滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

ヴェネツィア展

2012年08月15日 | アート・文化
世間はお盆休みですよね。みなさんは、いかがお過ごしでしょうか・・・。お盆になってから曇り空ばかりでスッキリしない天気が続いていますね。

私はお腹が弱いので、基本的には冷たい飲み物とかはあまり飲まないのですが、数年前から夏のムチャクチャ暑い時期になると決まってクリームソーダを飲んでいます。
数年前、子供の頃によく飲んでいたクリームソーダが懐かしくて、飲んでみたところ・・けっこう美味しくて、それ以来夏になると飲まなきゃいけないようにして飲んでいます・・。

一般的には、飲食店に行ってクリームソーダを注文すると、ミドリ色に着色されたメロンソーダにアイスクリームが載ったモノが出てきますよね。でも、私の子供の頃は、濃いピンク色に着色されたイチゴソーダにアイスクリームが載ってあるモノと2種類あって、どちらかを選べたものです。
いつ頃から、イチゴソーダはなくなったのでしょうね・・?(高校生ぐらいまではあったような気がするけどなぁ・・。)

という事で、昨日は京都市内に書籍を物色しに行った帰りに京都文化博物館で開催中の「ヴェネツィア展」に行って来ました。
水上の都・ヴェネツィアは、ご存知のとおり6世紀頃に誕生したアドリア海に面した街です・・。東西を結ぶ地中海交易の拠点として繁栄を誇り「アドリア海の女王」とも称されました。

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今回の展覧会は、航海に用いられた道具・貴族の服飾品・絵画などの展示資料を通じて、冒険に満ちた交易活動・華やかな貴族の生活・黄金期の芸術など、さまざまな側面からヴェネツィアの栄光に満ちた歴史か紹介されています。
右の画像は、貴族の生活の様子を描くことを得意とした、ピエトロ・ロンギの傑作のひとつです。左手の老女が、中央の仮面をつけた男女に香水を売る場面を描いています。18世紀のヴェネツィアでは、このように貴族たちは仮面をつけて身分を隠し、劇場や賭博場に出かけていました。

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建築設計をしている私が一番興味深かったのは、ヴェネツィアの独自性(立地環境)にあります。陸地ではなく、水上に生まれたこの都市では、ラグーナ(潟)の泥の中に木製杭により基礎を築き、コツコツと石を積み重ねて現在も見ることのできる教会や大規模な建築物を残して来ました。
(上の画像は、ヨーゼフ・ハインツ・イル・ジョーヴァネ作 「ヴェネツィアの眺望」)

ちょっと専門的に言うと、海底の軟弱層に無数の木製杭を打ち込む事によって群杭効果を得て、その群杭の上に幾重にも板が積み上げられフーチングを成し、その上に建築物が建てられているという構成になっています。(浮き基礎構造の一種とも言えますね。)
私の個人的な見解ですが、おそらくこのヴェネツィアの基礎構造は、地震時(水平方向の力)に対しても免震効果があると思います・・。

常に水に囲まれるという不安定な環境にありながらも、足場の悪いラグーナは外敵からの攻撃や侵入に対して、最良の防御設備でもありました。この立地を活かし、ヴェネツィア人は巨額の資金と莫大な労働力を費やして、他には類をみない都市を作り上げたワケですね。

「ヴェネツィア展」は、9月23日まで開催されていますので、興味のある方は一度ご覧になられてはいかがでしょうか。
ちなみに、「ヴェネツィア展」に行くと、同博物館で10月3日から開催される「シャガール展」の割引券がもらえますよ・・・。


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