台湾旅行が近くなってきたので、台湾の歴史についておさらいです。
訪れる国の歴史について、ある程度知っておくことは重要です。
台湾の近世の歴史は、日本との関わりが深く、今でも日本統治時代の建築物が多く残っていたりします。
今から130年前の明治時代に、日清戦争が起こり日本が勝利しました。
下関で講和条約が締結され、多額の賠償金と共に、台湾が中国から日本に割譲される事に決まりました。
しかし、台湾の現地人には、この決定が知らされておらず、台湾民主国と日本軍との戦争が始まってしまいます。
台湾軍13万5千人と日本軍の戦いは5ヶ月に及びましたが、連合艦隊の艦砲射撃と、陸軍5万人の投入で、台湾全土を制圧しました。
日本軍の死傷者7,000人、台湾軍の死傷者が14,000人という、太平洋戦争最大の激戦地、硫黄島に匹敵する様な激しい戦いでした。
日本の侵攻に備えて、清国が建築した台北城でしたが、抵抗を受けることも無く日本軍は入場しました。
この後、台湾総督府による日本統治時代が始まります。
台北城の塀は取り壊されましたが、門はいくつか現在も残っています。
植民地支配の時代には、台湾原住民による抗日反乱、日本人小学校の襲撃をした、霧社事件が起きたりもしました。
50年間に及んだ日本統治でしたが、太平洋戦争末期には、アメリカ軍の空襲を受けます。太平洋戦争の敗北に伴い、8年間続いた日中戦争も日本の敗北で終わりました。
そして、台湾の日本軍も中国に降伏し、武装解除の後日本に引き揚げました。
その後、中国大陸で、中国共産党と中国国民党の内戦である、国共内戦が起こります。
そして内戦に敗れた中国国民党が台湾に逃げ、現在の中華民国になりました。
しかし、現在でも台湾を独立国家とは認めていない国がほとんどで、日本も50年前の日中国交回復に伴い、台湾に断交を通達しています。
こういった経緯から、日本と台湾の関係は、少し前まで、すっかり冷え込んでいました。
しかし、近年になって日本と台湾との関係はかなり良好になり、行き来が活発になりました。
これは同じ自由主義側の国家である事と、戦争や植民地時代から年月が経ち、記憶が薄れているからなのでしょう。
日本でも、過去に台湾との戦争があった事を、知らない人の方が多いかも知れません。
最近は台湾有事について、たびたびニュースになっていますが、アメリカの台湾関係法では、アメリカが台湾の防衛をする義務は無く、最前線である沖縄駐留の米軍や自衛隊が参戦するかどうかは、あやふやな状態のままになっています。