goo blog サービス終了のお知らせ 

ファイナンシャルプランナーのニュースチェック

日々のニュースをFPの視点からチェックしてコメントします

株主総会対決その3 ノーリツ鋼機 社長の人事案が否決 役員5名退任!!!

2008-06-29 18:55:11 | Weblog
株主総会で社長人事案否決 ノーリツ鋼機、創業家が反対 2008年6月27日 西日本夕刊
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/31205?c=140
 写真現像機大手のノーリツ鋼機の株主総会が27日午前、和歌山市内で開かれ、大株主である創業家が反対していた喜田孝幸副社長(57)の社長への昇格人事案が否決された。上場企業の株主総会で、会社側提案の社長人事が否決されるのは異例だ。
 創業家側は代わりに、セイコーインスツルメンツ(現セイコーインスツル)社長を務めた茶山幸彦氏(60)を社長にする人事を提案、了承された。
 関係者によると、株式の5割近くを保有する創業家が、かつてのライバル企業との業務提携を推し進める現経営陣と対立していたことが背景にあるとみられる。
 茶山幸彦氏 71年富士銀行(現みずほフィナンシャルグループ)。セイコーインスツルメンツ社長などを経て07年11月から夢の街創造委員会監査役。富山県出身。

ノーリツ鋼機の「お家騒動」 2008年6月28日 産経
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080628/biz0806280846005-n1.htm
 会社側の社長人事案が否決された、写真映像機大手、ノーリツ鋼機の株主総会。「お家騒動」の背景には、退陣した旧経営陣と創業家の経営戦略をめぐる対立がある。
 昭和50年代、ノーリツ鋼機はカラー写真の現像からプリントまで45分で仕上げるミニラボを開発。「買い物中に終わる」と全国のスーパーにDPE店の進出を促す。ミニラボは世界中でヒットし、同社は「中小企業の鑑」といわれた。
 V字型成長を続けた同社を揺さぶったのが、デジタル化の波だ。平成12年ごろから普及したデジタルカメラの登場で、写真プリントはパソコンでできるようになる。この結果、DPE店は閉店が相次ぎ、15年3月期に786億円だった売上高は19年3月期に568億円まで激減していく。
 17年に創業者の西本貫一氏が死去すると、佐谷勉前社長はグループ全体で社員の4分の1にあたる約800人を削減。富士フイルムやセイコーエプソンとの提携に踏み切り、西本路線の“軌道修正”を打ち出す。これに「深刻な業績不振と株価低迷」(同社関係者)も加わり、創業家の怒りが爆発。社長昇格を含む役員人事拒否という強硬手段につながった。創業家の提出した役員人事の修正動議はこれといった質問もないまま可決され、株主総会は終幕を閉じた。
 「強制的に決まった感じがする。経営がおかしくなるのではないか」
 出席した同社の元取締役は不安そうに語る。多くの一般株主はあっけに取られていたという。
 「15年の米国滞在経験を生かして積極的に海外に出ていく」
 創業家を軸とする株主の支持を得て就任した茶山幸彦新社長は、株主総会後の記者会見でこう語った。
 同社の株主構成をみると西本氏の長女が社長を務める西本興産が42%、長女自身が5%を所有するなど創業家一族で48%超を占めている。米証券大手、モルガンスタンレーといった外資系企業も名を連ね、こうした株主が創業家に追随したものとみられる。関係者によると、創業家と茶山新社長は数カ月前から接触を重ねていたという。株主総会での実権奪還を周到に準備したことは間違いない。
 しかし、茶山新社長の取り組む課題は多い。主力のミニラボの国内市場は縮小の一途をたどっており、新たな収益源の確保が不可欠だからだ。“お家騒動”の後遺症も懸念され、「経営のプロ」を自任する茶山新社長の手腕に注目が集まっている。



 一方、会社側の社長人事案が否決されるビッグサプライズがあったのは、ミニラボの展開で有名なノーリツ鋼機。
 会社側は平成20年5月15日開催の取締役会で、副社長の喜田孝幸氏の内部昇格を打ち出していたのですが、この提案が創業者一族などの反対多数で否決。逆に創業者側が茶山幸彦氏を社長にする人事案を提案しあっけなく了承されてしまいました。
 どうやら、前社長の佐谷勉氏が創業者路線から外れ、ライバルとなる富士フイルムやセイコーエプソンと提携した上で社員の4分の1をリストラしたことに加えて、デジタルカメラの普及でミニラボ事業が不振になるなど、経営が時代の波に上手く乗れなかったことが原因で、株価と業績が低迷したことに創業家の怒りが爆発したようで、要はお家騒動で雇われ社長が腹心の部下に社長を譲ろうとしたものの、半分近い株を握る創業者一族に部下もろとも追い出された形になってしまったようですね。
 とはいえ、新社長となる茶山幸彦氏はそのライバルのはずのセイコーエプソンとも関係の深いセイコーインスツルメンツの社長をしていた方。新経営陣は従来の提携戦略を引き継ぐそうですが、前日まで社長と副社長をやっていた2人を含めた5人もの取締役が退任すれば、経営の混乱はまず避けられないでしょうし、新社長と部下3名(取締役2名、監査役1名)がどのような経営の舵取りをするのか、他の株主は不安に思いながらこの株主総会の結果を見守ったのではないでしょうか…。
 まあ、結果良ければ全て良しとも言いますし、これを契機に業績が上昇すればよいのですが、それだけに新経営陣の責任は重大だと思います。

新社長就任の挨拶はこちら
http://www.noritsu.co.jp/ir/president.html


コメントを投稿