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滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

西念寺-庫裏 竣工写真

2009年10月26日 | 建築
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今日は、先月竣工した「西念寺-庫裏」の竣工写真を紹介します・・・。以前(先月かな?)に竣工写真が出来上がってくれば記事で紹介します・・と言ってから、ずいぶん遅くなってしまいましたね。(よくある理由ですが、ちょっとバタバタしていたもので・・。)

上の画像は、玄関正面より玄関土間・玄関ホールを撮影したものです。ホールの奥には広間へと廊下が続いていて、ホール正面の地窓からは、中庭を眺めることができます。ゆったりと大きくした玄関ホールは、和風を基調としていますが、天井高さに変化をつけて天窓を設けるなど・・モダンなアクセントを与える事によって、訪れた人にこの建物(庫裏)への期待と好奇心をわかせるような空間としています。

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右の画像は、プライベートスペースにあたる居間を撮影したものです。「西念寺-庫裏」の特徴の1つが、お寺の行事などに使われるパブリックスペースは和風、住職さんと家族しか使わないプライベートスペースは洋風と使われる用途によって、まったく違った2つの空間を持っている事です。
住職さんと家族の人たちが、公から私・・私から公へと気持ちの切替え(ON/OFF)がしやすくなるようにと配慮したものです。プライベートスペースの洋室は、瓦の屋根と焼き杉の外壁という外観からは想定できない空間になっているので、違った意味で訪れる人を驚かせてくれて楽しいかも知れませんね・・。

「西念寺-庫裏」は、HPにも掲載しましたので、詳しくはこちらの方を見てください・・・。

[Photo : 辰巳和良]




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住宅用ソーラー(太陽光)発電

2009年10月16日 | 建築
だいぶん日が短くなって来ましたね。日が暮れるのが早くなって来ると、何処となく一日が忙しなく感じる今日この頃です・・・。
ところで、現在計画中の住宅で、「ソーラー発電システムの採用を検討したい・・」とお施主さんから相談がありました。さっそく住宅用ソーラー(太陽光)発電について予備知識をつけようと、昨日メーカーさんに来てもらって一通り説明を受けました。

ソーラー発電による余剰電力の買取価格の現状や今後の動向から始まって、イニシャルコスト、補助金、税の優遇などについて、いろいろと教えてもらいました・・。
イニシャルコストは、一般家庭では250万円ぐらいでソーラー発電システムが設置できるようです。そのイニシャルコストも10年ぐらいで回収できるそうです。(これは、あくまでメーカーさんの言い分ですが・・。)
また、補助金については、残念ながら滋賀県と大津市は予算を使い切ってしまったらしく・・補助金はなし、国の補助金は来年度以降も出るだろうとの見通しでした。

メーカーの人の話では、現在はソーラー発電で余った電力を電力会社に買ってもらっている仕組みが、新しい政権の政策上、来年度中には余った電力だけでなく、発電した全ての電力を買取る方向になるだろうという事でした。という事は・・買う電力より売る電力のほうが高いワケですから、ソーラー発電システムがある家庭では電力を高く売って、安い電力を買うことができます・・。つまり、将来的にはソーラー発電がない家庭は損をするという事になってしまいますね・・。
(なんか・・ここまで言ってしまうとソーラー発電メーカーの営業をしているみたいなので、この辺でやめておきます・・。)

で・・、私としては気になるのがソーラーパネルを取り付けた屋根がデザイン的にどうなのか・・?という事ですよね。結論から言うと、現状のソーラーパネルではお世辞にもカッコイイものとは言えません・・。正確に言うと、ソーラーパネル自体が見た目が悪いワケではなく、問題はソーラーパネルの取付方法だと思います。

メーカーの人にも言っていたのですが、メーカー保証の仕様が決まっているから・・このようにしか取付けられないとかではなく、ソーラーパネルの取付方法に関しては、設計者が建築材料の一つとして、もっと自由な取付方法が考えられるような商品開発をすれば、デザイン性は広がるので、今まで以上に施主さんや設計者から受け入れられるようになると思うのです。

ソーラー発電システムは今後どんどん普及していくでしょうから、ただ屋根の上に取付ければいいという事ではなく、建築物の一部としてデザイン的にどのように取り込んでいくか・・が、一つの課題といったところでしょうか・・・。



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少し寂しい気分です。

2009年09月17日 | 建築
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一昨日は、「SAINENJI-プロジェクト」の引渡し日でした・・・。木造2階建てながら、手間のかかる工程が多かった事もあって10ヶ月の工期を要して、ようやく竣工することができました。
お施主さんも、「予想していたイメージよりも、はるかに良く出来上がっているので驚いています・・。」と大変喜んでくださっています。

お施主さんに喜んでもらえるは、当然嬉しいですし・・それを目標にいつも頑張ってやっているワケですが、いざ引渡す日が来ると、手塩に掛けた建物が私の手から離れていくんだなぁ・・と正直少し寂しい気分になってしまいます。
大切に使ってもらえるかな・・とか、あそこの棚には、どんものを飾られるのかな・・とか、あそこはマメに手入れして貰えるのかな・・などなど、ちょっとした親心みたいなものが、次から次へと脳裏に浮かんできます・・。

私が今までに設計した建物は、年に何回かは様子を伺いにできるだけ顔を出すようにしています・・。建物が快適かつ大切に使われていると嬉しくなりますし、ちょっとしたメンテナンスの事でも相談してくださると、さらに嬉しくなります。
以前にも言ったかも知れませんが、たまに私が顔を出したとき・・その空間にお施主さんの笑顔があることが何よりも嬉しいです。

「SAINENJI-プロジェクト」も、そうなるといいな・・と思っています・・・。


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チラッとお見せします・・。

2009年08月09日 | 建築
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今日は一日鬱陶しい天気でした。何やら熱帯低気圧が発達して台風になって近畿地方に近づいて来るとか・・・。それで、日曜日だというのに私は当然のように今日も仕事をしていました。先週あたりから、やる事(仕事です・・)が急に増えたのと、来月完成予定の「SAINENJI-プロジェクト」(お寺の庫裏の建替工事です。)の工事監理も大詰めなので、決めなきゃいけない事や検討しなきゃいけない事が多すぎて、ちょっと混乱気味になっています・・。

という事で、先程まで計画中の建物の概算工事金額を見積りするために図面を作成していました・・。息抜きにブログでも書こうかと思ったのはいいのですが、記事を書く内容(ネタ)が思いつかなかったので、だいぶん出来上がってきた「SAINENJI-プロジェクト」の内部の様子をチラッとだけお見せしようと思った次第です・・。(別にもったい振っているワケではないのですが・・。)
画像は、玄関広間に設けたトップライトとその奥に見えるのが、中庭を映すピクチャーウインドウとなる地窓です・・。壁は漆喰仕上げになっているのですが、画像は中塗りまでが出来上がった状態です。

今回の「SAINENJI-プロジェクト」では、玄関や廊下を含めて和室の化粧木部は全て古色(限りなく黒色に近いです。)仕上げになっています。各部位に使われている木の種類や仕上がりの質感の違いによって、同じ古色でも3種類の塗料を使い分けています・・。
なので、実際に塗装する随分前から、いろいろな種類の木にいろんなタイプの塗料を試し塗りしてサンプルを作り、相性のいい塗料や塗り方を検討しました。(塗装屋さんと現場監督さんには、多大な苦労をおかけしましたが・・。)
でも、そのおかげで予想以上にいい仕上がりになっているので、逆にちょっと驚いています・・。

ちなみに、明日は造園屋さんと中庭の蹲踞[つくばい]の配置などについて打合せをします。画像にあるピクチャーウインドウとなる地窓から蹲踞[つくばい]をどのように見せるか・・が大きなポイントとなります・・・。




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SAINENJI-プロジェクト その6

2009年07月29日 | 建築
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以前よりお話している「SAINENJI-プロジェクト」(お寺の庫裏の建替工事です。)の続編です・・・。いろいろと手間のかかる作業が多い事もあって工程が遅れています。(当初より2ヶ月遅れて、9月前半の完成になりそうです・・。)
それで、先週ようやく外部足場が取り外されたので、外観がスッキリと見えるようになりました。

上の画像は、北西側の道路より見た外観です。敷地が北西側の道路より3メートル程度下がっているので、通常の建物とは違って屋根が道路からよく見えます。今回の「SAINENJI-プロジェクト」の屋根は、チタン亜鉛合金の一文字葺きと瓦葺きを組合せたいわゆる額縁葺きを採用しています。
額縁葺きとは、軒先やケラバ(切妻屋根の妻側端部)部分を板金葺きや板葺きにして軽くする・・または、軽く(うすく)見せる葺き方です。先日、お話した数寄屋造りの屋根にもよく用いられる葺き方で、「腰葺き」、「やっこ葺き」などとも呼ばれています・・。

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画像では分かりにくいかも知れませんが、2階の屋根などは瓦葺きの屋根の周囲をチタン亜鉛合金の一文字葺きが縁取りをしているので、文字どおり額縁のようになっています。
三州の銀いぶし瓦も美しく葺けているのですが、額縁葺きにする事で和風建築における軒先やケラバの繊細なラインがより美しく見えるのがお分かりになるでしょうか・・。
ちなみに、今回は軒樋とタテ樋にもチタン亜鉛合金(一部製作品)を使用しているんですよ・・・。







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数寄屋造り

2009年07月11日 | 建築
今日は数寄屋造りのお話です・・。昨年からお寺の庫裏の建替え工事を手掛けている事もあって、和風建築の書籍を調べたり、和風建築の遺構を見学に行く機会が多くなっています。それで・・ここ数日は今までにも何度も見ている数寄屋造りの本(数冊)に再び目を通しています。(工事中のお寺の庫裏について確認しておきたい事があるのと、迷っている事のヒントを探すためです・・。)

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ところで、「数奇屋建築」とか「数寄屋造り」という言葉は、日本人なら誰もが聞いた事がある言葉だと思うのですが、実際に「数寄屋造り」がどのような建築様式の建物なのかを知っている人は意外に少ないように思います。
と言うのもその筈で、この数寄屋造りという和風建築は形があって形がない(定型化していない)ようなものなので、理解するにはある意味で日本建築の最難関と言えるかも知れません・・。
ですから、ここで数寄屋造りについて全てをお話するのは難しいので(上手く説明できないかも知れないので・・)、私の思うところを要点をまとめて簡単にお話します。

もともと数寄屋は別棟に造られた茶室の事で、室町時代に村田珠光が初めて造り出したと言われています。16世紀末期になると茶室建築の手法を採り入れた建物(主に住宅)が現れ、身分差を越えて流行し大名や貴族の別荘のほかに、料理茶屋などにも用いられます・・。
初期には弁柄(べんがら)と練墨で煤色(すすいろ)に色付けした事もあったようですが、通常は白木のままで塗装はしません。それまでの書院造が重んじた格式ばった意匠や豪華な装飾様式を極力排しているのが特徴となっています。

つまり、数寄屋造りを一言でいってしまうと数寄屋(茶室)建築を採り入れた建物(住宅)の様式という事になります・・。語源の「数寄」とは和歌、茶の湯、生け花など風流を好む事ですから、「数奇屋」は、好みに任せて建てる趣味的な空間(家)と言ったところでしょうか・・。
もっと平たく言うと、数寄屋造りの建物は自由な感性と表現で造られているという事です。使用する木材の種類や障子の組子のデザインなどにもルールはありません。逆に自由だからこそ、建主の知性やセンスが問われるという事になります・・。

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ただ私が思うには、数寄屋造りは自由な感性と表現(ルールはない)で造られている筈なのに、数寄屋造りに形式ばった意匠性があるように思えるのは、優れたセンスのものだけが残っていて(受け継がれていて)、その優れた意匠どおりにすれば風流がある趣味的な空間ができるだろうというちょっとした錯覚に陥っているからではないでしょうか・・。
(実際に数寄屋造りを建てるとなると、そのセンスのいい優れた意匠性を採り入れたくなるので、やはり数寄屋造りという形式の定義が存在するのも事実なのでしょうけど・・。)

という事で、上手く説明できなかったかも知れませんが、最初にお話したとおり数寄屋造りという建築は形があって形がないようなものという意味が何となくお分かり頂けたでしょうか・・・。
ちなみに、画像は2年前に設計させて頂いた「(財)膳所焼美術館 新世庵」です。耐震性を重視して鉄骨造になっていますが、お茶席なので内部造作は、長押を省いて面皮柱にするなどいわゆる数寄屋造りとなっています・・。











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SAINENJI-プロジェクト その5

2009年06月17日 | 建築
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以前よりお話している「SAINENJI-プロジェクト」(お寺の庫裏の建替工事です。)の続編です・・・。先週あたりから、造り付け家具の製作図のチェックを始めています。「SAINENJI-プロジェクト」では、多くの造り付け家具があります・・。実はキッチンも造り付けの製作品となっています。(キッチンについては、こだわりのキッチンというのではなく、お寺の庫裏なので檀家さんたちにも使いやすいような実用性を重視したキッチンなのですけどね・・。)

造り付けの家具は、設計の段階で何処にどれだけの物を置きたいとか・・どんな物を収納したいのか・・などを細かくお施主さんと打合せをして収納スペースや形状を決めていますが、製作図のチェック段階で再度お施主さんに確認してもらい、寸法や形状を微調整していきます・・。
あとは私のこだわりについて、ディテールや使用する取り付け金物などを最終的にチェックしていく作業です。(私の場合、造り付け家具のオリジナル定番がいろいろとあるもので・・。)

それで、今回はリビングのソファも造り付けとなっているため、ローテーブルも私のオリジナルデザインで製作することになっています・・。ソファとローテーブルについては、リビングの出来上がりを見ながら、じっくりデザインを考えたかったので別途工事にしてもらっていました。
本工事の造り付け家具の製作図チェックも一通り済みそうなので、そろそろ本腰を入れてソファとローテーブルのデザインを考えようかと思っています・・。いくつかのイメージが頭の中に浮かんではいるのですが、まぁ・・いつものようにいろいろと考え悩む不毛な時間を過ごす事になりそうです・・。

どんなデザインのソファとローテーブルになるのか・・私自身も今から楽しみにしています。とは言っても、コストに制限がありますから、やはり最大の敵はそのあたりになるのでしょうね・・・。(画像は、ほぼ出来上がってきている北面の外観です・・。)






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新しいブログ(建築家 設計事例集)です。

2009年05月10日 | 建築

先月ぐらいから、合間を見て新しいブログを作ってみました・・。
今回のブログは、私が設計した建物(設計事例集)を紹介することに限定した内容になっていて、ちょうどHPとブログの中間的な存在を目指して作ったつもりです。

私のHP(建築設計事務所イデアルのHPです。)は、単なる外部ギャラリー的な要素が大きいものとなっています。つまり、少しでも多くの人に私の設計した建物を見て頂こうというのが主目的になっているのです。(もちろん、営業的な要素も少しはあるのですけどね・・。)
ですから、HPのWORKSコーナーでも、建物の写真がメインで建物の説明文章などは一切ありませんでした・・。

また、このブログ(小さな独り言)では、サブタイトルにもあるように「何でもあり・・」の内容になっていて、できるだけ建築に関する事には触れずに、私の興味のある事や日常の些細な出来事を面白おかしく紹介しようと記事にしているのですが、どうしても仕事柄・・建築に関する記事もある程度書いてしまっているのが現状です・・。

そこで・・今回の新しいブログでは、設計した建物のちょっとしたリーフレットみたいなものを作ってみようと思い、簡単な建物の説明文とその建物に関連する今までに書いたブログの記事を集めて掲載してみました・・。
結果として前述したように、HPとブログの架け橋(中間的な・・)みたいな存在になればいいと思っています。

興味のある方は、一度覗いてみてください・・。
  
 新しいブログ(設計事例集)を見る >>

最後に、新しいブログ(設計事例集)は、設計した建物を紹介することに限定したブログなので、頻繁に更新する事はありませんのでご了承願います・・・。








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SAINENJI-プロジェクト その4

2009年04月27日 | 建築
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以前よりお話している「SAINENJI-プロジェクト」(お寺の庫裏の建替工事です。)の続編です・・・。先週から外壁の焼き杉を張る作業が始まりました。今回使っている焼き杉は、軽く焦がしている程度のものとか塗装しているものではなく、墨付きの焼きっぱなしのものです。[上の画像]

墨付きの焼きっぱなしの杉板は、ノーメンテナンスで約50年持つと言われていて、潮風が当たる沿岸地域や日本海側の降雪地帯など、サイディングや新建材では錆びたり腐食したりして使いにくい厳しい環境下で使われている素材です。
杉板の表面を真っ黒に炭化させているので、耐久性、断熱性、吸湿性、難燃性などに優れている事はよく知られていますが、最近では、マイナスイオン効果や電磁波を遮断する効果まである事が分かっているそうです・・。

墨が付いている素焼の状態ですから、触れただけで手に真っ黒な墨が付くような材料です・・。工事が始まる前に知人から、「焼き杉を張るのはいいけど・・大工さんが手から顔から体中真っ黒になって困らはりますよ・・。」と聞いてはいました。
それで先日、現場に行ったら大工さんが本当に真っ黒な顔をして焼き杉を張っていたので、目と目が合った瞬間に思わず吹き出しそうになって必死にこらえていました・・。(大工さんには、非常に失礼なのですが・・。)

私が「顔、真っ黒じゃないですか・・。」と声をかけると、大工さんが、「そうやねん。これ張ってたら顔が真っ黒になるわ・・。」と言いながら、シャネルズ(昔いた歌手グループ)みたいな顔をして作業を続けていました・・。大工さんの話によると、焼き杉をビスで打ち付けるときに墨の粉が飛散って顔に付くのだそうです。

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(それでも、イヤな顔もせず一生懸命に焼き杉を張って下さっている大工さん・・本当に大変な仕事をお願いして申し訳ありません。)、おかげで外壁に張られた焼き杉は、とても綺麗ですからね・・。[右の画像]
どうも有難うございます・・・。










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蘆花浅水荘(ろかせんすいそう)を探訪

2009年04月16日 | 建築
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昨日は、大津市中庄にある蘆花浅水荘を訪れて来ました・・・。蘆花浅水荘は、明治後半から昭和初期にかけての京都画壇の雄であった山元春挙(しゅんきょ)氏の別邸です。(後に、ここで暮らされたので新居と言うべきかも知れませんが・・。)
平成6年に近代和風建築の遺構として重要文化財に指定され、その後修復をして3年ほど前より、広く一般に公開されているそうです・・。
以前より、蘆花浅水荘の前は何度も通っているのですが、内部が拝観できるという事を最近になって知り、それなら是非見てみたいと思い、昨日少し時間に余裕が出来たので訪れて来た次第です。

実は、山元春挙氏と私が以前よりお付き合いさせて頂いている膳所焼(窯元の自宅や膳所焼美術館の建物を設計させてもらっています。)とは深いつながりがあります・・。膳所焼の再興に春挙氏が大きく係わられている事によるものなのですが、ゆえに膳所焼のお施主さんとの会話の中でも、よく春挙氏のお話が出てきていました。また、膳所焼には春挙氏ゆかりの品々もあったりするので、私は春挙氏や蘆花浅水荘をより身近に感じていました・・。

蘆花浅水荘は近代の数奇屋造りを基調にした建物(大正12年に完成)で、東側の離れ部分と西側の本屋部分から成り立っていて、この2つが四方竹の植え込みのある中庭を介してつながっています。東側の庭に面する離れの部分が、春挙氏が主に意匠を凝らしたところになっています・・。

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特に竹の間と呼ばれる座敷では、竹を愛した春挙氏がいたるところに竹を使って、これでもかと言わんばかりに遊び尽くしています。琵琶床の位置に合わせて折れ曲がる竹の落掛、床脇の吹抜に奇抜な形の竹をあしらったり、床に相対する円窓に変わり竹を用いて飾り格子にしたり(上の画像)と・・、訪れる人を楽しませてくれる洒落た趣向が多くありました。(それにしても、あれだけ竹で埋め尽くしているのに、全体に品良くおさめているのは並の技ではありませんね・・。)

その他にも、床下に巧みに石組みが配され、まるで水上にあるかのような趣きに造られている莎香亭(さこうてい)、春挙氏が画想を練るための部屋として莎香亭の西側に取り付けられた一畳強の無尽蔵という空間、入側の棟に使われている五間半におよぶ一本物の北山丸太などなど・・、今日では、もう造る事が難しいであろう趣向の数々を目にして、古き良き時代に想いを馳せるひと時となりました。(とは言っても、私がこれから和風建築を設計するうえでの工夫やヒントは、たくさん見つけましたけどね・・。)

蘆花浅水荘が完成した当時は、庭先がすぐ琵琶湖に面し、建物のいたるところから近江富士(三上山)を望む閑雅な地であったようですが、今では琵琶湖は埋め立てられ湖岸道路が出来て車が走り、三上山も寄付の窓からだけ唯一見えていたのが、昨年出来た草津イオンモールで半分しか見えなくなったとか・・。
それでも、他の近代建築で残しておいてほしい建物が、何らかの理由で保存が困難になり消失していく事が少なくない現在において、蘆花浅水荘は重要文化財に指定されて存続している訳ですから、まずは幸せな建物だと言えるのではないでしょうか・・・。





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