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ホワイトカラー・イグゼンプションのボーダーラインは年収1000万円以上?

2006-11-26 15:22:12 | Weblog
年収1千万円を軸に検討 労働時間規制撤廃で厚労省 2006年11月25日 中日夕刊
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20061125/eve_____sya_____008.shtml
 「1日8時間、週40時間」の労働時間規制を撤廃する「ホワイトカラー・イグゼンプション(適用除外)」の導入を検討している厚生労働省が、対象労働者の要件として年収1000万円以上を軸に検討していることが分かった。同省の年収要件案の数字が明らかになるのは初めて。
 国税庁の昨年の民間給与実態統計調査によると、年収1000万円を超える民間の給与所得者は4・8%だった。
 適用除外をめぐっては、厚労相の諮問機関、労働政策審議会の分科会で使用者側委員が「400万円以上」として要件を緩やかにするよう主張。一方、労働者側委員は「長時間労働を助長する」として制度の導入そのものに反対しており、厚労省の年収要件案にも労使双方の反発が予想される。
 厚労省は年内に結論を出し、来年の通常国会での労働基準法改正を目指しているが、審議にはなお曲折がありそうだ。
 厚労省が10日の分科会に示した素案は、対象者の要件として(1)労働時間では成果を適切に評価できない仕事をしている(2)重要な権限と責任を相当程度伴う地位にある(3)年収が相当程度高い-などを挙げた。
 年収要件の設定に当たって厚労省は、労基法で有期契約労働の期間の上限を通常の3年より長い5年としている「高度で専門的な知識等を有する者」の基準に着目。基準に該当する職種として政省令で医師や弁護士のほかに、年収1075万円以上のシステムエンジニアやデザイナーなどを挙げていることから、適用除外でも1000万円を軸とするのが妥当と判断した。
 高度で専門的な知識があり1000万円程度の年収があれば、一般的に重要な権限と責任を伴う地位にあるとの要件にも合致するとしている。
 厚労省は6月、適用除外を盛り込んだ中間報告素案を分科会に提示したが、労使双方が反発して中断。8月に再開し、厚労省は今月10日、あらためて素案を示した。

 <ホワイトカラー・イグゼンプション(適用除外)>  米国の労働時間制度の一つ。給与額や仕事内容の要件を満たせば、労働時間規制の対象外となり、週40時間などの規制を超えて働いても残業代が出ない。厚生労働省の素案は「自由度の高い働き方にふさわしい制度」と名付け「労働時間に関する一律的な規定の適用を除外する」としている。健康確保のため週2日以上の休日を義務付けることも盛り込んだ。年収400万円以上のホワイトカラー労働者に導入されると、1人当たり年114万円の残業代が失われるとの試算もある。


 当ブログでは『厚労省はホワイトカラーイグゼンプションの導入に際して1000万円前後を想定している』旨のことを繰り返し伝えてきましたが、ようやく厚労省の側も正式に年収1000万円以上と言う具体的な数字を正式に表に出してきたようですね。
 年収のボーダーラインをこの1000万円で行くのならば、このボーダーラインを超えている労働者はそこそこの役職についていることが予想されますし、週休2日を確保して健康配慮義務もつけるなど、様々な配慮条件を考慮すれば、働く側には受け入れの余地もあるかと思いますが、問題は使用者側。使用者側は年収400万円程度を希望していますし、当然この年収ラインでは猛反対してくるでしょう。これから先、年収ラインをどうするか、厚労省、労働者側、使用者側の3者で調整することが予想されますが、どのくらいの年収でまとまるのでしょうか。あまりボーダーラインが低くなると私達の生活にダイレクトに直撃する(年収500万円くらいまで下がると住宅ローンを組んでいる人は軒並み狙い撃ちされるリスクが高いと思います)だけに、導入するのならば、なるべく1000万円に近いラインで決まってくれると良いのですが…。


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