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ふくおかFG・十八銀、統合無期延期「協議は事実」

2017-07-21 16:51:27 | Weblog
ふくおかFG・十八銀、統合無期延期「協議は事実」 2017年7月21日 日経夕刊
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF21H07_R20C17A7EAF000/?n_cid=TPRN0003
 長崎県の親和銀行を傘下に持つふくおかフィナンシャルグループ(FG)と同県最大手の十八銀行は21日、経営統合の時期を10月から先送りすることについて「現在、両社で延期することを協議しているのは事実」とのコメントをそれぞれ発表した。寡占を懸念する公正取引委員会の審査をクリアできるメドが立たず、来週にも統合時期を「未定」とする方針を決める見通しだ。
 麻生太郎金融相は同日の閣議後の記者会見で、「両行とも地元のシェアはどんどん減っている。このままだと対応できなくなる」と述べ、統合の必要性を示唆した。


 同経営統合をリークした日経や政府は面白くなさそうですが、この組み合わせで経営統合されてしまうと、長崎県の中小企業の経営者の方は取引銀行を自由に選べなくなるリスクがかなり高くなってしまうんですよね…。
 長崎県の主要銀行と言えば地銀の十八銀行及び親和銀行、第二地銀の長崎銀行の3行体制ですが、長崎銀行は店舗網が23しかない西日本フィナンシャルホールディングスの完全子会社。
 そして親和銀行も経営不振もあり、2007年にふくおかFG傘下の完全子会社に。
 県によっては隣県の地銀が積極出店している地域と、逆に不可侵協定でも結んでいるのかと勘繰りたくなるようにお互い出店していない地域に分かれますが、長崎県と佐賀県はむしろ後者にあたり、佐賀県のリーディングバンクの佐賀銀行は長崎市内に1店舗・佐世保市内に2店舗しかありませんし、佐賀県の第二地銀の佐賀共栄銀行も佐世保市に1店舗を抱えるのみ。
 一定の経営規模以上だとメインバンクを信用金庫や信用組合にするというわけにもいかないでしょうし、シェアが減っている問題よりも、地元の経営者にとっては、銀行から見限られてしまった場合の駆け込み寺がなくなってしまうリスクや、望まない金融商品を購入させられるリスク、突然貸出金利を不当に引き上げられるリスク(借り換えできる金融機関が物理的になければ泣き寝入りです)など、これ以上選択肢を減らされたくないというのが紛れもない本音ではないでしょうか。
 どうしても統合を強行したいなら、例えば隣県の佐賀銀行に統廃合店舗を譲渡するなど、地元の経営者の選択肢を奪わない工夫をしないと、まとまる話もまとまらないと思います。


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