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ゆうパックが大規模遅配 顧客離れがますます進む可能性も…

2010-07-05 05:53:16 | Weblog
「ゆうパック」に遅れ、ペリカン便統合で混乱 2010年7月3日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100703-OYT1T00839.htm
 日本郵政グループの郵便事業会社が運営する宅配便事業「ゆうパック」で、首都圏を中心に半日から1日の遅れが発生していることが3日、わかった。
 ゆうパックは1日にJPエクスプレスの「ペリカン便」を吸収統合したばかりだ。指定された日時に荷物を配達するサービスにも支障が出ている。日本郵政は、東京都江東区の新東京支店などの流通拠点に応援の従業員を派遣しているが、遅れは解消していない。
 郵便事業会社によると、「ペリカン便」の統合で、取り扱い荷物量がほぼ倍増した上、統合を機に更新したシステムに従業員が不慣れなため、流通拠点で荷物がさばけない状態になっているという。
 利用者からは、期日通りに荷物が届かないといった苦情が多数寄せられている。郵便事業会社は、指定された期日に配達できなかった利用者とは、個別に対応を相談するとしている。

ゆうパック大規模遅配、「全容を把握できない」公表せず 2010年7月4日 朝日
http://www.asahi.com/national/update/0704/TKY201007030356.html
 郵便事業会社(JP日本郵便)の宅配便「ゆうパック」で、1日から3日にかけて大規模な配達の遅れが出た。日本通運の「ペリカン便」を1日に吸収して取扱量が増えたことなどから、首都圏経由の荷物を中心に配送が滞った。遅配がしばらく続く可能性もあるが、日本郵便は「遅れの全体像を把握できない」として、3日夜の段階でも遅配の事実などを公表していない。
 ゆうパックの荷物は、郵便局など地域の窓口で預かったあと、都道府県ごとの拠点支店に集める。それぞれ届け先近くの拠点支店に送ってから、さらに仕分けて、配送を受け持つ地域の郵便局などに送られる。日本郵便によると、新東京支店(東京都江東区)や東京多摩支店(東京都府中市)、大阪南港ターミナル支店(大阪市住之江区)といった拠点支店で作業に遅れが出た。
 このため、地方から首都圏、関西圏向けに配送されるなどした荷物の多くが、生ものも含めて指定された期日に届かない状態になっている。
 日本郵便では、ペリカン便の吸収で荷物量がこれまでの1日当たり約60万個から、約107万個に増えた。店舗も約7万4千店から約13万4千店に膨らみ、事務量が増えた。最大拠点の新東京支店では、これまで1日平均で約16万個を扱っていたが、25万個に増える計算だったという。
 7月はお中元の集配で忙しく、11日の参院選の投開票を前に選挙関連の荷物の取り扱いも増えたことも作業量の急増につながったとみられる。
 ゆうパックとペリカン便の集配のシステムを併存させる形でスタートしたことも混乱に輪をかけた。一方のシステムに習熟した従業員が、他方の仕分けの作業手順を間違えることもあり、こうしたミスの重なりが大規模な遅配を招いた可能性もある。日本郵便は「訓練はしてきたが、大量の荷物を前に慌てた」(広報)。必要に応じ、利用者への賠償も今後検討するという。
 日本郵便は1日夜から、急きょ応援職員を出勤させるなどしている。「週明けまでに遅配を解消したい」という。だが、遅配の全容が把握できていないことを理由に、3日深夜の時点でも、遅れの事実やその規模を公表していない。ホームページなどでも一切触れられていない。
 日本郵便幹部は3日夜、朝日新聞の取材に対し、「1日2日の遅れはよくある。今回は数が多いが、1日ぐらい遅れても大丈夫と思った。甘いのかもしれないが、土日できれいにすればほとんど影響ない、と思っていた」と話した。

ゆうパック遅配、約26万個 「統合による不慣れ原因」 日本郵便社長が陳謝 2010年07月5日 日経
 宅配便「ゆうパック」の配達に遅れが生じている問題で、日本郵政グループの郵便事業会社(日本郵便)は4日、鍋倉真一社長が記者会見した。日本通運の「ペリカン便」を統合した1日から4日までに、約26万個の荷物が配達時間に遅れた可能性があるという。鍋倉社長は「(事業統合による)社員の不慣れが原因。今週中には正常化したい」と語った。
 日本郵便は日本通運との共同出資会社「JPエクスプレス」で手掛けていたペリカン便事業を1日付で統合し、「ゆうパック」として再出発した。その際、日通からの出向者など4100人の人員と集配拠点などを引き継いだ。
 ゆうパックとペリカン便では荷物を仕分ける機械の仕様に違いがあり、社員の操作ミスが原因となって仕分け作業に遅れが生じたもよう。運送ダイヤも乱れ、荷物をさばけなくなった。こうした問題は東名阪10カ所の集配拠点で起こり、半日から2日ほど荷物の配達が遅れたという。近隣の支店などから社員を応援に向かわせ、問題解決を急いでいる。
 鍋倉社長は遅配を陳謝するとともに、「情報提供が十分でなかった」と対応の遅れを反省した。「営業面での影響もある」とも指摘。大口顧客の一部が他の宅配便事業者にシフトする動きがみられるという。もともと日通との宅配統合計画の不透明感から顧客離れが進んでいただけに、信頼回復を急がなければ、ヤマト運輸・佐川急便の背中はさらに遠のきそうだ。

ゆうパック遅配、遠のく「2強」の背中 一部顧客離れる 再出発直後につまづき 日本郵政 2010年7月5日 日経
 日本郵政グループの郵便事業会社(日本郵便)の宅配便「ゆうパック」事業が一段と厳しさを増している。日本通運の「ペリカン便」を1日に吸収して再出発した直後に遅配トラブルが発生。大口顧客の一部が他の宅配事業者に切り替える動きも出ている。ヤマト運輸と佐川急便の2強の背中はさらに遠のき、収益の改善が遅れる懸念が強まっている。
 「緊急避難で他社を使うとか、こういう状況だと(ゆうパックを)使いたくないという顧客も出てきている」。日本郵便の鍋倉真一社長は4日の記者会見で営業に影響が出るとの見通しを語った。全国の営業マンに対し、顧客対応を強化するよう指示したという。
 ペリカン便を吸収したゆうパックの取扱個数は今年度、3億9千万個の見込み。シェアは12~13%程度で業界3位となる。しかし2008年度実績だと両者を合計したシェアは19%。総務省から事業統合の認可が下りない不透明感も手伝って、09年半ば以降に顧客離れが加速し、両者の取扱量が落ち込んだ。ライバルの宅配会社幹部は「営業しなくても顧客がきた」と明かす。
 日本郵便の宅配便事業は赤字が続いており、ペリカン便吸収をテコに営業で攻勢をかけ、合理化を加速して損益を改善するもくろみだった。だが顧客離れが止まらなければ、業務の効率化にも支障を来しかねない。毎年2~3%のペースで減り続ける郵便を補う事業として期待された宅配事業だが、逆に足を引っ張る存在になりつつある。

ゆうパック:「お中元が届かない」百貨店、業者切り替えも 2010年7月5日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100705k0000m040076000c.html
 日本郵政グループの宅配便「ゆうパック」の集配作業の遅れが4日も続き、同便を使って贈答品などを販売している百貨店、名産品販売業者らは、宅配業者を切り替えるなど対応に追われている。7月上旬は「お中元」を配達するピークの時期とも重なり、消費者からは「指定した日に商品が届かない」などの不満も出ている。
 同グループの郵便事業会社で関西の配送拠点となっている大阪南港ターミナル支店(大阪市住之江区)。長さ200メートル、幅50メートルほどの建物内ではブルーの制服を着た従業員に加え、ジーンズなどの私服にヘルメットをかぶって作業する人の姿が目立った。非番の従業員もかき集めて、滞留した荷物の処理に追われた。
 「詳しいことは東京で聞いてほしい」。同支店の幹部は毎日新聞の取材に、緊張した面持ちで繰り返す。4日に東京都内の本社で会見した同社の鍋倉真一社長は「週明け早々に復旧する見込み」と強調した。
 配達の遅れは、中元シーズンに合わせ、旬の食べ物や地域の名産品を販売する業者に混乱を招いている。山梨県の桃販売業者には、知人に中元を贈ったが、遅配となった顧客らから「鮮度は大丈夫か」などの問い合わせが寄せられた。販売員の一人は「傷むことはないと思うけど、もしものことがあったら大変」と心配そうに語った。
 宮城県内のかまぼこ製造工場では、ゆうパックを集荷するトラックが通常、午後4時に来るが、7月1日は3時間遅れの7時ごろに到着。販売の責任者は「本当に2日の発送に間に合うのか」と不安を覚え、「一日も早く集配が正常化してほしい」と語った。
 影響は流通大手にも及び、大丸松坂屋百貨店の主力店舗「大丸東京店」(東京都千代田区)では、2日から一部商品の配達を「ゆうパック」から別の業者に切り替える作業を開始。4日までに対象商品は、顧客から配達日の指定を受けた計約2000個に上った。生鮮食品のように消費期限があるものは、代替品を送るなどの対応を行った。
 スーパー大手のイトーヨーカ堂は日本郵政側から3日になって集配遅れの一報を受け、ゆうパックを扱っている一部店舗に連絡。店頭では商品の配達を注文する顧客に対し、「届くのが遅れる可能性があります」などと伝えている。





 また、ゆうパックでトラブルですか…(うんざり
 ゆうパックと言えば、2004年末にも物流網がパンクして大幅遅配が発生した前科があり、また2008年初頭の年賀状の大量遅配問題も記憶に新しいだけに、今回のペリカン便との統合でも同様の運用トラブルが発生する可能性が高かったことくらい素人でも予想が付きそうなものですが、郵政民営化問題をどうするかのうんぬん以前に、当たり前の仕事ができていない時点で、自分達の処遇をどうするかを語る資格もないと思いますし、ホント いい加減にして欲しいものだと思います…(怒!!!
 皮肉にもアマゾンやセシール・ベルーナといった通販大手各社がペリカン便から佐川急便やヤマト運輸に配送委託先を切り替え大口顧客が減ったことで、宅配便のシェアも2007年当時の18.8%(うちペリカン便10.4%、ゆうパック8.4%)よりも大幅に減っているはず(ちなみに同年のヤマト運輸のシェアは38.2%、佐川急便のシェアは33.4%でした)だというのに、よりによってお歳暮や選挙関連配布物を送るこの時期に運用トラブルを引き起こすなんて致命的もいいところ。
 これまでは配達料の安さや過去の付き合いを理由にゆうパックを優先してきた官公庁や百貨店も、さすがに配送業者選定を再検討せざるを得ない状況に追い込まれてしまうのではないでしょうか…。

 それにしても、幹部の責任感と危機感の無さにも呆れ果てるというか何と言うか…(絶句
 生ものも含めて指定された期日に届かない状態になっているというのに『1日2日の遅れはよくある。今回は数が多いが、1日ぐらい遅れても大丈夫と思った』なんて発言を、もし個人シェアの大きいヤマト運輸や佐川急便の人間が行えば、たとえ職員でも左遷か自己都合退職扱い、幹部なら問答無用でクビだと思いますが、コスト削減ありきの運用を改めるなど、現在の経営体制を抜本的に変えない限り、今後も同様のトラブルを引き起こしかねませんし、この状態を黙認したまま放置し続けるようなことがあれば 3強どころか『安いけどサービスは最悪』の格好の見本扱いされかねない状況にまで追い込まれそうな気がします。


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