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京のお盆・異界伝説‘六道まいり’が六道珍皇寺で。

2008-08-09 23:26:12 | スピリチュアル
いよいよ‘お盆’が近づいてきました。

京都でも16日にある「五山の送り火」まで
お盆行事が各所で目白押し。
これではお帰り下さる「ご先祖さま」ものんびりできない
のではないかな~と思うほど京都のお盆は賑やかです。

そんな京都でお盆シーズンの先頭を切るのは六道詣りで
有名な「六道珍皇寺」です。
平安時代弘法大師の師匠である慶俊僧都(きょうしゅんそうず)
が開いた古刹で「六道詣り」とはお盆の精霊迎えの行事です。

珍皇寺がある祇園の南、東山・四条通りを下がった
の門前の四ッ辻は「六道の辻」と呼ばれ、現世と冥界との
境目と考えられていた場所で、京都では珍皇寺のことを
「六道さん」と呼んで親しんでいます。
ここを入口に東山へ登った所に吉田兼好の「徒然草」に
出て来る鳥辺野の葬祭墓地もあったので、遠い昔、
死んだ人は殆どがこの地に運ばれてきたので「六道の辻」
と呼ばれたそうです。

「六道」とは「地獄・餓鬼・鬼畜・修羅・人間・天上」
という6種類の冥界の階級を指す言葉で、夏になると
帰ってくる霊を「せめて六道の辻までお迎えにいこう」
ということで始まったとも。

珍皇寺の境内にあるのが「鐘楼」で、その鐘の音は冥土まで
届き、死者の霊がこの世に呼び寄せられるという。
毎年盂蘭盆(うらぼん)の7~10日には、先祖の魂を呼び寄せる
「迎え鐘」として大勢の参拝者の手で打ち鳴らされます。

鐘はお堂の中にあり外から見えず封印されており、お堂から
垂れ出ている、撞木に繋いだ綱を引くことで鐘を鳴らします。
他の寺の様に‘叩く’というのではなく、綱を引くことで
鐘がなるという、まるで神社の鈴のようなつくりが面白いです。

鐘の音が冥土まで届くという珍皇寺には、冥土への入口がある
と信じられており、実際、ここから冥土と現世を往復していたと
いわれる人物が参議を務めていた「小野篁(たかむら)」です。
篁は奇才と呼ばれる特殊な優秀さがあった人で、昼は朝廷の仕事
をして夜は冥界でえん魔大王の片腕官吏として働いたといわれ
謎の多い人物で、私的にはとても興味のある人物。

篁は夜になると境内にある井戸から冥界へ入っていたと
いわれ、今もその伝説の井戸は残っています。
ちなみに出口は嵯峨の釈迦堂横にあったといわれています。

珍皇寺境内にある「篁堂」という小堂には篁の像の隣に
えん魔さまの像が安置してあります。(特別公開あり)

六道珍皇寺の鐘を鳴らし、ご先祖さまをお迎えする
行事で始まった京都伝統のお盆は16日のお見送り
行事である五山の送り火まで続きます。

☆六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)
 京都市東山区東大路通松原西入ル小松町595

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