石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

生活保護法改正案と生活困窮者自立支援法案の質疑

2013-06-20 23:11:46 | 活動レポート

遅くなりましたが、6月20日(木)の参議院厚生労働委員会で、「生活保護法改正案」と「生活困窮者生活支援法案」の質疑に立ちましたので、その模様を報告します。


生活保護法改正案の主なポイントは、以下の通りです:

  • 生活保護の受給申請にあたって、申請書と関連資料の提出が法律によって義務づけられた(申請の厳格化)
  • 受給開始にあたって扶養義務者にその旨を通知しなければならないことが法律によって義務づけられた
  • 受給開始にあたって扶養義務者に資産状況等の報告が求められることになった
  • 保護機関が金融機関等に扶養義務者の資産等の状況について
  • 後発医薬品(ジェネリック)の使用促進が図られることになった
  • 就労自立支援金が支給されることとなった(これによって就労の促進を図る)
  • 罰則の規定が強化された

ご覧いただければお分かりになるとおり、全て生活保護制度の運用を厳格化するものであって、それ故に、多くの方々が「国民の申請権を侵害するもので、水際作戦を合法化するものだ」と言って懸念を示されているのです。

私の質疑では、まずこの点を批判し、

  • 保護が必要な人に保護を実施することが大前提であって、まず政府はそのために何をするのか? 今回の改正を機に、あらためて生活保護制度の存在や意義について周知徹底を国民に広く行うべきではないか?
  • 水際作戦の存在を認めて、相談窓口でそのような対応が行われないように、自治体に対する監査や報告義務を徹底するべきではないか? また、窓口で申請を拒否された相談者が苦情を申し立てることが出来るよう、公的なホットラインを整備すべきではないか?

つまり、不正受給対策を強化することには一定の理解をしつつも、生活保護制度の趣旨から言って、むしろ不正な水際対策(=困窮状態にある申請希望者を窓口でさまざまな口実を用いて追い返す行為)が未だに蔓延っていることの方が深刻な問題であって、これに対する対策を強化しなければ、大きくバランスを欠いてしまうという主張です。


政府からは、自治体とも相談しながら対策を講じていくとの答弁を引き出しましたが、これ、今後もしっかりとチェックしていかないといけません。でなければ、今回の改正が、まさに水際作戦を合法化して、入り口を狭くするだけの改革に終わってしまいます。


続いて、生活困窮者自立支援法ですが、こちらは生活保護に陥る可能性のある生活困窮者の方々を早期に発見して、自立に向けた支援を幅広く提供しようというもの。趣旨は大歓迎なのですが、問題は具体的な中身。中でもカギを握るのは、自治体におかれる「生活困窮者自立支援相談窓口」。これが機能するかどうか、困窮者の状況に応じた適切な支援が提供されるのかどうか、です。それが出来なければ、生活保護の新たな水際作戦の一つとして使われかねません。

私の質疑でも、そのことを中心に問い質して、(1)相談窓口の支援員は、単に窓口に座っているだけでなく、積極的にアウトリーチ(訪問支援)にも取り組むこと、(2)相談窓口で困窮の状況が酷いと判断された時には、適切に生活保護の申請を促すこと、(3)自立支援計画を策定した場合、その計画の実施や見直しにも責任を持つ体制をとること、(4)自立の途中で困窮状態が悪化した時には、生活保護の申請につなげること、などを答弁で確認しました。

加えて、今回の自立支援法の下で提供される就労支援事業について、生活給付が行われないことを問題として指摘。第二のセーフティネットである求職者支援制度では生活補助費が支給されるので、制度的にバランスを欠くことになります。桝屋副大臣も「苦しい答弁になりますが」と答弁で述べて、問題があることを認識しておられる様子。この点は、ぜひ施行までに、しっかりした対応を検討して欲しいと思います。

以上、質疑の模様を報告しました。この二法案については、6月25日(火曜日)の厚生労働委員会で最終の質疑が行われます。ぜひその場で最後の詰めをしていきたいと思います。