滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

ダイセンソリューション オフィス完成しました/滋賀県 建築家 建築設計事務所イデアル

2023年07月09日 | 建築

蒸し暑い日が続きますね・・・。今回は、以前の記事「小規模オフィスのファサードデザイン」でお話していました建物が完成しましたので紹介する事にします。

 

[Photo 西岡千春]

画像は、ダイセンソリューション オフィスの外観です。外観で目を引くのは、不規則な幾何学パターンのアルミフレームとアルミルーバーからなるアルミ装飾フレームです。ダイセンソリューションのグループ会社がアルミサッシやアルミ製品を扱っている会社という事もあって、お施主さんからアルミを使ったファサードデザインを提案してほしいと言われました。アルミフレームとアルミルーバーを不規則な幾何学パターンとするアイデアはすぐに思いつきましたが、問題は木造の建物なので、アルミ装飾フレームをどのように支持して建物に取り付けるか・・という事でした。

風圧力などでアルミ装飾フレームの取付部は動くので、外壁で直接支持することは避けなければなりません。そこで、中大規模木造で使用される構造用ビスと木組みを併用した腕木を取り付けることにより、外壁から飛び出た出窓枠や縦・横の装飾枠(黒い枠部分)を設け、この出窓枠や装飾枠によってアルミ装飾フレームを支持するようにしています。出窓枠や装飾枠には、アルミ装飾フレームを支持しているビスが風圧力などで動いても追従できる防水材を施すことにより、防水性や耐久性を確保しています。アルミ装飾フレームを外壁から飛び出た出窓枠や装飾枠により支持することで、不測の事態が生じても建物本体の構造体への影響を極力避けるような方法を採用しています。

ファサードデザインの話に戻りますが、アルミ装飾フレームを支持する出窓枠や縦・横の装飾枠も不規則な幾何学パターンとしていますので、それぞれの幾何学パターンが交わり重なり合うファサードデザインとなっています。また、幾何学パターンを縁取る庇と袖壁の見付を厚くすることで、強度や納まりに必要なアルミ装飾フレームや出窓枠・装飾枠の各サイズが、建物のヴォリュームに対して無骨にならないよう視覚的な操作をしています。このように庇と袖壁による縁取りを大きくし、交わり合う二重の幾何学パターンを繊細かつ奥行きがあるように見せることで、小規模なオフィスでありながら、迫力あるファサードデザインとすることを可能にしています。

 

 

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