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井手元相談役欠席に批判相次ぐ 脱線事故被害者への説明会

2009-12-13 09:23:52 | Weblog
井手元相談役欠席に批判相次ぐ 脱線事故被害者への説明会  2009年12月13日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/091212/dst0912122154011-n1.htm
 JR福知山線脱線事故の報告書漏洩(ろうえい)問題で、JR西日本は12日、事故の被害者や遺族に対する説明会を兵庫県伊丹市のホテルで開いた。佐々木隆之社長は問題の背景同社の企業体質があったとした上で改めて謝罪。今後、社員が被害者の声を直接聞く場を設けるなど、被害者への対応策を進めていくことを表明した。一方、企業体質に影響を与えたとされる井手正敬・元同社相談役は姿を見せず、被害者から非難の声が相次いだ。
 佐々木社長は「事故調査の信頼を損ね、深くおわびを申し上げます」と謝罪。JR西のコンプライアンス特別委員会が11月にまとめた最終報告書で、同社を長く率いた井手氏による経営の“弊害”にふれられたことを念頭に「過度の上意下達や、縦割りの社内の風通しの悪さ、一体感の欠如もあり、自浄作用も機能していなかった」と、同社の組織風土の問題を認めた。
 その上で、社員が被害者の意見を聞く場の設置を検討すると表明。説明会も毎年開くほか、被害者の心のケアや日常生活の支援に取り組むことを報告した。
 説明会には漏洩に関与した山崎正夫前社長のほか、神戸第1検察審査会が業務上過失致死傷罪で起訴相当と議決し、神戸地検が再度不起訴とした歴代3社長のうち、南谷昌二郎元会長と垣内剛元社長は出席。井手氏が出席しなかったことについてJR西側は、幹部が井手氏宅を訪れ1時間半にわたり出席を求めたが、本人は「なぜ自分の名前が漏洩問題に出てくるのか分からない」「私が行っても会が紛糾するだけ」として応じなかったと釈明した。
 佐々木社長は説明会終了後の記者会見で、「被害者の立場として、われわれの立場として、ぜひ参加してほしい」としたうえで、今後も説明会への出席を求め、井手氏を説得していく考えを明らかにした。
 これに対し、事故で息子を亡くした女性(75)=伊丹市=は「井手氏はなぜ隠れるのか。自分が悪いことをした自覚があるからではないか」と指摘し、「彼のために批判にさらされるJR西の幹部が気の毒に思える」。長女が犠牲になった奥村恒夫さん(62)=兵庫県三田市=も「“井手イズム”がなければ、娘は亡くならなかったとさえ思う。JR西は『第二の井手』を生まないでほしい」と話した。
 説明会はJR西が漏洩問題の調査結果や改善措置をまとめたことを受けたもので、この日は午前と午後の計2回に約200人が出席。13日も同様に開かれる。



 井手正敬氏と言えば、87年にはJR西日本の副社長、92年には社長、97年には会長に就任し、その後の歴代社長にも睨みをきかせ続けていた住友銀行(現三井住友)で言えば堀田庄三氏や磯田一郎氏クラスの社内では天皇(法皇?)扱いのドンですし、脱線事故を引き起こす原因となったとされる利益追求編重の経営方針を導き出した張本人とされる人ですが、入院して絶対安静というのならばまだわからなくもないのですが、「私が行っても会が紛糾するだけ」という理由で脱線事故被害者向けの説明会に出席しないというのも解せませんね…(呆れ
 まあ、本人からすれば責め立てられるのをわかっていて、今更引退した会社の代表として晒し物にあうのはまっぴらというのが正に本音なのだと思いますが、この問題は関係者全てが事実を明らかにして抜本的な再発防止措置と社風の抜本的改革を行わない限り、今は緊張感から職員が安全を心掛けていても、何十年か経って事故を直接知らない若手社員が現場の中心になった時に、再び同様の悲劇を引き起こしかねないでしょうし、事故当時 実質的に会社の権力を握っていたのは紛れもない現実なのですから、いくら今は会社を離れていると言っても、最後のご奉公とばかり、事実をすべて明らかにして当時の最高経営責任者としての責任を果たすべきではないでしょうか。
 民事裁判への影響などを考慮すれば、下手に動くと藪蛇になりかねないという思いもあるのかもしれませんが、二度とあのような悲劇を起こさないためにも、当時の経営陣には全てを明らかにする道義的責任があると私は思います。


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