滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

SAINENJI-プロジェクト その1

2008年11月01日 | 建築
先日、以前からお話していました「SAINENJI-プロジェクト」の施工業者(工務店)が決定し工事契約を結びました・・。
SAINENJI-プロジェクトは、お寺の庫裏(住職や家族の住む建物)の建替え及び本堂の設備改修、屋外便所棟の新設、境内のインフラの整備などを行うプロジェクトです。
その中でも、庫裏の建替えがメイン工事となります・・。庫裏と言っても、本格的な寺院建築ではなく、一般の和風住宅より少しグレードが高いと言った感じの建物になるでしょうか・・。

庫裏の設計では、予定していた予算より20%ぐらいグレードアップした仕様にしていましたが、複数の施工業者による見積り合わせの効果もあって、何も減額しなくても予算内で施工してくれる工務店があり、全て設計図書どおり実現できる運びとなりました・・。(見積り合わせをする工務店の組み合わせを厳選した私の作戦勝ち・・?)
なので、お施主さんと共に私も非常に喜んでいます。(通常の木造住宅1軒分ぐらいは割安になっているのかな・・。)、当然ですが、私がきちんと工事監理しますので手抜き工事になったりする事はありませんし、施工業者も県内トップクラスの技術を持った工務店ですからそんなに心配もしていません・・。

ちょっとかたい話になりますが、生活様式の変化に伴ない日本建築自体が減少し、1軒あたりの和室の部屋数も激減しています。これが日本人特有の「侘び」、「寂び」、「粋」などという感性をも退化させている原因の1つとなっている現状において、地域に密着したお寺の庫裏という事もあり、地域のこれからの世代の人たちが日本建築(伝統文化)に触れられて、退化しつつある日本人特有の感性を少しでも取り戻すために役立てば・・という想いで今回の庫裏を設計しています。
とは言っても、私が設計しているわけですから普通に伝統的日本建築を実現するのではなく、日本古来からの考えにある「真、行、草」の中の1つ「草=くずし」について、私なりに読み解き今までになかった新しい和の表現にも挑戦しています・・。(かなりプレッシャーもあるのですが・・。)

という事で・・「SAINENJI-プロジェクト」は、まず来週から境内にある他の建物のライフライン確保のための先行工事から始めて、それから工事車両進入路を確保するために既存建物の一部やその他障害物を撤去し、その後に既存の庫裏の解体工事へと進みますので、本工事(庫裏の新築)は年内に基礎工事ができればいいなぁ・・という予定です。最終的に庫裏が完成するのは、来年の祇園祭りの頃になります・・。
SAINENJI-プロジェクトについては、通常では手に入らない貴重な素材やめずらしい工法などを採用していますので、これから機会を見て少しずつお話していきます・・。
最後に、私のいろいろな提案に理解を示し採用してくださったお施主さんに感謝しつつ、期待を裏切らないようにこのプロジェクトを成功させたいと思っています・・・。









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