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111歳の東京の最高齢者は実は30年前に死亡?

2010-08-02 06:10:53 | Weblog
「111歳」は30年前死亡?自宅に白骨遺体 2010年07月29日 読売夕刊
 今年7月22日に111歳を迎え、男性では東京都の最高齢者とされていた足立区千住5の無職加藤宗現さんが今月28日、自宅で白骨遺体で発見され、警視庁千住署が保護責任者遺棄致死容疑で捜索していたことが、捜査関係者への取材でわかった。
 遺体は死後数十年が経過しているとみられる。家族は同署に対し、「三十数年前、自分から『即身成仏したい』と1階の部屋に閉じこもり、そのままになっていた」と説明しているという。加藤さんは死亡した妻の遺族共済年金も受給し続けており、同署は、同居していた長女(81)や孫ら家族4人から詳しい事情を聞いている。
 同庁幹部や同区などによると、今年2月頃、加藤さんを担当する民生委員から区に、「本人に面会できない」と相談があり、区の最高年齢者にもあたるため担当者らが今年6~7月、加藤さん宅を複数回訪ねた。しかし、家族から、「本人は2階にいる。誰にも会いたくないと言っている」などとして面会を拒否された。
 区から相談を受けた同署が捜査したところ、家族の1人が知人に「実は即身仏になっている。家族みんな知っている」などと話していたことが判明。同署は今月28日自宅を捜索し、1階で白骨化した加藤さんを発見した。肌着姿で、ベッドにあおむけで横たわった状態だった。同署に対し、家族は「本人は自分で部屋に閉じこもり、水も食事も取らなかった。厳しい人だったので、家族は誰も部屋に入れなかった」などと説明しているという。同署は加藤さんが1980年頃に死亡し、そのまま放置されていたとみている。
 加藤さんの妻(2004年8月に死亡)は元教師で、加藤さん名義の銀行口座には今年6月までにかけて妻の遺族共済年金計約940万円が振り込まれ、うち約270万円が引き出されていたことが確認されたという。年金が申請された当時、加藤さんは既に死亡していたとみられ、同署は、年金を不正受給していた疑いもあるとみて捜査している。
 足立区は、定期的に東京都を通じて厚生労働省に最高齢者を報告しており、加藤さんは、同区で最高齢とされていた。しかし、近年は、住民票で確認した名前と生年月日を伝えただけで、08年と09年には健康高齢者の表彰のお祝いの商品券も書留で送っていたという。同区は、「最後に生存が確認できたのがいつかは分からない」としている。
 加藤さん宅は、JR北千住駅から北に約800メートルの住宅街にある。古くからある住宅も多いが、近所の80歳代の女性は、「加藤さんの姿は長年、見なかった。家族は『元気にしている』と言っていたが、あまりにも見かけないため、近所では不思議がられていた」と話していた。
◆国内最高齢は113歳◆
 厚生労働省によると、国内の最高齢は現在、佐賀県在住の長谷川チヨノさんで113歳。男性の最高齢は、京都府京丹後市の木村次郎右衛門さんで同じ113歳だが、長谷川さんより生まれが5か月遅い。
 厚労省では毎年、100歳以上の高齢者の人数などを公表している。2005年までは、高齢者上位100位までの名簿も公表していたが、実際に所在が確認されていない女性についても匿名で名簿に掲載されていたことなどが問題となり、翌年から名簿の公表はなくなった。

「111歳」遺体、孫娘「のぞいたら頭蓋骨見えた」 2010年7月30日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100730-OYT1T00119.htm
 東京都内で男性最高齢の111歳とされていた足立区千住の無職加藤宗現さんが自宅で白骨遺体で発見された事件で、同居の孫娘(53)が警視庁千住署に対し、「3月に部屋をのぞいたら頭蓋(ずがい)骨が見えた」と話していることがわかった。
 死亡した妻の遺族共済年金が振り込まれていた加藤さん名義の口座から計270万円が引き出されたのは今月中旬以降だったことも判明。同署は、家族が加藤さんの死亡に気づきながら、年金を受給していた疑いがあるとして、詐欺容疑で捜査している。
 同署幹部によると、同居の孫娘は同署に対し、3月25日に加藤さんの長女(81)らと3人で1階の加藤さんの部屋をのぞいた際、頭蓋骨が見えたと説明している。部屋のドアの内側には本などが積まれ、開きにくくなっていたという。
 加藤さん名義の銀行口座には2004年10月~今年6月、元教師で04年8月に死亡した加藤さんの妻の遺族共済年金計約945万円が振り込まれていたが、今月15~23日には6回にわけて計270万円が引き出されていた。孫娘は同署に「通帳は家にあり、家族の誰かが引き出した」と話しているという。
 同署は29日、加藤さんの遺体を司法解剖したが、死後数十年が経過しており、死因は不明だった。遺体の近くには1978年11月5日付の新聞と、同9日付の同区の広報紙が置かれており、部屋に人が立ち入った形跡はなかったという。同署は加藤さんが部屋の中で78年頃に死亡したとみている。
 「会えないお年寄りがいる」。加藤さんの死が明るみに出たきっかけは1月27日、民生委員から足立区に寄せられたこんな相談だった。
 これを受け、区は2月中旬、住民基本台帳法に基づく実態調査として、加藤さん宅を訪れたが、玄関先で応対した長女(81)に「寝ているので会いたくないと言っている」と面会を断られたという。
 さらに、6月11日に再訪した際には長女が「(加藤さんの)岐阜県内の弟宅に身を寄せ、寺に通っている」と区側に説明したが、区が寺に確認したところ、そうした事実はなく、弟も既に死亡していることが判明。区の担当者は「加藤さんはもう生きていないのでは」と疑いを深めたという。
 近所の住民によると、加藤さんは教員の妻と共働きで、昔は浴衣姿で周辺を散歩する姿も見かけられた。近年は、毎年5月に町内会から長寿祝いとして加藤さんの家族にタオルなどの記念品が贈られていたが、近くの自営業の女性(72)は「家族は人目を避けるような感じで、詳しい話は聞けなかった」と話す。
 区も加藤さんに対し、70歳以上の区民を対象にした「生きがい奨励金」などを支給していた。区によると、1990年に加藤さんの本人名義で奨励金の申請を受け付けた記録が残っている。

寺で説法・就寝中…面会、何度も拒否 「111歳」家族 2010年7月30日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0729/TKY201007290621.html
 岐阜の寺で説法をしている。誰にも会いたくないと言っている――。111歳で都内の男性最高齢とされた東京都足立区の加藤宗現さんが、死後約30年経過したとみられる白骨化遺体で見つかった。区は何度も自宅を訪れたが、家族が拒み、会うことはできなかった。区は「強制的に立ち入る権限はなく、存命の確認が困難だった」と力無く話した。
 「まさか自宅に死体があるとは思わなかった」。区戸籍住民課の初鹿野学課長は、何度も訪れた玄関先の奥で加藤さんが亡くなっていた事実を知り、驚きの言葉がついた。
 区によると、加藤さんの安否について初めて連絡があったのが1月27日。近所の女性民生委員から「最高齢者の加藤さんをしばらく見ていない。確認できないか」と連絡があった。
 2月上旬、区は対応会議を開き、職員が自宅を訪問したところ、「家で寝ている」「会いたくないと言っている」などと玄関先で家族が話し、面会できなかった。加藤さん宅には長女夫婦と2人の孫の計4人が同居していた。
 「弟がいる岐阜の正道寺で説法をしている」と説明されたこともあったが、その寺に加藤さんはいなかった。「広報誌に紹介したい」と写真の提供を申し込んでも、断られた。「一目だけでいいから、会わせてもらえませんか」。職員がこう説得してもかなわず、最後は警察の捜査に委ねるしかなかった。
 区によると、加藤さんは2007年4月以降、区内最高齢だった。死亡届が出されなければ「生存」扱いとなり、敬老の日近くになると、「長寿者」として毎年、都に報告していた。
 区によると、70歳以上を対象にした「生きがい奨励金」として90年以降、11万6千円分の現金や商品券が支給されたとみられる。90年に申請書が出ていた。
 健康な90歳以上が対象の「元気高齢者記念品」でも本人名義の申請があり、08、09年、区長のお祝い文を添えて計2万円分の商品券を簡易書留で贈っていた。米寿と白寿の敬老祝い品も贈っていた可能性があるが、資料は残っていないという。区は「該当しないのに受給していたのであれば、返還請求せざるをえない」としている。(小泉信一、黒川和久)
■足立区の対応
 1月27日 民生委員から介護保険課に「加藤さんを見かけていない」などと相談
  2月4日 対応会議を開く
   15日 住民基本台帳法に基づく実態調査を実施。初めて訪問し、長女から「寝ている」と証言を得たが、直接は会えなかった
  5月7日 関係各課が集まり、対応を協議
   14日 千住署に実態調査の協力依頼
 6月11日 福祉管理課長、戸籍住民課長らが長女と面会
 7月15日 孫の1人に電話すると「(加藤さんは)母と姉が管理しており、私は一切関知していない」と説明
   21日 戸籍住民課長らが加藤さん宅訪問。翌22日再訪。いずれも応答なし
   26日 千住署員と区職員、共済組合職員が訪問。「2階で寝ている。会いたくないと言っているのに会わせるわけにはいかない」と長女は繰り返し主張
   27日 千住署が区役所に加藤さんの戸籍謄本と住民票を請求
   28日 「白骨化した遺体が発見された」と千住署から区役所に連絡

111歳ミイラ化“名ばかり高齢者” 他にもいる? 2010年7月30日 夕刊フジ
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_injustice__20100730_3/story/30fujizak20100730000/
 111歳で、全国長寿番付2位とされた東京都足立区の加藤宗現さんが、30年以上前に亡くなっていたことが分かり、大騒ぎだ。「即身成仏する」と言い残し自宅の1室でミイラ化したというが、遺族は死亡届を出さず、区の訪問調査でも生存を強調。加藤さんを受給者とした老齢年金や遺族共済年金を不正受給していた。日本には現在、100歳以上の高齢者が約4万人存在するが、他にも“名ばかり高齢者”はいるのではないのか?
 厚労省は毎年、敬老の日に100歳以上の長寿者を中心に、各地域の高齢者を発表しているが、これは地方自治体の調査をまとめたもの。各自治体も住民基本台帳(住基データ)を提出するだけで、今回のような“名ばかり高齢者”の存在は完全には否定できない。
 つまり“間違い”はあり得るということだ。ただ、東京都西部の自治体職員は、今回の足立区の対応に首をかしげる。
 「100歳を超えた住民の死亡が、10年以上見逃されることは普通では考えにくい。どの自治体も、敬老の日のお祝いなどを通じて職員が生存を確認している。足立区はなぜ、10年も面会できないまま放置したのか」
 今回の一件が発覚したのは、今年1月に地元の民生委員が区の福祉管理課に通報したことがきっかけ。区は毎年、敬老の日に東京都の委託で、区内に130人存在する100歳超の高齢者の現況を調査。加藤さんについては2回の訪問も行ったが、81歳の娘の「生きている」という言葉をうのみにしてきた。
 もう一つ、審査の甘さが指摘されるのが、2004年に亡くなった元教師の妻の遺族共済年金を10年間にわたり約1000万円も支給してきた公立学校共済組合(東京)だ。妻が亡くなった際、実在しない配偶者(=加藤さん)の申請書類をスルーさせていたことになる。この手が通じるなら、今後“模倣犯”が出現してもおかしくない。
 「年金は受給権者本人の申請が大原則ですが、委任状や戸籍謄本などの書式がそろい、住基データで受給権者の生存が確認できれば、制度上は代理申請でも受理せざるを得ない。住基データ上で生存している限り、支給も継続されます。今回のようなレアケースは想定外。今後の対応についても、今はお答えできません」(同組合年金部)
 1899年(明治32)年生まれの加藤さんは、小説家の川端康成氏や、「のらくろ」でおなじみの漫画家、田河水泡氏、日本船舶振興会の笹川良一元会長=いずれも故人=らと“同級生”。亡くなったとみられる1978年には、キャンディーズ解散コンサート、池袋サンシャインシティ開業、元巨人の江川卓氏をめぐる「空白の一日」事件などが起きている。
 思わぬ事態に直面した足立区は「われわれの調査は住民票上のことで、親族が『生きている』といえば、それ以上踏み込む権限はありません。遺族に悪意があった場合、行政が事態を完全に防ぐことは不可能です」(報道広報課)としている。

「111歳」同居家族、支給額多い遺族年金に切り替え? 2010年7月31日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0730/TKY201007300544.html
 東京都足立区の住宅で戸籍上111歳の加藤宗現(そうげん)さんとみられるミイラ化した遺体が見つかった事件で、加藤さんに1969年から老齢福祉年金が支給されていたことが同区への取材でわかった。加藤さんに対しては、妻が亡くなった6年前から遺族共済年金が支給されていたが、加藤さんはすでに死亡していた疑いがある。同居する家族が、より支給額が多い遺族共済年金に切り替えたとみられる。
 老齢福祉年金は、国民年金制度が始まった61年時点で、すでに高齢で受給に必要な加入期間が足りない人を救済する目的でできた制度。1911年4月1日以前生まれの人は、現在は年約40万円が支給される。受給開始は70歳からとなっている。加藤さんは1899年7月22日生まれ。同区によると、加藤さんには1969年8月から支給されたという。
 孫の女性(53)の話などから、加藤さんは78年11月ごろに自室に閉じこもったまま死亡したとみられる。
 加藤さんの妻は2004年8月に死亡。捜査関係者によると、共済組合に対し、親族から加藤さんへの遺族共済年金の支給の申請があり、同年10月分から今年6月分まで計約945万円が支給されたという。

【「111歳」ミイラ男性】電気毛布でミイラ化進む? 年金計610万円引き出される 2010年7月31日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100731/crm1007310118001-n1.htm
 全国の長寿上位となる111歳で、都内最高齢だった加藤宗現さんが30年前に死亡していた疑いのある自宅 東京都足立区の民家寝室で、全国長寿の上位で都内最高齢の111歳だった加藤宗(そう)現(げん)さんとみられるミイラ化した遺体が見つかった事件で、遺体の下に電気毛布が敷かれていたことが30日、捜査関係者への取材で分かった。高温になることで乾燥しミイラ化が進んだとみられる。加藤さんは約30年前から自室に閉じこもったままだったといい、警視庁千住署は死亡時期の特定を急いでいる。
 また、加藤さんの口座に振り込まれた妻の遺族年金計約950万円のうち、約610万円が引き出されていたことも判明。同署は家族が引き出したとみて詐欺容疑で捜査している。
 捜査関係者によると、電気毛布はスイッチが入っていたが、通電していなかった。何らかの原因で故障した可能性もあるという。
 同署は28日、1階寝室の電気毛布が敷かれたベッドで遺体を発見。あおむけで頭は白骨化していたが、体はミイラ化が進んでいた。
 捜査関係者によれば、遺体は乾燥しやすい状況になると水分が急激に失われ、腐敗せずにミイラ化するという。

謎の「111歳」加藤宗現さんと見られるミイラ化した遺体が見つかったのは10年7月28日だ。足立区職員が自宅を訪れても「(本人が)会いたくないと言っている」と長女(81)らから追い返される状態が続いていた中、孫娘(53)が警察を訪れ「祖父は三十数年前に『即身成仏したい』と部屋に引きこもった」などと話したため、事態が発覚した。
遺体を司法解剖したが死亡時期ははっきりしない。「死後数十年が経過」「1978年ごろ死亡したとみられる」などと報じられている。
年金詐欺の疑いが出ているのは、宗現さん名義の口座に宗現さんの妻(2004年に死亡)の遺族共済年金が10年6月までに累計約950万円(単純計算で月14万円弱)振り込まれ、すでに600万円ほど引き出されているという点だ。
仮に宗現さんが1978年ごろに79歳ぐらいで死亡していたとすれば、2004年の妻の死亡時に受け取り手続きをし、600万円を引き出したのは誰なのかという問題が出てくる。家族に疑いの目が向けられるのはやむを得ない面がある。04年当時、妻の遺族共済年金の「受け取り遺族」の有資格者は、宗現さんだけだったようだ。勿論生きていれば、の話だが。
宗現さんが生まれたのは、1899(明治32)年7月。日露戦争が始まる5年前だ。1930年4月1日以前に生まれた人は、老齢福祉年金(現行、年40万5800円)の受給対象者だ。原則的に70歳で支給が始まるので、宗現さんは計算上、1969(昭和44)年7月から、妻の遺族共済年金受給が始まる2004年10月までは老齢福祉年金を「受け取っていた」可能性がある。この両方の年金を同時に受けることはできないので、04年以降は額の高い遺族共済年金の方を選んだようだ。単純計算で遺族共済年金の方が4倍も多い。
宗現さんが1978年ごろに死亡したとすると、79年ごろから2003年まで24年間程度の老齢福祉年金が詐取された疑いも出てくる。もっとも詐欺の公訴時効は7年なので、警察が04年以降の妻の遺族共済年金の方に注目しているのは当然だ。老齢福祉年金の額は以前は毎年のように改定されており、「詐取の可能性」がある24年間の累計を出すのは面倒だが、概略で計算すると、「スタート」の1979年(8 月から年額24万円)から2003年までにざっと計850万円程度を何者かが受け取っていた可能性がある。

「詐欺容疑で家族逮捕」相次ぐ
「自治体の怠慢という人もいるかもしれないが、責めるのは酷だ」。ノンフィクション作家の岩上安身さんは、10年7月30日の「とくダネ!」(フジテレビ系)で、確認不足だった「自治体」をかばった。長谷川豊アナも、「家族が『本人が会いたくないと言っている』という中、『いや死んでるでしょ』と中に入れるのか」と同情を示し、「盲点なのかも」と指摘した。
 年金受給者が死亡したのに家族がそれを届け出ず、年金を受け続ける事案はほかにもあるのだろうか。
 逮捕や送検の段階の報道を調べてみると、「死亡した(以下略)父の年金140万円詐取容疑」(09年11月、福岡県)、「父の年金100万」(09年2月、兵庫)、「祖母の年金68万」(09年2月、沖縄)、「父の年金360万」(08年10月、兵庫)、「夫の年金120万」(08年2月、北海道)、「両親の年金90万」(08年1月、福岡)、「母の年金280万(余罪)」(07年11月、愛知)……と枚挙にいとまがない。
 発覚したのは氷山の一角で、まん延している可能性も否定できない。
 ちなみに、総務省統計局の人口推計(09年10月)によると、100歳以上のお年寄りは国内に4万8000人いる。

「111歳」男性 背後にある高齢者行政の不安 2010年08月1日 読売
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_pension2__20100801_2/story/20100731_yol_oyt1t00821/
 この人はなぜ、長い年月、“健在”でいられたのだろう。驚きとともに疑問が尽きない。
 7月22日で111歳、東京都内の男性最高齢者とされていた人が、実は30年以上前に死亡しており、自宅ベッドに寝かされたまま、白骨に近い状態で見つかった事件だ。
 東京都足立区の家には、ともに80歳代の長女夫婦と、49歳と53歳になる孫2人が暮らしていた。
 孫の話では、男性は三十数年前に「即身成仏したい」と言って部屋に閉じこもり、そのまま亡くなったという。以来、家族は部屋に入ることもないまま、今日に至ったとされている。
 にわかには信じがたい話だ。警視庁が保護責任者遺棄致死の疑いで調べているが、亡くなった経緯の解明は容易ではなかろう。
 確かな点は、男性が戸籍上は生存し、ずっと年齢を重ねていたことである。
 2004年に死去した妻の遺族共済年金と、それ以前は本人の老齢福祉年金も支給されてきた。1000万円近くが振り込まれた銀行口座からは、相当額が引き出されていた。
 警視庁は年金詐欺の疑いでも事情を聞くという。
 親の年金を頼りに生活してきた子が、死亡を隠して受給し続けるケースは最近、各地で発覚している。新たな不正を招かぬためにも徹底した捜査を求めたい。
 今回の事件は、区の民生委員が何度訪問しても家族が本人に会わせないことを不審に思い、区が警察に相談したことで、ようやく事態が判明した。
 厚生労働省などは「家族に拒まれれば、行政がそれ以上立ち入るのは困難」という。
 それまで区は、男性の顔も近況も分からぬまま、事務的に長寿祝いの品を届けていた。
 この状況には、高齢者の虐待防止や健康確認の面からも 危惧 ( きぐ ) を覚えずにいられない。制度や権限を点検する必要がある。
 診療や高齢者サービスを長期間受けていない、といった情報が分かる仕組みがあったなら、行政はもっと早く動けた可能性がある。社会保障制度をうまく連携させることが重要だ。
 近年は、長寿者名簿もプライバシーへの配慮から、本人や家族の希望ということで実名を出さないケースが増えている。必ずしも、行政の担当者が直接会って近況を確認しているわけではない。
 高齢者行政の不安な一面を浮き彫りにした事件でもある。




 先週末に世間を騒がせた事件と言えば、やはりこの111歳の東京の最高齢男性が実は30年前に死亡していて、家族が年金を不正受給していた疑いが濃厚という事件ですが、この事件にはいろんな意味で吃驚させられましたね…。
 まあ、最近になって多額の年金を引きだした形跡があるところを見ると、家族がどんな言い訳をしようが年金の不正受給目的だったことは疑う余地もないと思いますし、過去にも生活費が足りないことを理由に 親の死亡を数年間隠し続けて死亡者の老齢年金を受給し続けるといった不正受給の事件はこれまでに何度もありましたが、大抵は親戚や近所の人が当人に会えないことを理由に騒ぎ出して事実が発覚するものですし、こういった関門を何とか切り抜けたところで、100歳という区切りの良い年齢に達すれば、いくらお役所でも何が何でも本人に直接対面してお祝いの言葉の一つも述べそうなもの。この不正受給事件は、もう少しお役所の側がしっかりしていれば、少なくとも11年前には発覚していたのではないかと思いますし、三十数年前、自分から『即身成仏したい』という家族の見苦しい言い訳も裁判になった時の裁判官の印象を悪戯に悪くするだけだと思います。
 それにしても、いくら年金目当てとはいえ、実の家族の葬式を30年も出さないなんて…。放置され続けた被害者の無念を思うと複雑な心境になりますし、孤独死するよりもある意味非常に残酷な結末を迎えたものだと思います。


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