保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

不気味な霊気が漂う、老ノ坂の首塚大明神

2005-06-14 17:50:53 | スピリチュアル
国道9号線の京都洛西と亀岡の境に老ノ坂峠があります。
その峠の頂上近く、木の根道沿いに
酒呑童子の「首塚大明神」があります。

京都市方面から来ると、老ノ坂トンネルの手前に左に
入る小さな山道があり、その一本道を進むと
おのずと「首塚大明神」に行き当たります。

「首塚大明神」は、平安時代、丹波大江山を棲み家と
していた酒呑童子という鬼の首を、埋めたと伝えられる
場所に建てられています。

伝説によるとこの酒呑童子、夜な夜な都に現れては
金銀財宝を強奪、婦女子をかどわかすなどの
悪行の数々を行い、当時の都人を恐怖に陥れていました。

そこで武勇に長けた源頼光率いる当時の四天王に
酒呑童子討伐の命が当時の天皇から発せられたのです。

源頼光以下四天王は大江山千丈ヶ嶽に攻め上り、
苦心の末、酒呑童子とその一派を征伐したのです。

成敗した証拠となる酒呑童子の首を、都の持ち帰る
道中、この老ノ坂まで来るとその首が急に重たくなり
持ち上がらなくなったといいます。
四天王の一人力自慢で知られた坂田金時をもってしても
その首は動かなかったといいます。

やむを得ずその地に首を埋めた、その場所に
今の「首塚大明神」が祀られているのです。

首塚大明神の社は深い山の中腹にあり、小さな鳥居が
迎えてくれます。その鳥居をくぐると、やま道の様な
登りの参道が付けてあって、周囲の木々の影が覆い被さり
一気に道は薄暗くなってきます。
地面にも木の根が露出し、湿気をかき分けるような
なにやら不気味な気配が漂ってくるまさに木の根道です。

祠も小さく、なんとも寂しいたたずまいの‘社’です。

はっちんは、「首塚大明神」に行く時、亀岡側から入って行きますが、
道中も荒れた竹やぶや大きな木々がうっそうと茂り、薄暗く
社を目指して、奥に進めば進むほど、不気味な霊気が強くなる感じがして
背筋がさむくなる所でもあります。

説話では酒呑童子は、大江山を根城とする
盗賊や山賊の集団だったのではないか?と
云われており、華やかで雅な王朝文化の栄華のみが
伝わる平安時代で、その時代の影で漏れた人々の
暗部の真実、象徴だったのかもしれませんね。

今の神社は、源頼光に討たれる時、酒呑童子が
「死して後は首の患いの人達の為になりたい」と
これまでの罪を懺悔したことから、
首の病に霊験があると云われ、参拝されてるようです。

この「首塚大明神」から10歩程歩くと
「従是東山城」という道標が建てられており、
そこが京都と丹波(亀岡)の境をなしていたことを
今に教えてくれています。