さんも31日に該当天体を10.0等(デジカメ)で観測されています。
5月17日の画像には明るい天体は無かったそうです。

そして meineko さんのリモート望遠鏡による多色測光観測 (B, V, Rc, Ic) によれば、
6月1日に V band で 10.17等、B band で10.15等のようです。色が青いですね。

加えて宮城県の遊佐さんもリモート望遠鏡で多色観測をされていて、カラー合成された
写真が公開されています。おぉ、確かに青い。
(http://space.geocities.jp/yusastar77/supernova/PNinAql_130601.htm

一方 VSNET でも、わし座に現れた classical nova にしては色がとても青いという
話しが挙がっています。さらに IPHAS というカタログには約 18.5 等の天体が発見位
置にあるらしく、色や増光幅を考慮すると古典新星ではなく、確かに矮新星の可能性が
ありそうです (参考: vsnet-alert 15768)。 連続測光をやってみると何か変動が受か
るかもしれませんね。

ところで分光はどこかでやられたのかな?! 梅雨ですから観測は難しいかと思いますが...
昨日のお天気なら倉敷の F さんか、海外であればフランスの Buil さんが観測されている
かもしれませんね。 

=====
以下、いつもの発見位置の確認チャートと、岡山での高度変化。




R: 最近の作図

2013-04-27 01:03:21 | R言語

R でグラフを描くさい、見栄えなどにこだわりだすと
気が付けばもの凄い時間が経っていたりする(w
出来上がったコードはコピペすれば色々な局面で応用が利くので
最近使っているものを(部分的に)メモしておくなり。 

私の場合、スペクトルのグラフを描く機会が多い。
ライトカーブも連続測光した場合はクイックルック用にグラフを作りますが、
こちらはあまり見栄えなどはこだわっていない。

スペクトルのグラフ(気合いれた版)は T Pyx 論文で描いたような図が
最近のブームになっていて、ここ一年近く研究会の集録原稿などでも応用して使ってます。

以下は某新星の一晩分のスペクトルを作図したさいのコード。
フォントはデフォルトではなく、 Times 系を使うのがお気に入りです。


=====

  setEPS()                                          # EPS で出力
  postscript("nova_hogehoge.eps",          # 出力ファイル名
                family="Times",                       # フォント
               height = 6, width = 7)              # グラフの大きさ            

  par(tcl=0.4,lwd=2,ps=11)                     # 目盛の長さ、枠線、文字サイズなどの指定
  plot(data, type="l", axes=F,                  # 外枠や軸はあとでプロットするのでaxes=F
     cex.lab=1.2,lab=c(7,7,8),
   xlab=expression(wavelength (ring(A))),  # 横軸の波長Å
   ylab="log10(flux) + const.", col="red", lwd=1,xlim=c(4000,8500),ylim=c(0,2.5))

# gnuplot みたいに上下左右に目盛り線が欲しい場合は以下の通り。 

  axis(1, lwd.ticks=2)                               # 軸を描く
  axis(2, lwd.ticks=2,las=1)                      # las=1 は縦軸の数字を横書きにする
  axis(3, lwd.ticks=2,lab=F)                      
  axis(4, lwd.ticks=2,lab=F)
  box()                                                   # 外枠を描く

# 以下、スペクトル線の元素を示す場合に使う。
# text (横軸位置, 縦軸位置, "出力文字", ...) を使う。
# srt=90 は文字を90°回転させている。 

  text(6563,2.4,expression(paste("H",alpha)),srt=90,cex=1.2)     # Balmer
  text(4861,2.0,expression(paste("H",beta)),srt=90,cex=1.2)
  text(4340,2.0,expression(paste("H",gamma)),srt=90,cex=1.2)

  text(6300,1.5,"[O I]",srt=90,cex=1.2)   # [O I]
  text(7773,1.5,"O I",srt=90,cex=1.2)     # O I

# 以下、スペクトル1本のときはあまり使わないけど紹介。
# あるスペクトル線を点線などで強調したい場合は abline を使っている。
# 複数のスペクトルをオフセットして並べ、ラインの変化などを見るとき便利。

 abline(v=6563,lty=2,lwd=1)    # H-alpha
 abline(v=7773,lty=2,lwd=1)    # O I

# abline(v=強調したい波長, ...)、となっている。
# つまり指定した横軸の値に対して垂線が引かれる。 
# この点線は黒色で多様すると見栄えが微妙になることもある。
# 灰色など控えめの色を使うと幸せになれるかもしれない。 

  dev.off()

======


とまぁ、 実際プロットした例図(スペクトル)をここに UP できれば良いのですが、
ブログでは割愛します (^^;
あと T Pyx 論文では補助目盛を使っていて、  
 

=====

  xm <- seq(3800,9000,by=100)
   axis(1,xm,lab=F,tcl=0.4)
   axis(3,xm,lab=F,tcl=0.4)
  ym <- seq(0,8,by=0.2)
   axis(2,ym,lab=F,tcl=0.4)
   axis(4,ym,lab=F,tcl=0.4)

=====

という感じで刻むことができる。この場合、主目盛の長さは tcl=0.6 くらいあると
良いかもしれない。このあたりは好みの問題でしょうか。

横軸を共有して二つのグラフを合体させたい場合の方法は、一度ブログで紹介しています。 
T Pyx 論文では plot() の前に以下のおまじないを唱えました。

=====
# グラフのレイアウトを行列で考える(一つの図の大きさの割合)

   mat <- matrix(c(1,1,1,1,2,2,2,2), # グラフのレイアウトを行列で考える(一つの図の大きさの割合)
               8,1,byrow=T)

   setEPS()  
   postscript("tpyx_spectra.eps",family="Times",
            height=9,width =9)

     par(mfrow=c(2,1))    # 実際のグラフ数を 2x1 として縦に並べる
     layout(mat)
     par(mar=c(0,4,0,4))  # 各グラフをぴったり接続するおまじない(上下マージン0)
===== 

 


独り言

2013-04-26 02:52:50 | 独り言

仕事のほうはだいぶ感じが掴めてきましたが、
生活面では院生時代の昼夜逆転生活が影響してか、正午過ぎが猛烈に眠いです... (^^;

通勤中はいつも電車内でウトウト...
いつか下車駅を通り越してしまうのではないかと ヒヤヒヤしてます(w
 

研究環境については OUS の特別研究生というものに申請を行い、
無事席を置かせて頂くことができました。
ありがたいことに週末は研究室 or 観測所で手を動かすことができそうです。

ちなみに、5月に行われる連星系東京研究会の申し込みを行いました。
期日の日付から数十分過ぎてしまいましたが... ギリギリセーフだったでしょうか... (^^;;
# 特別研究生になれたので外で発表する (or 論文を書く) ときなど、
# とりあえず今年度の所属も OUS のまんまです。