ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

日々のニュースをFPの視点からチェックしてコメントします

“資産消失疑惑”MRI、有名人起用宣伝のウラ “広告塔”を直撃

2013-04-28 07:59:45 | Weblog
“資産消失疑惑”MRI、有名人起用宣伝のウラ “広告塔”を直撃- 夕刊フジ 2013年4月27日 夕刊フジ
http://news.infoseek.co.jp/article/27fujizak20130427013
 投資家から集めた約1300億円もの巨額資金の行方がわからなくなっている資産管理会社「MRIインターナショナル」(本社・米ネバダ州)。その会報誌では多くの有名人が“広告塔”として使われた。登場したのは宇宙飛行士から歌舞伎役者まで多士済々。知名度を悪用された5人側を直撃すると、MRI社の巧みな宣伝工作のカラクリが見えてきた。
 《何でも「本当かな?」と自分の目で確かめることですね》《投資でもそうだと思いますが、人が言ったからとか、噂で判断することは危険です》
 昨年3月発行のMRI社の会報誌『VIMO』のインタビューで、元宇宙飛行士の毛利衛氏(65)は投資家にこんなアドバイスを送っていた。
 毛利氏を顧客集めに利用していたMRI社は東京都内に事務所を置き、投資家に米国での診療報酬を元にした金融商品(MARS)を販売。富裕層を対象に年利6・0~8・5%で資金を運用できるなどと宣伝して約8700人から1300億円超の資金を集めていたが、その巨額資金が所在不明となっている。
 証券取引等監視委員会の調査では、集めた金は会社の運転資金などに流用されていたもようで、顧客に対して出資金の使途や配当金の支払いについて虚偽の告知をしていた疑いがある。26日には監視委による強制調査が行われ、金融庁はMRI社の登録を取り消し、業務改善命令を出した。
 広告塔として担ぎ出された有名人は毛利氏だけではない。歌舞伎役者の市川染五郎(40)、アルピニストの野口健氏(39)、雅楽奏者の東儀秀樹(53)、元バレリーナで女優の草刈民代(47)も会報誌の表紙を飾っていた。
 5人の関係先にその経緯を聞いた。
 毛利氏が館長を務める日本科学未来館は、「当方で受けた仕事でなく、詳細を把握できない。本人も海外出張中で連絡が取れない」としたが、染五郎など4人の所属先は、一様に「普通の取材だと聞いていた。細かい事業内容も知らされていなかった」と釈明した。
 東儀の所属事務所は「送られてきた見本誌で毛利さんが出ていた。本人も大尊敬している方だし、この人が出てるなら、と判断した」。野口氏のマネジャーは「著名人が出ているのを見て取材を受けることにした」と話しており、会報を飾った著名人のイメージが「出演の連鎖」を招いた側面もあるようだ。
 一方、草刈の個人事務所は「『広告宣伝の目的ではない』ということを強調していたので、普通の雑誌だと思った」と説明した。
 MRI社が広告宣伝でないと有名人側にアプローチしたのは、別の狙いがあったようだ。
 「経費を抑えようとしたのでは。有名人に企業広告への出演を依頼する際は、ギャラの相場がウン百万円から、時にはウン千万円に及ぶこともある。でも、一般記事の扱いならその10分の1以下で済む」(出演者の事務所関係者)
 実際の報酬も、「スタイリストやヘアメーク代を含む交通費程度」(同)だったという。
 MRI社に説明を聞こうと日本事務所の連絡先に問い合わせたが、「本日の業務は終了しております」とのメッセージが流れるだけだった。


MRI、米本店が主導か 配当に資金流用 2013年4月27日 日経
 米金融業者MRIインターナショナルが日本の投資家の資金を流用していた不正の舞台は米国だった。金融庁、証券取引等監視委員会は米当局と連携し、実態解明を急ぐが、残存資金の把握や回収には時間がかかる可能性が高い。
 「国内に運用資金は一切残っていない」。監視委の担当幹部はこう明かす。
 監視委は昨年12月に投資家の通報でMRIのファンドの配当支払いが滞っている事実を把握。3月に日本支店(鈴木順造代表)の検査に入ると、いきなり壁に当たった。
 MRIの日本支店には昨年末時点で27人の役職員がいるが、資金の流れには介在していなかった。投資家はMRI本店の米国の銀行口座に資金を直接入金し、配当などは米国から投資家の日本国内の銀行口座に振り込まれる仕組みだ。
 監視委は、不正の実行部隊が米国にいる可能性が高いと判断。米証券取引委員会(SEC)に協力を求めた。その結果、直近2年は米国の診療報酬請求債権(MARS)で運用しているはずのファンドにお金は回っておらず、新規資金は他の投資家の配当支払いに流用された事実をつかんだ。
 もっとも、被害の実態は未解明な部分が多い。被害者は何人いて、被害総額はいくらなのか。MRIは顧客は約8700人、預かり金は1365億円と公表しているが、当局は会社側の情報自体が虚偽の可能性もあると見ている。
 金融庁、監視委が公表を急いだのは日本支店が4月以降もファンドの募集に向けてパンフレット作りなどを進めようとしたため。被害をこれ以上広げるわけにはいかないという判断からだった。
 米当局に米本店の強制調査やエドウィン・ヨシヒロ・フジナガ代表取締役の聴取を依頼する構え。実態解明は始まったばかりだ。


派手な広告、高利・低リスク強調 強制調査のMRI社 2013年4月27日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0427/TKY201304260449.html
 1300億円は、どこに消えたのか。26日、証券取引等監視委員会が強制調査に踏み切った「MRIインターナショナル」。実態はまだ、謎に包まれている。

■著名人インタビューで「安心感」演出
 MRIはウェブサイトのほか、経済専門誌や全国紙、テレビなどに派手な広告を出して顧客を集めていた。「1998年の販売開始から現在まで、元本割れはおろか、商品設定を変えたこともありません」。高利回りと同時に、低リスクの実現を強調。2008年秋のリーマン・ショック後、世界的に景気が低迷するなか、富裕層にとっては安心感の強い、魅力的な金融商品と映ったようだ。
 著名人のインタビューなどを掲載した会報も独自に製作。定期的に出資者に配布し、安心感を演出した。川崎市の女性(37)は「立派な冊子が毎月送られてきて、もうかっているように印象づけられていた」。だが、女性が先月、MRIに運用実績を尋ねると、返事は「公開できません」というばかりだった。
 監視委によると、大口の出資者や、ほかの出資者を紹介した顧客を毎年、本社がある米国ラスベガスに招待。診療報酬請求債権(MARS)を買い取ったとする病院も見学させていた。
 この日、東京都千代田区の事務所を訪れた東京都内の70代の男性は、ツアーに行ったことがあると明かす。「多くの投資家が参加していた。本社を見学したあと、グランドキャニオンの観光にも行った。きちんとした会社だと信用していた」
 MRIは、出資金を管理する米国の口座は二重三重に守られていると説明。出資者に配っていた資料では、口座は「エスクロー会社」という信用できる第三者が監視。出資金は「ロックボックスアカウント」という特別の口座に入れているため、容易には引き出せない、と説明していた。
 しかし、監視委の検査では、口座を監視する第三者はおらず、資金はMRIが自由に引き出せる状態だったという。


MRI資産消失疑惑:昨年から配当滞る 契約者、募る不安  2013年04月27日 毎日
http://mainichi.jp/select/news/20130427k0000m040099000c.html
 顧客から預かった資産を消失させた疑いが浮上し、証券取引等監視委員会の強制調査を受けた米国の資産運用会社「MRIインターナショナル」。年6.0?8.5%の高利回りをうたっていたが、複数の契約者によると、昨年から配当の支払いが滞り始めたという。「お金は戻ってくるのか」「あの時、契約をやめておけば」。東京都内の同社事務所に詰めかけた契約者たちは不安を募らせた。
 東京都世田谷区の男性(57)は今月上旬の配当支払いがなく、25日に電話で事務所に問い合わせたばかりだった。昨年10月にも配当の支払いが遅れたという。男性が「トラブルが起きているのか」と尋ねると、「会員が増えて時間がかかっている。今月は難しいが、もうすぐ振り込む」と説明されたという。運用資産は5000万円弱。郵便貯金や銀行預金を取り崩して投資した。男性は「今すぐに解約したい。できなければ、警察に相談する」と話した。
 千葉県船橋市の男性(70)も昨年夏と冬の2度、配当の支払いが遅れた。2008年秋のリーマン・ショックのときも配当の支払いが滞らなかったため、「景気に左右されない商品」と信頼していたという。男性は「配当の支払いが滞ったときに少しでも疑い、解約すべきだった。生活の設計を見直さなければ」と肩を落とした。
 東京都府中市の無職男性(67)は26日午前、ニュースを見て驚き、千代田区内の事務所に駆けつけた。しかし、入り口は閉じられたまま。しばらくすると監視委の職員らしき男性たちが現れて室内に入っていった。男性は「寝耳に水。今後どうなるか。手の打ちようがない」とこぼした。
 MRIと同種の商品を扱う国内の証券会社の社員らは「年利は3?4%が一般的で、6?8%では利益が出ない」と指摘している。

巨額資金はどこへ 誇大広告、富裕層狙う 2013年4月27日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130427/crm13042700570000-n1.htm
 資産運用会社「MRIインターナショナル」(本社・米ネバダ州)は、日本と異なる米国の診療報酬制度を背景に、虚偽のうたい文句で主に富裕層の投資者を募集。大口顧客は海外へ招待し、東京・六本木ヒルズで懇親会を開くなど、積極的な宣伝も行っていた。昨年発覚したAIJ投資顧問(東京)による年金資産消失事件をほうふつとさせる事件は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」で上向く投資家心理も冷やしかねない。消えた巨額資産の行方を追う調査が始まった。

「解約」矢先に…
 「絶対安全だと説明していたのに」
 東京都千代田区のMRIインターナショナル事務所で、強制調査を見守った出資者は26日、一様に怒りや困惑の表情を浮かべた。
 約5千万円を出資していたという世田谷区の男性(57)は、4月中に100万円以上の配当金を受け取る予定だったが、支払われなかった。25日夜に同社に連絡したところ、同社から「トラブルはない。会員数が増えたため処理に時間がかかっている」と説明を受けたという。「『元本は絶対に安全』と説明を受けて安心していた。そろそろ解約しようかと思っていた矢先に、なぜこんなことに…」と呆然とした様子だった。
 平成11年から出資を始めたという千葉県の男性(70)も5千万円を出資。昨年7月と12月にも配当が遅れたが「米国の本社に監査が入ったため」との説明を受けたという。
 オフィスビルの一室にある同社事務所は、入り口に「本日の営業は終了した」との貼り紙が貼られただけ。電話口には終日、誰も出ないままだった。

債権回収を代行
 MRIが手がけたのは、診療報酬請求債権(MARS)ビジネスと呼ばれるものだ。
 日本のような国民健康保険制度がない米国では、民間の保険会社が医療保険を提供している。保険の種類ごとに医療機関が受け取る額が異なり、診療報酬の請求手続きは煩雑となる。このため医療機関自らが診療報酬を回収した場合、回収率は約35%にとどまるという。
 MRIはこの点に着目。医療機関から診療報酬請求債権を低価格で買い取り、保険会社から回収を代行する事業を始めた。
 顧客は債権を購入するためのファンドに投資。MRIによる債権買い取りと回収の差額の一部を、配当として受け取る仕組みとなっていた。MRIは本社を米国に置きながら、資金集めは日本国内でしか行っていなかったという。

AIJほうふつ
 MRIが集めたとする1365億円の全額が失われたことが判明すれば、預かり資産約1458億円の大半を流出させ、詐欺罪などで社長らが起訴されたAIJ投資顧問に匹敵する規模となる。AIJが厚生年金基金という資産運用の“プロ”を狙ったのに対し、MRIがターゲットにしたのは主に個人の富裕層。だが、運用実績を偽り、常識では考えられない高利回りをうたう手口は同じだ。
 ウェブサイトによると、MRIが募った投資金額は150万、750万円、1500万円の計3種類。投資額や利息払い戻し方法により異なるが、年利は6~8.5%と高く、例えば1500万円を5年間預けると計約720万円が利息として払い戻される計算だ。
 顧客に対しては、六本木ヒルズや沖縄などの高級ホテルで顧客向けの懇親会を開催し、大口の顧客には同社本社のあるラスベガスへ招待。「債権の買い取り先」として現地の医療機関に連れて行き、顧客を信頼させていたという。

東京弁護士会消費者問題特別委員会の飯田修弁護士の話
 「金融商品の自由化が進む中、さかんに広告されていても、それが安心できる商品とはかぎらない。銀行や証券会社が販売する商品でさえ、リスクが高いものもある。なぜ高いリターンになるか説明をしっかり受けて投資する必要がある。今回のような登録業者は金融庁の監督が行き届いているという前提があり、金融庁には業務改善命令などを出す権限もある。それが投資家の信頼の基礎になっている。監督責任のある金融庁のチェック体制は甘く、強化が必要だ」

関西大学の吉本佳生特任教授(国際金融)の話
 「MRIの金融商品は、機関投資家ではなく一般投資家を狙った投資詐欺の疑いがあり、構図としては古くからある手口だ。海外に拠点を置き、アメリカの診療報酬請求債権を投資対象とする点が新しいといえる。仕組みが複雑なため、投資家にとっては理解が難しく、同社の高利回りが可能という説明についても疑問を持ちづらかっただろう。投資先を医療制度に関連させたことで安心感を持たせ、破綻しづらいと思わせており、巧みな手法といえる」




 MRIインターナショナルの資金消失事件ですが、やはり有名人を広告塔に利用する汚い手を使っていたようですね。
 有名人が意図的に関わるか単に名前を利用されるだけか(毛利衛さんは明らかに利用された口ですが…)は別にして投資はあくまでも自己責任。
 最近は、某予備校講師が使いだした『いつやるか? 今でしょう』といういい加減聞き飽きてきたセールストークを地場証券が使っていて苦笑してしまったのですが、投資は他人に促されて行うものではなく自分自身の決断で行うものですし、焦って投資した結果はどんな素晴らしい金融商品であっても、大抵失敗に終わることが経験上多いものだと思います。
 仕組みとリスクが理解できない金融商品に対してはわかったふりをして貴重な虎の子をつぎ込まずに、「完全に理解できなければ(どんなに他人に勧められても)出資を見送る」覚悟も必要でしょう。


コメントを投稿