滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

SAINENJI-プロジェクト その4

2009年04月27日 | 建築
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以前よりお話している「SAINENJI-プロジェクト」(お寺の庫裏の建替工事です。)の続編です・・・。先週から外壁の焼き杉を張る作業が始まりました。今回使っている焼き杉は、軽く焦がしている程度のものとか塗装しているものではなく、墨付きの焼きっぱなしのものです。[上の画像]

墨付きの焼きっぱなしの杉板は、ノーメンテナンスで約50年持つと言われていて、潮風が当たる沿岸地域や日本海側の降雪地帯など、サイディングや新建材では錆びたり腐食したりして使いにくい厳しい環境下で使われている素材です。
杉板の表面を真っ黒に炭化させているので、耐久性、断熱性、吸湿性、難燃性などに優れている事はよく知られていますが、最近では、マイナスイオン効果や電磁波を遮断する効果まである事が分かっているそうです・・。

墨が付いている素焼の状態ですから、触れただけで手に真っ黒な墨が付くような材料です・・。工事が始まる前に知人から、「焼き杉を張るのはいいけど・・大工さんが手から顔から体中真っ黒になって困らはりますよ・・。」と聞いてはいました。
それで先日、現場に行ったら大工さんが本当に真っ黒な顔をして焼き杉を張っていたので、目と目が合った瞬間に思わず吹き出しそうになって必死にこらえていました・・。(大工さんには、非常に失礼なのですが・・。)

私が「顔、真っ黒じゃないですか・・。」と声をかけると、大工さんが、「そうやねん。これ張ってたら顔が真っ黒になるわ・・。」と言いながら、シャネルズ(昔いた歌手グループ)みたいな顔をして作業を続けていました・・。大工さんの話によると、焼き杉をビスで打ち付けるときに墨の粉が飛散って顔に付くのだそうです。

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(それでも、イヤな顔もせず一生懸命に焼き杉を張って下さっている大工さん・・本当に大変な仕事をお願いして申し訳ありません。)、おかげで外壁に張られた焼き杉は、とても綺麗ですからね・・。[右の画像]
どうも有難うございます・・・。










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450光年のかなたにダイヤの輪

2009年04月21日 | 独り言
今日は1週間ぶりの雨です。(たぶん、私の記憶が正しければですが・・。)、それで、雨だからと言って何かあるワケではないのですが、私は計画中の建物のプランが上手くまとまらないので悩んでいる今日この頃です。いいアイデアがひらめくまで、もう少し不毛な時間を過ごす事になりそうです・・。

という事で・・先日、地球から450光年離れた宇宙にある恒星が、ダイヤモンドの輪を持っている事が分かったという新聞記事を読みました。国立天文台などの研究チームが、ハワイにある「すばる望遠鏡」を使った精密観測で明らかにしたそうです。ダイヤの輪が確認されたのは、おうし座の方向にあり、太陽の約2倍の重さを持つ「イライアス1」という恒星・・。
その周辺にはダイヤが存在する事は知られていたそうですが、今回の観測によって、ダイヤは恒星から約45億キロ離れた領域で環状になっている事が初めて分かったとか・・。

ダイヤは直径1000分の1ミリ以下の微細な粒で、すべて合わせると月の重さの15%に相当するそうです。星の周辺に円盤状に広がるチリ中の炭素が恒星の熱で球状になった上に、恒星が出すエックス線が局所的に高圧状態を作り出すのが、ダイヤのできる仕組みと見られています。ちなみに、ダイヤを伴なう恒星は、これまでに3つ知られているんだそうですよ・・。

それにしてもダイヤモンドの輪を持つ恒星があるなんて・・何ともメルヘンチックな話ですが、450光年かなたにあると言われてもまったく想像がつかない距離感ですよね・・。でも、もっと凄いと思うのは、450光年かなたのダイヤを観測できる技術があって、それを研究している人たちがいるという事です・・。

「450光年か・・。」、そう思うとプランが上手くまとまらないと悩んでいる私の不毛な時間などは、一瞬にも満たないという事でしょうね・・・。








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蘆花浅水荘(ろかせんすいそう)を探訪

2009年04月16日 | 建築
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昨日は、大津市中庄にある蘆花浅水荘を訪れて来ました・・・。蘆花浅水荘は、明治後半から昭和初期にかけての京都画壇の雄であった山元春挙(しゅんきょ)氏の別邸です。(後に、ここで暮らされたので新居と言うべきかも知れませんが・・。)
平成6年に近代和風建築の遺構として重要文化財に指定され、その後修復をして3年ほど前より、広く一般に公開されているそうです・・。
以前より、蘆花浅水荘の前は何度も通っているのですが、内部が拝観できるという事を最近になって知り、それなら是非見てみたいと思い、昨日少し時間に余裕が出来たので訪れて来た次第です。

実は、山元春挙氏と私が以前よりお付き合いさせて頂いている膳所焼(窯元の自宅や膳所焼美術館の建物を設計させてもらっています。)とは深いつながりがあります・・。膳所焼の再興に春挙氏が大きく係わられている事によるものなのですが、ゆえに膳所焼のお施主さんとの会話の中でも、よく春挙氏のお話が出てきていました。また、膳所焼には春挙氏ゆかりの品々もあったりするので、私は春挙氏や蘆花浅水荘をより身近に感じていました・・。

蘆花浅水荘は近代の数奇屋造りを基調にした建物(大正12年に完成)で、東側の離れ部分と西側の本屋部分から成り立っていて、この2つが四方竹の植え込みのある中庭を介してつながっています。東側の庭に面する離れの部分が、春挙氏が主に意匠を凝らしたところになっています・・。

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特に竹の間と呼ばれる座敷では、竹を愛した春挙氏がいたるところに竹を使って、これでもかと言わんばかりに遊び尽くしています。琵琶床の位置に合わせて折れ曲がる竹の落掛、床脇の吹抜に奇抜な形の竹をあしらったり、床に相対する円窓に変わり竹を用いて飾り格子にしたり(上の画像)と・・、訪れる人を楽しませてくれる洒落た趣向が多くありました。(それにしても、あれだけ竹で埋め尽くしているのに、全体に品良くおさめているのは並の技ではありませんね・・。)

その他にも、床下に巧みに石組みが配され、まるで水上にあるかのような趣きに造られている莎香亭(さこうてい)、春挙氏が画想を練るための部屋として莎香亭の西側に取り付けられた一畳強の無尽蔵という空間、入側の棟に使われている五間半におよぶ一本物の北山丸太などなど・・、今日では、もう造る事が難しいであろう趣向の数々を目にして、古き良き時代に想いを馳せるひと時となりました。(とは言っても、私がこれから和風建築を設計するうえでの工夫やヒントは、たくさん見つけましたけどね・・。)

蘆花浅水荘が完成した当時は、庭先がすぐ琵琶湖に面し、建物のいたるところから近江富士(三上山)を望む閑雅な地であったようですが、今では琵琶湖は埋め立てられ湖岸道路が出来て車が走り、三上山も寄付の窓からだけ唯一見えていたのが、昨年出来た草津イオンモールで半分しか見えなくなったとか・・。
それでも、他の近代建築で残しておいてほしい建物が、何らかの理由で保存が困難になり消失していく事が少なくない現在において、蘆花浅水荘は重要文化財に指定されて存続している訳ですから、まずは幸せな建物だと言えるのではないでしょうか・・・。





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花、花、花・・春です

2009年04月11日 | 季節の花
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最近暖かくていい天気が続いています。春本番と言うか・・一気に春を通り越して初夏になったような陽気になりましたね・・・。桜の花も満開で今日と明日が花見もピークと言ったところでしょうか。(イヤ、もう散り始めているところもあるのかな・・?)
上の画像の桜は、私の自宅のすぐそばにある結婚式場の庭に咲いています。ちょうど今が見頃で夜にはライトアップされていて、とても綺麗です。(私は結婚式場のお客ではありませんが、自宅からもよく見えるのでちょっと得をした気分になれます・・。)


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左の画像は、自宅の前でおふくろが育てているパンジーです・・。パンジーは冬の間も花を咲かせますが、やはり暖かくなった春のほうが元気よく咲いています。幾分か花も春のほうが大きいように見えるのですが、私の気のせいでしょうか・・?


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右の画像は、私の散歩コースである皇子が丘公園で先日撮影した雪柳です・・。皇子が丘公園も桜が満開で、この土日は多くの人で賑わっているのでしょうね。桜が主役になっていますが、この雪柳だって綺麗です。雪が柳に降り積もったように見える事からこの名前が付けられたようです・・。公園や庭先でよく見かけますが、自生種は地域によっては絶滅が危惧されているそうですよ・・。


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左の画像は、最近になって自宅の庭石と道路のアスファルトとの間に自生して花を咲かせている野草?です・・。何という野草なのか分かりませんが、薄い藍色をした壺状の花を多く咲かせていて、とてもカワイイ野草です。来年も咲くといいですけどね・・。


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最後は、現在工事中の現場で咲いていた桃の花です・・。(今はもう散り始めていますが・・。)、咲き始めた頃は、私がこれは桃の木だと言っているのに、現場監督さんや職人さんたちは、「こういう花が咲く種類の桜の木ですわ・・。」と言って、しばらくの間その現場では珍しい桜の木という事になっていましたが、先日お施主さんに尋ねたところ、やっぱり桃の木であることが判明して、ようやく現場のみなさんも分かってくれたようです・・。
まったく・・興味のない人たちにかかると、桃の花も桜の花になってしまうのですから本当に困ったものですよね・・・。








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2009 F1 第2戦マレーシアGP

2009年04月06日 | F1
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先週に続き、F1第2戦マレーシアGPがセパン・インターナショナル・サーキットで開催されました・・・。レース中盤から降り出した雨による混乱の中、ジェンソン・バトン(ブラウンGP)が開幕戦からの2戦連続ポール・トゥ・ウィンで完勝。予選・決勝を通じてブラウンGPの別次元の速さばかりが目立つレース結果となりました・・。(画像は、雨の中を走るジェンソン・バトン)

バトンは、予選においても燃料を多く積んだ状態で余裕のポール・ポジションを獲得し、決勝ではスタートこそ出遅れて4番手にグリッドを落としますが、その後ドライでもウェットでもファステストラップを叩き出し圧倒的な速さを見せつけます・・。(レース序盤、ロズベルグやトゥルーリもファステストを叩き出しますが、燃料を多く積んでいない状態でしたからね・・。)
トヨタやウィリアムズのマシンもかなりいい仕上がりのようですが、ブラウンGPのマシンには一歩及ばないと言ったところでしょうか・・。

それにしても、開幕2戦を通じて散々な結果になったのがフェラーリです。今回のレースにおいても、予選Q1でマッサがまさかのノックアウトで姿を消すというポカをする始末・・。(自分の出したタイムでQ1を通過できると思っていて、マシンに乗り込んでいなかったため最後にアタックできなかったとか・・???)
決勝では18周目にピットインしたライコネンが、まだ雨が降っていないのにウェットタイヤ(深溝)を装着するという大きなギャンブルに出たのが大誤算となり、レースを台無しにする事に・・。(ちょっと無謀過ぎるタイヤ選択だったようです・・。)
フェラーリとしては、1992年以来の開幕2戦でノーポイントという最悪のスタートとなりました。

結局レースは、31周目に雨が激しくなってセーフティカーが導入され、32周目には赤旗が振られてレース中断、そのまま再開されることはなく終了。規定周回数の75%に達していなかったため、レギュレーションによりポイントは通常の半分となりました・・。

開幕2戦で圧倒的な速さを見せたブラウンGPのマシン・・。次戦の中国GPからは、正式なスポンサー契約がなされて、マシンのカラーリングが一新されるのではないでしょうか・・?(一説にはチーム名も変更されるとか・・。)
次回、F1サーカスは上海へと向かいます・・・。









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SAINENJI-プロジェクト その3

2009年04月01日 | 建築
以前からお話している「SAINENJI-プロジェクト」(お寺の庫裏の建替工事です。)の続編です・・・。前回、お話していました屋根の腰葺きや霧除け庇部分にチタン亜鉛合金(一文字葺き)を葺く工事が完了しました。予想していたよりもシャープで重厚感のある一文字葺きが出来上がりました・・。これも板金職人のMさんのおかげです。(やはりMさんは、腕のいい職人さんですね・・。)

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和風建築の外観は、庇の出や庇の取り付く高さなどによって陰影をどのように付けるか・・という事が大きなポイントになってきます。「SAINENJI-プロジェクト」の場合でも、屋根の庇と霧除け庇との間にどれだけの陰影部分をつくるかが最大のポイントでした・・。もちろん、屋根の庇と霧除け庇だけではなく、窓との高さ関係も影響してきます。
私の考えだけでなく、大工の棟梁の意見も聞きながら慎重に霧除け庇の高さを決定したのですが、さてさて・・建物が完成したときに全体的な外観のバランスの中で、光と影のコントラストはどのように映るのでしょうか・・?、楽しみなのですが、ちょっと不安(いや、かなり不安かな・・)でもあります・・。やっぱり、和風建築は難しい(奥が深い)ですよね・・。

板金職人のMさんの話に戻りますが、先日・・近所の人がくれた竹の子をMさんにもお裾分けしてあげました・・。次の日、Mさんに、「昨日の竹の子食べられたやろ・・?」と尋ねると、「竹の子の味噌汁にして食べましたわ・・。」と言っていました。「私も昨日の晩ごはんは、竹の子ごはんと竹の子の味噌汁やったんですけどね・・。」と言って笑っていました。
これから、近所の人たち(山をもっている人が多いので・・)がたくさん竹の子をくださる季節なのですよね。(と言うか・・この記事って竹の子の記事でしたっけ・・・?)





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