ガシャポン訴訟:バンダイナムコに賠償支払い 鹿児島地裁 2008年5月22日
毎日 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080521k0000m040118000c.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080520-OYT1T00713.htm
朝日 http://www.asahi.com/national/update/0521/SEB200805200012.html
「ガシャポン」などと呼ばれる玩具入りカプセルを誤飲し、重度障害を負った鹿児島市の男児(当時2歳10カ月)の両親らが、製造物責任法(PL法)に基づき、製造元のバンダイナムコゲームス(東京都)に約1億800万円の損害賠償を求めた訴訟で、鹿児島地裁は20日、同社に約2626万円の支払いを命じた。高野裕裁判長は「安全性を欠いていた」と構造上の欠陥などを認定。玩具の大きさを定めた業界団体の基準見直しを迫る判断となった。
原告側弁護士によると、玩具の誤飲でメーカーに製造物責任を認める判決は異例という。
判決によると、男児は02年8月、プラスチック製の球状カプセル(直径40ミリ)を誤飲し、約30分後に除去したが、低酸素状態などによる脳障害で自力で体を動かせないなどの後遺障害が残った。
同社は、日本玩具協会作成の安全基準が3歳未満対象の場合に直径31.8ミリ以上と規していることを挙げ「安全基準を満たし、誤飲の危険はなかった」と主張したが、高野裁判長は「3歳未満の幼児でも開口時の大きさが4センチを超えることは珍しくない。事故防止には基準の直径では不十分」と指摘。構造上の欠陥については「のみ込んだ場合に備えて取り出しやすくするため、角形にしたり、気道確保のための穴を複数設ける設計が必要だった」などとした。
判決は損害額を7954万円と算定。両親が事故防止の注意義務を果たしたとはいえないとして、同社の責任を3割とした。
同社は「判決文が届いておらずコメントできない」としている。
国民生活センターと同社によると、98年以降カプセルの誤飲事故は今回の1件のみ。07年に同種の玩具は同社で1400万個生産されたという。
こういう発言をすると、後遺障害が残った児童の親御さんやその近親者などからお叱りを受けそうですが、私はこの事件。製造した企業の側も、まさか4センチもの大きさの球状カプセルを飲み込むなんて、想像すらしていなかったと思いますし、その後に、事故防止対策を取る義務が課されるのは当然としても、さすがに損害賠償金まで認められるとは思っていなかったのですが、企業からみれば、随分厳しい判決が出たものだと思います。
ちなみに、この事故。当時2歳だった男の子が自宅で直径4センチのプラスチック製の球状カプセルを手にして走り回っていた時に、口に持っていった瞬間に誤ってのみ込んでしまったようで、母親が取り出そうとするも手が入る隙間がなく、病院で医療器具を使ってようやく取り出したものの、その間低酸素状態となったことが原因で、脳に重度の後遺症が残ってしまったそうで、判決では「3歳未満の幼児が玩具を取り出した後にカプセルで遊ぶことは予想でき、3歳前後の子どもの口の開く大きさが直径4センチを超えることを想像できたはずだ」「のみ込んだ場合に備えて取り出しやすくするため、角形にしたり、気道確保のための穴を複数設ける設計が必要だった」との企業の側に厳しい判断が下されました。
とはいえ、2歳児ならば、子供が勝手に買ったのではなく、親御さんが買い与えたと判断するのが妥当でしょうし、もし親御さんがプラスティックケースから出して中身を渡していれば、このような不幸な事故は起こらなかったのではないか…などと、私などはどうしても企業側に同情的な視点で見てしまうのですが、製造物責任に関しては、企業側にかなり厳しい判決が下されるケースが急増している印象を受けますね。
ちなみに、バンダイナムコゲームス側は、「判決文が届いておらずコメントできない」と控訴するかどうかは未定のようですが、子供が主要なお客様の会社だけに、下手に控訴すれば失うものの方が余程大きいと思いますし、このクラスの企業で2626万円の支払いならば、被害児童の症状を考慮すれば、見舞金だと思って素直に払い、問題にけりをつけた方が、企業イメージ上も無難な解決法だと思います。
毎日 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080521k0000m040118000c.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080520-OYT1T00713.htm
朝日 http://www.asahi.com/national/update/0521/SEB200805200012.html
「ガシャポン」などと呼ばれる玩具入りカプセルを誤飲し、重度障害を負った鹿児島市の男児(当時2歳10カ月)の両親らが、製造物責任法(PL法)に基づき、製造元のバンダイナムコゲームス(東京都)に約1億800万円の損害賠償を求めた訴訟で、鹿児島地裁は20日、同社に約2626万円の支払いを命じた。高野裕裁判長は「安全性を欠いていた」と構造上の欠陥などを認定。玩具の大きさを定めた業界団体の基準見直しを迫る判断となった。
原告側弁護士によると、玩具の誤飲でメーカーに製造物責任を認める判決は異例という。
判決によると、男児は02年8月、プラスチック製の球状カプセル(直径40ミリ)を誤飲し、約30分後に除去したが、低酸素状態などによる脳障害で自力で体を動かせないなどの後遺障害が残った。
同社は、日本玩具協会作成の安全基準が3歳未満対象の場合に直径31.8ミリ以上と規していることを挙げ「安全基準を満たし、誤飲の危険はなかった」と主張したが、高野裁判長は「3歳未満の幼児でも開口時の大きさが4センチを超えることは珍しくない。事故防止には基準の直径では不十分」と指摘。構造上の欠陥については「のみ込んだ場合に備えて取り出しやすくするため、角形にしたり、気道確保のための穴を複数設ける設計が必要だった」などとした。
判決は損害額を7954万円と算定。両親が事故防止の注意義務を果たしたとはいえないとして、同社の責任を3割とした。
同社は「判決文が届いておらずコメントできない」としている。
国民生活センターと同社によると、98年以降カプセルの誤飲事故は今回の1件のみ。07年に同種の玩具は同社で1400万個生産されたという。
こういう発言をすると、後遺障害が残った児童の親御さんやその近親者などからお叱りを受けそうですが、私はこの事件。製造した企業の側も、まさか4センチもの大きさの球状カプセルを飲み込むなんて、想像すらしていなかったと思いますし、その後に、事故防止対策を取る義務が課されるのは当然としても、さすがに損害賠償金まで認められるとは思っていなかったのですが、企業からみれば、随分厳しい判決が出たものだと思います。
ちなみに、この事故。当時2歳だった男の子が自宅で直径4センチのプラスチック製の球状カプセルを手にして走り回っていた時に、口に持っていった瞬間に誤ってのみ込んでしまったようで、母親が取り出そうとするも手が入る隙間がなく、病院で医療器具を使ってようやく取り出したものの、その間低酸素状態となったことが原因で、脳に重度の後遺症が残ってしまったそうで、判決では「3歳未満の幼児が玩具を取り出した後にカプセルで遊ぶことは予想でき、3歳前後の子どもの口の開く大きさが直径4センチを超えることを想像できたはずだ」「のみ込んだ場合に備えて取り出しやすくするため、角形にしたり、気道確保のための穴を複数設ける設計が必要だった」との企業の側に厳しい判断が下されました。
とはいえ、2歳児ならば、子供が勝手に買ったのではなく、親御さんが買い与えたと判断するのが妥当でしょうし、もし親御さんがプラスティックケースから出して中身を渡していれば、このような不幸な事故は起こらなかったのではないか…などと、私などはどうしても企業側に同情的な視点で見てしまうのですが、製造物責任に関しては、企業側にかなり厳しい判決が下されるケースが急増している印象を受けますね。
ちなみに、バンダイナムコゲームス側は、「判決文が届いておらずコメントできない」と控訴するかどうかは未定のようですが、子供が主要なお客様の会社だけに、下手に控訴すれば失うものの方が余程大きいと思いますし、このクラスの企業で2626万円の支払いならば、被害児童の症状を考慮すれば、見舞金だと思って素直に払い、問題にけりをつけた方が、企業イメージ上も無難な解決法だと思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます