滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

障害福祉施設-プロジェクト/滋賀県 建築家 建築設計事務所イデアル

2020年01月05日 | 建築

明けましておめでとうございます・・・。今年も「滋賀県 建築家/建築設計事務所イデアルの小さな独り言」をよろしくお願いします。

お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、実は1ヶ月半ぐらい前にブログ名を少し変更しました。以前は「滋賀 建築設計事務所イデアルの小さな独り言」だったんですが、「滋賀」のところを「滋賀県 建築家」に変えたんですね。理由はというと特にはないのですが、建築に関係のない記事が多いので、一応・・建築家のブログであることを強調しょうかと思って・・。建築に関係のない記事が多いのは、以前にもお話しましたが、建築家が建築の話をしても一般的には面白くないので、意図的にそうしているのですけどね。(と言って、今回は建築の話ですけど・・)

 

画像は、昨年に設計した障害福祉施設の内観パース(完成予想図)です。2階建ての建物で、1階が18歳までの重度障害児(肢体不自由)のための放課後デイサービス、2階が18歳以上の重度障害者(肢体不自由)のためのデイサービスとして設計しました。各施設の運営状況にもよりますが、軽度の障害児や障害者を対象とした施設であれば、1人のスタッフで数人の障害児(者)を介護できるところ、重度の障害児や障害者を受け入れる施設の場合、1人の障害児(者)を介護するために2人のスタッフを要したり、医療資格を持つスタッフも必要であることから、民間の事業所では施設運営が困難な傾向にあります。

といって、重度の障害児や障害者を受け入れる公共施設も不足しているのが現状のようです。本来であれば、国や自治体が積極的に取り組む課題であるように思えますが、高齢者施設に重点が置かれ、障害児(者)施設が置き去りにされている傾向にあるようです。お施主さんは、現在も重度障害児(肢体不自由)のための放課後デイサービス施設を運営されていますが、前述したような要因から通所する障害児の人数には限りがあり、通所待ちの方もおられるとの事で十分な対応ができていないそうです。(重度障害児の受け入れる施設が不足しているにもかかわらず、お施主さんの話では、300人に1人の割合で重度障害児が生まれてくるそうです)

このような状況において、障害児や障害児を抱える家族の不安を少しでも解消してあげたいというお施主さんの思いから、新たな障害福祉施設を建設する企画が立ち上がり、私に設計を依頼されました。内観パースから分かるように、敷地内でポニー(小形の馬)を飼って、施設内から障害児にいつでもポニーを見せてあげたい(障害児は自由にどこにでも行くことはできないので、施設にいるときぐらいは日常とはちがう風景を見せてあげたい)というお施主さんの要望を取り入れています。

残念ながら、新たな障害福祉施設の建設は、お施主さんの諸事情により見送りとなりました。これまでにお話しました重度障害児(者)施設の現状を踏まえて、設計に取り組んだ私としては、行き場のない気持ちを整理するのに時間がかかりましたが、建設見送り後にお施主さんにお会いしたとき、内観パースを見ながら「これ(パース)を目標にがんばります」と言って下さったことがせめてもの救いでした。近い将来、新たな施設が建設されることを願うばかりです。

今回お話しました重度障害児(者)の受け入れ施設不足の課題については、今後も引き続き私にできることがあれば力になっていきたいと考えています・・・。

 

 

 

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