滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

「建築裁判は勝てない」は本当か、建築訴訟について思うこと・・。

2022年07月30日 | 建築

今回は建築訴訟についてお話したいと思います。3年前に私と仲間の建築士が建築専門家として訴訟協力していた「マンション建て替え裁判」において、建物の解体・建替えを認める判決が下されました(その記事はこちら「建築訴訟でマンション建替えの判決が下された!!」)。この判決は大規模なマンションの解体・建替えを認めるものとしては、国内で初めての判例となりました[近年では大規模な欠陥マンションの建て替えも数例ありますが、これらは事業主・施工者側が自主的に建替えているもので訴訟での判決によるものではありません]。これまで日本の建築裁判では、社会的経済損失が大きいという理由など(他にも法律解釈の問題もあります)により、建物の解体・建替えが認められることは難しいという流れの中で、大規模なマンションの解体・建替えを認める判決が下されたことは画期的な出来事でした。

このような実績もあってか、時折り建物の瑕疵(契約不適合)※1を主張する建築主・消費者から訴訟への協力依頼があります。主な依頼は「建物の構造耐力に関わる重大な瑕疵について、その危険性を工学的に立証してほしい」というものです。いつも私が依頼者に対して最初にお話することは、建築訴訟はやめて話し合いで解決するように考えてほしいという事です。なぜなら、建築裁判(重大な瑕疵を主張するものに限る)で勝つには膨大な時間と労力と費用を要するため、瑕疵主張する建築主・消費者に多大な負担を強いることになるからです。建築主・消費者側の弁護士や建築専門家の資質は別として、莫大な資力が無ければ裁判には絶対勝てません。もちろん、精神面での負担やストレスも尋常ではありません。ですから、納得がいかない理不尽な事があっても、話し合いによる折り合いをつけて解決することを勧めます。

とは言っても、折り合いがつかないので、提訴しようとしている若しくは訴訟になっているワケですから、前述したようなお話をしたうえで、それでも訴訟をするという依頼者には、生半可な気持ちでは到底勝てないので、相当の覚悟をしてもらうことを条件に訴訟協力に応じる場合もあります(重大な瑕疵を主張するものに限る)。その他にも訴訟協力する条件としては、私以外に2人以上の建築構造技術者を加えたチームを編成して瑕疵立証に取り組ますので、関係資料を読み込んだうえでチームとして、瑕疵による建物の危険性を工学的に立証可能と判断できる事案であること。建築訴訟では、建築士などによる専門的知見が必要不可欠なので、訴訟方針などは弁護士ではなく私たち建築専門家の主導により行うこと(弁護士によっては揉めるんですけどね)などがあります。このように私たちが訴訟協力する場合は、依頼者に相当の覚悟を強いたうえで協力するワケですから、明確な技術的根拠に基づく瑕疵の立証について徹底的に取り組み、依頼者を有利な和解や判決へと導くよう努めています。

前置きが長くなってしまいましたが、よく言われている瑕疵主張する建築主・消費者(原告)が建築裁判で勝てないという事についてお話したいと思います(もちろん、私見ですけどね)。まず、何をもって「裁判に勝った、負けた」という定理が難しいと思いますが、ここでは「建物の構造耐力に関わる重大な瑕疵」が認められるか否かというところで線引きすることにします。賠償金額で線引きすると、瑕疵の強度に見合った補修費の評価(補修方法や補修の可・不可など)が難しいことから賠償金額は別とします。

建築訴訟においては、建築主・消費者(原告)が瑕疵を主張しても施工業者(被告)に有利な判決が下されるケースが少なくありません。これは訴訟における瑕疵の立証責任が原告にあることに起因するものです。すなわち、建築訴訟における瑕疵の立証には、建築士などによる専門的知見が必要不可欠であるにもかかわらず、受任した弁護士(法律事務所)に協力する建築専門家が見つからない、若しくは協力する建築専門家の知識・経験不足のため、明確な技術的根拠に基づく瑕疵の立証が行えないことによります。

そのため、瑕疵の立証において、瑕疵の原因はどこにあるのか、どの規範に反し品質・性能を欠いているのか、建物の安全性にどのような影響を及ぼすのか、どのような補修が必要なのか、補修費用はどれくらいかかるのか、といった要件を具備することができず、当を得ない主張に終始することになります。これに対し、施工業者(被告)には、建築の専門知識を持つ有資格者が多く所属しているうえ、協力する建築専門家(業界仲間)も少なくありません。加えて、多くの証拠資料を所持しており(不都合な証拠は秘匿します)、建築物に瑕疵があっても詭弁を弄して「品質・性能には問題ない」と主張します。このようなことから、建築訴訟においては、建築主・消費者(原告)が瑕疵主張を行っても証拠作成のハードルが高いため、瑕疵の立証において要件を具備できず、結果的には施工業者(被告)に有利な判決が下される(施工業者に言い逃れをされる)傾向にあります。

前述したような建築訴訟における実情を打開するには、高度な専門知識と豊富な経験を有する建築専門家により、真の争点を的確に把握し、専門的知見から各論点を整理したうえで、重大な瑕疵(契約不適合)に論点をしぼり、明確な技術的根拠に基づく瑕疵の立証を行う必要があります。特に、建築物の構造耐力にかかわる重大な瑕疵については、建築構造の知識と経験を基に、瑕疵を反映させた構造計算書を作成し、建物の危険性を数値化(見える化)して立証する必要があります。瑕疵の調査を実施しても、その調査結果から瑕疵の有無を判断し、瑕疵であった場合、その瑕疵が建物の安全性にどのような影響を及ぼすのか、その危険性を数値化(見える化)しなければ証拠の価値は下がります。「瑕疵だから構造耐力が低下しているので危険」と主張するだけでは裁判において認めてもらえません。ところが、建築訴訟の実情は前述したように、多くの場合において専門的知見による支援が得られないため、瑕疵の本質まで踏み込んだ主張・立証を行うことなく、瑕疵の表面のみを捉えた論点によって、小競合いをしているに過ぎないのです。これでは施工業者(被告)に言い逃れされても仕方がありません。

当該建築物において、構造耐力にかかわる重大な瑕疵が実際に存在するのであれば、その危険性(瑕疵の本質)を明確な技術的根拠に基づき数値化(見える化)すれば、瑕疵は認められ原告に有利な和解や判決へと導くことができます(建築の専門知識について素人である裁判官でも分かるように建物の危険性を見える化することが重要なワケです)。もちろん、瑕疵による危険性を数値化するだけでなく、調査会社による瑕疵調査、鑑定意見書の作成、補修方法の立案、補修費用の見積りなど多くの主張・立証を積み重ねる必要があります。これらのことは、訴訟において当たり前のことですが、建築訴訟の場合、この当然のことに対するハードルが高いのです。高度な専門知識と豊富な経験を有する建築専門家が積極的に訴訟に協力するようになれば、建築訴訟における瑕疵立証のハードルが下がっていくと思いますが、そもそも高度な専門知識と豊富な経験を有する建築専門家は本業が多忙なうえ、訴訟などの紛争にかかわりたくないと考えるのが一般的なので訴訟への協力は望めません。

本題である瑕疵主張する建築主・消費者(原告)が建築裁判で勝てないかという事については、前述したように明確な技術的根拠に基づき瑕疵の立証を行えば、瑕疵は認められる(勝てる)と思います。それには明確な技術的根拠に基づき瑕疵を立証してくれる建築専門家が必要不可欠です。しかし、前述のとおり訴訟に協力してくれる高度な専門知識と豊富な経験を有する建築専門家を見つけることは困難だと思います。仮に見つかったとしても、そのような建築専門家に膨大な時間と労力を要する瑕疵立証を依頼すれば多大な費用が必要になります(相手方の反論への反論、場合によっては追加調査や実験などと費用が膨らみます)。

私たちが訴訟協力する場合もそうですが、構造耐力にかかわる瑕疵を構造計算により数値化(見える化)することは容易ではありません。構造計算で用いられている各基準式は建物の安全性を確保する目的で定められたものであって、瑕疵を数値化する目的で定められたものでありません。そのため、瑕疵を構造計算により数値化(見える化)する作業には膨大な時間と労力を要します(結果的に費用も)。明確な技術的根拠に基づき瑕疵の立証を行えば、瑕疵は認められる(勝てる)と言いましたが、実際のところ、私たちのチームや他の建築専門家がそのような立証を行っても、それは瑕疵主張する建築主・消費者(原告)に有利な和解や判決を保証するものではありません。有利になる可能性が高いという事であって、明確な技術的根拠に基づく瑕疵の立証を行っても、裁判官・調停委員・専門委員によっては、その解釈や判断(技術的根拠の理解度)が異なる場合があるからです。すなわち、建築訴訟においては、満点の瑕疵立証を行っても専門性が高いゆえに、その解釈や判断にはリスクを伴います。

また、私の知る限りでは、明確な技術的根拠に基づく瑕疵の立証が行える目処が立っていないにもかかわらず、見切り発車で訴訟を起こし、裁判所から工学的な瑕疵の立証を求められた段階になって、建築構造の専門家を探し始めるというケースが多いようです(私に訴訟協力の依頼がある事案もこの段階が多いです)。このような段階になって、協力してくれる建築専門家が見つかれば良いですが、繰り返し言っているように、見つけることは困難ですし、見つかっても知識・経験不足であったりして、瑕疵は認められず(負ける)、建築主・消費者に不利な和解や判決となるケースが珍しくありません(このような建築訴訟の実情も「建築裁判は勝てない」と言われている一因のような気がします)。「建物の構造耐力に関わる重大な瑕疵」と言っても事案ごとに瑕疵の強度は異なります。瑕疵の強弱にもよりますが、建築裁判に勝つために費用面や精神面で多大な負担を背負うことと、それによって得られる利益との費用対効果を慎重に判断する必要があります。とは言っても、素人の建築主・消費者がそれを判断するのは困難だと思いますし、弁護士でも建築の専門知識がないと難しいです。

私が建築主・消費者から訴訟協力の依頼や相談を受けたとき、建築訴訟はやめて話し合いで解決するように勧めるのは、既述したような様々な負担やリスクがあるからです。私も条件次第で訴訟協力する場合がありますが、1つの事案に多くの時間と労力を要するうえ、やはり本業(設計・監理業)を優先させますので協力できる事案には限りがあります。最後に、建物の構造耐力に関わる重大な瑕疵を主張する事案に限って「建築裁判は勝てない」は本当か、という事についてまとめると、高度な専門知識と豊富な経験を有する建築専門家によって、明確な技術的根拠に基づく瑕疵の立証を行えば勝てる可能性が高くなります。しかし、そのような建築専門家の訴訟協力が得られることは困難であり、明確な技術的根拠に基づく瑕疵の立証が出来なくなります。結果的に瑕疵は認められず、建築主・消費者(原告)に不利な和解や判決となることから、「建築裁判は勝てない」と言われているのだと思います。

という事で、建築訴訟については、まだまだ書きたい事がありますが、今回はこれぐらいにしておきます。いずれにしても、建築紛争に至らないよう適正な設計・工事監理、適正な施工を心掛けることが一番大切です(当たり前なんですけどね)。

 

※1  瑕疵:通常有すべき品質・性能を欠いていること。2020年4月に施行された改正民法では、「瑕疵」という言葉は「契約不適合」へ置き換えられ、より契約を重視する社会を志向することになっています。

 

 

 

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タンパク質危機で注目される「代替肉」

2022年06月19日 | 独り言

今日はなかなかの暑さです・・・。先日、関ケ原の古戦場に行って来ました。歴史ドラマや映画(特に戦国時代もの)はよく観るので、天下分け目の関ケ原に一度行ってみたいと以前から思っていました。関ケ原古戦場記念館に行ったり、東軍・西軍武将の陣跡を巡ったりして、古の合戦に思いを馳せていました。ところで、うどんやそばの「つゆ(ダシ)」は、関西と関東で違うことはよく知られていますが、その境界線が関ケ原だという事を私は知りませんでした。関ケ原は天下の分け目だけでなく、「つゆ(ダシ)」の分け目でもあったワケですね・・。

という事で、今回はお肉が「代替肉」に変わってしまうかも知れないというお話です。いつも税務をお願いしている会計事務所のコラムに代替肉に関することが掲載されていましたので紹介します。コラムによると、普段から私たちの食卓に並ぶお肉が近い将来、大豆ミートや培養肉などの「代替肉」に変わる日が来るかも知れないというのです。代替肉が注目されている背景には、人口増加による食糧危機があります。外務省の資料によれば、世界の人口は現在の77億人から、2050年には約97億人まで増加し、これに伴い1人当たりの肉類消費量も増加するので、飼育用の穀物消費量も食用を上回るペースで増加すると予想されています。

世界的な人口の増加や食肉化に伴い、タンパク質の供給が需要をまかなえなくなるという予測のことを「タンパク質危機」と言い、早ければ今後10年もしないうちに顕著化するとされています。牛などの家畜飼育は、飼料の成育も含めて土地や水が大量に必要で環境への負荷が大きく、こうした問題意識を背景に注目されているのが代替肉です。さらに、人々の肉を控える健康志向の高まりもあり、代替肉市場が拡大しているのです。

では・・代替肉とはどんなものなのかと言うと、代替肉の定番といも言えるのが大豆ミートです。これは、大豆からタンパク質を取り出し、繊維状にして肉に近い食感に仕上げたものです。スーパーやコンビニだけでなく、カフェやハンバーガーショップでも定番として一定層の顧客の支持を得ています。アスリートや健康志向の高い人にとっても植物由来のお肉は身体の心配をすることなく摂取できると支持されています。最近では、焼き肉のカルビやハラミに大豆ミートのメニューを掲げ新たなチャレンジをしている店もあるようです。今後はさまざまな料理に大豆ミートが使われると考えられていて、世界の植物由来代替肉の市場規模は2020年に110億ドルだったのが、2030年には886億ドルに広がるとの予測もあるそうです。

また、代替肉には動物の細胞を体外で培養して、食べられる大きさまで成長させた培養肉もあります。植物由来の大豆ミートに比べて、味や質感も限りなく本物に近くなりますが、作るためのコストが非常に高く、まだまだ研究段階のものがほとんどのようです。日本では大手食品メーカーがステーキ肉の開発を進めていたり、霜降り肉の製造に取り組む研究者もいるそうです。さらに、海外では3Dプリンターで培養肉を製造しようとしている企業も複数あるとか・・。近い将来、代替肉が食卓に並ぶことが当たり前になるかも知れないというものの、日本ではもともと欧米に比べて肉の消費量が少なく、ベジタリアンやヴィーガンなどの菜食文化もあまり浸透していないことから、代替食が広がらないという意見もあるそうです。

ちなみに、私は肉を特に好んで食べるタイプではないので、代替肉が食卓に並ぶことが当たり前になっても困らないと思いますが、肉好きの人にとっては重大な問題ですよね・・・。

 

 

 

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わが家の切り花は百日草(ヒャクニチソウ)??

2022年05月08日 | 季節の花

今日で大型連休も終わりです。連休中に仕事をして残務を片付けるつもりでしたが・・思ったように捗りませんでした(連休前に一区切りついたので、気が抜けてしまったようで・・)。まぁ、明日から頑張ることにします。毎年、ゴールデンウィークの頃になると花粉症が治まるのですが、例年に比べれば昨年も今年も症状がとても軽かったです。新型コロナのこともあって(コロナと花粉症の見分けがつきにくい)、昨年から例年より早く(花粉症の症状が出る前に)花粉症の薬を飲むようにしたところ、症状がとても軽くなりました。どうやら症状が出る前にアレルギーの薬を飲むことが花粉症を抑えるコツのようです・・。

 

という事で、わが家の百日草(ヒャクニチソウ)の話です。画像はお袋が仏花として重宝しているわが家の百日草?です。プランターに植えてあって、最近次から次へと綺麗なオレンジ色の花を咲かせているので、お袋に花の名前を聞くと「百日草」だとのことでした。わが家にはオレンジ色の花だけが咲いているので、他にもたくさん花の色があるのだろうとネットで調べてみると、百日草はジニアとも呼ばれていて多くの種類があるようです。それでわが家の百日草の種類を探してみたのですが、私の調べた限りではわが家の百日草と同じものが見つかりませんでした。

似ている種類の百日草は幾つかあるのですが、わが家のように花びらの先がギザギザになっている種類が見つかりませんでした。もしかして百日草ではないのでは・・と思い、お袋に聞き直したのですが、お袋は百日草だと言います。ちなみに、百日草の名前は長い開花時期に由来します。百日草はその名のとおり100日間花が咲き続けるのではないようです・・開花期間が5月~11月の初旬までと長く、ポンポンとたくさんの花を咲かせ、一つの花が100日間咲き続けるのではなく、花やぐ期間が長く続くという意味合いがあるようです。わが家の百日草も次から次へとたくさんの花を咲かせていますから、この特徴には当てはまるんですよね・・やはりお袋の言うとおり百日草なのかなぁ。

今は5月ですから、あとは11月まで咲き続ければ・・珍しい種類の百日草なのかも知れませんね・・・。

 

 

 

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浮世絵は良いんですけど、ディズニーは・・・。

2022年04月29日 | 独り言

久しぶりの記事です・・・。1月以来ですから3ヶ月ぶりになります。こんなに長い間記事を書かなかったのは、このブログ開設以来初めてだと思います。理由はと言うと・・ありふれた理由で仕事に忙殺されていたからです。昨年から手掛けていたプロジェクトが思った以上に時間を要してしまって、これが本当に自分でもビックリするくらい時間がかかり想定外のそのまた想定外となって、どうなるのかなぁ??と思うぐらい異常事態でした。

そんなワケで郵便物も重要でないものは、落ち着いてから目を通そうと山積みになっていました。仕事が一区切りついたので、山積みの郵便物を整理していると、その中に読売新聞の額絵シリーズがあり、今年(2022)は「ディズニーキャラクター アートコレクション」になっていました。なんか可愛いものが届いているなぁと思いつつ山積みの中にそのまま放置していましたが、開封したので届いている額絵シリーズの一部を紹介します。

画像は左が「ランタンへの願い」右が「ピノキオ」で、読売新聞だけのオリジナル描き起こしとパステルアートになっています。そもそも読売新聞の額絵シリーズを申し込んだのは、昨年の額絵シリーズが歌川広重の「日本名勝紀行 広重 六十余州名所図会」だったので、親父が喜ぶと思い申し込みました(わが家は読売新聞を購読しているので・・)。額絵シリーズは、読売新聞の読者に無料で毎月2枚セットの浮世絵(2021年の場合)が届くというものでした。私は額絵シリーズは申し込んだ年のシリーズだけ届くものだと思っていましたが、一度申し込むと毎年継続されるのでしょうか?今年の「ディズニーキャラクター アートコレクション」も毎月届いています。

広重の浮世絵は親父が喜んでいたので良かったのですが、ディズニーはどうしたらいいのでしょう・・微妙です。「額絵の不用の方は連絡ください」とありますが、ずっと山積みになっていて3ヶ月分は届いているし・・毎年継続されるのなら来年は興味のあるシリーズかも知れないので、このままにしておいて毎月ディズニーを楽しもうかと思ったりしています。ピノキオにアラジン、ピーター・パンぐらい知ってますしね・・。

 

ちなみに、上の画像は昨年(2021年)の額絵シリーズ「日本名勝紀行 広重 六十余州名所図会」にある《丹後 天の橋立》です。浮世絵は詳しくないですが、広重は天橋立を画面の対角線上に配し、細長い橋立の砂州に向かって、藍色のぼかし摺りを交互にいく筋も伸ばしています。このことによって、まるで天へと架けられた梯子が雲の間へと霞んでいくように感じます。このぼかしは、初摺りの作品にのみ見られるもので「あてなしぼかし」と呼ばれるものだそうです。濡らした版木の上に色をのせて、絵の具と水の効果で濃淡をつける技法で摺師の高度な技が見どころになっています。単純な構図だからこそ、この摺りの有無が重要なポイントになっているワケですね・・。

という事で、今日から大型連休ですが、私は残務を片付けなければいけないので、連休の大半は仕事をする予定です。(連休中にもう1つぐらい記事を書きたいと思っているのですけどね・・・)

 

 

 

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教会のリノベーション/教会を通じて2つの福祉施設をつなげる

2022年01月23日 | 建築

寒い日が続きますね・・。今回が今年になって初めての記事になります。今年も「滋賀県 建築家/建築設計事務所イデアルの小さな独り言」をよろしくお願いします。今回は数年前に設計させて頂いた教会のリノベーション事例を紹介することにします。

 

画像はリノベーションした教会の外観です。お施主さんの要望が「太陽のような教会にしたい」ということだったので、このような外観になりました。画像左に見えるライムグリーンの建物は、以前に設計せさて頂いた教会の寄宿舎を有料老人ホームに用途変更した建物です。教会のリノベーションに合わせて教会と用途変更した有料老人ホームを通路でつなげました。画像では分かりませんが、教会建物の裏側には私がリノベーションさせて頂いた有料老人ホームがもう1つ建っていて、裏側の有料老人ホームもリノベーションしたときに教会とつなげています。つまり、教会をリノベーションするこによって、2つの福祉施設(有料老人ホーム)が教会を通じてつながることを実現しました。

既存のキリスト教会をリノベーションして、教会としての機能を保ちつつデイサービス施設を併設し、また、隣接する2つの有料老人ホームの入所者がデイサービスの利用や教会行事への参加がしやすくなるように教会を通じて2つの有料老人ホームをつなげました。3つの既存建物(教会と2つの有料老人ホーム)には床レベルに高低差があるので、互いの建物への移動が容易になるように高低差の解消に工夫をしています(車椅子での移動や高齢者の移動について、お施主さんと何度もシミュレーションを重ねたことを思い出します)。

教会をリノベーションすることで、教会、デイサービス、有料老人ホーム入所者の憩いの場各々の利用者やスタッフの動線を整理し、3つの建物において合理的な施設運営が行えるようにしました。また、教会2階に設けた有料老人ホーム入所者の憩いの場は出来るだけ光を取り入れて明るくし、風通しが良くなるように配慮しています。3つの既存建物(教会と2つの有料老人ホーム)をつなげるには法令等のハードルがあり色々と苦労はありましたが、創意工夫を図ってクリアすることが出来ました。リノベーション後にお施主さんから「スタッフの夜間見回りがスムーズにできるようになり、入所者さんの各施設への移動も便利になりました」と喜びの声を頂いたときは、苦労した甲斐があったなぁ・・と私も嬉しくなったことを憶えています。

 

 

 

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懐かしいF1マシン ウィリアムズFW14B

2021年12月26日 | F1

今日は寒い一日です。今も雪が降りだしました・・。2021シーズンのF1サーカスは、レッドブル・ホンダF1のマックス・フェルスタッペンが初のドライバーズチャンピオンシップを獲得し幕を閉じました。最終戦となるアブダビGPの最終ラップで、マックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンをオーバーテイクするという劇的な展開によって、F1ラストイヤーのホンダは1991年のアイルトン・セナ以来30年ぶりとなるタイトルを獲得することになりました。物議を醸したセーフティカー問題にはあえて触れませんが、多くの人がフェルスタッペンのタイトル獲得を期待していたと思いますし、今シーズンの彼のパフォーマンスはワールドチャンピオンに値するものでした。ハミルトンは前人未到の103勝、ミハエル・シューマッハと並ぶ7度のワールドチャンピオンを獲得しているF1史上最高のドライバーの一人であることは周知のとおりです。しかし、多くの人はハミルトンのような偉大なドライバーを打ち負かそうとする若いドライバーが現れたとき、それを期待し応援したくなるものだと思います。私も含め多くの人はF1サーカスに新しいヒーローが現れることを常に待ち望んでいるのですから・・。

 

[レッド5のカーナンバーを冠したFW14Bを駆るナイジェル・マンセル]

という事で、今回は親友の建築構造家とF1談義をしているときに、懐かしいF1マシンとして必ず話題に出てくるウィリアムズFW14Bについてお話します。ウィリアムズF1チームの1992年マシンFW14Bは、「F1史上最高傑作マシン」、「F1史上最強ハイテクマシン」などの異名を持って今日に語り継がれている名車です。ウィリアムズは、1991年にエイドリアン・ニューウェイとパトリック・ヘッドとの共同体制での第1作目となるFW14を生み出します。FW14はノーズ先端が持ち上げられ、コクピット開口部はドライバーの肩が露出するニューウェイ独特の5角形デザインとなっていました(ニューウェイは、レイトンハウス時代に試した空力デザインうち、いいものだけをFW14に採用したと言われています)。このFW14をベースにアクティブサスペンションを搭載し、1992年に向けて改良を加えられたマシンが史上最強ハイテクマシンと言われるFW14Bです。

FW14Bのアクティブサスペンションシステムは、ガスシリンダー(パッシブ)と油圧式アクチュエータ(アクティブ)を組み合わせたセミアクティブ方式となっていました。路面のバンプを通過する際に、大きな揺れにはパッシブサス、小さな揺れにはアクティブサスで制御することができました。ソフトなサスペンション特性を持ちながらも、シャシー姿勢や車高を最適に維持するという相反する要素を兼ね備えることで、FW14が本来備えていた空力性能がいかなる状況でもを発揮できるようになり、並外れたコーナリング性能を実現していました。さらに、ストレートではフロントの車高を上げ、ウィングのドラッグを減らし、トップスピードを高めることも可能になりました(当時はGPSが存在しなかったため、各サーキットで走行ライン上の路面状態や縁石を全て事前に調査することによって、アクティブサスペンションの動作プログラムを作成する手法が採られていました)。

[FW14Bのアクティブサスペンション]

セミオートマティック・ギアボックス、アクティブサスペンション、トラクションコントロールというハイテク装備で武装したFW14Bは、開幕戦から3戦連続ワンツーフィニッシュを果たし、ウィリアムズはシーズン16戦10勝という成績で、この年のコンストラクターズタイトルを獲得しています。そして、私が大好きだったナイジェル・マンセルは、レッド5のカーナンバーを冠したFW14Bを駆って悲願のワールドチャンピオンを獲得しています。

私と親友の建築構造家は、このF1史上最高傑作マシンであるFW14Bを鈴鹿サーキットで目の当たりにしています。当時はF1日本GPの決勝チケットは入手困難だったので、予選しか観戦できませんでしたが、それでもマンセルの大ファンだった私は「ナイジェル・マンセル」と書いてある大きなユニオンジャックのフラッグ(畳2枚ぐらいの大きさだったかなぁ)を持って応援に行っていました。マンセルは予選アタックを終えた周回で、私たちの方に向かって大きく手を振ってくれた事を憶えています。私のユニオンジャックのフラッグを見つけて、手を振ってくれたんだと思っていましたが、おそらく私たちが居たスタンドの他の人たちもマンセルファンであれば同じように思っていたんでしょうね・・。

とまぁ・・今回の記事は、F1に興味のない方には全く何のことか分からない記事でしたが、この記事が今年最後の記事になると思いますので、それではみなさん良いお年を・・・。

 

 

 

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福井県年縞博物館に行って来ました。

2021年11月28日 | 独り言

暖かい11月でしたが、ようやく冬らしくなってきました・・・。明日は、トヨタのディーラーに行ってスタッドレスタイヤに履き替えてこようと思っています。夏用と冬用のタイヤを交換するのが面倒なのと保管場所に困るので、タイヤの脱着と保管の費用を年単位で払ってディーラーにタイヤを預かってもらっています。もうスタッドレスタイヤも4年目なので、ディーラーの担当者に「溝は減ってへんけどタイヤ自体が劣化してるかも知れんし、新品に買い替えたほうがええんとちゃうかなぁ?」と問合せたんですけど・・「そんなに乗ったらへんのでいいんちゃいますか。」って言われてしまい、商売気のない営業マンやなぁ・・と思ってしまいました。(まぁ、親切で言ってくれてるんでしょうけどね・・)

 

前置きが長くなりましたが、先日、福井県年縞博物館に行って来ました。福井県年縞博物館には、三方五湖のひとつ水月湖の湖底から採取された年縞の実物標本(長さ45メートル)が展示されています。年縞とは、長い年月の間に湖沼などに堆積した層が描く特徴的な縞模様の湖底堆積物のことで1年に1層形成されます。言ってみれば土の年輪のようなもので、水月湖には7万年分の年縞が乱されることなく形成されているというのですから、まさに奇跡の湖です。これほど長い間連続している年縞は世界でも他に例がないことから、水月湖の年縞は考古学や地質学における「世界標準のものさし」になっていて、年代測定の精度を従来より飛躍的に高めることになったそうです。

福井県年縞博物館を訪れたのは、長さ45メートルにおよぶ年縞の実物標本を見てみたかったこともありますが、もう一つは建築探訪です。年縞博物館は建築家の内藤廣氏によるもので、長さ45メートルの年縞の実物標本を実際に堆積しているように縦に展示するわけにはいかないことから、横に長い建物になっています。博物館は、水月湖に隣接した三方湖の湖畔に建っているので、冠水への対応を考慮し、1階は鉄筋コンクリート造のピロティでスパンの大きい土木的スケールの構造となっていて、2階の展示室は木造の屋根で覆われた建築的なスケールの空間となっています。

地場産の若狭スギによる木造屋根と展示室に偏心して配置された鉄筋コンクリート造の耐震壁(この耐震壁は年縞の実物標本を展示する壁にもなっています)とは、鉄骨トラスで繋がっていて、この鉄骨トラスによって屋根の鉛直荷重や水平力を鉄筋コンクリート造の耐震壁に伝えるハイブリッド構造になっています。また、鉄骨トラスは変則的に木造屋根を支えていて、それが細長い展示室に連続していることから、展示空間に緊張感を与えていました。

それにしても、この博物館は水月湖の湖畔ではなく、なぜ三方湖の湖畔に建っているんでしょうね。やはり、奇跡の湖である水月湖の湖畔に建てると奇跡の自然環境に悪影響を与えるからでしょうか・・・。

 

 

 

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ベルナール・ビュッフェの闘牛士

2021年10月24日 | 独り言

前回の記事では「暑さも寒さも彼岸まで」と言っていましたが、10月になっても暑い日が続きましたね。今年に関しては「暑さも寒さも彼岸まで」という慣用句は当てはまらなかったようです。でも・・気候変動でこれからはもっと合わなくなっていくかも知れません。慣用句が当てはまるように頑張って「脱炭素」しないといけませんね・・。それで先週ぐらいから、ようやく気温も下がって本来の気候に戻ってきたのはいいんですけど、足元が冷たいので最近は電気ストーブを足元に置いて仕事をしている今日この頃です。私が冷え性という事もあるのでしょうけど、この間まで半袖でウロウロしていたのに今はストーブを使っているというのは変な気分です・・。

 

話は変わりまして、画像は我が家にあったベルナール・ビュッフェの闘牛士です。"あった"と過去形になっているのは、先日甥っ子が結婚して新居に飾りたいからと持って帰ったからです。画像は甥っ子が持ち帰る前にこのビュッフェの作品があったことを記録にしておこうと撮影したものです。ビュッフェの硬質で鋭く太い針金のような輪郭線で描かれた表現は強烈な印象を与えていて、ゆるぎない存在感があることから、一目でビュッフェの作品と分かるものが多いですよね。我が家にあったこの作品はリトグラフという技法によるものです。リトグラフとは版画の技法の一つで、版を削らずに水と油の反発作用を利用して作品を刷る技法です。念のため言っておきますと、このビュッフェの作品はポスターや複製ではなく本物のリトグラフです。

この作品は、同居している私の父親が30年ぐらい前に昨年閉店した西武大津店の画廊で購入したものです。購入後は、我が家の階段の踊り場に立て掛けてありました(なぜか壁には掛けずに踊り場の床に置いて立ててありました)。階段を上がる正面の壁に立ててあったので、2階に上がるときには必ずこの闘牛士が目に入ります。つまり、1日に何回かは見ていたワケです。それが先日甥っ子が持って帰ったので、今は階段を上がるといつも私を睨んでいた闘牛士はいなくて・・ただ壁があるだけです。私はこの作品が特に気に入っていたワケではありませんが、30年も踊り場に居座った闘牛士がいなくなると違和感があるというか少し寂しく感じます。私の父親は、甥っ子が「持って帰ってええ?」と聞くと「おう、やるわ!!」と軽く持って帰らせましたけど・・。

画像を見てお気付きになっていると思いますが、この作品の上部(闘牛士の頭の上部分)はずいぶん色褪せてしまっています。最初はもっと赤かったハズなので、ネットで同じ作品を探してみたところ(この作品はリトグラフにより150枚刷られているようです)、同じ作品が販売されているのを見つけました。それと比べると我が家にあった作品は、やはり闘牛士の背景の赤色がかなり褪せていたようです。まぁ、30年ほど階段の踊り場に置かれていたうえ、踊り場は直射日光は当たらないまでも、朝夕は結構明るい場所なので色褪せてしまったのでしょうね。もう少し管理をしっかりしていれば良かったのに・・と思っても遅いですよね。ちなみに、甥っ子には「一応ビュッフェの闘牛士やけど、だいぶん色褪せてるでぇ・・」とは言っておきましたが、どこまで分かってるのかなぁ・・。

という事で、今回は我が家にあった色褪せたビュッフェのリトグラフを甥っ子が新居に持ち帰ったというお話でした・・・。

 

 

 

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続・金のなる木

2021年09月26日 | 季節の花

今日は涼しくて過ごしやすいですね・・・。「暑さも寒さも彼岸まで」とよく言いますが、今日で秋のお彼岸も終わりですから、この慣用句(残暑も秋の彼岸になれば衰え、余寒も春の彼岸になれば薄らぐ)は合っているんですよね。

 

それで今回の記事は、5年前にこのブログで紹介しました「金のなる木」の続編です。上の画像が5年前に近所の方からもらった時の「金のなる木」で、下の画像が現在の「金のなる木」の姿です。5年も経てばもっと大きくなっているハズ?でしょうが・・途中で枯れかけた事もあるので現状この大きさになっています。近所の方にもらってから1年ぐらいは順調に育っていたのですが、2年目の冬に葉っぱがパラパラと半分以上落ちてしまいました。葉っぱは枯れて落ちるのではなく、緑色のプルンプルンの状態でポロッと落ちるのです・・。

ネットで調べてみると、葉っぱがパラパラと落ちるのは日照不足か水のやり過ぎが原因とありました。日照不足については、ずっと同じ窓辺に置いていたので日照は減っていないハズなので、どうやら水のやり過ぎだったようです。それで水やりを少なくしましたが、その間も葉っぱは落ち続け・・枝先の数枚しか残っていない状態にまでなっていたので、このまま枯れてしまうかな?とあきらめかけていたら、新しい芽が生えてきました。ギリギリのところで息を吹き返えしてくれたのです・・。

その後は、夏は月2回、冬は月1回、春と秋は調整しながら水やりをしているとどんどん新しい芽が生えて大きくなってきました。鉢も一度大きいサイズに換えましたが、もうそろそろ一回り大きいサイズに換えた方がいいかも知れませんね。ちなみに花は咲いたことはありません・・夏から秋にかけて水やりを減らすと冬に花が咲くかも知れないそうですが、水やりの量を変えて以前のように枯れかけたりしないかと不安なので前述の水やり量を守っています。

5年前の記事でもお話しましたが、「金のなる木」は風水的に言えば、やはり金運アップの効果があるそうで、金運に関係する方位「南東」に置くと、さらに金運がアップするそうです・・。なので、私も自分の部屋の南東の位置に「金のなる木」を置いていたのですが、その「金のなる木」が枯れかけたので、枯れてしまったら金運が下がるのでは?と心配になりました。でも息を吹き返えし大きくなってきたので、私の金運もアップするかな・・と思っているのですがアップしませんね。まぁ、建築の仕事を続けられているだけで良しとしましょうか・・・。

 

 

 

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食品ロスを減らすのも脱炭素

2021年08月29日 | 独り言

お盆の頃はしばらく涼しかったのに・・連日暑さが戻ってきましたね。建築業界では脱炭素社会の実現を目指して、法改正や新法の成立など様々な取り組みが始まっていますが、今回はもっと身近な食品ロスによる脱炭素のお話をしたいと思います。日本の食品廃棄物等の量は、消費者庁の資料によると年間2550万トンで、そのうち、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる食品ロスは612万トンあり、これは国民1人当たり毎日お茶碗1杯分のごはん(約132グラム)を捨てている計算になるそうです。

食品ロスの612万トンは、世界の食糧援助量(420万トン)の1.5倍に相当し、その半分以上が食品メーカー・スーパー・コンビニ・外食産業などから出る事業系のロスであり、その量は328万トンになるそうです。食品ロスの要因は、事業系では製造・流通・調理の過程で発生する規格外品、返品、売れ残り、外食事業での造り過ぎや食べ残しなどがあり、家庭系では野菜の皮の過剰除去、食べ残し、未開封のままの廃棄などがあります。これらの食品ロスは結果として、食糧の生産と廃棄のために使う資源やエネルギーなどをムダに消費したことになり、世界で排出される温室効果ガスの8%は、食品ロスによって排出されたものと言われています。政府は、2030年度に食品ロス量を2000年度比で半減させることを目標としており、食品ロスの半分以上を占める事業者に対して、商習慣の見直しなどの取り組みを推進しています。

私も家庭系の食品ロスについては、料理はしないので野菜の皮の過剰除去はないです・・と言いたいところですが、たまに果物を切る時などは不器用なので、かなり皮を分厚く過剰削除してますね。あとは食べ残すことはないですけど、気が付かないうちに消費期限が過ぎていて未開封のまま食品を廃棄することはあります。

ところで、消費期限(安全に食べられる期限のことで、お弁当・サンドイッチ・生めん・ケーキなどのいたみやすい食品に表示される)が過ぎた食品は廃棄するしかないですが、賞味期限(品質が変わらずにおいしく食べられる期限のことで、スナック菓子・カップめん・チーズ・かんづめ・ペットボトル飲料などのいたみにくい食品に表示されていて、この期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるワケではない)が過ぎている場合の判断が難しいですよね。例えば、私もよく食べるカップめんの賞味期限が1~2週間ぐらい過ぎていてもOKで、1か月過ぎていたらNGなのか・・これがチーズの場合はどうなのか・・みたいな事はありますよね。結局、無難なところで消費期限だけでなく、賞味期限が過ぎている場合も廃棄している方が多いように思います。この賞味期限が過ぎた時の判断が曖昧なので、食品ロスを減らすには賞味期限が過ぎた時の判断をもう少し明確にした方がいいように思います。ちなみに、消費期限も賞味期限も袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合の話ですからね。

という事で、話が少し脱線しましたが、私たちも日常において食品ロスを減らす努力をして脱炭素に貢献するようにしたいものです・・・。

 

 

 

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