「スティール買収で企業価値棄損」サッポロ特別委 2008年2月4日
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080204/biz0802041930015-n1.htm
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080204AT3L0403N04022008.html
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080204-OYT1T00556.htm
米系投資ファンドのスティール・パートナーズがサッポロホールディングスに買収提案していた問題で、サッポロ経営陣から対応を諮問されていた同社の特別委員会は4日、「企業価値を棄損し、株主の共同の利益を著しく害する恐れが大きい」とする意見書を取締役会に提出した。スティールが乱用的な買収者かどうかの諮問に対しては、買収防衛策を発動する上で、「特に判断する必要ない」と回答。意見書を受け、サッポロの経営陣は3月5日までに、スティールが敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けた場合の防衛策発動の是非を決定する。
特別委の意見書は防衛策発動の後ろ盾となるもので、取締役会の決定で発動ができる。ただ、実際には、3月末に開かれる定時株主総会に諮り、株主の判断を仰ぐ可能性が高い。
4日記者会見した特別委の武藤春光委員長(帝京大名誉教授)は、「買収後の経営方針や投下資本の回収方法など重要な情報を提供していない」と指摘。特に、投資した資金の回収方法について、「予定の利益を上げていない場合、サッポロが保有する不動産を処分して、投下資本を回収する可能性が高い。会社の存立が危ぶまれる」と強い懸念を示した。
また、スティールに敵対的TOBを仕掛けられたブルドックソースの防衛策発動をめぐる最高裁決定で、乱用的買収者かどうかを発動条件としていないことを理由に、特別委もスティールが乱用的買収者かどうかの判断は示さなかった。
今回の特別委の判断について、スティール側は「内容をみて対応を検討したい」とコメントしている。
今後の焦点は、スティールが敵対的TOBに踏み切るかどうか。仮に敵対的買収に乗り出した場合は、サッポロがそれに対抗して防衛策を発動するかどうかが大きなポイントとなる。
ブルドックの最高裁決定では、株主総会で3分の2以上の賛成を得た株主の判断を重視し、防衛策発動を認める判断を示しており、サッポロも株主の判断を仰ぐとみられる。3月末の定時株主総会が、サッポロ、スティールの“決戦の場”となりそうだ。
サッポロホールディングスにスティール・パートナーズが買収提案をしかけている件で、サッポロ側の特別委員会が、『企業価値を棄損し、株主の共同の利益を著しく害する恐れが大きい』という、会社側に事実上お墨付きとも思える判断を出したことで、もしスティール側が強引に敵対的TOBをかけてきた場合には、徹底抗戦する可能性が更に高くなりました。
1月28日にも全く同じようなことを書いたのですが、私は、ビール世界大手のカールスバーグとハイネケンの企業連合が、イギリスビール大手で、「クローネンバーグ」「フォスター」などのブランドを持つ英ビール大手のスコティッシュ・アンド・ニューカッスル(S&N)を買収する(カールスバーグはS&Nのロシア・中国・ベトナムなどでの事業を取得。ハイネケンは英国・米国などの事業を継承)といった形での、『ご同業間での買収』(http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080125AT2M2502R25012008.html)のような、『相乗効果が期待できる』ケースまで否定するつもりはありません(それでも世界的なビール会社に買収されるならば、酒税の格差を利用した発泡酒や第3のビール類は採算性をベースに大幅に商品構成がリストラされる可能性が高いでしょうし、場合によっては生産量も人員も大幅にリストラされる可能性すらあり、景気が回復し切れていない北海道経済がさらに悪化する可能性が高いと見ています。)が、スティール・パートナーズの場合は、ブルドックソースの一件一つとっても、会社側と裁判を起こすまでに、何一つ具体的な経営改善策をアドバイスすることもなければ、例えば商品を海外の商社に売り込んだという話の一つも聞いたことがありませんし、この投資ファンド?が本気で経営改善する気があるのかと聞かれれば、正直疑問に思わざるを得ません。
スティール・パートナーズ側のホンネが、資産切り崩しによる利ざや稼ぎなのか、それとも数年かけて資産価値を高めた上での世界の大手ビール会社への売却なのかをしっかり見極める必要は最低限あると思いますし、具体的な判断は慎重に下される必要があるとは思いますが、万が一裁判になったときは、会社側に有利な判断を出す根拠ができたのではないかと、個人的には見ています。
サッポロ側のニュースリリースはこちら
http://www.sapporoholdings.jp/news/up_img/1209.pdf
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080204/biz0802041930015-n1.htm
日経夕刊 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080204AT3L0403N04022008.html
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080204-OYT1T00556.htm
米系投資ファンドのスティール・パートナーズがサッポロホールディングスに買収提案していた問題で、サッポロ経営陣から対応を諮問されていた同社の特別委員会は4日、「企業価値を棄損し、株主の共同の利益を著しく害する恐れが大きい」とする意見書を取締役会に提出した。スティールが乱用的な買収者かどうかの諮問に対しては、買収防衛策を発動する上で、「特に判断する必要ない」と回答。意見書を受け、サッポロの経営陣は3月5日までに、スティールが敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けた場合の防衛策発動の是非を決定する。
特別委の意見書は防衛策発動の後ろ盾となるもので、取締役会の決定で発動ができる。ただ、実際には、3月末に開かれる定時株主総会に諮り、株主の判断を仰ぐ可能性が高い。
4日記者会見した特別委の武藤春光委員長(帝京大名誉教授)は、「買収後の経営方針や投下資本の回収方法など重要な情報を提供していない」と指摘。特に、投資した資金の回収方法について、「予定の利益を上げていない場合、サッポロが保有する不動産を処分して、投下資本を回収する可能性が高い。会社の存立が危ぶまれる」と強い懸念を示した。
また、スティールに敵対的TOBを仕掛けられたブルドックソースの防衛策発動をめぐる最高裁決定で、乱用的買収者かどうかを発動条件としていないことを理由に、特別委もスティールが乱用的買収者かどうかの判断は示さなかった。
今回の特別委の判断について、スティール側は「内容をみて対応を検討したい」とコメントしている。
今後の焦点は、スティールが敵対的TOBに踏み切るかどうか。仮に敵対的買収に乗り出した場合は、サッポロがそれに対抗して防衛策を発動するかどうかが大きなポイントとなる。
ブルドックの最高裁決定では、株主総会で3分の2以上の賛成を得た株主の判断を重視し、防衛策発動を認める判断を示しており、サッポロも株主の判断を仰ぐとみられる。3月末の定時株主総会が、サッポロ、スティールの“決戦の場”となりそうだ。
サッポロホールディングスにスティール・パートナーズが買収提案をしかけている件で、サッポロ側の特別委員会が、『企業価値を棄損し、株主の共同の利益を著しく害する恐れが大きい』という、会社側に事実上お墨付きとも思える判断を出したことで、もしスティール側が強引に敵対的TOBをかけてきた場合には、徹底抗戦する可能性が更に高くなりました。
1月28日にも全く同じようなことを書いたのですが、私は、ビール世界大手のカールスバーグとハイネケンの企業連合が、イギリスビール大手で、「クローネンバーグ」「フォスター」などのブランドを持つ英ビール大手のスコティッシュ・アンド・ニューカッスル(S&N)を買収する(カールスバーグはS&Nのロシア・中国・ベトナムなどでの事業を取得。ハイネケンは英国・米国などの事業を継承)といった形での、『ご同業間での買収』(http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080125AT2M2502R25012008.html)のような、『相乗効果が期待できる』ケースまで否定するつもりはありません(それでも世界的なビール会社に買収されるならば、酒税の格差を利用した発泡酒や第3のビール類は採算性をベースに大幅に商品構成がリストラされる可能性が高いでしょうし、場合によっては生産量も人員も大幅にリストラされる可能性すらあり、景気が回復し切れていない北海道経済がさらに悪化する可能性が高いと見ています。)が、スティール・パートナーズの場合は、ブルドックソースの一件一つとっても、会社側と裁判を起こすまでに、何一つ具体的な経営改善策をアドバイスすることもなければ、例えば商品を海外の商社に売り込んだという話の一つも聞いたことがありませんし、この投資ファンド?が本気で経営改善する気があるのかと聞かれれば、正直疑問に思わざるを得ません。
スティール・パートナーズ側のホンネが、資産切り崩しによる利ざや稼ぎなのか、それとも数年かけて資産価値を高めた上での世界の大手ビール会社への売却なのかをしっかり見極める必要は最低限あると思いますし、具体的な判断は慎重に下される必要があるとは思いますが、万が一裁判になったときは、会社側に有利な判断を出す根拠ができたのではないかと、個人的には見ています。
サッポロ側のニュースリリースはこちら
http://www.sapporoholdings.jp/news/up_img/1209.pdf
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