昨日の台風はすごかったですねえ。
関東直撃!
雨、風が激しかったですね。
テレビで被害の放送を見ていましたが、各地で土砂崩れや冠水など大きな被害が報道されていました。
台風は午前中に関東通過の予報でしたので、当店も営業開始時間を少し遅らせて午後から開店いたしました。
そして午後からは台風一過!天気が良くなりました。
そして午後からはバイクで来店されたお客様も多数いらして、その中の数人の方と老メカが接客させていただきました。
その接客したお客様の中のお二方のバイク(50ccスクーター)の不調の訴えが、、、
「今朝、走っていたらエンジンが止まって。。。その後なんとか走れるようになりましたが。。。」
という故障の内容でした。
よくお話を伺うと、エンジンが止まり、その後セルスターターで始動を数回~十数回試みて再始動はしたそうです。
はじめは走行中も不調でしたが、その後普通に走るようになったとの事で、夕方にご来店下さりました。
このエンジンが止まった原因を推測すると、、、
今朝の台風の大雨の中という特殊な走行条件で走行していたので、エンジンが水分を吸い込んだ事が考えられます。(他にもいろんな原因が考えられますが)
バイクのエンジンと言うのは内燃機関というタイプなので、エンジンの中で燃料を爆発燃焼させて動力を得ます。
その燃焼の行程で必要なのは ガソリン と 酸素(空気) です。
ガソリンはガソリンタンクに給油してエンジンに供給されますが、酸素(空気)は大気よりエンジンに吸い込みます。
その空気を吸い込む時に雨の水分が混ざり込んでエンジンに入ってしまうとエンジンが不調をきたしてしまうんですね。
この不調ですが、エンジンの燃焼状態のバランスが崩れて止まってしまう位でしたら、その後は何もせずに復活したり、あるいは簡単な修理で走行できるようになったりしますが、重症の場合はエンジン内部が破損して修理に大変な金額が掛かる場合がありますので、要注意です。
バイクの空気の取り込み口(エアークリーナーケース)は簡単には雨水が入るような作りにはなっていませんが、条件が悪いと(今日の場合は台風の大雨)雨水を吸い込んでしまうこともあります。
微量の水分でしたらエアークリーナーエレメントが雨水で湿ってエンジンに空気が入りにくくなる位でエンジン不調や停止(また再始動が出来る)で済みますが、多量の雨水を吸ってしまうと、、、
エンジン内部が損傷し、走行が困難になります。
この現象をウォーターハンマー(水撃作用)といいます。
内燃機関の燃焼の行程で必要な混合気(気化したガソリンと空気)はピストンの往復運動で1/10前後に圧縮されます。
これは気体なので圧縮できますが、そこに液体の雨水が入り込んだ場合、圧縮が困難になります。
ですがエンジンは回転していますので(ピストンは往復運動をしていますので)雨水を圧縮しようとします。
出来ない雨水を無理に圧縮しようとすると、、、エンジン内部が破損!してしまいます!
ピストンは強い衝撃が加わり破損し、コンロッドは曲がってしまいます。
その他にもシリンダーやシリンダーヘッド、クランクシャフト、クランクケースなどエンジンすべての部品にダメージが加わる事もあります。
こうなった場合の修理ですと、エンジンを車体から外し、隅々まで分解、そして新品の部品に交換。という作業になってしまいます。
修理代金も高額になりますので、お客様には大変な負担になります。
台風18号、大変な大雨を降らしました。
この様な災害級の大雨の場合、お客様には無理せず、走行を控えて頂きたいです。
冠水や深い水溜りの中を走行するなんて論外です!エンジンが確実に水を吸い込んでしまいます。
そうなると上記の説明のようになってしまいます。
今までにもエンジン全損になってしまったお客様のバイクを何台も見ています。
がっかりする大変な出来事です。
でもねー通勤とかどうしても行かなくっちゃ、、、解るんですけどねー。。。
昨日接客いたしましたお客様はこのエンジン破損の一歩前の症状と考えられます。
もう少しで。。。です。
気を付けましょう。
台風18号の後を追うように
台風19号が発生しています。
また関東に?大雨が?
バイク乗りの皆様、注意!注意!
一国の老メカのつぶやきでした。