保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

保津川下りも梅雨入りです。

2005-06-11 22:57:12 | 船頭
気象庁によりますと今日、日本列島の九州から東海、
関東の一部に至るまで「梅雨入り」したとの宣言がありました。

保津川下りの乗船場がある京都府亀岡市も、朝から
雨模様の一日となり、いよいよ梅雨入りの気配が
漂ってきた様です。

ここ最近、降雨量が少ない上、田植えの水上げも
重なり、川の水位が減少していた保津川にとっては
恵みの雨ともいえるのでしょうが、やはりこの
季節は正直、あまり好きにはなれませんね。

西方からは前線を伴った湿った空気を進んでくる梅雨。

日中の気温は、25度前後ですが、あの蒸し蒸し感が
なんとも馴染めないですね。
まあ~馴染める人などいないでしょうが・・・

湿度の高い空気は酸素濃度が低く感じられ、
身体を動かす仕事である私達船頭にとっては
不快度数もハイレベルに上がります。

まして雨など降ってる時には、カッパまで
着なくてはならないのです。
まるで、暖房を利かせた暑い部屋で、ダイエット用の
サウナスーツを着て、トレーニングに励む人のようです。

からっと爽やかな汗☆ではなく、満員電車でじっわ~と
背中を伝うあの汗の感覚ですね。
それが身体全身から流れ出し、嵐山に着く頃には
カッパを着ていたはずの体は、何故か?びしょ濡れ
なのです。

雨の雫に洗われた素晴らしい渓谷美、
増水してスリルの抜群の激流と、
まさに保津川下りの醍醐味を存分に
味わえる時期には、何やら相応しくない
お話になってしまいましたが、
これが船頭の梅雨に対する本音かな・・・

でもこの季節が無ければ、農作物も育たず、
川下りも夏を越す事が出来ないのも事実。

梅雨も自然の優しい恵みと感謝の心を忘れず、
仕事に精進していきたいと思っているはっちんです。







保津川では今、岩ツツジが満開です!

2005-06-10 18:02:52 | 船頭
以前も一度紹介しましたが、保津川下りの6月名物
「岩ツツジ」の花が今、満開です。

保津川の岩壁に咲く、この岩ツツジは、
昔、川の洪水でつつじの種が流され、その種が
岩の割れ目に入り込み根付いたといわれる
大変珍しいつつじで、天然記念物にも指定されています。

毎年、6月初旬ごろから、船が流れている16キロの
岩肌所々に赤い小さな花が咲き乱れる姿の鮮やかさ
は圧巻です。

保津川に自生する「岩つつじ」の特徴は、
厳しい自然環境に耐える為に従来の品種より
背丈を低くし、葉は流線形、花は小ぶりにして
激しい流れに耐えうる性質に変化している
ところです。


自然環境に適応して生き続けようとする姿は、
どんな厳しい状況に置かれても、逞しく生きる
事の大事さを教えてくれている様です。

こんな、可愛く美しい姿の中に、
逞しさも兼ね備えた保津川の「岩ツツジ」。

今週末は満開となった「岩ツツジ」を鑑賞しに
是非、保津川下りにお越しください。

お待ちしております。

世界の「水」がなくなる?

2005-06-09 23:32:15 | 船頭の目・・・雑感・雑記
「20世紀は石油の争いであったが、21世紀は「水」を
めぐる争いの時代になるだろう」
とは世界の識者が口を揃える言葉です。

船頭と「水」は切っても切れない関係ですが、
今、水の惑星・地球で深刻な「水の危機」が
進行しているのを皆さんご存知でしょうか?

私はっちんも恥ずかしながらこの深刻な事態を
2年前、京都で開催された国際会議「世界水フォーラム」
で知らされるまで、全くの無知な一人でした。

この開催時に、私はある雑誌の編集に関わっており、
この「世界の水問題」を特集した事で、深い
内容を詳しく知るに至ったというわけです。

そこでは水に恵まれた国・日本では夢にも思えない
衝撃の事実が、次々と報告されていたのです。

今、発展途上国を中心に世界各地で「水不足」
「水質汚濁」「洪水被害」等が日常的に発生し
多くの人の命が危機に晒され、これを起因として
「水」をめぐる紛争が各地で勃発しているのです。

昨日の新聞紙面にも「中国の多くの川の90%以上が、
工業排水により水質汚濁が進み、周辺住民の生活を
脅かしている」との記事が記載されるなど、年を追う後とに
「水危機」の深刻さの度合いは高まっているのです。

水惑星といわれる地球ですが、その水の97%が海水で、
残り3%が人の命を支える淡水なのです。でも、その
大半は極地の氷河や水蒸気、雲などの大気中にあり、
私達が使える川や湖、降雨など表淡水は僅か0.006%に
過ぎないのです。その中で、60億を突破した世界人口を
支えてゆかねばならず、人口増加が著しい発展途上国では
慢性的・絶対的な水不足によりる食糧難が、紛争を起こしています。

年間「水問題」で命を落としている人は発展途上国を
中心に500万~1000万人です。
人口増加に伴う一人当たりの水量の低下は食糧難を起こし、
その僅かに手に入る水も汚染され、病気に感染し死に至るという
悲惨な状態なのです。

この悲惨な事態を受けて、私達日本に住む者が、まず押えておきたいのは
この世界で起こっている悲劇に私達日本人が無関係ではないという事です。

日本は、世界では珍しく水の豊富な国です。
「水問題」といってもひと夏の渇水時しか思い浮かばない
馴染みのない問題です。

世界で争いが起こる様な深刻な事態といわれても、
日常生活に特に苦痛も感じないから感覚的にも
実感がわきません。

人が最低限生活するに必要な水量50リットル以下で
暮らしているいる国が62ヶ国・22億人もいて、これは
世界人口の3分の1に相当します。
しかし、私達のライフスタイルは、シャワー使い放題、
洗濯機の水は全自動、そのまま飲めるのに浄水器、
トイレまでウォシュレットです。

深刻な「水問題」も所詮は対岸の出来事。
少しのヒューマニズムもあるから、心が痛み
寄付や募金でもして、納得させるくらいです。

でも、世界の人達が「水」の問題で苦しんでいる
事態に、私達にも原因があるとしたらどうでしょう。

日本は農作物から工業製品、木材に至るまで、
殆どを輸入に頼っています。

それら製品は、現地の大量の水を使って作られており、
これを間接水とも仮想水とも呼んでいます。

たとえば、毎年500万t輸入される大豆の生産に必要な
水は22億t、これに家畜の餌となるとうもろこしなどを
合わせると52億tもの大量の間接水が使用されているのです。

この様に、輸入で入ってくる物資・製品全てに間接水が
使用されているのですから、物凄い量の水が
私達の豊かな生活を確保する為に、消費されているのです。

しかも、その現地の人達は、僅かの水しか与えられず、
その水も工業排水で汚濁しており、幼い子供達が
毎日死んでいるのにです!

私達は今、世界で起こっている深刻な
「水危機」の当事者なのです。

この問題解決に私達は、正面から向き合う
義務と責任があると考えます。

この「水問題」に対して新たな世界システムを構築しなければ、
20年後には深刻な事態を招く事は疑う余地がない、とまで言われる
この問題に私達日本人が出来る事は何なのでしょう?

あくまでも一国生き残りで、生存競争と経済競争を
推し進めていくのでしょうか?

「彼等の涙と犠牲の上に、私達の豊かな暮らしがある」

この事に気付く鋭い感性、その意識を高めることが
問題解決への出発点になると信じたいです。

保津川は今、田植えのシーズン!

2005-06-08 17:43:06 | 船頭
私達の仕事場である保津川は、京都府下一、
広大な農耕地を有する口丹波地域の農業を
支える‘母なる川’でもあります。

古くから‘京の都’の食を支えてきた伝統を
持つ口丹波の農業は、最近、流行しつつある
京野菜、丹波米などの『京ブランド』の生産地
と姿を変えて、今に伝わっているのです。

その保津川流域の広大な農地に稲を植える
‘田植え’が今、シーズンを迎えています。

今の時期に保津川下りに乗って頂くと、田植え
ならではの河川状況がすぐに分かります。

農業用水として保津川の水が吸い上げられる為、
この時期はどうしても川の水位が減少します。

そして、川の水の色も、田植え時期ならではの
色合いとなっているのです。

普段は魚が泳いでいる姿まで、観ることが
出来る透明度がある保津川ですが、今は
濃い黄土色です。藁や草なども流れてきて
泡状のアクの様なものも浮いています。

観光として見た場合、正直、美しい風景ではないでしょう。

でも、古代から農業は国の根幹、食は
人の命ですから。この時期は辛抱しなくては
なりません。

私達の仕事場・保津川は、険しく広大な山々を潤し、
豊かな農地をはぐくんでいます。
そして、昔より、物資の流通運河として栄え、今、
日本でも有数の川下りという観光資源を残してくれています。

川という自然から多くの恩恵を頂いている私達です。

自然の前には、ただ謙虚にそして素朴な感謝の心を
忘れてはいけない事を、この濁った水の色にみる
はっちんなのです。

今の時期に保津川にお越しなられた皆様、
そういうことなので、しばらくの間、
川の水の色には、ご容赦いただくようお願いします。


保津川下り、只今、修学旅行がピークです!

2005-06-07 21:58:03 | 船頭
6月に入り、保津川下りの乗船場には
全国から大勢の修学旅行生が訪れ、
若い活気で賑わっています。

先日もこのブログに遊びに来て頂いていた、
横浜の中学生・りこちゃんの事を書き込み
ましたが、中学校の修学旅行は今がピーク
なのです。

この時期の保津川下りに入っている予約の
約8割以上が、修学旅行生の団体なのです。

GW以後はどうしても観光業は閑散期です。
そんな時期に大勢の団体で来て頂く
学生さんは最も頼りになるお客さまなのです。

自分達の学校の出航を伝えるアナウンスが
流れると、乗船場の階段を勢いよく降りてくる
姿は、見ていても微笑ましく、こちらも
元気になる気がするのは不思議です。

大抵、一番前はやんちゃそうな男の子が
陣取るようですが、ムードメーカも
努めてくれるので、仕事がやりやすいですね。

途中、緩やかな瀬で、櫂を引く体験をさせて
あげると「よし!やってやる!」とばかりに
元気一杯挑戦してくれます。

まあ~彼らは大抵10回くらいすると
手が疲れて「ギブアップ!」するので、
その子達の尊敬を勝ち取る意味で
よく使わしてもらう手の一つですが・・

お互いに世代間のギャップを感じながら、
かみ合っている様な、いない様な楽しい(?)
会話を続けながら、川を下っていくのです。

中学の修学旅行で行った京都で、
保津川下りをした思い出が永遠に
皆の心に残るような、楽しい船旅を
演出したい。

このことをいつも思いながら、船を漕ぐはっちんなのです。


*写真は昨日、横浜から来たという
 中学生のみんなです。
 
 地元新聞・「京都新聞」の調べによると、
 去年、京都に来られた修学旅行生は約102万人で
 京都観光客全体の4%にもなるそうです。

 保津川下りでも全来客数の約7%を修学旅行生が
 占めているのです。

りこちゃん、ご乗船ありがとうございました!

2005-06-06 22:55:54 | 船頭
6月1日付けの「保津川下りの魅力は…世代を越えて」
のブログで、横浜の中学生・りこちゃんから
保津川下りをされる旨のコメントを頂きました。

そのりこちゃんが、約束通り今日の朝、
保津川下りに乗りに来てくれました。

しかし、残念な事にお会いして挨拶する
事が、叶わなかったのです!

折角、事前に連絡を入れてもらったのに
探し出す事が出来ず、りこちゃん、ごめんなさい!

私、はっちんも、りこちゃんのいる
「横浜市立・老松中学校」の予約を
事前にチェックし、その時間に間に合う様
出社してはいました。

老松中学校は朝一番の9時出航予定とのこと。

乗り場でりこちゃん達が来られるの
待っていたのですが、同じ時間に100名を超える
他の中学の生徒さん達も到着して、乗り場は
一気に学生パーワで溢れかえってしました。

こうなると探すのは容易なことではありません。

しかも、自分の出航の順番も近づいてきます。
慌しく準備にも取りかからなくてはいけません。

そのチョッとした間に、りこちゃん達の
老松中学は出航してしまったようです。

「もしかして、この中学生のグループがりこちゃん達かな?」
と思われる中学生も一瞬見かけたのですが、探せず仕舞いでした。

それから、しばらくして、船頭仲間としてお馴染みの
青山歩君から一本の電話が携帯に入っていたのです。

聞いてみると「コメントくれていたりこちゃん、俺の
船に乗ってたよ」という報告でした。

そうです。彼もこのブログのファンの一人で
彼女のコメントの事も、もちろん知っていて
教えてくれたのです。

そしてこの写真も歩君が撮っておいてくれました。

折角、事前に来る事を教えておいてもらったのに、
会う事も出来なかった残念な思いでいたはっちんに
とっては、りこちゃんを乗せた船頭が歩君で
よかった、ホントにラッキーでした。

りこちゃんは、横浜という遠いところから来られて
いるので、なかなか、京都に来れることもないかとは
思いますが、頭の片隅でも「京都で保津川下りを
した事」覚えておいてもらうと嬉しいです。

*写真の真ん中、白い服をきているのがりこちゃんとのことです。
 また、感想などあれば、是非、コメントくださいね。

PC、復活も、雹(ひょう)が降る大変な週末!

2005-06-05 23:46:45 | 船頭
今日、クラッシュを起こして始動停止になっていた
我が家もPCが復活しました。

PCは他の電化製品とは異なり、一度故障すると
修復がかなり困難ですね。

PCがクラッシュしてこのブログを更新できなかった
間に、保津川下りでは色んな出来事がありました。

まず、驚いたのが昨日の雹(ひょう)混じりの
激しい夕立です。

朝の天気予報で、昼から夕方に掛けて雷雨を伴う
激しい夕立があるとのことでしたが、まさかあれ程
激しいものとは、私の想定の範囲を越えていました。

はっちん達がその日、二回目の出航となったのは
午後の1時頃でした。
まだ、辺りの空は青空が広がり、厳しい日差しが
照りつける空模様でした。

川下り航路も終盤に近づいた頃、急に辺りが
薄暗くなってきたことに気付き、空を見上げると
濃い灰色をした厚い雲が一面に広がり出してきたのです。

今までの経験上、空がこの様な状況になると、
夕立がやって来るのはもう時間の問題です。

今にも降り出しそうな空模様に、私達船頭の仕事の手も
自然と速くなります。何とか降り出すまでに
逃げ切らなくてはならないからです。

渓谷の空に広がる灰色の雷雲を、背後に見ながら
終着地の嵐山を目指し押し下っていく、船一隻。

とうとう、稲光とともに雷鳴も響き出します。

降り出すと一瞬です。屋根の準備も整えます。

そうこうしてる間に、渡月橋が見えてきました。
ゴールはすぐそこ。夕立もすぐそこまで来てます。
「もう少し、降るなよ」祈る気持ちで、仕事の手に
力を入ります。

船は降りだす前に、着船場の桟橋に到着しました。
お客さんの顔にも安堵の表情が広がります。
「さすが、精進のいいお客さんばかりですね。」
「降りだす前に着きました」とはっちんが話すと、
お客さんの中から自然と拍手が起こりました。

直径10cmもある雹混じりの激しい夕立が、
降り出したのは、私達がJR嵯峨嵐山駅に着いた時でした。

私達の後から来る船は皆、この激しい夕立の
真っ只中にその身を晒されていたようです。

あまりにも激しい突風と雨に、船を川岸に着けて、
夕立が過ぎ去るのをじっと待ったそうです。

自然は瞬時にその表情を変え、猛威となって
容赦なく私達に襲ってきます。

その中を私達船頭は、自然に逆らうことなく
素直に合わせる術を学んでいきます。

それが、自然の中で生きる私達船頭の掟なのです。

*雷雲立ち込める嵐山の空
 亀岡では雹がふり、トタン屋根に穴が
 開くほどの激しさでした。

只今、PCクラッシュにつき、メンテ中!

2005-06-03 20:16:29 | 船頭
昨日から私はっちんのPCがまたまた、クラッシュ!

このブログの更新も昨日は断念しました。

実を言うと本日も修理が出来ていない状態で、
PC依存の我が家はもう大変な騒ぎなのです。

今日は同じ船頭仲間の青山歩邸のPCを
お借りしての書き込みです。

昨年末に一度クラッシュして以来、
どうも調子の悪かった我が家のPC。

ハードディスクの交換も施したものの、
やはり、完璧には修繕できなかったようです。

我が家では、このはっちんのブログの他に、
今年、町内会長になってしまったことから
集会の議題資料の作成、遊船の会議の資料作成
など、今、作らなければならない作業を
多く抱えていたのです。

そんな時でのこの事態!
本当に困りました。

まさに一寸先は闇、何が起こるか分からないですね。

やはり、やっとかなければならない事は
早めに掛かっておく事が大事ですね。

明日は、直ってくるか、
駄目なら、おニューを買うしかないか。
またまた、出費がかさむな~


保津川下りの魅力は・・・世代を越えて。

2005-06-01 23:36:15 | 船頭
日頃、生活していると、当たり前になって
気がつかない事って結構あるものですね。

私達、船頭の仕事も意外に同じかもしれません。

切り立った山々、岩を噛む激流などの雄大な自然
も毎日見ていると当たり前になり、その良さを
感じる感性が鈍り、本当の保津川下りの魅力に
気が付かないことがあります。

先日、この様な体験をしました。

その日は、初夏を思わせる日差しに涼やかな
谷風が吹き、気持ちいい川下り日和。

最前列にはシニアの方々のグループが座られました。

最初、最前列に座られたら川のしぶきが掛かったり
急流を落ちていく時にビックリされないか、
私達は心配しましたが、本人さん方は全く気に
止めないご様子。

急流で川水が顔に飛んできても「おお~凄いな~」
「涼しくて気持ちいいわ~」とご満悦です。

船が急流の難所を抜けて、緩やかな渕に入った時です。
最前列の老人が「わしらの歳になると、この様に
動く渓谷の景色を、ゆっくり見て眺める事は
なくなったな~」とぽっんと仰ったのです。

その言葉を聞き逃さなかったはっちんは、
櫂を引きながら、その老人に問いました。

「景色を眺めることがないってどうしてですか?」

すると老人は諭すようにゆっくりした口調で
「歳をとるとな~足が弱るんや、山深い所や
雄大な景色の所は歩いてはもう無理や、
遠くなったわ~行動範囲は少なくなるの~」
と仰るのです。

「けど、ドライブするとかあるじゃないですか?」と
とんちんかんな質問をするはっちん。

老人は小さく微笑みながら
「車は箱の中やろ、スピードも速いし、
直に自然には触れてるって感じやないし、
それにカーブとかあって長時間はしんどいわ!」
と答えられました。

続けて「その点、保津川下りはいい!こっちは座っている
だけで、雄大な自然の景色が次から次へと見られるのやから」
と嬉しい感想もまで。

「そうか、保津川下りにはそういう楽しみ方があったのか?」
と改めてそのお客さんに教えて頂いた様な気がしました。

私達の年代では、気が付き難い事ですが、
シニア世代にとって、山深い渓谷の景色を
のんびり腰掛けながら眺めて進む川下りは
自然を体感できる格好のレクリエーション
といえるでしょう。

日々の仕事に慣れてしまい、ややもすると忘れて
しまいがちな、保津川下りのかけがえのない魅力。

私はっちんも、常に「お客さんの目線にたったサービス」
を心がけ日々精進しているつもりですが、まだまだ甘いです。

これからも多くの人々のふれあいの中で、
本当に求められる保津川下りの魅力とは何か?
を真剣に追い求めたいと決意した出来事でした。